好きな子がドスケベVtuberだったんだが。 作:杜甫kuresu
ところでどうでも良いんですが、女は裸よりはだけてる方が良いですよね。
というのもその手の作品で素っ裸は見慣れてるわけで(ry
「透はやっぱり私の体とか興味あるの?」
「げほっげほっ! ヴエッ、ハァッ! え、急に何!?」
千尋と喋ってるとむせる頻度が明らかに増えてる。久しぶりにゲーセンに行った帰りだった。
何でも大学近くのUFOキャッチャーのぬいぐるみが欲しかったとかで、行きしに見つけて帰りに連れてこられたという感じだ。
多分気を遣ってデートの真似事をしているんだろう、とも思っていたが…………。
俺が何とか取ったのをはしゃいでいる、という矢先にこれだ。
「どうなの」
「待て、ちょっとインターバルをくれ。返事はするけど、するんだけど普通にびっくりしたわ」
冷静に考えろ、これは何かどことなくルート分岐みたいなものを感じるぞ。
――やっぱり考えるのは辞めるか。
自然体が一番だ、変にダサすぎるのもよくないが。
「ま、まあしないと言えば濃い目の嘘になるな」
「ふーん。やっぱり普段遊んでる時とかも?」
何だ、この圧迫面接じみた重い質問は。これは一体どういうドッキリなんだよ。
想像するかと言えば…………どうだろう、しない訳ではない。誰だってそういうものじゃなかろうか、やたらと太い二の腕を見たらシックスパックは想像する。
アレのもうちょっと俗物的な感じなら余裕である。
千尋の顔は真顔というわけでもなく、伏し目がちというか聞いておいて答えてほしくなさそうな。
世にいう唆る顔をしている。自分でもこんな女にこんな顔させて平静を保っていることに罪を感じてきた。
「これもやっぱりしないとは答えられないだろ。何なんだこのコーナーは、罰ゲームか?」
「へー、興味あるんだ。まあ私可愛いもんね」
「自分で言うやつは珍しいが、そうだな」
事実、悪目立ちしてない割に顔立ちは随分整っていると思う。この手のものは生まれつきだけで押し切れるものではないから、きっと本人の意識の甲斐もあってのやつなんだろう。
またじわりと嫌な感じがした。何となく傾向が読めてきた気もする。
「じゃあそういう事にも興味あるってこと?」
目線の切り替わりがはっきり見て取れた。
「は?」
「え?」
こういう時はムカつくので梯子を外すことにしている。
「話が早すぎやしないか、千尋」
「え? そう? 男ってそういうものだと思ってた」
「お前の男性遍歴が俺は末恐ろしい…………それは付き合って、ステップを踏んでから聞くものだ。俺がそっち系ならなんでもホイホイ喋るって思うなよ?」
何かうすうす見えてきたが、コイツは人の性欲みたいなものを積極的に利用するフシがある。
まあ他人ならどうこう言う気も無いが、俺相手にされても困るのが本音だ。
大概俺の態度が変わってるからそういうノリも行けるのかと思われているのかもしれないが、個人の女性に無遠慮に向けたりはしない。
「そんな驚いた顔をするな、そこは分けてんの」
「そういうものですか」
「そういうものです、不躾に人の情を煽るやつがあるか。あるとかないじゃなくてこれ以上先は回答拒否だ」
「ごめん」
どことなく覇気のない返事が子供みたいだった。
どうやら千尋の中では常に話には主観が混じってるらしいが、俺は別に特定個人の話をしてるわけではない。よくあるオタクの推しシチュエーションと同じ感覚。
「怒ってるわけではないんだが…………いや、えぇ~っと…………自分の体を大切にしろ?」
俺が強気に拒否するというのがよほど想定外だったのか、明らかにシュンとしている。
残念ながら女に縁がある男ではないせいでどうすれば良いのか分からなくなってくる。従兄妹とかだったら背中擦ったりするが、それは違うしなぁ…………。
「…………透は多分、優しいよね」
「そうなのかね。こう不用意に人を凹ませるやつは優しくないんじゃないか?」
「それは形の問題、多分だけど私は辞めといたほうが良いと思うよ?」
「何で」
急に話が飛び飛びになるやつだ。
「もっと良い子もいるし、きっと透は色んな子をちゃんと幸せに出来るから」
「珍しくキレたな」
この期に及んでそういう事を言うとは思わなかった。
ましてや俺がこの程度でキレるとも思わなかったが。
「お前の気後れに俺の性格を使うな。プラス、俺が幸せにしたいと言うなら今は千尋だ、釣り合いが取れてるか取れてないかとかじゃなくてお前はどう思ってるんだよ」
もっと良い子ってなんだ。
幸せに出来るってなんだ。
「好きとか嫌いは良いものを選べばそれで幸せなのか? そもそも幸せじゃないと好きになっちゃいけないのか? どっちも違うだろ。好きになったものはもうそういうものだ、好きにランキングなんて付くわけないだろ」
「本当に?」
「事実かは知らない。俺はそう思ってるから、そういう言い方はされたら迷惑だ。俺はお前が好きなんだぞ、比べるものが他にない。俺が幸せにしたいのはお前だ」
正しいかどうかとか細かいことは俺には分からない。
考えても意味もない。
俺は目の前にあるものが欲しいか、欲しくないかがまず第一だ。
「…………いや、何かカッカしすぎたな。ごめん、何か奢るから勘弁してくれ」
冷静になるとそんな怒ることでもなかったな。みんな不安だったり、問題ぐらい抱えてるものだ。
急に申し訳なくなって、多分俺はバツの悪い顔をしていたと思うんだが、千尋がぼそっと
「ずるい」
と言ったのには、流石に聞こえなかったふりをしておくことにした。
「裸よりはだけてる女に興奮すると思うんだよな」
「結構分かる」
サーティー○ンに俺達はごめんなさいするべきなんだろうが、生憎俺はそこら辺の感覚がおかしくなった。
アイスで機嫌が治ってしまう辺り千尋も大概単純だ。得意のロッキーロードを俺も買わせてもらった、何だかんだこれが一番好きなんだよな。
何気ない帰り道。少し傾いた陽の光がうるさくて、何となく暑すぎる。
「いや裸ってもう何か俺の中では想像力の限界に到達してんだよな。はだけてるってワードだけなら、それまでの過程とか表情とか仕草に興味が向きやすいと言うか、分かるか?」
「つまり押し倒した直後が好きってことでしょ」
「それだよそれ、やっぱお前話通じるな」
どこか得意げな千尋は、正直普通に可愛かった。
小さなことではしゃげる人間は一緒に居て飽きない。たまに疲れたりもするだろうが、それでも俺みたいに堅苦しい人間には必要な潤いをいつも持ってる。
俺が食べるのが遅いのか、千尋が速いのか。気づけば食べ終わっている。
「期待してるけど恥ずかしがってる視線の動きとか好き。後は…………ちょっとだけ肌着見えてると良い」
「センスの塊かよ。それそれ」
ぼんやりとした帰り道。さっきの剣幕は、俺の中ではもう夢うつつのような心地のものになっていた。
どこかで道を曲がって、さようならをするのが惜しい感じがする。漠然とこんなつまらないようで優しい時間がずっと続けばいいと俺は思っているのだろうか。
それとも、千尋と過ごす時間が惜しいだけ?
「透はそういう期待しちゃう子、好きなんだ?」
「まあそうなるかもしれん」
「私がそうだと嬉しい?」
さらっと言ってのけてくれる。さっきとは裏腹に、あざといぐらいに曖昧な笑顔をしていた。
凄まじい勢いで心拍数が上がる。あれだけ啖呵を切っておいて、まあどう足掻いても俺も男だというわけで。そういうこなれた言い方をされてしまうと、どうにも舌先がしびれてしまう。
千尋は自分の見せ方を知っている。考え続けたのか、男慣れしているのかは分からないが、どっちみちそれ自体は正直嫌いじゃない。
「何だよ。じろじろ見られると、困る」
「別に~? 透は女の子に触る手付きがおっかなびっくりそうだなって」
「何でそう思うんだよ。いや多分そうだけど――――」
言葉が終わる前に手を引かれた。
何のことはなくて、千尋の肩に手を置かれる。少し力を入れてみると、吐息が溢れていた。割れ物のように細い。
「急になんだ…………凄い緊張してきたが」
「緊張してくれるんだ、嫌な気分じゃないな」
「からかってんのか?」
静かに目を閉じて、笑顔で首を横に振る。
「でも透が望むのはそういうことでしょ? 唇も、肩も、視線も、それこそ最後には体だって。全部自分のものにしたい――――違う?」
「…………そこで笑うのは魔性とか傾国のやつだ」
強がってみたが、顔は夕焼けより赤かった自信がある。
「もしかしたら、意外と嫌じゃないかも」
「何だって?」
「何でも無い。さっきは怒ってくれてありがとう」
結局童貞丸出しで上手く喋れずに別れた。
帰ってもまたゲーム配信に呼ばれるらしいのだから、実感も湧くわけもなく。家に帰ってもアイツの一挙一投足が頭に染み付いて仕方なかった。
思ったより、ずるい女を狙ってしまったのかもしれない。
千尋が可愛い回が地味に少なかった。いやさり気ないやつは多いんだけど、しっかりとフォーカスした感じがなかった。
そう言えば千尋のカップ数がtwitterの方で質問に在りましたけど、今の所シュレディンガーの猫です。着痩せする方が美味しいという話もしたし、無いのを気にしてるのも美味しいという話をしたことだけご報告します。
というかせっかくなので感想ついでにどっちが良いか教えて下さい。ついでに評価とかしてくださっても良いんですよ?(乞食)
この小説、読んでみてどう?
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予想と違うけどこれはこれで良い
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Vtuber要素を普通に待ってる
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ドスケベさが足りてないんちゃう?
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割と予想通りの話が多い