「こんばんは、朱雀の川中です。本日も張り切って名馬を語ろうをやっていきたいと思います」
競馬好きで有名な芸人と競馬は良く分らないがテレビ映えするアイドルが拍手をする。
「本日の名馬はこちら!最凶と名高いゴールドシップの最大のライバルマキシマムターボです!」
何人かの芸人がゴールドシップという名前を聞いて苦々しい表情になる。
「おや岳海さん表情があまりよろしくないですがどうかしましたか?」
「いや俺はね、こりゃもう絶対に三冠馬がみられると思って菊花賞をマキシマムターボで買ってたのよ。そしたらゴールドシップにやられちゃってさ。もう悔しくて悔しくてその日寝られなかったんだよ」
「岳海さんはターボ党でしたか。いや本当にあれは悔しいレースでしたね」
競馬談義を始めてしまう司会者にカンペが見せられたのか会話を途中で切って司会に戻った。
「さて、それでは本日のゲストNGYの皆さんです」
「「「よろしくお願いしま~す」」」
ゲストのアイドル達がカメラに向かって手を振る。
「今回も競馬初心者のNGYと一緒に競馬が何故こうも人を魅了するのか、名馬とは一体どんな馬なのかを見ていきたいと思います」
会場にいる全員が拍手をする。
「はいそれではモニターにドーン!こちらがマキシマムターボです。お父さんは先週やりましたインパクトターボです」
「「「わ~」」」
アイドル達が盛り上げる様に拍手をする。
「お父さんのインパクトターボと同じでマキシマムターボも逃げが得意なおウマさんです。ただインパクトターボとは違って大逃げはあまりしませんでした」
「へーそうなんですね」
アイドルが相槌を打つ。
「さて先ほども言いましたがこのマキシマムターボというおウマさんはゴールドシップと言うおウマさんの最大のライバルと呼ばれていました」
「逆だよ。ゴールドシップがマキシマムターボのライバルなんだよ」
細かい事に拘りのある芸人がそう言う。
「まあまあ落ち着いてください。何でこんなにゴールドシップが恨まれているのか、その理由はマキシマムターボと何度も何度も戦って決定的な記録を妨害し続けてきたからなんです。こちらをどうぞ!」
モニターの表示がマキシマムターボの戦績に切り替わる。
「見ての通り、マキシマムターボが負けたのはゴールドシップが殆どです!引退レースの有馬記念は別の馬が勝っていますがそちらはゴールドシップも負けてます」
「ほんとだ~」
画面に表示されている戦績一覧にはマキシマムターボが1着かゴールドシップが1着のレースばかりでデビュー戦と引退レース以外は必ずどちらかの名前が1着である。
「そんなこんなで競い合う2頭ですがこの2頭の最大の見所と言えばやはりフランス凱旋門賞でしょう」
「その通り!」
競馬好き芸人達がにわかに騒ぎ始める。
「これまで幾多の日本の名馬達が挑んできましたが勝利する事が出来ていなかったのが凱旋門賞です」
「なるほど~」
アイドルが感心したような声を出す。
「実はマキシマムターボは当初凱旋門賞に出走する予定では無かったんです」
「え~そうなんですか~?」
アイドルが驚いたような声を上げる。
「では何でマキシマムターボは凱旋門賞に出走したのか。それはゴールドシップが強く関係しています。その理由とはコチラ!」
司会者がモニターを指し示すと画面が切り替わる。
「ゴールドシップに本気を出させる為に出場してほしいとお願いされたからなんです!」
「「「えー!」」」
態とらしい驚きの声が上がる。
「ゴールドシップというおウマさんは非常に気まぐれで癖の強い性格をしていたおウマさんでしてレースの途中でもやる気を無くして走らなくなってしまう事すらあるおウマさんでした。そんなゴールドシップがライバル心むき出しだったのがこのマキシマムターボなんです。実際にマキシマムターボに食って掛かるゴールドシップの写真がコチラ!」
モニターが切り替わるとそこには全力で引っ張る厩務員を引き摺りながらマキシマムターボにものすごい表情で威嚇するゴールドシップとそんなゴールドシップに首をかしげているマキシマムターボの写真が映された。
「こわーい!」
ゴールドシップの表情にアイドル達が怯える。
「こんな感じでマキシマムターボにだけは全力で挑むゴールドシップを見たゴールドシップの馬主さんがマキシマムターボの馬主さんに凱旋門賞に出走してほしいと説得されたそうです」
「へー!」
「そして挑んだ凱旋門賞!早速映像を見てみましょう!」
そして画面が切り替わる。
「はい、フランスロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞の映像です。日本では最大でも18頭に制限されてますが海外ではそれ以上の数の出走数のレースがいくつもあります。凱旋門賞の場合は20頭ですね」
川中の解説が続いていく。
「はいまずは葦毛の暴れん坊ゴールドシップゼッケン6番!そしてそんなゴールドシップに睨まれているのがゼッケン19番のマキシマムターボです!さあ全馬収まりましてまもなくスタートです!」
そしてゲートが開いて馬たちが走り出す。
「スタートしました!先頭を取るのはやはりこの馬日本が誇る名馬マキシマムターボ!凱旋門賞だって逃げきって見せると気合十分!間に沢山の欧州馬を挟みましてゴールドシップはやはり後方に位置して今はスタミナを温存します!」
川中の自分なりの実況にもドンドンと熱が入る。
「さあ第3コーナーを回って短い直線!先頭はまだまだ逃げるマキシマムターボ!そして後方待機のゴールドシップに火が付いた!ロングスパート!さあ第4コーナーを回って最終直線!マキシマムターボまだ先頭!ゴールドシップ追いつけるか!日本の悲願!凱旋門賞は取れるのか!欧州馬の伸びが悪い!そんな欧州馬を後目にゴールドシップがグングンと加速する!しかしマキシマムターボも譲らない!欧州を制するのはどっちだ!日本競馬は届くのか!マキシマムターボ!ゴールドシップ!行け!行け!行ったぁぁぁぁぁぁぁ!勝ったのはゴールドシップ!」
「ちくしょぉターボが負けたぁぁぁぁぁ!」
画面が切り替わりターボ党の芸人が本気で嘆く。
「マキシマムターボにとっては非常に惜しいレースでしたがこのレースを見た欧州競馬関係者や新聞はこう評価したそうです。コチラです」
モニターが切り替わり競り合う2頭の写真の新聞記事が表示される。
「東洋からやってきた2頭の王者!同年に生まれたのは幸運なのか不運なのか!」
「「「おお~」」」
アイドル達が感心した声を上げる。
「2頭のラストがあまりに凄すぎたので凄いレースが見れたという幸運と、2頭が同時に生まれてしまったという不運だった。という評価と、2頭が同年に生まれてくれたので欧州競馬は助かったという幸運と2頭が同年に生まれてしまったので仔馬が高騰するだろうという不運だという2つの意味があるという話です」
「そうなんですね~!」
アイドルが感心したような声を上げる。
「実際にこの後日本でマキシマムターボの弟になる仔馬やゴールドシップに近い血の仔馬が大量に買われて欧州に行ったという話です。おかげで日本産のおウマさんのセリの値段がかなり上がったらしいです」
「へ~!」
「それでは皆さんマキシマムターボの事が良く分りましたでしょうか?」
「「「は~い!」」」
「ありがとうございます!それではまた来週お会いしましょう!バイバイ!」