凍結極寒世界フロストパンク〜鋼の指導者たち〜   作:アイゼンパワー

5 / 5
前回のあらすじ

平和だなぁ
人が足りない!どんどんひと集めなきゃ
闘技場と酒場建設!ギャンブルと酒と暴力は心を癒してくれる

以上

Fall of winterhomeみんな遊んでくれえ……マジで良シナリオなんだ…


新たな家 その五 〜Fall of winterhome〜

それから二日が過ぎた。

遠征隊は二つに増員され、彼らが持ち帰った複数個のスチームコアによって炭鉱がもう二つ建てられ、石炭はむしろ余るようになった。

オートマトンも建造され、今や炭鉱は完全に自動化され、誰一人出勤していない。藤丸とマシュはウォールドリル*1に配置換えされ、機械化されたより生産的な労働へと身を投じた。

製鉄所もより高度に効率化された“蒸気製鉄所”に建て替えられた。

食料の要であるハンター小屋もまた行動範囲を広げ、より多くの動物を狩れるように、ついに空を飛び始めた。飛行ハンターの誕生である。水素で空を飛び、蒸気タービンでプロペラを回し、空を我が物顔で飛び周り獲物を上空から仕留める。この戦術は非常に有効で、食糧生産量が二倍に跳ね上がった。

物資の生産量が大幅に増えた影響でクレーターの壁際には大量の倉庫が建築された。

 

キャプテン・マカリスターはあらゆる物資を安定して供給でき、住民を凍えさせることもない考えうる限り最高の街を作り上げたのだ。人々は希望に満ち溢れ、不満はほぼなかった。病人は救護所まで案内され、素早い治療を受けることができ、たとえ四肢切断することになっても最新の義肢ですぐに社会復帰することができた。

 

遠征隊によって救助された難民は数えきれず、彼らは“新たな家”の発展に大きく貢献し、街の一員となっていった。

 

そしてある日……

 

 

 

 

⦅キャプテン!キャプテン!至急の報告です、どこにいらっしゃいますか、キャプテン!⦆

 

13日目、午後23:00、住民442人、気温-30℃

 

遠征隊は鉄橋を渡った先にウィンターホームと思われるジェネレーターを発見した。

ウィンターホーム。かつては地球上最後の都市として知られ、我ら“新たな家”の目標であり、希望であった。今でもそうだ、多くの人々はウィンターホームとともに生活圏を築くのを夢として生きているのだ。

⦅なんだ、落ち着け、アーサー。⦆

マカリスターがのそのそと寝床からはい出した

⦅今何時だと思ってるんだ……全く⦆

⦅それどころではありません!サー、ウィンターホームが、あのウィンターホームが……!⦆

 

 

午前3:00、普段ならば夢の国への旅の最中、安らかな眠りを享受している時間。

しかしながら今日は違った。

住民は松明を掲げてジェネレーター前に押し寄せ、大声で叫んでいた。

⦅ここに来たことは間違いだったんだ!⦆

⦅パニックになるんじゃない!我々はまだ生きてる、間違いから学べるはずだ!⦆

⦅ロンドンから離れるんじゃなかったんだ…⦆

⦅私達は子供と自分自身を守らなければならない!その道を探らねば!⦆

人々の目からは希望の光が急速に消えていく。

唯一の目標かつ縋るものであったウィンターホーム、そこはもう、滅んでいた。

遠征隊の報告によると

『廃墟と化した都市の通りには、何人もの死体が散乱している。食糧不足と市民の絶望感、それに続く争い、暴動、無政府状態への移行、減少する資源の奪い合い、そして最終的な飢餓......と、年代記には記されている。最後の記入は"神よ許したまえ、我々は死人を食べている。希望はない“』

死体が数人分しかなかったことからウィンターホームの住民の大部分はどこかへと脱出したことがわかる。しかし街が滅んだことは変わらず、希望の街の崩壊と言う事実が重くみんなの心にのしかかっていた。

 

そこに一つの声重く、低い声が響いた。

⦅諸君!ウィンターホームは死んだ!これは紛れもない事実だ。⦆

マカリスターがジェネレーターの台座の上に立ち、語りかける。

⦅しかし、我々はここに立って、生きている!それも快適に!これもまた紛れない事実だ。遠征隊の報告によるとウィンターホームは非効率的極まりない都市設計であり、初代指導者が怠惰極まりない者であり、何より秩序が存在しなかった!⦆

ジェネレーター前に集まった全住民が彼らのキャプテンの言葉に耳を傾けている。誰一人口を挟まず、ただ黙々とキャプテンに顔を向け、目を見て、立っている。

⦅しかし我が街は高度に効率化されている!機械化された炭鉱!大量の食料を持ち帰ってくれるハンター達、石炭を絶えず採掘するオートマトン達、木を、鉄を、未来を生産する労働者達、そして我らの未来を模索する技術者達!そしてそれを導くこの私、キャプテン・マカリスター!何を恐れることがあろうか!ウィンターホームは死んだが我らは死なない、我らこそが地球最後の都市となるのだ!⦆

 

民衆は一瞬の間を置いて、喝采を彼に浴びせた。

これまで人々の不満をうまくコントロールし、希望を持たせ、生活を大きく改善させた彼を皆信頼しているのだ。彼ならばやってくれる。彼と一緒ならば生きていける。そんな思いが伝播していった。

 

これから新たな家は生まれ変わる。

ただの居住地から、一つの完成された街へ。

*1
“冬”が来る前、新たな家が現在存在する場所は豊かな大森林だった。石炭と鉄の埋蔵量は豊富かつ木材にも困らない、まさに理想の土地だった。そこで政府はここに建設チームを送り込み、ジェネレーターを建てた。しかし降り積もる雪によって周りの森林は氷に覆われ、ついに埋もれてしまった。建設チームはありったけの石炭を使ってなんとかジェネレーターが埋もれないよう雪と氷を溶かし続けたが、それにも限界があった。石炭が尽き手持ちの資材が尽き、これ以上の維持が不可能と判断したチームはここを放棄し、北へと向かった。ウォールドリルとは氷のクレーターの壁を掘り進め、壁の中に埋もれた木を掘り出す施設である。




次回、秩序と規律始動


私秩序でしか遊んだことないから信仰ルート何もわからない

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