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惜しくも負けてしまったジャパンカップ。
心からの走りができなかった事が原因だとして、私は山田トレーナーに頼んでメンタルトレーニングをする事にした。
肉体的にはもちろん精神的にも追い詰めたトレーニング。
もちろんカウンセリングを受けるなどして過度な負担がかからない様に注意する。
もう負けたくない。
もし負けたとしても戦った相手には恥ずかしくない走りをしたい。
その思いが私をさらに強くしてくれると信じて。
SIDE:キタサンブラック
ジャパンカップを回避して、私は有馬に向けてのトレーニングを積んできた。
サトちゃんとは別メニューを行い、テイオーさんとスズカさん、スカーレットさんに指導を受ける。
菊花賞は3人同着だった。
それは完全な勝利ではない。
今度こそ私が勝つ。
その思いと共に私はトレーニングを続けた。
SIDE:サトノダイヤモンド
私はマックイーンさん、ゴールドシップさん、ウォッカさんの指導の下トレーニングを続けています。
菊花賞は3人同着という結果に終わった事は私の中ではまだ喉に引っかかった小骨の様に残っています。
友人達に、ライバル達に勝ちたいという思い。
その思いが私を突き動かします。
次はきっと私が勝ちます。
SIDE:サムシングブルー
菊花賞はキタちゃんとサトちゃんと同着に終わってしまった。
的場トレーナーさんはよく頑張ったねと褒めてくれた。
でもやっぱりすっきりしない。
ちゃんと勝ちたい。
ライスお姉さまが何度も私の練習に付き合ってくれる。
私が得意な長距離の有馬記念。
長距離としては短い2500メートルだけれどもそれでも長距離は長距離。
的場トレーナーの為、ライスお姉さまの為、私は勝ちたい。
SIDE:推しウマ娘を応援する掲示板
>961
今年のお前らの押しウマ娘はどの子だい?
俺はキタサンブラックだな。
あの元気ッ娘でお父さんッ娘で演歌とか属性盛り過ぎだろ。
>962
俺はサトノダイヤモンドちゃんだな。
あの子になら踏まれてもいい。
むしろ踏んでくれ!
>963
俺はサムシングブルーちゃんだな。
やはりメカクレは至高だな。
>964
インパクトターボちゃんもいいだろ。
パドックで見栄を切ってくれるとか中々個性的でいいじゃないか。
髪の毛は染めてるのかな?
>965
URAのプロフィールによると地毛らしいぞ
ウマ娘の髪の毛は摩訶不思議だな。
>966
俺はスレッジハンマーだな。
あいつとならいいツーリングが出来そうな気がするぜ。
>967
ウマ娘がバイク乗るのかな?
>968
マルゼンスキーは時々スポーツカーに乗って爆走してるのを目撃されているぞ
>969
あの娘は一体何歳なんだ?
>970
ウマ娘七不思議の一つかもしれないな。
>971
話が逸れてるぞー
>972
次の有馬は誰が勝つか楽しみだな
>973
今年は生で見れるぜやったー!
>974
悲報:ワイ仕事で有馬無理
>975
仕事ニキ乙
こうして様々な思いを乗せて、有馬記念がやってきた。
「さあ、今年もやってきました有馬記念。あなたの夢、私の夢を乗せて走ります18人のウマ娘たち。今年一年の締めとなりますこのレースを制するのは誰か。中山競馬場は大勢の観客で埋め尽くされております」
SIDE:インパクトターボ
実況の声を聴きながら私は控室で準備を終えてパドックへ向かう。
出きる事は全部やってきた。
まだ負けるのは怖いけど、皆に誇れる走りをしたい。
チームの皆、イクノ先輩とツイン先輩、戦うライバル達。
私は、前だけを目指して走ります。
「さあ、今日走るウマ娘達を紹介しましょう!1枠1番シンボリクリスティ!有馬記念で有利と言われる内枠を見事手にしました!今年の天皇賞秋で見せた末脚は今日も炸裂するでしょうか!」
シンボリクリスティが衣装を披露して観客にアピールをして舞台裏に戻ってくる。
いつもの様にのんびりした表情で、何を考えているのか分からない。
次々と出場ウマ娘たちが衣装披露とアピールを終えて戻ってくる。
「3枠6番サムシングブルーです!今年の菊花賞をなんと3人同着で優勝という奇跡を起こしました!長距離はお手の物!有馬記念で単独優勝なるでしょうか!」
ルーちゃんはジャージを脱ぐと丁寧に畳んで床に置くと手を振ってアピールする。
相変わらず恥ずかしそうにはしているが、以前の事を思うと視線に怯える様子はなくなった。
「ブルー!父さんが見守ってるからなー!」
ブルーちゃんのお父さんが観客の歓声に負けない大声で応援する。
ルーちゃんはその声にちょっと恥ずかしそうにしたがなんとかアピールを継続する。
控えめのアピールタイムを終えるとルーちゃんが戻ってきた。
次は私の番だ。
「4枠7番インパクトターボです!今年の皐月賞、ダービーの2冠ウマ娘!菊花賞では4着と長距離は少し苦手の様ですが果たして2500メートルはどうでしょうか!?」
私は衣装の上から羽織っていたジャージを脱ぐと(ジャージを投げる必要は無いが大体のウマ娘は投げるので私も投げる)歌舞伎の見栄を切る。
観客の中にはもう馴染みになった人から「よ!逃亡屋!」と言った大向こうをかけてくれる。
海外のお客さんも居るのか「Oh!Amazing!」といった声も聞こえてくる。
「ターボちゃん頑張ってねー!」
観客の中にお母さんを見つけて私は手を振った。
お父さんは仕事が空けられないからと聞いていたのでお母さん一人だ。
アピールタイムが終わると私はジャージを拾いながら舞台裏に戻っていく。
間に何人か挟んでキタちゃんの番になった。
「6枠11番キタサンブラックです!先ほどのサムシングブルーと同着で菊花賞を優勝しました内の1人!皐月賞、ダービーは先行でしたが菊花賞では逃げに作戦を変えました。果たして有馬記念ではどんな作戦を立てるのでしょうか!」
キタちゃんもジャージを脱ぎ捨てて衣装を披露するとアピールをする。
流石にパドックで歌うのは禁止されているので歌いはしなかったが何やら軽く踊っている。
「ブラックゥゥゥゥ!」
何とも力強い声が聞こえてきた方をこっそり伺うとテレビで見た事ある男性、キタちゃんのお父さんが手を振っていた。
どうやら今日は応援に駆け付けたようだ。
お父さんに嬉しそうに手を振ったキタちゃんはジャージを拾って戻ってきた。
続いてはサトちゃんの番だ。
「6枠12番サトノダイヤモンド!菊花賞を同着で優勝した3人目!末脚が自慢です!今度こそライバルたちを差し切って勝利をつかみたいところです!」
お嬢様育ちなサトちゃんは綺麗にジャージを畳むと長い袖に隠れた手を振ってアピールする。
「お嬢様ー!頑張ってくださいねー!」
「ダイヤー!頑張るのよー!」
流石の名家なだけあって使用人を連れた貴婦人、サトちゃんのお母さんが優雅に手を振っていた。
サトちゃんは嬉しそうにお母さん達に手を振るとジャージを持って戻ってきた。
「7枠13番ファインモーションです!秋華賞、エリザベス女王杯を無敗で勝利しています!無敗の有馬記念勝者は誕生するのでしょうか!」
おっとりしたファインモーションさんもジャージをゆっくり脱いで畳むと手を振ってアピールする。
その後ジャージを忘れて戻りかけて観客に指摘されて恥ずかしそうに拾って戻ってきた。
「8枠16番スレッジハンマー!先日のジャパンカップでは見事1着!有馬記念も優勝を狙います!」
ジャージを荒っぽく脱いだスレッジハンマーが周りを煽るようなアピールをする。
流石にあまりにアレなハンドサインはしなかったがあからさまなヒールっぷりに観客もノリノリである。
でも一瞬だけ表情に変化があったがなんだったのだろうか。
スレッジハンマーはジャージを拾って肩に担いで戻ってきた。
大したトラブルも無くパドック披露が終わり、私たちはターフに向かった。
「また、皆で走れるね」
「はい、楽しみですね」
ターフに続く地下道。
何度歩いてもこの場所はレース直前の独特な緊張を私たちに与えてくる。
遠くから微かに聞こえる歓声、響き渡る複数の蹄鉄の音・・・。
「この前は追い抜かれちゃったけど、今日は負けないからね」
「今度こそ、私が一人で追い抜きます」
それぞれの思いを胸に、私たちはターフに向かう。
「さあ、レースの時間だ。いい勝負をしようね」
「「「はい」」」
私たちは暗い地下道を抜けてターフに出た。
SIDE:実況
「さあ!ターフに次々とウマ娘達がやってまいりました!改めて今日走るウマ娘達を紹介しましょう!1枠1番シンボリクリスティ!今年の天皇賞秋を勝利した実力ウマ娘!1枠2番アシダカグンソー!追い込みには定評があります!2枠3番パントマイマー!先行差しと自在な戦術は果たして炸裂するのか!2枠4番ホッポウセンキ!北国出身希望の星!3枠5番ナントクロス!ロングスパートが得意の追い込みウマ娘!3枠6番サムシングブルー!狙った獲物は逃さない!変幻自在の脚質は今日も優勝に狙いを定めている!4枠7番インパクトターボ!先頭は決して譲らない!大逃げ自慢の逃亡屋!4枠8番コクタンボクトウ!大きな体で他者を蹴散らします!5枠9番チャールズケリー!アメリカ出身日本育ち!5枠10番ガーデルマン!ドイツからやってきた留学生!鋭いまなざしで優勝を狙います!6枠11番キタサンブラック!かの有名な演歌歌手の娘さん!親子ライブは果たしてなるか!6枠12番サトノダイヤモンド!郷野家の御令嬢!狙うは優勝ただ一つ!7枠13番ファインモーション!秋華賞、エリザベス女王杯を無敗で勝利したまさに女王!無敗の有馬女王は誕生するのか!7枠14番フラワーフライデイ!後半の爆発力に注目です!7枠15番プリンスキー!名前は甘いが走りは甘くないぞ!8枠16番スレッジハンマー!今年のジャパンカップを制した直線番長!今日も優勝に向かって一直線です!8枠17番ホンダーカブ!スタミナ自慢のウマ娘です!8枠18番ミュータイプ!今日も優れた勝負勘でチャンスを逃しません!以上18人の紹介でした!ゲートの準備も整い、今スターターが旗を振ります!ファンファーレと観客の歓声が中山競馬場を包みます!次々とウマ娘たちがゲート入りしていきます!・・・スタートしました!好スタートはインパクトターボ、キタサンブラック、ファインモーションの3人!鋭い加速で先頭を取ったのはインパクトターボ!そのすぐ横につけましたキタサンブラック!ファインモーションは少し下がりました!4番手につけましたのはサムシングブルー!ここから大きく差が開きまして集団が形成されています!後方集団を引っ張るのはチャールズケリー!その外にガーデルマン!その後ろにシンボリクリスティがいます!ミュータイプが内側、サトノダイヤモンドがその外にいます!パントマイマーは今日は中団で待機しています!スレッジハンマーはちょうど中央にいます!早くも先頭は第1コーナーに入っていきますがファインモーションがインパクトターボとキタサンブラックに並ぼうという所!しかしこれは掛ったのか!?並ばれる事を嫌ったインパクトターボとキタサンブラックが加速するとファインモーションは並ぶのを諦めました!サムシングブルーの位置まで下がりましたファインモーション!向こう正面に入りまして後方集団にはコクタンボクトウ、ホッポウセンキ、アシダカグンソーなどがいます!最後尾はナントクロスがやや置いて行かれている様子!プリンスキー外から上がってサトノダイヤモンドの外につきました!フラワーフライデイは落ち着かないのかポジションが定まりません!その隙をついてホンダーカブが外に出ました!スレッジハンマーは周りを囲まれてしまったが大丈夫か!中間を過ぎまして先頭は変わらずインパクトターボ!その外にキタサンブラック!3バ身程離れてサムシングブルーとファインモーション!そこから5バ身ほど離れて5番手チャールズケリー!少し苦しいかガーデルマン!シンボリクリスエスは外に抜けている!ミュータイプは内側で狙いを定めている!サトノダイヤモンドは外に抜けていく!パントマイマーも上がってきています!プリンスキーはまだ我慢!スレッジハンマーは外に出るチャンスをうかがっている!ホンダーカブが中団まで上がってきました!コクタンボクトウ、ホッポウセンキ、アシダカグンソーはまだ足をためている!ナントクロスがロングスパートで上がっていきます!さあ第3コーナーから第4コーナーにかかります!インパクトターボとキタサンブラックが競り合ったままコーナーを曲がる!サムシングブルーがじりじりと差を詰める!ファインモーションちょっと疲れたか!後方集団を抜け出して上がってきたのはシンボリクリスティとサトノダイヤモンド!ようやく集団が崩れて抜け出してきたスレッジハンマーが懸命に追い上げる!さあ第4コーナーを曲がって残り300メートル!先頭はわずかにインパクトターボ!キタサンブラックも譲りません!サムシングブルーも並びかける!ファインモーションは疲れたか!シンボリクリスティとサトノダイヤモンドがファインモーションをかわして上がっていく!スレッジハンマーは出遅れが厳しいか!パントマイマーとホンダーカブは前をふさがれています!先頭はインパクトターボとキタサンブラック!サムシングブルー懸命に追いすがる!シンボリクリスティとサトノダイヤモンドが一気に上がってきます!残り100メートル!坂を懸命に上がって!先頭は僅かにインパクトターボか!キタサンブラックも粘る!サムシングブルーはどうか!シンボリクリスティとサトノダイヤモンドが追い付いた!5人が並んで!どの娘が勝者に!最後にわずかに抜け出したのはシンボリクリスティだ!シンボリクリスティが有馬記念を制しました!」
SIDE:インパクトターボ
「ッシ!」
ゲートが開くと同時にいつも通りに飛び出す。
「勝負だよターちゃん!」
「うふふ、やりますね」
菊花賞と同じくキタちゃんが並んできた。
ファインモーションさんも好スタートだったが逃げではないので下がっていく。
「ついてく!ついてく!」
いつも通り後ろにはルーちゃんがいるみたいだ。
サトちゃんはいつも通り後ろだろう。
なら私はいつも通り飛ばしに飛ばすだけだ!
「キタちゃん!ついてこれるかな!」
「もちろんついてくよ!」
私は勢いよく地面を蹴って前に進む。
1回目のスタンド前を通過して第1コーナーから第2コーナーに入った時だった。
「これは行けそうですね」
後ろにいたファインモーションさんが前を狙って上がってきた。
想定外の出来事だったが私はさらに速度を上げて先頭を譲らなかった。
もちろんキタちゃんも私を追いかけて速度を上げてくる。
「あらら・・・これは失敗しましたね」
どうやらファインモーションさんの予測とは違った結果になったらしく少し悔しそうに下がっていった。
「邪魔しないでください!」
ルーちゃんがファインモーションさんを抜いて前に出てきた。
予定外の加速に少しスタミナを消費してしまったが大丈夫、私はまだいける!
そのままキタちゃんと競り合いながら向こう正面を走りきって第3コーナーに入った。
「ここ!」
ルーちゃんが速度を上げて私たちに迫る。
「これは・・・ちょっと無理そうですね」
ファインモーションさんの悔しそうな声が聞こえてくる。
「待て待てー!私だって負けないよー!」」
クリスが上がってきた。
「皆さん捕らえましたよ!」
サトちゃんもやってきた。
「チクショー!すまねぇお袋ー!」
スレッジハンマーの叫びが聞こえてくる。
譲らない!負けたくない!
皆の気持ちはきっと同じだろう。
私たちはゴールを目指して全力で走った。
そして、僅かにクリスが前に出たところがゴールだった。
「やったぁ!これで会長に怒られずに済むよぉ!」
私はまた負けてしまった・・・。
「ああ・・・悔しいなぁ・・・」
「本当に・・・悔しいね・・・」
「悔しいです・・・」
「あと少しでしたが・・・悔しいです」
こうして私たちの1度目の有馬記念は終わってしまった。
育成目標:有馬記念を3着以内に入る CLEAR
サムシングブルー 初期能力(☆3時)
スピード:86 スタミナ:100 パワー:82 根性:100 賢さ:84
バ場適性:芝A ダートG
距離適性:短距離G マイルD 中距離B 長距離A
脚質適性:逃げB 先行A 差しA 追い込みB
成長率:速0% 体20% 力0% 根10% 賢0%
スキル:初期所有 徹底マーク 深呼吸
覚醒:Lv1長距離直線〇 Lv2クールダウン Lv3長距離コーナー〇 Lv4全身全霊
固有スキル:ハンティングチャンス! 説明:最終コーナーにて好位置にいた場合狙いを定めて加速力を高める
次回予告
俺の最後のレースになる有馬記念。
多くのファンが俺との別れを惜しんでくれる。
ゼンノロブロイ!俺の全てをかけて勝負だ!
いくぞ相棒!最後のレースだ!
第2シーズン第14話 ラストラン(馬)