フーイと悟空、はっちゃんはホワイト将軍の罠にかかりながらも、なんとかこれを撃破。
往生際悪くホワイト将軍は村長を人質に取ろうとするが、武器に気づいたフーイが未然に阻止。
はっちゃんがドラゴンボールを所持していたことがわかり、彼の優しい勇気に感銘を受けた村長は、自分の家に住まわせることにした!
「あら、フーイちゃん!片付けなんてしなくていいのよ、あなた達は大事なお客様なんだから」
「え、あっ」
無意識のうちに空の食器をまとめようとしていた手を引っ込め、フーイは少し恥ずかしそうに頭をかいた。
「つい、癖で」
「そんなに普段からおうちの手伝いをしてるなんて、いい子なのね」
「別にそういうわけじゃ……」
まごまご言い淀むと、ついに「お先に」と言って逃げるように寝室へ引っ込んでしまう。
母親は微笑ましそうにニコニコとしていたが、悟空たちが部屋に行くとフーイの表情は少し沈んでいた。
「どうしたんだ?腹でも痛ぇのか?」
「いやいや、そういうわけじゃなくて
……じっちゃん、怒ってるかなぁと思ってさぁ」
「じっちゃんって、フーイの師匠の鶴仙人のじっちゃんか?」
「そうそう。武者修行なんて危ないから駄目だっていわれてて、黙って出てきちゃったからなぁ」
ゴロンと寝そべるフーイに、はっちゃんとスノは心配そうな顔をする。
「それは、良くない」
「帰らないの?」
「ここで帰ったら本当にただの家出だよ」
フーイはぐっと勢いよく起き上がり、あぐらをかくと悟空の方を見た。
「悟空はなんでドラゴンボール集めてんの?」
「ドラゴンボールの四星球が、おらのじいちゃんの形見なんだ」
「……そりゃ大事だなぁ」
「うん。ジングル村のも違ったから、他のところも探さなくちゃ」
「次はどこいくつもり?」
「えっと次は……」
そう言うと風呂敷から丸い機械を取り出してカチカチとスイッチを押す。
が、画面は真っ暗なまま、うんともすんとも言わない。
「どうしたの?」
スノもベッドから起き上がり、手元を覗き込む。
「ぶっ壊れちゃってる……」
「えー?」
「参ったな……!懐に入れたまま戦ってたからだぁ〜〜!」
「オレに見せて。オレ機械詳しい」
学習ライトの明かりをつけ、机の上にはっちゃんが部品を広げるのを、3人で覗き込む。
ドライバーを使いしばらく様子を見ているようだったが、しばらくして顔を上げ、首を横に振った。
「ダメだ、ものすごい構造! このレーダー作った人めちゃくちゃ天才!」
「そっか……それじゃあブルマん家に行って直してもらうしかないなぁ」
「そのブルマってどこに住んでんの?」
「確か、西の都って言ってたな」
「よーしわかった!」
むくっと立ち上がるとフーイは悟空をまっすぐに指差す。
「私も悟空についてってドラゴンボールを探す!
んで、最後に聖地カリンに行ってからじっちゃんとこに帰る!」
「わかった。いいよ!」
物分りよく、悟空はコクリと頷いた。
「けど、聖地カリンってなんだ?」
「武道の聖地で、ここにあるカリン塔に登れば、何倍も強くなれるんだってさ。
私は最初そこを目指してて、間違ってここに来ちゃったんだ」
「へー、そんなとこがあるんだ。オラもいきたい!」
「二人でいこうよ、どっちが先に頂上につけるか競争な!」
「うん!へへ、楽しみだなぁ」
いつまでも話をやめる様子がない二人に、スノは呆れた様子でもうっと腰に手を当てた。
「楽しみなのはいいけど、二人とももう寝ないと明日起きれないわよ?」
叱られてきょとんとしたあと、フーイは突然ケラケラと笑い出す。
笑われたスノは怪訝そうに眉をしかめて腕を組んだ。
「何よ」
「スノ、じっちゃんみたい」
「あははは、ほんとだ、オラのじいちゃんともそっくりだ」
「なによ!失礼ね!せめてお母さんみたいって言ってちょうだい!」
「はーい!おやすみなさい」
「おやすみなさーい」
コロンと横になるとあっという間に四人は眠りに落ちた。
雪はしんしんと降り積もる。
静かに、静かに、音を吸い殺して、白く白く染め上げていく。
―・―・―・―・―
「なんで!私は!筋斗雲にのれないんだよ!」
「だから言ったじゃん。フーイはいい子じゃないから乗れないって」
「おい悟空、本当のことなら何でも言っていいわけじゃないんだぞ」
「フーイ、自覚あったのか」
「はっちゃん!聞こえてるからな!」
―・―・―・―・―
空も、山々も、青く透き通る美しい景色。
緑が生い茂る荘厳な景色の中、城と呼ぶにふさわしい広大で堅牢な建物が姿を現す。
古典的なレンガ造りの様式に赤い屋根が鮮やかに映えるが、そのさらに上には不格好なパラボラアンテナがいくつも乗っている。
ここはレッドリボン軍本部。荘厳な装飾で飾られた広い指令室では、壁一面を使い世界地図が――いや、ドラゴンボールレーダーが設けられている。
「なんで奴は西の都なんぞにいったのだ!?」
レッドリボン軍の指導者、レッド総帥は遅々として進まないドラゴンボール集めに、すっかり腹を立てていた。
「あんな所にドラゴンボールはないはずだぞ!!」
「総帥!ホワイト将軍から送られていた映像より、敵がわかりました!」
「何!?」
差し出された写真は二枚。
一枚は特徴的な髪形に、山吹色の胴着をまとった尻尾の生えた少年。
もう一枚は灰色の瞳で鋭く睨む、真緑と黄色の胴着を着た少女。
二枚を見比べ見つめるうち、小さな手がぶるぶると震えだす。
「こっ、こんなガキどもにシルバーもホワイトも全滅させられ、ドラゴンボールも持っていかれたというのか……!!」
ついに怒りが頂点に達した総帥は葉巻を食いちぎらんばかりに歯を食いしばり、腹の底から怒鳴り声をあげた。
「各部隊にガキの写真を送り、見つけ次第殺す様に言え!いいな!」
「ははっ!」
忠実な彼の軍隊はその命令に雄々しい敬礼で答える。
ドラゴンボールを示す二つの点は、その間にもピカピカと光り、確実にもう一つの点へ向かって進んでいた。