シイ・ウィキーVSバゼル・ヘロン。あるボクシングの有名な試合である。開始早々シイがバゼルに猛攻撃を仕掛けいきなりダウンをとる。しかし、ダウンから立ち上がったバゼルが負けじと反撃するが、シイはそれを難なくとかわしすかさずジャブを連発する。このような展開がラウンド6まで続き、変化があったのはラウンド7のときである。バゼルのボディーブローが偶然にもシイの脇腹を直撃したことで試合が一遍し、今度はシイが倒される。これはもうバゼルのペースだと思ったのもつかの間、シイも死に物狂いでペースを奪い返そうとする。すごいのはここからだ!ロックアウェイやガゼルパンチといった技のバーゲンセール!かつ、どちらも一歩も引かない根性坐った試合になった!
「ぅうおおおおおーーっしいいぃぃ!!」
俺は声をあげながら立ち上がった。日付は四月の二十日、授業は4限の日本史、午前11時30分にちょうどなる頃の出来事である。それと同時に俺の目の前に黒い物体が近づいてくる。我ながらナイスな反射神経でその物体を白刃取りでとってみせた。物体の正体は出席簿であった。そして俺の目の前に、俺の机に右足をのっけて俺を指さしてきた女教師が俺にこう言った。
「廊下に立ちなさい、黒山創史!さもないとおまえにデンプシーロールをくらわせるぞ!」
やだね!と俺は当然のように言い、反抗します。だが、こいつと戦うのはマジでごめんだ。だってこいつガチ強いんだもん。ちゃんと理由付きで、この女教師「力寿友江」はライト級のボクサーで13戦13勝0敗13KOという戦績から見ても負け知らずの選手だ。しかも、フィニッシュブローはすべてそのデンプシーロールで、相手を病院送りにしている。簡単に技の説明をすると、振り子の原理で左右に体を振りながらパンチをぶちかます技だ。一発でも神経すっ飛ぶくらいのパンチなのに、それを何発も食らわされると考えるだけでも恐怖を植え付けられそうだ。
選択を迫られたとき、丁度いいタイミングで授業終了のチャイムがなる。すかさず俺は荷物をまとめて行きよいよく教室を飛び出した。力寿が何か言っていたようが、そこは聞かなかったことにするする。どうせ、まだ話が終わっていません!とかいったんだろ。お説教も十分です。
俺はある場所に向かった。教室を出てから左の階段に行き3階から1階に降り、玄関を出てすぐ右側に物置倉庫がある。そこに入り、バスケットボールが入ったかごをどかすと下に蓋のないマンホールがでてきてその中に入る。入ったと同時に動かしたかごが穴をふさぐかのように戻ってくる。実は部屋自体が傾いているため、そのような現象が起きるのだ。マンホールの穴を通っていくとあら不思議!まるで秘密組織の研究室ではないでしょうか。いろいろ散らかっていて、なんだかわけのわからないへんちくりんの機械や、世にも奇妙な生物のサンプルが入ったカプセルなどが置かれている。その隣にちょうどパイプ椅子があったので、そこに腰かけ深くため息をついた。するとそこに白衣をきた爺さんがやってきた。
「お前さん、またここにきたんか・・・」
俺を呆れたような顔でそういった。爺さんの名は「瀬戸川十郎」。担当は化学らしいが、いつもはこの部屋で色々な研究・開発を行っている。何を作っているかはトップシークレットだそうだ。
「いいだろ?どうせへるもんじゃあないんだし。」
「ここにいられると迷惑なんだよ。いるならまたわしの実験台にになってもらうぞ。」
「なりたかねーよ!」
俺の断りを無視して勝手に話を進める。いつものパターンです。前は何か変な薬を飲まされて、体中アリが入っているかのような症状に見舞われることもあった。そのことをこの爺さんにいったら、あ、そうと阿保面した顔で言葉を返された。その時はマジでイラッときた。しかし、今日はそういう感じではなかった。いつもなら大声であははと笑っているのだが、今の爺さんは本気で心配しているかのような目で俺を見つめている。そして、あるものを俺に渡してきた。
「なんだよこれ。ラジカセ?こんなの今時の高校生が貰ったってうれしくない代物だぜ。」
「そうだな。だが、それはラジカセであってラジカセ以上のものだ。」
何言ってんだこの爺さんは?と俺は馬鹿馬鹿しいと思った。だがラジカセ以上というものだから、奪い取るようにそれを持ってマンホールの穴を通って行った。上にあるかごをどかして地下室を出た。そしてそのラジカセを上に掲げ、目を光らせてニヤニヤしながらそれをまじまじ見た。すると、ふとなんとなく気づくことがあった。ドアが開いていたのだ。あれ、閉め忘れたのかな。そう思いながら外に出ようとした瞬間!
ガシャーンッ!!!!
突然の出来事だった。部屋の周りを見ると、バスケットボールやガラスが飛び散っていて、かごは外へ放り出されている。誰か入り込んだのか?馬鹿な、全然気づかなかった。俺は動揺を隠しきれなかった。それはさておき、冷静に考えるんだ。なんでかごなんか吹っ飛ばしたんだ?そしてがら空きになったマンホール・・・まさか!!俺は手に持っていたラジカセをズボンのポッケにいれ、急いでマンホールの下を降りた。
「爺さん!大丈夫か!」
周りを見た。そこには煙を上げている機械や投げ倒されて中身が飛び出てしまったカプセルがあった。ここはやばい。すかさず臨戦態勢をとる。そしていきなり左の方から誰かが爪をたてて襲い掛かってきた!その瞬間俺は相手の手首と首を掴み、背負い投げをしてみせた。相手は大の字に倒れる。気絶はしただろう。すると壊れた機械の後ろに隠れていた爺さんが出てきた。
「そいつを倒してはならない!今すぐにここを出るんだ!!」
「爺さん生きてたか!あんたの方こそ脱出しろよ。なんか色々やばいことになっているみたいだけど。助太刀するぜ爺さん!」
「違うんだ!そいつを倒してはならないのには理由が・・・!」
「クウウウウウゥゥゥゥオオオオオオオオオオオオォォォォーー!!」
そいつはそう奇声をだしながら立ちあがった。よく見ると、顔や体に黒いテープを巻き付けていて、片目しか見えない目で俺を見つめてくる。そうすると奴は走って俺のところまで距離を詰めた。俺はボクシングのスタンダードな構えをとる。相手の乱舞攻撃をかわし、ジャブを連発した。相手の動きが一瞬止まったので、躊躇なく右ストレートをぶち込み、そいつは結構な距離まで吹っ飛んでいった。その隙に爺さんと一緒に外へ出た。
「なんなんだよあいつ。なんでこんなとこを。」
「奴らはmemory eater。通称ME。まさかもうわしの開発したものに気づくとは、抜け目のない奴ら目!」
「もの?もしかしてこれが!」
ポケットに入れたラジカセを取り出す。そして爺さんが俺のラジカセを持っている手を掴んでこう言った。
「いいか創史!これは明日を創ることも出来れば、今日も終わらすことも出来る道具だ!これを使って奴らを・・・!!」
話しの途中で爆発音が割り込んできた。そこに、さっきのMEが飛び出してきた。しかし、少し様子が変で、肩のあたりが膨れ上がったの見た。それが色々なところに膨れ上がって、ついに破裂した!すると中から豚の顔をした人型が出てきた。
「ついにおこってしまった・・・。」
「え?」
爺さんの方を向いたとき、偶々倒れている男を見つけた。大の字に倒れていて、顔にも数か所殴られたあとがあるのを確認した。息が無さそうに見えるが・・・。そんなこと考えている間に、証拠にもなくさっきの豚野郎が雄叫びをあげながら突進してきた。俺はそいつの顔面に飛び膝蹴りを食らわせてやった。まさに、カウンター!だがその豚野郎はニヤリと笑った。
「う、うわあああああぁぁぁー!!」
といきなりさっきの男が声をあげた!
「頭が!頭が頭が頭が頭が頭が!!!頭がわれそうだああぁぁああーー!!!」
「いかん!創史!!生身でそいつを攻撃してはならない!!この男にもダメージがいくぞ!!!」
あの豚に攻撃しただけなのになんでアイツにも食らうんだ!?俺はその理屈がどうしても信じられなかった。目の前に起きていても信じることができなかった。そして俺はどうやつに攻撃すればいいんだ。俺の居やすかった環境をぶち壊されているから、このまま引き下がるわけにもいかねえ。あの男にダメージがいかずに豚野郎に攻撃する方法・・・。あの男にダメージがいかずに豚野郎に攻撃する方法を!
「創史!危ない!」
迂闊にも、アイツの突進攻撃を見事に俺の腹を直撃した。吹っ飛ばされ、体が宙を舞い、ゴロゴロと地面を転がっていった。どうすればいい・・・!
「創史よく聞け!ラジカセの側面に3つスイッチがある!それを全て左にスライドしたら、スイッチ側を上にしてへそより少し下のところにラジカセをあてろ!!早く!」
俺はなんとか立ち上がり、爺さん言われたとおりにしてみた。なんということでしょう!イヤホンをつけるところかひもが出てきて、何十にも重なってベルトのようなものになったではないでしょうか!俺が驚いている間に豚野郎が何かを察知したかのように爪を生やして、今度はラジカセを狙ってきた。やはりこのラジカセには、この場を打開する力があるきがしてきた。ごめんよと思いながら、豚野郎の股間を蹴った。そしたら豚野郎は股間を抑えながら飛び跳ねた。当然、男も股間を抑えた。俺は豚野郎との距離を離し、爺さんに次の指示はと急いで聞いた。
「今、お前が一番記憶に残っているものをイメージしろ!あとはなんとなくわかるだろ!」
言われたとおりにイメージをしてみた。すると、右手からカセットテープが出てきた。もうここまで来たら何も驚かない。あとはなんとなくわかるってことは・・・・・・・・・。
「これをこんなかにぶち込んで!!再生ボタンを押す!!!」
レエェーーディオ!!格闘技マニア!レディーゴーーー!!
なんだこれと言わんばかりの顔で爺さんを見た瞬間、下から2本のテープが交差しながら俺の周りを囲った。何も驚かないと言ったが、さすがにこれにはビックリした。俺が驚いている間、何か不思議なものに包まれている感覚がした。そして、俺を囲んでいたテープが俺の体にくっつき、空からヘルメットのようなものが俺の頭にかぶさった。そのヘルメットから顔面を保護するようなマスクが俺の顔を覆ったあと、体中から光が放出した。とりあえず無意識に顔を触ってみたら、顔がすごく硬かった!体をよく見ると、黒と赤のスーツにさっきの2本の交差したテープがくっついていて、手にはグローブがつけてあった。今俺が確認できたのはそれぐらいだった。
「ウゥ、ウギュオオアアアアーーー!!!」
豚野郎が俺のこの姿を見たとき、俺を恐怖したかのように泣いた。
「創史!その体なら奴に攻撃を加えてもいい!理由は後で説明する。」
「うおし!じゃあはっちゃかめっちゃかにいくぜええぇえーー!!!」
そう言って、俺は豚野郎の懐めがけてダッシュでむかった。豚野郎は生やした爪を大きく振りかぶるが、俺の方が一足も二足も速くそいつの懐に飛び込みボディーブローを脇腹に叩き込んだ!豚野郎はもだえ苦しんだが、男の方はなんともなさそうだ。今更だが、体が軽い!ものすごく軽い!!そして重い攻撃が打てる!そう思っていると豚野郎ががむしゃらに俺を攻撃してきたが、俺はそれを難なくとかわしながらジャブを出した。すると、あることに気づく。豚野郎が攻撃を受けるたびにノイズみたいなのがでていることがわかった。
「グヒイイイイィィィィィ!」
相手が怯んだ一瞬を逃さなかった。俺は相手に近づきながら体を左右に振った。スピードは次第に速くなり、相手にパンチを食らわせられる射程距離内に入った。
「これがデンプシーロールだあああぁぁー!!」
豚野郎の顔面にパンチを左右に食らわせた!これが見事に16発綺麗に決まった。豚野郎は倒れそうになったが、なんとかそれをこらえきった。俺はジャンプして両足を膝をまげた。そして体を捻りながら膝を伸ばし、相手の顔面に蹴りをかましてやった!ドロップキックである。蹴った後、反動で横に半回りしたらうつ伏せの状態で着地した。豚野郎はたまらず倒れ、そいつの体からはテープが出てきた。そのテープは俺の手のひらに集まり、カセットテープの形になる。そして豚野郎は、その姿を保っていられず消滅した。俺は立ち上がって手に入れたテープをラジカセに入れてみようと思い、ラジカセの停止ボタンを押す。オープンスイッチをスライドさせるとふたが横に開き、中に入っていたテープを取り出す。テープを取り出すと同時にさっきの姿から元の姿に戻る。手に入れたテープをラジカセに入れようとした瞬間・・・・・・。
ピシュンッ!!
俺の首元に何か刺さった。意識がもうろうとしていく・・・・。
「危険人物確保。」
「了解。その人物を連れて本部まで・・・。」
そう聞こえて俺は眠りについた・・・。
ここまで読んでいただきありがとうございます!また続きを投稿するのは不定期になりますが、また暇があったら見に来てください!それでは、またの機会に!!