突然のことだった。男の体が30m位投げ飛ばされた。やはり化物というのは凶暴だ。
私は2体くらい化物を追跡してきて、実際にそいつの力を見るのは初めてだった。男は落下し、私は男の方を見た瞬間、化物を見失っていた。
本部から撤退命令が出され、私は悔しながら本部に向かった。
本部に行くのは嫌だった。本部といってもただの薄汚い部屋だ。置いてあるものもど真ん中に机が一つと椅子が4つ、部屋の左端には食器や本など無残に押し込まれている棚、右端には全く使っていない冷蔵庫がある。窓は一応あるが、日差しははいってこない。そのため、中はすごく変なにおいがする。なんでこんな小屋にしたんだよとつっこみたくなる。
「佐野塚速目、ただいま帰還しました。」
と私は嫌な顔をしながら本部に戻ったことを伝えた。
「遅いぞ速目。」
と私から見て右側に座っているメガネのやつが言った。
彼の名は「井下晋平」。特殊部隊「MEB」の副リーダー的な存在。そういうのは隊長くらいしか決まってない。完璧主義で、何かやると何かしらのいちゃもんをつけてくる。
「男性に気をひかれてる間にMEを逃すとは・・・貴様はなにをしている!!」
「いや、あんたに援軍要請したのに、わかった~とかいいながら私の話を完全に無視して変なアニメを見ていたってことは無線でバレバレなんだよ!」
そう晋平に言い返してやった。
自分には関係無さそうにガラケーをいじくってるJKが「金田鷹音」という名前。彼女はネットにかなり詳しく、ある程度の情報は彼女の方に入ってくる。しかしこの子は生意気で、何もしてないときにもばーかばーかいってくる。まさにぐれっこというやつだな。
「鷹音も何か言ってよー。」
「なぜおまえらの口喧嘩に入らなきゃいけないんだこの阿保面どもが。」
むかっ!こいつにはお仕置きが必要だな。
「あれ、そういえば父さんは?」
「ああ、隊長なら用事があるといって出かけた。」
なぜ撤退命令を出した本人がいないんだ。
私の自慢の父さん「佐野塚勇」は特殊部隊「MEB」の隊長である。私たちをいつもまとめてくれたのが父さんだった。すごく強くてたくましくて、優しい人だ。私も父さんみたいなかっこいいヒーローになりたいなぁとずっと小さい頃から思っている。無論、今も・・・。
「隊長から伝言があるんだが・・・」
「それを早く言え。」と言わんばかりの目で睨みつけた。
晋平が私にある白衣を着た男の写真を見せた。
「彼は瀬戸川十郎。性別男。佐多民乃学園の教師で科目は化学。」
「で、この人とMEになんの関係が?」
どうやら十郎という男は、裏で何かの機械を製造しているという。どうやら私たちの部隊の研究チームに一時期いたらしい。そのいかにも怪しげな機械を見に調査してこいとのこと。
「がんばれくそやろー」
ますますいらいらしながら私は、佐多民乃学園へ移動した。
向かう途中で小腹がすいたので、近くのラーメン屋に寄った。「華流店」という名前で、噂によれば塩ラーメンがおいしいらしい。そういいつつも、私は噂に反して醤油ラーメンを頼む。ラーメン屋なんて大抵醤油を食べればおいしいかどうかわかるだろう。頼んで水を飲みながら待っているときに本部から連絡が入った。
「ME出現。場所は佐多民乃学園。急いで急行せよ。」
全く、人が腹を満たそうとしてるときに、鷹音ちゃんからのラブコール。こういうときはまじめなんだから。
私はすぐさまに店を出て学園へと向かった。本部から徒歩で十分でいける距離だったので走って現場に急行した。
・・・そして、校門前についた私は、2体の化物を見かける。片方はMEだ。ちなみにさっきからMEMEといっているが、あの記憶を盗っている化物のことを言う。MEとは「memory eater」の略称だ。形は様々で、オオカミみたいなやつもいれば、いま見ている豚みたいなやつもいる。なぜわかるかというと、あいつら特有のノイズみたいのを出す。これは相手に攻撃を与えると、そのノイズが発生する。どんな特性かは不明。私たちはこれを目印にしている。だが、もう片方のやつだが見た感じノイズが出ていない。MEの攻撃をかわしながらパンチを連発して出した。それが見事MEの顔面をとらえクリーンヒットさせた。そいつは色が赤く、テープみたいのを体に巻き付けていている。黄色い目をしていて、腰には何かカセットテープみたいのがついている。そして私は気付いた!こいつがその・・・!
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