仮題   作:停滞する手痛い定退

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仮題

月明かりが窓から差し込む薄暗い部屋、皆が寝静まった家で1人円環を描く

 

「示せ、罪を、売人と罪人の在処を」

 

紡がれた声に呼応するように描かれた円環は形を変え水銀画膨張し高低差を、街を作り上げた、そして場所を示す様にとある場所の水銀が形を変えマーカーとなった

 

「場所、変えたのか、無駄なのに…」

 

水銀は写し出す、その地下に隠された秘密通路でさえも…

逃げようとも追ってくる、風のようにいつ傍らに居ても可笑しくは無いのだから

 

装備を確認する、特殊弾倉が5、彫刻済みナイフが3、無彫刻ナイフが3、トリップワイヤーが2、手袋が2、特殊弾頭用加工済みリボルバーが1、発煙筒が2、閃光弾が2、そしてランタン。充分だ

いつもの定位置に装備を格納し手袋の一対を嵌める、壁にかけてあるワイヤー用ガントレットをその上に付け、ワイヤーの確認を済ませガントレットにカスタムパーツを挿入する、準備は整った音もなく開けられた窓から1も2も無く飛び出し夜に溶ける

 

 

 

 

強いノックで目を覚ます

「何事だ!」

「て、敵襲です!」

「敵だと?」

「黒い中折ハットを被っりランタンを吊るした男が1人で…」

「1人だと?数で潰せ」

「そ、それが殆ど何も出来ず崩れ落ちるy…」

 

ドサッと鈍く重い音、そして聞こえてきたのは…

 

「よう、元気みたいだな、売人、粛清の時間が来たぞ」

 

3年ぶりの聞きたくない声だった

 

「な、何故此処が…」

「何故だって?おいおい、寝てんのか?そんな事すら忘れっちまったって訳か…」

 

後ろからヤツの声がする、扉も通らず室内にいる

 

「私が何をしたって言うんだ」

「心あたりが嫌ほどあるんじゃないか?」

 

嫌な汗が出るのを自覚する、葬儀屋なんて呼ばれてたがこいつは死神だ

 

「そんな悪夢を見ているような顔をするんじゃないよ、旧友との再開だろ?まぁ、もっとも己が愚行により摘み取られる側になった訳だが…

私はこれでも高く評価していたんだよ、それこそ信頼を置けるぐらいには」

「葬儀屋、久しぶりだな」

 

少しずつ移動する、あそのにいけばあれがある、あれならやつを…

 

「あぁ、久しぶりだとも3年と6日と12時間ちょっとぶりじゃあ、ないか…

私は悲しいよ、信じていたのに…あー、悲しい悲しい…で、なんでそんな事した?お前だって馬鹿じゃない、金欲しさだったらそんな事する必要も無いだろう?まさかあの額で足りない訳ないだろうに…理由は?」

 

着いた、あとは取り出すだけ

 

「理由?……こっちにも都合があったんだよ!それをおいそれと話せるか!お前がぬけぬけと回る口を回してる間に俺をはこれを確保したぜ、これで形勢逆転だ」

「え?なに?それで形勢逆転したと本気で思ってんの?いや、まさかぁ………えー?ないないない、その程度で形勢逆転は赤子が逆立ちしてもない、なに、ジョーク?ラテラーノジョークはやっぱり分かんないや」

「巫山戯るな!これは60口径の重機関銃だぞ!?アーツで体を強化できないやつが使えば反動だけでミンチになるような代物だぞ!?」

「いや、だって……当たらない弾いくら撒いても意味無いんだよ?」

「貴様のアーツで逸らされてもアーツには許容限界があるはずだ、どれだけ強力だろうと数には勝てねぇんだよ!」

「いや、無いけど?」

「は?」

「ないよ、限界」

「??????」

「えっと、その……なんかごめんね、頑張ってたみたいだけどさ、これ、自動的にやってくれてるからそこのリソース使ってないんだよね、そもこれ……単純だから消耗しないし…なんて言えばいいんだろ…アーツは全力ダッシュ、に対してこれは呼吸、呼吸使えれてできないとか……ほぼ無いでしょ?」

「く、クソ野郎がぁ!」

「だから無駄なんだって、やめときぃ?強化してようと痛いやろ?」

「この、当たれ!当たれぇ!」

「…………ダメだこりゃ」

 

錯乱し60口径とかイカれた重機関銃をぶっぱなす嘗ての知人にただ肩をすくめるアルジェント、仕舞いには『がんばえー』って気の抜けた声援を送っていた

 

「どう、なってやがる…」

「無駄なんだよ、分かったでしょ?」

 

いつも通りの無表情から諭すような声音で語り掛ける

いや、少しは笑えよ

 

「この化け物め…」

「おいおいおいおいおいおいおいおい、それを言うのはちったぁ……遅すぎやしねぇか?4、5年程」

「この狂人が……教皇の手によって裁かれろ、直ぐに後悔する事になるぞ」

「へぇ、敵は教会にあり、か……うーん、まぁ、旧友のよしみだ、せめて楽に、ね?」

 

ランタンを取り出し左右に少し振る。青白い軌跡が貫く

 

「うん、確かに貰い受けたよ、じゃあね…」

 

倒れた抜け殻をそのままに窓からダイナミックエントリーをかけ夜に溶ける、夜明けは近い、2人の元へ戻らなければならない

 

───

 

「………なんで?」

 

戻ってみれば玄関先で2人が、まるでゴミを見るような冷めた目で帰りを待っていた

 

「おやおやおやおやおやおやおやおやおやおやおやおやおやおやおや、朝帰りとは感心しませんね」

「……問答、無用」

「え?ちょっ!?なんか勘違いされておりm…」

 

鯖折りにされ意識を刈り取られ運ばれていく、哀れ哀れ

ふふふっうまぴょい!

やめないか!(殴)

 

「誤解なんだって!?シャドールと薬物をしまってくれぇ!」

 

( ˇ人ˇ)Amen!

 

「勝手に殺すな!」

「「死ぬまで絞りましょうか?」」

「結構です!」

「「え?結婚です?」」

「言ってねぇ!?」

 

尚無表情、声だけ迫真とか冗談は顔だけにしてくれよ……動いてないの顔だけだから顔だけなのか?…ん?何言ってんだろ?哲学か?

 

墓守の戦いはこれからだ!(打ち切り)




あげ忘れてた打ちきりエンドです(は?)
その後とかはたぶんドクターが何とかしました

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