弱者救済   作:極まった凡夫

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感想ありがとナス!!

色々意見はありましたが、基本的に主人公の考えはぶっ壊れてるのでそこまで深く考えなくても大丈夫です。

次書くかは未定だったので、主人公の考えがよく分かるような補足みたいなもです。



次を書くならこんなかなぁなんて言う補足みたいな話

あれから数週間、俺は孤児院に入ることになった。

オールマイトの影響で日本の犯罪率は驚くほど低い。

 

しかし、それでも(ヴィラン)に親を殺されるなんてことはよくあることで。

 

そういう子供たちと俺は一緒に生活することになった。

 

「よろしくお願いします、勇意ヒロです。」

 

それから孤児院のみんなと仲を深めていった。

 

 

 

虫音 言葉(むしね ことは)

個性<虫の知らせ>

数瞬先の自身に対して起こる不幸が分かる。精度は不幸の程度による。

 

初めは些細なことだった。

 

駄菓子屋で孤児院の1人が盗みを働いたことを意気揚々と自慢したことがきっかけだった。

 

「ん?お前これ誰から貰ったんだよ」

 

「盗んだ」

 

「は?お前何やってんだよ!バレたらうちにまで迷惑をがかかるだろうが!」

 

チビが盗みを働いたらしい。

小さい頃は何となくワルやりたくなるもんだが、ここに迷惑をかけるのは頂けない。

 

「いいんだよ別に、そんな高いもんでもなかったし」

 

「んなもん関係ないねぇだろ!謝りに行くぞ!」

 

そんな風に俺が言ってる時だった。

 

あいつが来たんだ。

 

「どうしたの?」

 

「あ?別にお前が気にすることでもねぇよ。こいつがちょっと盗みをやらかしただけだ」

 

その瞬間、俺の個性に反応がある。

 

頭が潰れたチビ、それを眺める新入り。

 

「ッ!!」

 

俺は咄嗟にそいつに飛びつく

 

「テメェ!!今何しようとした!!」

 

「ん?」

 

そいつは何も分かってないようだった

 

「何って?救うんだよ」

 

「は?

救うぅ?お前今こいつを殺そうとしただろ。」

 

訳が分からない。こいつは何を言ってるんだ?

 

「そうだよ、この子にとってもそれがいい」

 

何かやばい。

救いだ何だ、こいつが何を言ってるのか分からんがこいつはやばい

 

「このことは先生にも言う。お前がこいつを殺そうとしたことも言う。歳上命令だ。部屋に戻れ」

 

「大丈夫、院長先生も分かってくれる、だから手を離して欲しい」

 

こいつはどうあっても止まらないらしい。

 

こいつの個性は見せてもらった。

すげえ身体能力だ。

俺の手を引き剥がすなんてきっと簡単にできるだろう。

だがやらない、何考えてんのか分かんねぇがこれはチャンスだ。

 

個性で見えた強烈な未来。

 

こいつが盗みを働いたと言った瞬間に見えた恐ろしい未来。

 

力では勝てない。なら言葉でどうにか止めるしかねぇ。

時間稼ぎでもなんでもしないとチビが死ぬ。

 

まだ状況は分かってないのかチビは俺の後ろにいる。

きっとこいつは俺が隙を見せればチビを殺すだろう。

 

何とかしてチビを逃がさねぇと。

こいつの言ってることは明らかにどこか矛盾している。

それをつくしかない。

 

「お前のやってることはおかしい。」

 

ーーなんだ?何がおかしい?考えろ

 

虫音は喋りながら考える。

 

「お前、気づいてないのか?お前の言ってることとやってることは明らかにおかしいぜ」

 

ーーそうだ、おかしい

 

「救うなんて言っておいてなんで殺そうとしてるんだ?」

 

「それがこの子にとって幸せだから」

 

こともなげに言う新入り。

 

「幸せ?何言ってんだ?」

 

「この子は悪に堕ちた、これ以上生きるのは彼のためにならない」

 

ーーなるほどな…こいつは狂ってやがる、なんてもん連れてくるんだ先生

 

「悪に堕ちたって…ただちょっと盗みをしただけだろ?そりゃあ悪いことだけどよ、そんだけで殺すのはどうなんだ?」

 

ーー今は少しでも時間を稼ぐ

 

「ダメだよ、犯罪は罪だ。人としての道を外れた彼は弱者だ」

 

「それはちょっと極論過ぎねぇか?」

 

「人として真っ当に生きれない彼を俺は救わないといけないんだ」

 

「おい、少し待ってくれないか。お前の言ってることが全然分からんぞ」

 

ーー会話にならねぇ

 

「真っ当に生きる人は強い人なんだ、真っ当に生きれない人は弱い人なんだ。

弱い人はこの世に生きてることが辛いんだ。

だから俺が救ってあげないと」

 

ーーこいつ…馬鹿なのか?いやそれよりも洗脳に近いか?親はどんな教育してたんだ。ちくしょう、判断材料が無さすぎる

 

「なぁ、お前、犯罪がダメって言ったよなぁ。

お前のそれは殺人じゃねぇのか?」

 

「これは殺人じゃないよ、救済だ」

 

「だが事実としてお前は人を殺してる」

 

「いつか皆が俺の考えを分かってくれると信じてるよ」

 

ーーダメだ、話にならない

 

「お前は随分と罪を重視するらしいな。

なら盗みが犯罪じゃない国があったらこいつは救われねぇのかい?」

 

ーー違う、そうじゃないだろう。もっと明確におかしなところがあるはずだ。

 

「ううん、人間として、盗みをすることはいけないことだからね。俺は例えその国で犯罪じゃなくても救うよ」

 

「そりゃあおかしいんじゃねぇのか?それならお前の救いってやつはお前の気分で決めるってことか?

 

いつかマナー違反で人を殺しそうで怖いねぇ」

 

「間違いは誰にでもあるからね、俺は間違いも人間として正しいと思うよ」

 

「正しいぃ?ならこいつも間違いってことで見逃してくれねぇか?。」

 

「ダメだよ、間違いは誰にでもあるけど、悪に堕ちるのは弱者だけだ」

 

ーーこいつの言ってることを正確に理解しろ。

 

「弱者?さっきから聞いてるがなんだそりゃあ?」

 

「真っ当に生きれない弱い人達だよ。俺はその人たち救ってあげたいんだ」

 

「んでその救いが殺すってことかよ。頭おかしいんじゃねぇのか?」

 

ーー真っ当?こいつの中に何か規範があるのか?

 

「悪に生きなきゃいけない人達は生きているのが辛いんだ、だから救うにはそうするしかないんだよ」

 

「こいつらが更生して生きるんじゃダメなのかよ」

 

ーーそうだ、普通はこう考える。何がズレてるんだこいつ

 

「ダメだよ。彼らは弱い人達だと証明された。それなのに生きていくのは可哀想だよ」

 

「強くなるっていう選択肢はないのかよ」

 

「大丈夫、そんな努力しなくてもすぐ救ってあげるから」

 

「なぁ、なら俺がこいつらの面倒をみる。それで許してくれねぇか」

 

ーーこんなんじゃこいつは止まらんだろうな

 

「許す?まだ勘違いしてるみたいだけど俺は救うんだよ。

悪に堕ちた人全員を救ってあげるんだよ。」

 

「そんな救いこいつらは求めてないんだよ。この自己中やろう」

 

「大丈夫、今はまだ分からないだけだよ。天国があるならそこで理解してくれるよ」

 

ーーマジでヤベェぜこいつは。

そろそろ限界か?

 

 

 

……いや俺が諦めたらこいつが死ぬ、今が分水嶺だ。

なんだ?こいつの考えを揺らがせる何か…何かないのか。

 

考えろ、思考を止めるな、ヒントはあったはずだ。

 

こいつが今まで話してきた考えを思い出せ。

 

罪。真っ当。救い。弱者。強者。…………

 

頭を駆け巡る言葉。

 

まだだ。何かあるはずだ。何か。………………見えた

 

「なぁ、お前、それが本当に人として正しいことなのか?」

 

ーーさっきから聞いてたらこいつの中には聖人みたいな人間規範がある。

人に迷惑をかけず真っ当に生きようというようなまるで子供が考える理想。

そんな風に考えたやつはきっと人類史に何度もいたはずだ。

なら何故こいつみたいにおかしくなってねぇのか?

それはきっと人を裁く行いは人1人がやることじゃねぇからだ。

 

「お前なんの権利があってそんなことしてるんだ?

 

そんな風に人を自分のルールで格付けして、自分のルールで裁く。

そんなの人間として正しくねぇんじゃねぇのか?

 

よく考えろよ。

無理なんだよ、そんな理想。

誰もお前に共感しねぇしできねぇよ。

 

お前の考えに乗っ取って言ってやろうか?

お前は正しくないんだよ、そんな風にお前の理想を押し付ける行為は

 

人として真っ当じゃないんだよ。」

 

 

「ん?……ん?」

 

ヒロの中で自問自答をする。

ヒロの一瞬動きが止まる。

それだけあれば十分だった。

 

「今だ!!逃げろ!!」

 

俺たちの話が理解できてなくても、やばい雰囲気は伝わったのだろう。

後ろで足音が遠ざかる。

 

 

考えたこともなかった…。

権利……権利かぁ。

 

救う権利?助ける権利?確かに俺にそんなものがあるのか?

 

ヒロは考える。

自分は正しいのか。

 

 

虫音は1つ誤解していた。

ヒロと最低限コミュニケーションが取れたから、話を聞く姿勢を見せたから。

きっといつかは理解してくれると誤解してしまった。

 

しかし、残念ながら彼はもう壊れ切っている。

 

分不相応な力をもらい、その代償に耐えきれなかった彼は、既に人ではないなにかになってしまっている。

 

彼の魂は「絶対に」揺らがない。

 

それは、彼の心臓が止まるまで変わることは無い。

 

 

ーー人を助けるのに権利が必要なのか?

権利なんてなくても人を助ける、まるでヒーローじゃないか。

 

うん、人を助けるのは正しい行為だ。

だから。

 

俺のやってることは正しい。

 

「正しいよ、だって。

 

人を助ける行いは何より尊いものだから」

 

 

これは「彼だけの」正義の物語

 

 

 

 

 

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