ご意見ご感想お待ちしております。
宝塚記念が終わり、俺は夏季休業に入った。
7月8月は新馬戦が増えることや気温が暑すぎて馬を潰したくない馬主が多い事など様々な理由でGⅠレースが無く、GⅢレースばかりなのである。
なのでリフレッシュを兼ねて7月8月は北海道の牧場に放牧される馬も非常に多い。
俺も宝塚記念勝利のご褒美を兼ねて牧場へと帰ってきたのだが・・・。
「今年は天候が悪くて少し肌寒いな・・・」
どうやら今年は天候不順による冷夏になってしまったらしく、本土に比べれば幾分か涼しい北海道の夏が、今年は肌寒いほど涼しい夏になっている。
毎日雨続きで思うように放牧もできず、天候不順の影響で野菜類の値段の高騰。
飼葉だって湿気てしまわないように牧場長なんかは苦労していた。
俺たち馬もいつもと違う夏に何とも変な気分で過ごすことになったのだった。
そして9月、俺は美浦トレセンに戻ってきたが・・・。
「・・・あぢぃ」
冷夏の反動か、9月は異常なまでに気温が上がり、肌寒い気温に慣れてしまった俺はすっかり暑さに参ってしまった。
「どうですか?」
「ん~・・・体に異常は見られませんし、単純にこの暑さにやられてしまっただけですね」
獣医さんがそう言って耳から聴診器を外した。
「やれやれ、冷夏が続いたと思ったらこの暑さ。人間でも倒れて病院に運ばれてますからね」
「熱射病・・・ああいや熱中症と名前を変えたんでしたっけね。馬でも熱中症で死亡した例がありますから十分注意してくださいね」
獣医さんはそう言って山田トレーナーに諸注意を告げると去っていった。
「やれやれ、天気ばかりはどうしようもないな。9月も休んで秋天に直接いくか」
すまねぇ相棒・・・大変申し訳ありません母上殿。
知られたら・・・説教だろうなぁ・・・。
こうして俺は9月のレースを回避する事になってしまったのだった。
SIDE:掲示板
【爆走】インパクトターボについて語るスレ【暴走】
>001
以下のルールを守って楽しく語り合いましょう。
1.お互いの意見は尊重しましょう。
2.罵詈雑言は無視しましょう。
3.全く無関係な話題はなるべく避けましょう。
>002
スレ立て乙
>003
インパクトターボ 父:ツインターボ 母:イクノディクタス 馬主:室満男(代表者)
戦績:18戦15勝
主な勝鞍:02年GⅠ皐月賞 02年GⅠジャパンカップ 03年GⅠ宝塚記念 02年GⅠ日本ダービー2着 02年GⅠ菊花賞2着 02年GⅠ有馬記念2着
特記事項:皐月賞まで9戦9勝で皐月賞を勝利 連続連対記録18回(歴代2位) GⅡ以下無敗 全てのレースで逃げ(大逃げ)
・・・なにこの完璧超馬
>004
血統だけが非常にマイナーな分異常さが際立つな
>005
ダービーはタニノギムレットに、菊花賞はサムシングブルーにやられたけど、どっちも惜しかったよな
>006
血統的に長距離は苦手なのかもな
>007
いうてツインターボあのナリブ抑えて有馬取ったぞ
>008
あれは師匠の逆噴射装置が故障してたからだろ(笑)
>009
むしろナリブが逆噴射してたよな
>010
超ハイペースでシャドーロールの怪物潰すとか師匠はやっぱ師匠やったんや!
>011
今有馬の映像見てるんだけど鞍上との折り合いが悪いのかナリブだいぶ落ち着きが悪いぞ
>012
強いけど繊細な馬だからなぁナリブ
>013
それ言ったら師匠も繊細だが(笑)
>014
ツインターボが大逃げするのは他の馬が怖いからだっけ?
>015
ってことはインパクトターボも他の馬が怖いのか?
面子してるし
>016
調教師の話だと後ろから抜かそうとすると極端に苛立って言う事聞かないから大逃げになったらしいぞ
>017
師匠と違って息子は気性難なのか
>018
普段は大人しいと聞いたぞ
負けん気が強すぎるのが理由だと言っていたな
あとツインターボも結構気性難というか癖が強い性格だったらしいぞ
>019
それにしても皐月賞までに9戦9勝とか走らせすぎだろ
普通の馬なら絶対折れてる
>020
イクノ姉さんの血だねぇ
61戦走り抜いた馬なんてそうそう居ないぞ
>021
ついた名前が鋼鉄の女だもんな
>022
イクノ姉さんには現役時代なんど裏切られたか・・・
>023
人気無い時に限って勝つからな
>024
それにしても何でインパクトターボってこんなに成績がいいんだ?
>025
ススズと同じ理由だな
>026
どういうこっちゃ?
>027
ススズは大逃げで早いってイメージがあるけど足の速さ自体はそれほどでもない
ただ中距離の長さをマイルの速度で走り抜けられる息の長さがあったから大逃げで強かったんだよ
>028
仮にパクターの最高速度を8、ボリクリの最高速度を10とした場合
スタートから中盤を6で、ラストを8で走り切れるのがパクター
スタートから中盤を5で、ラストで10を出せるのがボリクリ
ボリクリの場合10出せるけど長続きしない、パクターは8までしか出せないけど殆ど落とさずにゴールまで走れる
この違いだな
>029
なるほど、つまりターボはスタミナがいいって事か
>030
長距離になるともたないからスタミナが、というよりは速度を落とさずに走れる足ってわけだな
>031
逆を言うと最高速度が低いからラストで抜かれると厳しいんだよな
>032
ギムレットやボリクリの末脚は強力だからな
>033
じゃあもしパクターの子供が最高速度がいい馬だったら・・・
>034
そこまで簡単にはいかないが仮にいたとしたらまさに最強の馬だな
>035
俺ちょっとパクターの子供予約してくる!
>036
個人馬主になるには年収1700万いるぞ
>037
0一つまかりませんか?
>038
馬の代金にもならんぞ
>039
オワタ
SIDE:インパクトターボ
気温が下がった事で体調も戻り、順調なタイムも出せたので、心配なしに天皇賞秋に参戦が決まった。
「ようやくお前に乗れるな相棒」
すまなかったな相棒。
また元気に逃げるからよろしくな!
こうして天皇賞秋を迎えた。
「さあ、今年もやってまいりました天皇賞秋。歴戦の馬たちが争いますこのレース。やはり注目はこの2頭。前年度覇者シンボリクリスエス。18戦15勝、宝塚記念を見事に逃げ切ったインパクトターボ。得意距離の近いこの2頭はすでに多くの激闘を繰り広げております。多くの観客がどちらが勝つのか注目しております」
そんな実況の声を聞きながらパドックを回る。
「5枠10番、インパクトターボ。2番人気です。前走の宝塚記念を見事に逃げ切りました。9月に体調を崩していたとの事ですが見た感じ全く問題はなさそうです」
今日は2番人気か・・・
まあ期待されてないって事は無いし今日もがんばるぞ。
「6枠11番、アグネスデジタルです。芝、ダート問わずの優秀馬です」
おっと、どうやら隣はアグネスデジタルらしい。
変わった馬だが知らない仲ではないし挨拶はしておこう。
「今日も負けないぜ。アグネスデジタル」
「デュフフ!拙者でゴザルかな!?」
あれ?こいつこんなキャラだっけ?
「おやおやこれはターボ氏ではゴザらんか!今日もよろしく頼むでゴザル!」
「お、おう・・・」
前回の陰鬱としたアグネスデジタルとは全然違う様子に俺はただただドン引くばかりだった。
「それでは拙者は急用を思いついたのでこれで!」
そう言って去っていくアグネスデジタル。
「・・・馬にも解離性多重人格とか躁鬱病ってあるんだな」
どちらなのかは分からないがあまりの変貌っぷりに思わずそう関心してしまった。
「8枠18番、シンボリクリスエス。1番人気です。去年の天皇賞秋を制した強者。二連覇なるでしょうか」
おっと、シンボリクリスエスがこちらにやってきたようだ。
「やあ、宝塚記念は負けちゃったけど天皇賞は僕が貰うよ。二連覇できたらきっとすごい褒めてもらえるからね」
「ならそれを阻止してやるさ」
俺たちは火花を飛ばした後、騎手の元へ移動する。
さあ相棒、レースの時間だ!
SIDE:実況
「さあ第128回天皇賞秋が間もなく始まります。スターターが旗を振り、ファンファーレが鳴り響きます。各馬が次々とゲートインしていきます。体制完了。・・・スタートしました!今日もインパクトターボが先頭を取りました。ローエングリンがその後ろ2馬身。ゴーステディが押して押してローエングリンを抜いてインパクトターボに並ぼうとしますがローエングリンも譲りません。インパクトターボ後ろの2頭を引き離そうとさらに押します。向こう正面に入りました。大きく離れてトーセンダンディがぽつんと一人。そこからさらに離れてカンファーベスト。少し離れてエイシンプレストン、テンザンセイザなどがこの位置。その外にシンボリクリスエスが追走しています。中団にはアグネスデジタルもいます。最後尾はツルマルボーイ。さあ第3コーナーに向かいます!先頭はインパクトターボ!譲りません!その後ろローエングリンとゴーステディが追いかけている!早くも中間1000メートルを通過!タイムは56.7秒とこれは早い!間が大きく空きましてトーセンダンディ。その後ろ3馬身にエイシンプレストン、テンザンセイザ、トーホウシデン!その外を回りまして差を詰めてくるシンボリクリスエス!後は内をついてサンライズペガサスです!アグネスデジタルはまだ中団で足を溜めています!最後方はまだツルマルボーイです!さあ第4コーナーから直線コースへ!逃げる逃げるインパクトターボ!リードは6馬身と開いている!ローエングリン懸命に追いかける!ゴーステディは一杯か!400メートルを切りましてようやくシンボリクリスエスがやってきました!もの凄い脚だ!アグネスデジタルも上がってきた!しかしインパクトターボも先頭を譲りません!並んでいる!アグネスデジタルが先頭にでたか!?いやしかしシンボリクリスエスです!シンボリクリスエスが抜き返して1着でゴールイン!2着にアグネスデジタル!インパクトターボ惜しくも3着です!」
SIDE:インパクトターボ
「ッシ!」
久しぶりのゲートから勢いよく飛び出す。
「んな!俺より先に行くだと!」
「悪いが譲らないぜ!」
同じ逃げ馬らしい馬を追い抜いて先頭を走る。
「待ちやがれこの野郎!」
もう1頭やや出遅れ気味だったが強引についてきた。
「ついてこられるかな!」
俺はさらに足を速めて後ろの2頭を引き離す。
いつもよりさらにハイペースになったが問題は無い。
「いいぞ相棒!このまま逃げ切るぞ!」
相棒もしっかりと押してサポートをしてくれる。
「くっそ!このままじゃぁ!」
先頭を取り損ねた逃げ馬に勝ち目はない!
譲ってなるものか!
俺はそのままのペースで中間を過ぎ、コーナーを曲がっていく。
「気張れよ相棒!シンボリクリスエスが必ずくるぞ!」
分かっているさ相棒!
直線に入ったところで後ろの2頭は限界が来たらしく落ちていく。
だが同時に強いプレッシャーがやってきた。
「どけどけ~!シンボリクリスエスのお通りだよ~!」
「来たか!今日も譲らないぞ!」
後方から一気に上がってくるシンボリクリスエス。
だが俺だって先頭を譲るわけにはいかない!
「負けるかー!」
「なにおー!」
必死に競り合う俺たち。
その時だった。
「うひょー!やっぱりライバル同士の鎬を削る戦いは前から見るに限りますぞ!」
「なぁ!いつの間に!」
なんとアグネスデジタルがいつの間にか俺たちを抜いて前にいた。
「チャンス!」
「しまった!」
アグネスデジタルに気を取られたせいで集中力が欠けた俺はシンボリクリスエスに抜かれてしまった。
そして末脚が弱い俺ではシンボリクリスエスはおろかアグネスデジタルすら抜けずに3着になってしまった。
や、やっちまっただー!
おらとんでもねぇことやっちまっただ!
すまない相棒!
俺より相棒の方がまずいじゃないか!
今更乗り替わりとか勘弁してほしいぞ!
やってしまった事に慌てたり落ち込む俺を相棒は首筋を撫でて気遣ってくれる。
その気遣いが猶更苦しかった。
SIDE:若井騎手
「すみません室さん、山田さん。自分のミスです」
これで降ろされるかもしれない。
そんな思いが頭の中を渦巻く。
「さすがはアグネスデジタルとシンボリクリスエス、と言ったところだな。末脚勝負になるとターボはどうしても不利だ」
山田さんの言葉通りターボの末脚はあまり強くない。
そして今日はアグネスデジタルに抜かれた時に明らかにターボの集中が乱れた。
あの時、俺がアグネスデジタルに気が付いていたら結果は違っていたかもしれない。
「それで若井君、君は降りるかね?それとも続けるかね?」
「まだ乗せてもらえるんですか!?」
室さんの言葉に俺は驚いた。
「私は馬の良し悪しも騎手の事も分からない。だが君とターボの信頼関係は良く分かる。きっと今更載せ替えてもターボが納得しないだろう。それにまだ3着だ。次は勝つ。その気持ちで努力しなさい」
「はい!」
そうだ!次は相棒と勝つんだ!
インパクトターボ 牡4歳 19戦15勝 主な勝鞍:02年GⅠ皐月賞 02年GⅠジャパンカップ 03年GⅠ宝塚記念 02年GⅠ日本ダービー2着 02年GⅠ菊花賞2着 02年GⅠ有馬記念2着
次回予告
ギリギリの勝利で夢を叶えた私
次に目指すは菊花賞
え?その前に強化合宿だって?
次回、第2シーズン第10話 いざ!夏季強化合宿!(ウマ娘)