ようこそ厨二病患者のいる教室へ   作:我が名はゼロ

2 / 4
狂狂

ここは高度育成高等学校の1年Dクラスの教室。教室の教壇の上には髪をポニーテール調に纏めた仕事が恋人って感じのオーラを纏う三十路にしか見えない女が立っていた。

 

 ──ふむ、あれはあれだな。婚期を逃した可哀想な……っ、くぅっ……なんだ今のは……突然あの女から殺気らしきものが飛んできたぞ……はあ……300回ほど死んだかと思った。まぁ実際に300回ほど死んだんだがな。先程も絶対遵守の力で堀北に殺されたし、どうやら今日は死のオンパレードらしい。

 

 ……まぁ我はフェンリルの如く何度でも死という概念を引きちぎり蘇るがな!くはははは!

 

「新入生諸君、私はDクラス担当の茶柱佐枝だ。普段は日本史を担当している。初めに言っておくが、この学校には学年ごとのクラス替えは存在しない。卒業までの三年間、私が担任としてお前たち全員と学ぶことになると思う。今から一時間後に入学式があるがその前に、この学校に設けられている特殊ルールについて書かれた資料を配る。尤も、以前入学案内と合わせて配布してあるがな」

 

 婚期を逃した女、茶柱は偉そうにそう喋り出した。……ふむ、なるほど?入学案内は読む前に道端に落ちてたヤギに食わせたが何を言っているのかはよく分かった。

 

「今から配る学生証カード、それに振り分けられているポイントを使い、敷地内の施設や買い物ができるようになっている。まぁクレジットカードのようなものだと思ってくれ。また、学校内においてこのポイントで買えないものはなく、学校の敷地内にあるものならなんでも購入可能だ。ちなみに、学生証に振り込まれているポイントは1ポイント=1円の計算になっている」

 

 ──この!クレジットカードのシステムをパクりやがって!いい加減にしろよ!俺が……俺がクレジットカードの開発者だっていうのに……こんな仕打ち……あんまりだ…………くっ、許さない、絶対にだ!そうだな、少なくともポテチップスを奢ってもらうまでは絶対に許さない!

 

「それから、ポイントは毎月一日に振り込まれる。今現在、新入生のお前たちには十万ポイントが振り込まれているはずだ。無いとは思うが、もし足りなかった場合は申し出るように」

 

 ふ、ふん?許してやろうではないか。俺はこの10万でこの学校のポテチを全て買い占めてやる!クハハハッ!もはやこの学校は我が手の中にある!俺がポテチを買い占めることによって生徒、そして先生までもが禁断症状により絶望し、そこに俺がポテチを与えることで彼らにとっての神は俺以下の存在となるのだ!ふっ、こんなにも早く神を超えることができるとはな……神々の死と滅亡の運命(ラグナロク)は最早確定したと言っても過言ではない!

 

「……支給額が何故10万なのか気になるようだな?……この学校は実力で生徒を測る。この学校に入学したお前たちにはそれだけの価値や可能性があるとされていて、それに対する評価のようなものだ。好きなように使って構わない。ただし、ポイントは卒業と同時に全て回収される。現金化なんてできないから貯めても意味はない。あと、いないとは思うがポイントをカツアゲするようなことだけはしないように。学校はいじめに関してだけは敏感だ」

 

 いじめるとどうなるのか俺、気になります。……うーむ、俺がそこらへんにいる鳥を虐めればどうなるか確認できるだろうか。手始めにはとぽっぽの羽を少しだけ引きちぎり、『くはははは!虐めてやったぞ!このマヌケな鳥め!』と大衆の前で叫べば……いや待て、神を超える存在はそんなことは決してしない筈だ……神々は今、空の上から人間たちを虐めている……奴らと同じことをしていいのか?同じ格に下がってもいいのか?

 

 ──いや同じことしたからって同じ格になるわけないだろバカが。だからつまり、俺は鳥を虐めないってことだろ?

 

「皆、少し話を聞いてもらってもいいかな?」

 

 俺が相対性理論における絶対値のなんとかかんとかを考えていた時、いかにも優等生といった感じのアニメや漫画だと闇抱えてる系イケメンの声が聞こえてきた。

 

「僕らは今日から3年間、同じクラスで過ごすわけだし、今から自発的に自己紹介をしていかないかい?一日も早くみんなが友達になれたらと思うんだけど、どうかな?」

 

 そう言ってその闇抱えてる系イケメン、略して闇メンは教室内を見渡し始める……少ししてから一人の女子が同意し、それを火種にみんなが私も、僕もと賛成していく。くっ、このクラスをもう掌握した、だと?……ま、まあいい。この後俺はポテチで全校生徒を掌握するからな、精々お山の大将でも気取っていろ。ふはははは!

 

「僕の名前は平田洋介。気軽に下の名前で呼んでくれると嬉しいかな。趣味はスポーツ全般、特にサッカーが好きで、この学校でもサッカーをするつもりなんだ。よろしく」 

 

 提案をした闇メンa.k.a平田は非の打ちどころのない完璧な自己紹介をすらすらと終えた。

 

 ……やはり、か。俺は一眼見た時からわかってたんだ。奴は……奴は……サッカーをやっている奴だってな!ふははっ!

 

「端から自己紹介を始めてもらいたいんだけど……いいかな?」

 

 平田は端の席に座る女に確認を取る。ここで『ふざけんなてめおら!そこは婚期を逃した先生からだろ!』って叫んだらどうなるだろうか。気になるからやらないでおこう。

 

 ──少ししてから、端に座っていた女……井の頭は少し緊張しながらも周囲に励まされ自己紹介を終えた。その後も自己紹介はつつがなく進行していき、山内春樹とかいう馬鹿なのかお調子者なのかわからない系男子、櫛田桔梗という、滲み出るいい人オーラのある、平田のように闇抱えてそう系美少女。キレ散らかして教室から退散していった系男子の赤髪のヤンキー、他にも池寛治というイケメン嫌い系男子や高円寺六助という、高円寺コンツェルン息子系ナルシスト系変質者系男子……等々、なかなかなかなかなかなかに~個性的なクラスメイトが多いことがわかった。そして俺は今お腹が空いているということもわかった。というかむしろこっちのが重要である。

 

「それじゃあ次の人──」

 

「──お腹すいたから今すぐ帰りたい系イケメンの神月響です。ていうか帰っていいですか?……あっ」

 

 や、やばい。間違えて世を凌ぐために使っている仮の名を名乗ってしまった……あれ?世を凌ぐために使ってるってことはこれが正解だったのか?否、そんなわけがない!何故?それは、お腹が空いているからだ!

 

「クックックッ……クゥーハハハ!先程の名は偽名だ!我が真の名は神壊代輝!いずれ神々に厄災をもたらし、神々を一柱残らず屠るもの!」

 

「は?」「黙れよ」「厨二乙」「キショ」「頭大丈夫か?」「何いってんだこいつ」「病院行けよ」

 

 どうも、今すぐ死のうと思う系イケメンに路線変更した神月響なんですけども、俺のクラスメイトには人の心というものがないのでしょうか。うっうっううう………い、いや、待て、思い出せ俺!こいつらはこの後すぐ俺によって支配される!くくっ!馬鹿が!

 

「ハッ!精々吠えておくがいい!あとで、前の人のうんこを食ってそのうんこをうんことして出して、さらにそのうんこを後ろの人が食って、と繰り返す永久機関にされても文句を言うなよ!」

 

「キモ」「気狂いじゃねえか」「死んだら?」「ちくわ大明神」「うんことかきたなーい」「誰だ今の」

 

 ついに俺もノーベル賞受賞、か。まぁノーベル賞という制度を作ったのは俺だから当たり前と言えば当たり前だな。ちなみにノーベル賞はダイナマイトの発明者として知られるアルフレッド・ノーベルの遺言に従って1901年から始まった世界的な賞である、と俺ぺディアが囁いてくるが本当にその通りだと思った。

 

 ──つまり俺はアルフレッド・ノーベルだったのだ。ダイマイトを作成した俺は、そう……まさに……狂気のマッドサイエンティスト!平等院鳳凰堂だ!…………俺だ。何?名前が違う?いや、何一つとして間違っていないが?どうした……まさか、機関に洗脳でもされたのか?くっ……任せておけ、お前は必ず俺が見捨ててみせる。エル・コンドル・パサー(特に意味はある)

 

「あ、ちなみに俺の趣味は人間観察をしながらアシカの真似をすることだな。あうあうあうっ!って感じだ。恐らく全世界で俺が一番アシカという生物に近いと思う。アシカよりも。ふははははは!……ん、どうした?何故笑わない?ただのギャグだ」

 

「あ、あーっと……」

 

 平田が気まずそうな顔で俺を見ている。彼だけは今まで俺がクラスメイトに口撃を受けている中『みんな、やめなよ』と言っている勇者だった。ありがとう平田、俺はお前に全く感謝していない。…‥じゃない、そんなことはどうでもいい。俺の渾身のギャグを何故誰も笑わない?あの勇者平田ですら苦笑い……くっ…‥これが本当の機関の妨害、というやつか。

 

 ──というか寒くないか?ついに地球は二度目の氷河期を迎えようとしているのだろうか。……やはり、人間という生物は地球にとって害しかないな。地球温暖化が進んだのも結局のところ全て人間のせいだ。これに気がついた人間は死ぬ筈なんだがな。まぁ皆生きるのが好きだから仕方がない。生存本能ってやつだ。

 

「ふむ、ここらでひとつ裸踊りでも──あっ、おいやめろ貴様ら!ちぃっ!消しゴムを投げつけてくるな!消しゴムが勿体無いだろうが!」

 

「えっ?そっち?」

 

「はぁ!?俺はソッチ系などではない!俺はノンケだ!」

 

「いやほんと何言ってんだこいつ」

 

「ふっ、ま、まぁいいッ痛いな!おい一旦投げるのをやめッ、おい!もう踊るのはやめてやるから投げるな!」

 

「違う、そうじゃない」

 

「は?何がそうじゃないんだ?……く、もう仕方がない……これが世界の選択だというのなら……」

 

 う、ううう、ううう……まじでお前ら覚えとけよ……あとで今消しゴム投げてきてる奴ら全員の穴という穴にありとあらゆる生物のうんこ詰め込んでやるからな……!そして神々……もしこれがお前らの仕組んだことだったら絶対に許さないからな。まぁそうじゃなくても許さないが。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。