フランス凱旋門賞を終え、ターボエンペラーは帰国の為に空港に居た。
「エンペラー、ゲンキでね」
「カイザー、君もな」
まだ少し落ち込み気味のカイザーシュラークとハグをするとターボエンペラーは飛行機に乗り込んだ。
その飛行機が遠く消えて見えなくなってもカイザーシュラークは空を見つめていた。
「カイザー、次のレースがお前を待っているぞ」
「ええ、今度は負けないわ」
トレーナーに促されて後ろ髪をひかれながらカイザーシュラークは空港を立ち去った。
長いフライトを終えて漸く故郷の地に降り立ったターボエンペラーを出迎えたのは多くのファンの声と無遠慮なフラッシュの嵐だった。
それだけの事をしたのだから当たり前だろうと言った雰囲気のマスコミに多少の不快感を覚えつつもファンの居る手前事を荒立たせる訳にはいかない。
仕方なしに笑顔でファンには手を振る。
すると早速記者が大量に群がってきた。
「エンペラーさん!凱旋門賞制覇おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
「かつて敗れたカイザーシュラークをあっさりと躱した時の気分はいかがですか!」
「あの時は何かを考えている余裕はありませんでした。ただ終わった後に勝てたという実感が湧いてきた、それだけです」
矢継ぎ早の質問にターボエンペラーは次々と答えていくが流石に長時間取材に付き合うのは疲れたままの今ではやはり辛い。
「すみませんが後日トレセン学園にて記者会見を開きますので質問はここまでとさせてください。フランスから戻ったばかりのエンペラーを疲弊させたくはないので」
大塚トレーナーがそう言って記者に言うと良識ある記者達は直ぐに退き、少し渋った記者達もファンに睨まれてスゴスゴと退いた。
ターボエンペラーはファン達の声を受けながら空港を後にした。
学園でも多くのファンと先輩後輩達に、ついでにマスコミのフラッシュにも出迎えられて何とかターボエンペラーは理事長室までたどり着いた。
「祝福ッ!実にめでたい!見事な走りだった!貴殿は学園の誇りだ!」
「ありがとうございます理事長」
秋川理事長からの言葉に頭を下げる。
そしてそこにはシンボリルドルフも居た。
「ついに私の記録を打ち破られてしまったな。栄枯必衰会者定離の言葉通り、私も後塵を拝する時が来たようだ。皇帝の名は君のものだ。エンペラー」
シンボリルドルフはそう言って私に手を差し出した。
「・・・いいえ、やはり貴女は皇帝のままですよ。皇帝が退位したとしても皇帝であった過去が消えてなくなる訳ではありません。いつか私が貴女の地位を簒奪するまで怯えていてください。初代皇帝殿」
差し出された手を握りつぶさん勢いで握るターボエンペラー。
「それはそれは・・・容易く奪われる程私は弱くはないぞ?」
一見すると穏やかで凛とした雰囲気のシンボリルドルフだがプライドの高さは実は誰にも負けていない。
普段はどうしても怯えられてしまう為に人の好い空気を纏っているが実際は未だに鋭い切れ味を誇る名刀だ。
もしここに他のウマ娘達が居たら怯え切ってしまったであろう空気に秋川理事長は呵々と笑い、たづなさんはため息をついていた。
2人が何らかの形で決着をつけようとするのは時間の問題かもしれない。
~FIN~
祝!シンボリクリスエス&タニノギムレットウマ娘化記念SS
インパクトターボと本家版シンボリクリスエスとタニノギムレットの日常編
「クリスエス」
「・・・なんだ」
眼帯をした気の強そうなウマ娘、タニノギムレットが褐色肌のクールなウマ娘、シンボリクリスエスに声をかけた。
「お前はコイツのライバルを気取っているらしいが俺があいつに初めての黒星をくれてやったんだ!ライバルはワタシだ!」
「・・・くだらない」
「なんだと!?」
「私に与えられた使命は勝利、ただそれだけだ。相手が誰であろうと勝つ。それ以外の言葉は不要だ」
機械的にそう答えるシンボリクリスエス。
「はんっ!所詮は出遅れウマ娘の戯言だな!」
「なんだと・・・!?」
「クラシックで芽が出なかったからとさっさとシニアに逃げちまった弱腰には分からねぇだろうなぁ!」
「貴様!」
流石にシンボリクリスエスもその言葉には我慢ができなかった。
「だー!煩ーい!」
今にも喧嘩が始まりそうな2人を止めたのは間に挟まれて居眠りしていたインパクトターボだった。
「ギムレットにはいつかダービーの借りを返すしクリスエスには有馬記念のリベンジを果たす!全員まとめて私が逃げ切る!」
「なんだと!やれるもんならやってみろ!」
「その言葉、飲み込めると思うな!」
3人は激しく睨みあう。
「・・・ギムレット、クリスエス、インパクト、3人とも宿題追加」
「「「あ・・・・」」」
今が授業中だった事を3人は思い出した。
祝、シンボリクリスエス&タニノギムレットウマ娘化