ホロライブ・オルタナティブver.IF   作:天野空

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激戦編

そこは神社の中にある大桜の咲く中庭。

大桜の前でみこ、ミオ、あやめ、フブキは待っていた。

「来たね」

みこが眼前の空間が揺れるのを見つける。

そして、黒い円が現れ、そこから待ち人が現れた。

「待っててくれたんですか?先輩方」

前回と違い両手に銃を持つぼたん。

その武装が彼女本来の装備なのだろう。

「来るって言ってたからね、先輩としては待ってあげないと」

腕組みをしながら胸をはるみこ。

「ここにいるなら話は聞いたんですよね?」

「聞いたわ」

ミオが両手におおかみの力を集める。

「なら、そっちはそっち、こっちはこっちで都合がありますから」

「そうだね、勝った方の好きにするのがいいんじゃないかな?」

フブキも剣に手をかける。

「この前、少しだけど対峙してわかった余。

ぼたんちゃんもこっちの方が分かりやすいんだ余ね」

あやめが鬼神刀阿修羅に手をかけた。

「勝った方が決める。

シンプルで分かりやすくて好きですよ。

そういうの」

ぼたんも両手の拳銃を構えた。

「じゃ、やろうか」

そう言ってみこが大麻を持ち歌を歌い始める。

剣劇の歌。

歌は力を持ちその場に影響を与える。

先制はぼたん。

4人の方には近づかず拳銃を撃ち続ける。

しかも全て「ヘッドショットとはね」

そう言いながら、フブキは飛んでくる弾を切り落とす。

ミオも迫りくる弾を手で打ち落としていた。

「ヘッドショットと分かっていてもそこまで普通防げませんよ」

ぼたんは撃ちながら笑う。

「それも自分以外の弾も落とすなんて」

そう、あやめは自分に飛んでくる弾以外にみこの方に撃ってくる弾も切り落としていた。

「余に不可能はないの余」

笑顔で返すあやめ。

「それじゃ、少しピッチをあげましょうか」

ぼたんはそう言いながら後ろに飛ぶ。

そして、黒い円の中に姿を消した。

『え?』

驚く3人。

「ここですよ、先輩」

先程いたところとは全く別の場所から声がして弾丸が飛んでくる。

フブキは間一髪で切り落とす。

「やりますね」

またも消えるぼたん。

そして、またも予想外のところから弾が飛んでくる。

ミオもその弾を受け止める。

「コメント集の力を使って瞬間移動みたいな事してるみたい」

ミオは周りに気を配りながら言った。

「ワープしながら確実に頭狙ってくるのはちょっと反則」

フブキも先程から迫ってくる弾をなんとか切り落としていた。

しかし、どこから飛んでくるか分からないその弾はさっきより4人を確実にとらえようとしていた。

「反撃しないとやばいかな」

「そうだね」

「そろそろ頃合いだ余」

みこの歌を聞きあやめが合図する。

ミオとフブキは頷いた。

「さ、大神の力をとくとご覧あれ」

ミオの言葉と同時に広間を何かが包み込んだ。

「な?」

突然ぼたんが姿を表す。

「どうして?」

「大神の力でここ周辺の空間を掌握したの、なのでこの周辺では瞬間移動みたいな事はさせないよ」

「こんこんこーん」

フブキはそう口ずさみながジグザグに動きぼたんとの間合いを詰める。

「音たてながらきたらバレバレですよ」

ぼたんは両方の拳銃を構え、フブキを狙い撃った。

ダダン

2つの拳銃から出た銃弾はフブキの額を貫いた。

驚愕した顔のフブキ。

しかし、撃たれたはずのフブキはニヤリと笑い、煙と消えた。

「こんこんこーん」

ぼたんの背後で声がする。

すぐに後ろに振り向けば、刀で切りかかってきているフブキ。

ぼたんは拳銃の柄でとっさに防御した。

「狐と獅子の化かし合いってね」

そのまま、吹き飛ぶぼたん。

その先には鬼神刀阿修羅を納め妖刀刹那羅刹を構えるあやめ。

大太刀を上段に構え、吹っ飛んでくるぼたんに振り下ろした。

体制を変えながら二丁拳銃を合わせ頭上で受け止めるぼたん。

あやめの力でぼたんの足は地に押さえ込まれる。

「すごいね、余達の攻撃を上手く捌くなんて」

「それはこっちのセリフですよ、こっちは殺す気満々で攻撃してるのに全て捌くどころかそっちは峰打ちしてるんだから」

そう先程攻撃したフブキも、今ぼたんに振り下ろされている大太刀も峰打ちだった。

「でも、ここまで距離を詰めればこっちの勝ちです」

ぼたんは力を抜き、拳銃を捨て数歩後ろに下がり、あやめの横をすり抜ける。

その動作を一瞬で行うぼたんの動きはまさに神業だった。

ぼたんの目の前には両手で大麻を持ち目をつむり歌っているみこ。

そして、その後ろにはぼたんの目標、御神体があった。

みことの間合いを詰めるぼたん。

みことの距離が後一歩のところまできた時、みこの歌が終わった。

そこは一本の並木道。

両サイドには満開の桜が並んでいた。

「???」

周りを見るぼたん。

さっきまで御神体の前にいたのになぜこんな場所に?

間合いを詰めたはずのみこからもいつの間にか離されていた。

そして、この場所にはミオもフブキもあやめもいない。

「さぁ、これで終わりにしようか。

天上天下、唯我のみ尊しと為す、故に我眼前の者も尊しと為す」

ゆっくりとみこは手から大麻を抜く。

それは桃色に光る刀身。

大麻だったものは今はみこの手の中で桃色の刀となって握られていた。

ゆっくりと前に進むみこ。

ぼたんはその姿を見た時から動けなかった。

ぼたんはみこに見惚れていた。

そして、みこは刀を振り下ろす。

「終わったみたいね」

仰向けに倒れているぼたんを見下ろしながらフブキが言う。

「気を失ってるみたいだね」

ミオも覗き込んだ。

「一応、悪いモノだけ斬ったから大丈夫だよ、たぶん」

「たぶんって」

みこの言葉に呆れながらミオが笑う。

「でも、これでひと安心だ余」

あやめも笑う。

「後はこれをどうにかしたらね」

あやめの背後に現れる光の鬼武者。

鬼武者はその光の刀でみこの背後に現れたコメント集を切り裂いた。

「やっぱ、潜んでたんだね」

みこは2つに分かれたコメント集が1つになろうとしている中にトワから受け取った弾丸を投げ入れる。

1つに戻ったコメント集は弾丸の影響で弾けて消えた。

 

 

 

「ここは僕が引き受けるよ」

大量のゾンビ?を前にかなたは指を鳴らす。

背後にはもう洞窟の入り口が見えていた。

「かなた1人じゃ寂しいでしょ」

ココもかなたの横に立つ。

「じゃ、私も残ろうかな」

「アキロゼ先輩いいんですか?」

「いいよいいよ、かなたんやココ会長に負担増やしたくないし」

「じゃ、ここは任せてトワ達は洞窟に向かって」

トワ達は頷き洞窟に向かう。

トワ達を見送った後、ゾンビ?の群れに向き直りかなたとココはその姿を変える。

金色の長い髪、巨大な竜が並び立つ。

「じゃ、私も頑張ろうかな」

アキは何もない空間からロングライフルを取り出す。

「えっと?アキロゼ先輩そんな能力もってたんですか?」

ちょっとびっくりしながら聞くかなた。

「あ、これ?

異世界では普通なんだけどね、アイテムボックスっていう異次元に通じてる道具入れ。

なかなか入るし便利だよ」

「ああ、猫型ロボット的なやつですね」

ドラゴンココが頷く。

「そうそう、そんな感じ」

アキも笑って答えた。

「あ、それなら僕も知ってますよ」

なぜかすぐアピールするかなた。

そんな姿をココは妹を見ているような目で見ながら頷いていた。

「ほらほら、和んでないでやっちゃうよ」

ライフルを構えるアキ。

「はい。

では、かなた行きます」

それに呼応してココも咆哮する。

かなたとココはゾンビ?の群れに突っ込んだ。

1人1人の力は小さく、かなたもココも苦戦はしていなかった。

ただ、数が多い為何人かはかなた達を越えてくる。

そこはアキが確実にライフルで仕留めていた。

順調に足止めをしている中、かなた達が抑えている場所とは違う所から十数人のゾンビ?が現れた。

ゾンビ?達はライフルを構えるアキに襲いかかる。

「やばい、アキロゼ先輩が」

しかし、かなたもココもその圧倒的な数のゾンビ?に行くてを阻まれる。

アキに迫るゾンビ?達。

アキはロングライフルをアイテムボックスに入れ、力を抜きゾンビ?の群れに近づいた。

ウーアーとゾンビ?はアキを掴もうと手を伸ばす。

しかし、アキには触れられなかった。

紙一重で避けるアキ。

そして、すれ違い様にアイテムボックスから、短銃を取り出しゾンビ?に撃った。

タンと小さな音。

1発しか弾が入ってないその短銃をアキは撃ってはアイテムボックスに入れ、次にまた新しいのを出し撃つ。

タンタンタタタン。

まるでダンスのタップ音の様な音と流れるようにゾンビ?の間をすり抜けていくアキ。

それはダンスを踊っているようだった。

目が離せなくなるその動きにゾンビ?を倒しながらかなたとココは見惚れていた。

そして、ゾンビ?達をすり抜けたアキの後ろで、ゾンビ?達は力なくその場に倒れた。

その顔は至福の顔をしていたようだ。

「さぁ、トワちゃん達が終わるまで頑張るわよ」

いつの間にかロングライフルを構えているアキ。

かなたもココも首を振り気合いを入れ直す。

足止め部隊は順調だった。

 

「これはこれはまたすごいメンバーで来たんですね」

洞窟の入り口の上に座りトワ達を見下ろすポルカ。

「ま、まぁね」

トワはメンバーを見る。

そんなトワをシオン、ちょこ、メルが不思議そうに見返した。

「戦闘系ってトワ様とシオン先輩だけじゃないですか?」

「え?そんな事ないよぉ、わたくしも戦えます」

色気を醸し出しながら抗議するちょこ。

そうだそうだと後ろでメルも抗議していた。

「ま、ある意味ちょこ先生とメルちゃんはシオン達より厄介かもね」

「ちょっとシオンちゃんどういう事?」

頬を膨らませ可愛く怒るメル。

「じゃ、話しててもしょうがないし。

そっちも簡単にコメント集潰させてくれないんでしょ?」

「あったり前じゃないですか」

トワの言葉にその場に立つポルカ。

「さて、ポルカのイリュージョンとくと楽しんでいってくださいよ」

ポルカは地面を鞭で叩く。

ポルカの両脇から光輝くライオンが突然現れ、トワ達に襲いかかった。

間一髪避けるシオンとトワ。

ちょことメルは少し離れたところで2人を心配そうな顔で見ている。

「よっと」

雷の魔法をその身に纏いながらシオンはライオンに蹴りを放つ。

吹き飛ぶライオン、それに追い討ちをかけるように炎の魔法を打ち込むシオン。

炎の魔法はライオンに当たり弾け飛ぶ。

しかし、光のライオンは何事もなかったように元に戻り吠えた。

光の魔法か何かで出来てるのかな?

シオンはそんなライオンと対峙しながら思っていた。

トワの方もなんとかライオンの攻撃を防いでいるが、決定打を入れれずにいた。

「もう、こうなったら」

ライオンを蹴りで吹き飛ばし、トワは自分の胸に手を当てる。

「本気でいくよ、デビル化」

トワに周囲から闇が集まる。

そして、トワは自分に眠る力を解放した。

肌は浅黒く額には2本の角。

服も体にぴったりの服に変わっていた。

背には真っ黒な天使の羽。

『あ』

それに、気づくメルとちょこは思わず口を手で抑えた。

「さぁ、行くわよ」

背中の羽には気づいていないようでトワはライオンに向かって猛攻撃を開始した。

洞窟の上からそれを見るポルカ、トワに向かって何かを言おうとした時、メルとちょこは名一杯に手でばつを送っていた。

ポルカもそれを見て無言で頷く。

理解のある子でよかった。

そう心底思うメル達だった。

デビル化したトワの力は圧倒的だった。

散り散りになるライオンはすぐに元に戻るが、すぐさままた散り散りにする。

心なしかライオンの光が薄れている感じがした。

シオンもその多彩な魔法と体術でライオンを追い詰める。

シオンのライオンもほとんど消えかけていた。

「さて、それじゃ、ポルカ様のお相手はわたくし達がしましょうか」

ポルカはその声に振り替える。

いつの間にかちょことメルが背後に回っていた。

「さっきまで下にいたと思ったんですけど」

「一応、これでも特殊能力持ちだからね」

ポルカの問いにメルは笑顔で答える。

「さて、わたくし達の攻めにどこまで耐えてくださるのかしら、ポルカ様は」

舌舐めずりするちょこに何かしらの恐怖を感じるポルカ。

「ちょ、ちょっと何か怖いんですが」

後ろに一歩下がるポルカの背中に柔らかい物が当たった。

「え?」

「つかまえた~」

いつまに後ろに移動したのかメルに背後から抱き締められるポルカ。

「これで終わり!」

トワとシオンはほぼ同時に光のライオンを消滅させた。

ポルカを見上げるシオン。

「あちゃぁ、捕まっちゃったか」

シオンが呟く。

「これでこっちの勝ち確ね」

ポルカを哀れんだ目で見上げるトワ。

その姿はいつもの状態に戻っていた。

「そうねぇ、自我のある相手なら耐えられないわぁ」

シオンとトワはそう言いながらも後ろを向いた。

「可愛い耳してるよね」

メルはポルカの耳元で囁く。

「ちょ、ちょっと止めてください」

手で振りほどこうとしたが手が動かない。

今度は前からも柔らかいものが当たっていた。

「だ~め、逃がさないですよ、ポルカ様」

メルとは反対の耳元でちょこが囁いた。

「本当に可愛い耳してるよね、噛み付きたいくらい」

そう言ってメルがポルカの耳に噛み付いた。

カプ、カプ。

それは優しく時に強く強弱の付け方が絶妙な噛みつきだった。

「うわぁ、うわぁ」

ポルカは首を振って抵抗しようとするが、いつの間にか後頭部に2つの柔らかい物を押し当てられ、手で頭を固定されている。

体はもちろんちょこにホールド済みだ。

「始まったね」

「はじまったねぇ」

後ろを向いているトワとシオンは背後から聞こえるポルカの悲鳴?に手を合わせる。

「どうですか、ポルカ様?これが悪魔の囁きですよぉ~」

ちょこの囁きに人より大きな耳を持つポルカは、ちょこが言葉の間に放つ微かな吐息も敏感に感じてしまう。

「やばい、やばいです~」

「もう、動かないでねぇ」

さっきよりもぎゅっと抱き締められる頭。

そして、目もメルの腕でふせがれる。

前と後ろから感じる柔らかさと耳に絶え間なく続く刺激と甘い言葉、視覚も奪われ余計に意識が他に集中する。

「本当にダメ、これはやばい、ダメです」

聞いた事のない悲鳴に似た声をあげながら、ポルカは気を失った。

「あらあら、ここからもっと楽しいのに」

「残念」

心底残念そうに気を失ったポルカをメルとちょこは抱き締めていた。

「終わったねぇ」

「うん、終わった」

トワとシオンは天を仰ぐ。

ポルカよ、安らかに眠れ。

パン

その時、ちょこ達の背後にあったコメント集が静かに弾けて消えた。

トワ達は眼下を見下ろす。

そこにはココドラゴンの背に乗り、体をかなたに支えられ巨大なライフルを構えたアキの姿があった。

トワから事前に渡させた弾丸をアキが戦いが終わったところを見計らって打ち込んだようだった。

トワはそんなアキ達に向かって手を振る。

自分達の勝利を知らせるように。

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