これが逃げるという事だ   作:福泉

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第2シーズン第18話、お待たせいたしました。
ご意見ご感想お待ちしております。


第2シーズン第18話 忘れ物(ウマ娘)

とある日の風景・・・。

 

「そこまでだ!怪人アカチャンニシテヤルノ!正義のヒーロービコーペガサスと!」

「正義のロボットバクソウオーが相手だぁ!」

「あらあら~」

どうやら同じ中等部でヒーロー物ファンのビコーペガサスとロボット物ファンのバクソウオーがスーパークリーク先輩相手にヒーローごっこをしているようだ。

方向性は多少異なるもののごっこ遊びが好きな二人は意気投合したらしくこうして一緒に良く遊んでいる。

そんな二人の相手をしてくれるのは大体は面倒見の良い先輩ウマ娘やノリの良い先輩ウマ娘が多い。

「うふふ!今日はどうしちゃいましょうかね~」

うん、それは別の意味で怖いですスーパークリーク先輩。

近くで見ているタマモクロス先輩も若干青い顔をしている。

「さあさあ一緒に悪戯しちゃいましょうね~ウインディちゃん」

「わかったのだ~!」

悪戯好きで有名なシンコウウインディもごっこ遊びを一緒にしている。

「わわ!どうする!?ビコーペガサス!」

「大丈夫!こっちもスケットを読んであるから!」

「呼ばれたので参上した。マキシマムだ」

おおっと、今日は珍しいウマ娘が一緒に居る様だ。

「あらあら~、だったらこっちも秘密兵器を投入よ~」

「了解、ミホノブルボン発進します」

うん、非常に似合ってない気がする。

「ではブルボンの相手は私がするとしよう」

「いっけー!マキシマム!」

そう言って相対する二人。

「・・・かかってくるが良い」

「・・・・」

「何故だ?何故動かん?私では興が乗らんとでも言うのか?」

「ピーッ、バッテリーが不足しています。セーフティモードに入ります」

「・・・認めたくないものだ。己の若さ故の過ちを・・・」

「いやどないな状況やねん!」

関西出身の性でタマモクロス先輩が思わずツッコんでしまった。

・・・まあギャグアニメなら良くあるパターンでは?

それにしてもミホノブルボン先輩もマキシマムも案外ノリ良いのね。

どちらも無感情系キャラだったので意外だった。

 

そして有記念の半月前・・・

 

「・・・という訳でサトノダイヤモンド、帰って参りました」

「「「お帰りサトちゃん」」」

サトちゃんがフランスから帰ってきた。

と言っても短期留学を終えた訳ではなく有記念に出走する為だけの一時帰国だ。

年明けと同時にまたフランスに戻り、本格的に戻ってくるのは来年の4月になる。

「サトちゃん凱旋門賞は大変だったでしょ」

「はい、慣れない芝に変わった形のコースと戸惑う事ばかりでした。フランス語も覚えるの大変でしたし」

日本の芝に比べて西洋の芝は走り辛い分足への負担が少ないと聞く。

サトちゃんのパワーでもどうやらフランスの芝は辛かったようである。

「でもいい経験になりましたから有記念は私がもらいます!」

「わ、私も負けません!」

「私だって負けないよ!」

「絶対に今度は逃げ切ってみせるからね!」

全員気合十分で有記念を迎えた。

 

「大丈夫・・・私は行ける・・・」

控室で衣装に着替えながら私はいつものように呟く。

今までだって楽な戦いは一度も無かった。

だからこそライバル達に勝ちたい思いはどんどん強くなる。

特に秋3冠がかかっているとなるとプレッシャーはさらに大きい。

「ターちゃん、応援にきたの」

「アイネス先輩・・・皆さんは?」

「場所取りに行ってくれてるの。それに皆で来ても邪魔なだけなの」

確かに控室はそこまで広くはない。

でも全員入れない程ではない。

きっと私に必要以上のプレッシャーが掛からないように気を使ってくれたのだろう。

「それとお客さんなの」

「インパクト、体調管理は万全ですか?」

「インパクトー、今日も頑張って逃げ切るんだぞ!」

「はい、イクノ先輩、ツイン先輩」

この二人に見守ってもらえるのならきっと大丈夫だ。

「今日もきっと勝ってみせます!」

「それでこそインパクトです」

「おう!流石だな!」

イクノ先輩に優しく頭を撫でてもらって私はさらに気合が入った。

よし!レースの時間だ!

 

「さあ、本日出走いたしますウマ娘達のパドック披露の時間です」

私たちはステージ裏で順番待ちをしている。

そんな時、私は声をかけられた。

「ふふ、勝負では初めましてですね」

「ロブロイ先輩」

そこに居たのは勝負服に身を包んだロブロイ先輩だった。

「貴女との勝負、ずっと楽しみにしてましたから」

「ありがとうございます。お互いに全力を尽くしましょう」

私たちは硬く握手をした。

「1枠2番、ゼンノロブロイです。物静かな外見からは考えられない末脚の持ち主です。眼鏡の奥に潜む冷静な瞳でレース展開を読み切れるでしょうか」

ファンの皆さんに丁寧にお辞儀をしてロブロイ先輩はステージ裏に戻ってきた。

「おう、今日は負けねーぞ」

「スレッジハンマー」

「オレ様もがんばってアイツに箔をつけてやらねーとな」

そう言って笑うスレッジハンマーの表情はとても柔らかく自然なものだった。

以前の敵意剥き出しのスレッジハンマーからは想像もできない。

「いい人なんだね」

「・・・さあな」

それだけ言うとスレッジハンマーはステージへと出て行った。

「2枠3番、スレッジハンマーです。最終直線での爆発力は見ものです。今日もヒールな見た目にファンがヤジを飛ばします」

すっかりスレッジハンマーに対するヤジが固定してしまったようだ。

まあ本人もファンも楽しんでやっているのだから問題は無いけど。

「さあ、私の番だ!」

私は係員に促されてステージへと出ていく。

「2枠4番、インパクトターボです。秋2冠を制した注目のウマ娘。全てのレースを大逃げするという傾奇者。果たして今日このウマ娘を捕らえる娘は現れるのでしょうか」

私は何時もの様に見栄を切る。

勿論一番に見せるのは私の両親に、だ。

今年は何とか休みを取って二人で来てくれた様だ。

周りで一緒に応援してくれているのはどうやら父のお得意様の様だ。

こんなにも応援してくれるなんてとっても嬉しい。

ノリの良いファンの人たちからの大向に答えながら私はステージ裏に戻った。

「行ってきますね」

「行ってらっしゃいルーちゃん」

ルーちゃんが私と入れ違いでステージに出ていく。

「3枠5番、サムシングブルーです。狙った獲物は逃さない。自在な作戦で優勝を狙うハンター。今日はどんな作戦で優勝を獲得するのでしょうか」

ルーちゃんもご両親を見つけたようで嬉しそうに手を振っていた。

パドック披露は順調に進んでいく。

「次は私だね」

「キタちゃん行ってらっしゃい」

「4枠7番、キタサンブラックです。インパクトターボとの逃げ合戦が記憶に残ります。今日も元気なお祭り娘です」

「ブラックゥゥゥゥ!」

今年もキタちゃんのお父さんの力強い声援が聞こえる。

流石現役演歌歌手、肺活量が違う。

キタちゃんは嬉しそうに右手を突き上げるとステージ裏に戻ってきた。

「最後はサトちゃんだね」

「はい、行ってきますね」

サトちゃんがステージに出て行った。

「4枠8番、サトノダイヤモンドです。可憐な見た目からは分からない強烈な末脚。最終直線に注目です」

今年はご両親揃っての参観らしく沢山の黒服を連れた男性と女性がサトちゃんに手を振っていた。

流石名家のご両親。

お母さんの時は使用人が数人だけだったが流石にご両親が揃うと色々と大変なのだろう。

サトちゃんが披露を終えて戻ってきた。

「今日も全力で逃げるね」

「一人では行かせないよ」

「ついていきますね」

「最後の直線が勝負です」

私たちは笑顔で見つめあう。

「はぅ~・・・素晴らしい友情!滾りますぅ~!」

「・・・あの~アグネスデジタル先輩?」

「ほわぁ!デジタンの事はその辺の小石と思ってぇ!?」

「いえ・・・その・・・順番だって係員さんが怒ってますよ?」

「あ・・・自意識過剰でした・・・鬱だ死のう・・・・」

トボトボとアグネスデジタル先輩が出て行った。

「6枠11番、アグネスデジタルです。芝ダートのオールラウンダーです。少し元気が無いようですが大丈夫でしょうか?」

う~んちょっと悪い事しちゃったかも?

どうやらアグネスデジタル先輩はテンションの影響が強い人の様だ。

かなりしょんぼりした様子のアグネスデジタル先輩を見たトレーナーさんが頭を抱えている。

「連覇すれば会長も怒らないよね~」

「・・・それで前向きになれるのならそれでいいと思うよ」

クリスティは相変わらずの様だ。

やっぱり覇気の無いままステージに出て行った。

あれでレースに強いんだからもうちょっとやる気出せば良いのに・・・。

「6枠12番、シンボリクリスティです。去年の有記念を制した強力な末脚。のほほんとした表情の下で何を考えているのか不気味なウマ娘です」

やっぱりルドルフ会長がクリスティを睨んでいる。

大変なんだろうなぁ・・・。

パドック披露を終えた私たちは地下道に向かった。

 

「全員で競うのは久しぶりだね」

「去年の有記念以来ですね」

「た、楽しみですね。やっぱり皆で走るのが一番楽しいです」

「そうだね。他の誰かと走るより、皆と一緒に走る方が楽しいね」

どうしても勝負と言う形である以上差は出来てしまう。

それでもこの4人で走るレースはやっぱりとても熱く楽しい。

だからこそ負けたくない。

特に今回の有記念は私にとっては秋3冠の掛かったレースだ。

来年もこの条件を達成できるとは思えない。

私が強くなると同時にライバルたちも強くなるからだ。

新しいライバルだってデビューしてくる。

今回が最初で最後のチャンスと思って決めるんだ。

応援してくれる皆の為に。

 

SIDE:実況

 

「さあ間もなく始まります有記念。今年の締めのレースのであります有記念。今年はどのウマ娘が勝利するのでしょうか。注目は去年の勝者シンボリクリスティ。そして現在秋2冠のインパクトターボ。この2人が勝つのか。はたまた他のウマ娘が勝つのか。注目のレースを一目見ようと多くのファンがこの中山競場に押し寄せています。さあ今日出走するウマ娘を振り返ってみましょう。1枠1番ツルマイボーイ。1枠2番ゼンノロブロイ。2枠3番スレッジハンマー。2枠4番インパクトターボ。3枠5番サムシングブルー。3枠6番ウィンドブレイブ。4枠7番キタサンブラック。4枠8番サトノダイヤモンド。5枠9番チェストヨコヤマ。5枠10番ダービレッグ。6枠11番アグネスデジタル。6枠12番シンボリクリスティ。7枠13番レッツプレンティ。7枠14番ネイティブバイオ。7枠15番リンリーン。8枠16番チャクラム。8枠17番タップダンスシティー。8枠18番ビターココア。以上18人フルゲートでのレースです。ゲートの準備が終わりましてスターターが旗を振ります。ファンファーレです。ファンファーレに促されてウマ娘たちが次々とゲートに入っていきます。体制完了。・・・スタートしました!さあ好スタートを切ったのはインパクトターボ、キタサンブラック、アグネスデジタルの3人ですがアグネスデジタルは後ろに下がって先頭はインパクトターボとキタサンブラックの2人が争っています。その後ろにタップダンスシティーがついていきます。サムシングブルーが4番手で4バ身後ろを走っています。さらに3バ身開いてネイティブバイオとレッツプレンティ。少し離れてゼンノロブロイ今日は前の方から攻めていきます。間3バ身開いてスレッジハンマーとサトノダイヤモンドがけん制しあっています。その後ろにシンボリクリスティがいましてウィンドブレイブが並んでいます。1週目4コーナーを走り終えまして正面スタンド前にウマ娘達がやってきます。先頭は変わらずインパクトターボとキタサンブラック。タップダンスシティーは少し下がりましてサムシングブルーが3番手に上がりました。4番手に下がったタップダンスシティーにネイティブバイオとレッツプレンティが並んでいきます。ゼンノロブロイもその後ろにつけました。そこから5バ身は慣れましてリンリーン。そのすぐ後ろにスレッジハンマーとサトノダイヤモンド。そして内ウィンドブレイブ、その外にシンボリクリスティという順番。まだ5バ身ほど間が空きましてアグネスデジタルにチャクラム。チェストヨコヤマ、ダービーレッグ、ビターココア。最後方はポツンと1人ツルマイボーイです。先頭に戻りましてインパクトターボとキタサンブラックが1コーナーから2コーナーへと入っていきます。その後ろ3バ身にサムシングブルーが追走。8バ身程離れてレッツプレンティが前に出ました4番手。外にネイティブバイオ。タップダンスシティーはちょっと下がりましてゼンノロブロイが外に出ました。早くも先頭が向こう正面に入りました。6バ身開いて中団グループ先頭はリンリーン。しかしスレッジハンマーとサトノダイヤモンドが並んでいきます。そこから2バ身開いて外シンボリクリスティに内ウィンドブレイブ。そこから大きく9バ身程離れまして後方集団を引っ張るのはアグネスデジタルです。最後尾は変わらずツルマイボーイ。インパクトターボとキタサンブラックが早くも中間点を通過して第3コーナーに向かいます。非常に縦長でばらけた展開となりました。インパクトターボとキタサンブラックどちらも譲らず全開で飛ばしていきます。その後ろ3バ身をキープし続けていますサムシングブルー。レッツプレンティとネイティブバイオが疲れたのか下がりましてゼンノロブロイが4番手に上がります。リンリーン、スレッジハンマー、サトノダイヤモンドが下がったレッツプレンティらをかわして上がっていきます。第3コーナーに先頭が入ります!シンボリクリスティが動き始めました!アグネスデジタルも差を詰めてきます!先頭は第4コーナーを曲がります!サムシングブルーがジリジリと差を詰めていきます!ゼンノロブロイにリンリーン、スレッジハンマー、サトノダイヤモンドが迫ります!外からシンボリクリスティが上がってきます!アグネスデジタルは間に合うのか!?最終直線に入りまして先頭は僅かにインパクトターボでしょうか!キタサンブラックも追いすがる!サムシングブルーが追い上げますがまだ1バ身の差があります!ゼンノロブロイ、スレッジハンマー、サトノダイヤモンド、シンボリクリスティが横並びで一気に上がってきます!リンリーンは直線で失速!さあ残り200メートルを切ったところで先頭は辛うじてインパクトターボ!キタサンブラックも必死に並ぶ!サムシングブルーも追いついた!末脚勝負の4人も完全に追いついた!なんと7人が並んだまま最後の坂を駆け上がる!残り100メートル!先頭はまだインパクトターボが懸命に維持している!インパクトターボが譲りません!全身全霊を込めた走り!気合の咆哮と共に僅かに体半分前に出たところでゴールイン!勝ったのはインパクトターボです!秋3冠達成です!これぞまさに逃亡屋!ターボの名前は伊達じゃない!」

 

SIDE:インパクトターボ

 

「ッシ!」

いつもの様に全力で飛び出す。

「負けないよターちゃん!」

「はうぅ!滾りが過ぎましたぁ!」

同じく好スタートを切ったキタちゃんが並んできて、どうやら好スタートするつもりは無かったらしいアグネスデジタル先輩は下がっていった。

「いつも逃げられると思わないで!」

もう1人追いかけてきたけど私たちの加速についていけずに正面に入るころにはルーちゃんに抜かれていた。

「ついてく!ついてく!」

ルーちゃんのいつもの声が聞こえてくる。

「大丈夫・・・このペースでも後半十分に行けます・・・」

冷静なロブロイ先輩の声も微かに聞こえてくる。

スレッジハンマーとサトちゃんは中団辺りで前を狙う。

シンボリクリスティはその後ろだからちょっと位置取りを失敗したのかな?

それなら後ろを思いっきり引き離して追い付けなくしてやる!

私はそう作戦を決めると足を速める。

私が速度を上げた事にすぐに気が付いたキタちゃんとルーちゃんも速度を上げて着いてくる。

向こう正面に入る頃には後ろとはかなり大きな差をつける事ができた。

もちろんこれで安心なんかは出来ない。

押し切る準備の為に気合を入れなおすと第3コーナーを走り抜けて第4コーナーに入る。

「ここ!」

ルーちゃんがじりじりと上がってくる。

キタちゃんもずっと隣にいる。

ここからが正念場、最終直線だ!

「負けないよ!ターちゃん!」

「あと少しです!」

キタちゃんを引き離せない!

ルーちゃんもさらに迫ってくる!

「捕らえました!」

「ッシャア!ブッチギッテヤラァ!」

「皆さん勝負です!」

ロブロイ先輩、スレッジハンマー、サトちゃんもやってきた!

「どいたどいた~!シンボリクリスティのお通りだよ~!」

クリスティも突っ込んでくる。

しかし私の作戦が功をそうしたようで末脚組の伸びが悪い!

それでも皆並んでくる!

「気張れ!ターボ!」

「ターちゃん!あと少しなの!」

「やれるよ!」

「ウェーイ!」

「ほらほら~!ゴールが待ってますよ~!」

「ターちゃんの煌めきでー!」

「バクシーン!」

「バックソー!」

チームの皆の声が!

「ターボ!」

「ターボちゃん!」

「「「「ターボちゃんファイトー!」」」」

お父さんとお母さん、それにお得意様達の声が私を後押しする!

思い出せ!私の原点!私の憧れ!

「イッケー!インパクト!」

イクノ先輩!

「ターボ全開だー!」

そうだ!あの日聞いたこの声!

ボロボロになりながらも先頭を譲らなかったあの青い小さな背中を!

「負けられないんだぁ!!今日だけはぁぁぁぁぁぁ!!」

私は超えに来たんだぁ!

全力全開の咆哮と共に、私はゴールを駆け抜けた。

 

「やった!やったぁ!」

掲示板に表示された私の番号を見て私は大きな声を上げた。

「おめでとうターちゃん!」

「おめでとうございます!」

「お、おめでとう!」

「ありがとう皆!」

私は感極まって皆に抱き着いた。

「参りましたターちゃん。でも次は負けません」

「はい、ロブロイ先輩」

ロブロイ先輩が握手をしてくれた。

「ッケ!次は負けねーからな!」

「こっちだって負けないよスレッジハンマー」

「スレッジでいいぜ」

スレッジが拳を突き出したので私もそれに軽く当てる。

「うぇ~負けた~・・・次は負けないぞ~」

「会長のお説教がんばってね」

クリスティが嫌そうな表情をしたので皆で笑ってしまった。

「はぁ~ん!やっぱり有記念は最高ですぅ!この光景が見られるだけでも参加した甲斐がありますぅ!やっぱり・・・しゅきぃ・・・」

それだけ言うとアグネスデジタル先輩は倒れた。

近くにいた係員が慌てて居るけど安心してください。

ただの尊死ですから。

こうして私は秋3冠を達成したのでした。

 

育成目標:有記念で1着 CLEAR 全育成目標終了

隠しイベント:『秋の忘れ物』条件達成 条件:シニア期に秋3冠を達成する




隠しイベント『秋の忘れ物』

記念を終えた後・・・。
そこには何やら難しい表情をしたインパクトターボが居た。
『どうかしたのかい?』
「あ、トレーナーさん。いや・・・その・・・何ていうか・・・」
『悩み事なら相談に乗るよ』
「ありがとうございます。実は・・・言葉にし辛いのですが・・・」
どうやら相当に深い悩みらしい。
「いえ、なんて表現して良いのか分からないだけで内容そのものは大した事ないです」
身構えた自分を見てインパクトターボは慌てて付け加えた。
「この前に秋3冠を達成した時なんですが・・・感動とは違う何かを思ったんです」
『感動とは違う何か・・・』
「はい・・・何て言うか・・・長年すっかり忘れていた忘れ物を見つけた・・・みたいな?」
どうやらその言葉が本人にも一番しっくりくるようだ。
『きっと誰かの大切な忘れ物だったのかもしれないね』
「そう・・・ですね・・・大切な・・・忘れ物・・・」
そう言ってほほ笑むインパクトターボに少し見惚れてしまった。
スピード+30 スタミナ+30 根性+30 スキルPt+50 スキル『秋ウマ娘』ヒントLv1獲得

次回予告

2冠を達成したマキシマムが次に挑むのは菊花賞。

夏に1時放牧に戻ってきたマキシマムは俺に楽しそうにレースの話をしてくれる。

ライバルって良いもんだろ、マキシマム・・・。

第2シーズン第19話 ライバル(馬)
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