好きな子がドスケベVtuberだったんだが。 作:杜甫kuresu
なんかスリーサイズはダメらしい。ちょっと感覚はわからないんですけど皆さんもお気をつけ下さい。
言っといて何だけどいつ気をつけるんだよこれ。私もわからない。
『という訳で返信コーナーをやっていくんだけど~…………案の定募集リプ欄の治安が終わってた。いやこれは凄い、私のリスナー鍛えられすぎなんだよな……』
げんなりした声で肩をすくめる3Dモデルに流れてくるのは、「い つ も の」とか「むしろ期待して予告したまである」というそれなりに信憑性のあるコメント欄だった。
千尋…………精神の保全のために遠野あけみと呼び直すが、遠野は毎回ろくでもないことをしている。
俺がろくでもないと言うと、まあなかなか凄いんだよな。この前ASMRが完全に催眠音声に片足突っ込んでた、ツイッターでの弁明いわく気合が入りすぎたらしい。お前気合の入れどころおかしいぞ。
『とはいえ募集したしやらねばならんのですな。前回は取り上げた質問がヤバすぎて収益化が停止処分を受けたわけだけど』
「これナチュラルに酷いな。マジで何やってんだ千尋…………」
『今回はマイクの新調でお目溢しをいただきつつ、質問は”比較的”マシなのを使いまーす』
比較的、のところで半笑いだったろお前。絶対ろくなのじゃねえな。
コメントがダバダバ流れてくるが、遠野は基本読まない。なぜかと言えばy○utubeで肩身が定期的に狭くなった結果、ニ○生の方式に慣れてるところがあるからなわけだが。端から端まで理由が残念だな。
援交というドデカイキャラ付けしたにせよ、仮にもJK設定が収益化停止処分食らうのはどうなんだ、と言えば俺もそう思う。でもリスナーがそこそこの比率でおっさんだと思いこんでる。後馴れ馴れしいヤバいリスナーが多い。
登録数こそ6桁だがよくよく考えると限界集落みたいだなコイツの周り。
『というわけで質問一個目。”スリーサイズ教えて下さい!”、普通に教えるわけないでしょ』
「じゃあ何で取り上げたんだよ」
『彼氏ならギリギリ教えなくもないかなー』
「いや教えるな。いや教えても良いんじゃないか…………!?」
え、でも。色々考慮するとアリなんだよな。
シチュエーションとしてあまりに美味しすぎやしないか? え、千尋は彼氏にならその質問答えるの? 嘘だろ?
悪い意味で心臓がバクバクしてきた。
『じゃー二個目~。”いつから歌は歌ってますか? きっかけとかありますか?”、だって。これだよこれ、見習えセクハラリスナー』
「取り上げるお前も悪いだろ」
『歌い始めたっていうか、趣味として意識したのは…………中一、か中二。多分ね? きっかけは~…………カラオケで友達に褒められた。かな』
どことなく、迷った感じだった。やっぱり続く趣味はきっかけについてもはっきりしないくらいの何気ないものなんだろうか。
小さなきっかけで、というやつか。良いな、何か千尋にもそういう時代が有ったんだなーという気分になる。
やっぱり小さな頃から可愛いやつだったんだろうか。口で言うよりは素直で真面目なやつだから、苦労してたりしたのかもしれないな。
想像してるうちに話が進んでいる。
『声を聞かせるっていうのは最近はめっきり減ったんだけどね。人前だと自信でないし、こういうところだと人目を気にしなくていいから楽なんだけど』
「…………」
からからした愛想笑いに、俺は逆に渋い顔になってしまった。
本当に少しの間だけ、アイツはバンドでボーカルをしていた。ベースボーカル、というのだとか。俺は詳しくないからそこまでは知らないが。
でもすぐ辞めてしまった。何故かはやっぱり知らない、一年付き合いがあるというのに俺は結構千尋からは遠いのかとも思う。
ただ、まあそういうのは相談されてから聞いてやればいい。俺じゃなければ俺じゃないやつが聞けばいい。
――と、最近までは思ってただけ。
最近までだ。
『あー、V以外でも音楽には関わってるよー。そうだね、そこら辺も機会があったら披露したいかな…………あぁでも歌ってみたは当分しません。ごめんね――――じゃあ次』
「そうか…………いい声なのになぁ……」
『”好きな下着の色は何色ですか。もしくは今日のやつ。”待て待て答えるわけ無いじゃん』
「ゲホッゲホッ!」
タイムリーすぎるだろ! 昼に兵藤から訳の分からないトークをされたところだっていうのに!
『趣旨にあった解答じゃないの分かってて言うけど、割と彼氏の好みとかに合わせるよね』
「ええい!」
画面を閉じた。
「という訳で次のダ○ソ配信でサイン書いてくれない? 透持ってたよね」
「まあ持ってるけど、流石にVが匂わせはどうなんだ」
「事実は異なるし援交JK属性で匂わせないとか逆におかしいじゃん」
「確かに」
納得してしまったんだが。
配信が終わるなり突然通話の呼び出し、何か人使いが荒い気がするぞ。
なんか無償で使われてやるのも癪な気がしてきたぞ。
「何か対価はないのか」
「え、じゃあスリーサイズ聞く?」
「は?」
流石に固まった。
「冗談だってば~、流石に付き合ってもない男に教えないって~」
「非常に助かる。自分は大事に取り扱ってくれ」
マイク越しの吐息が僅かに乱れたのが分かった。
俺はドキドキするだとかそういうのも勿論あったが、胸騒ぎのようなものを感じる。
何度か兵藤に言われたことがあるが、俺は神経過敏過ぎて見ないようにしていることが意外と多いらしい。それを言われた時に思い出すのが、このざわざわするような落ち着かない感覚。
「…………まっ、透のおねだり次第かな~」
まあこれが当たりな訳で。
「それは要らん。自分の体で人を釣るような真似をするな」
言い過ぎだろうなと思った。これはもう売り言葉に買い言葉というやつだったろう。
今更何を言い出すのかというところは自分でも突っ込んでしまったが、それは「遠野あけみ」として言うのとは重みが結構違うんじゃないか? そう思った。
その疑念は多分、事実だ。
千尋は驚いたのか少し息を呑んで、いつもの調子に戻った。
「今更すぎだよ、透は硬いな~」
「千尋。俺も男だからあんまり大きな口は叩きたくないが、そういう手には乗らない。そんな事しなくても俺はお前をちゃんと見据えてるし、逃げない」
「ん? そんな重い意味じゃないって、ほんとに」
む、ついムキになって喋りすぎたかもしれない。テンポを戻すか。
「まあそれはそうと、スリーサイズをいざ聞かされても対応に困るのはある。漫画とかゲームの範囲内でしか数字を見比べれた経験がない」
「特有って感じの悩みだ。確かにそれはあるのかも」
事実何人のスリーサイズと実際のサイズを見比べて記憶することが出来るんだという話で、スリーサイズを聞いても仕方ない感じはする訳だ。
峰○二子のスリーサイズとでも比較すれば良いのか?
という訳で俺は違う方法を提示する。
「スリーサイズを聞くぐらいなら、手に収まるか収まらないかを聞いた方が分かりやすいんだよな。で、どうなんだ?」
「うぇっ、手…………? え、今?」
いや何でそれはまごつくんだよ、スリーサイズと同程度の聞き方のつもりだったのに。
千尋が明らかに硬直している雰囲気を醸し出しているせいで俺もいたたまれなくなってきた。いやいや、スリーサイズ自分から暴露しようとした女だから行けるかと思っただけなんだが…………。
「そんな固まるほどじゃないだろ。スリーサイズと何が違うんだ」
「ち、違うでしょ…………手に収まるかって。その、アレじゃん」
「何なんだよ」
「そ、想像できちゃうでしょ…………」
何いってんだコイツ。
「だから想像しやすいように聞き方を変えてるんだが?」
「は? 絶対教えないが…………」
「童貞を弄ぶには初心だよな、千尋」
「うっさい」
明らかに怒らせてしまった感じがするが、リカバリーのしようがないな。
これはあくまでただの言い訳でしか無いのだが、千尋の羞恥のポイントは大真面目に分かりにくい時が多い。からかう割にこの通り初心だったり、いざディティールを上げてみると突然及び腰になったりする。俺からすればけしかけてくる時点で中々オープンなやつだなぁと思うんだが、どうやら千尋の中では判定が結構違うらしい。
「まあそんなのは教えなくていい。そうだな…………サーティ○ンのダブルでも奢ってくれ、俺は金欠なんだ」
「…………なんか負けた感じがするから、ヤダ」
「報酬は求めてもよくないか!?」
突然取り上げられた報酬。あまりに理不尽じゃないかこれ?
「だってヤなんだもん! 今日の透ムカつく!」
「ひでえなおい、まあ別に無くてもいいけどよ!」
「買うし! 買いますけど何か!?」
「何で俺は逆ギレされてるんだ…………っ!?」
久しぶりに女心がわからないな、と思った。
カップ数とかサイズとか聞いても具体的によくわからないのでぜひ手に収まったかどうかが良い――――――みたいなことを言ってる知り合いが居たのでそれを採用しました。私はカップ数を聞けた方がテンションが上がる派です。
エロコメディが一応大きな割合を占めるようには気をつけてるんだけど、手癖でついついシリアスが嵩みそうになる。気をつけたいね~。
ぜひ皆さんのエロへのこだわりをお聞かせ下さい。当方はいつでもお待ちしております。
この小説、読んでみてどう?
-
予想と違うけどこれはこれで良い
-
Vtuber要素を普通に待ってる
-
ドスケベさが足りてないんちゃう?
-
割と予想通りの話が多い