Side徹
集中治療室から誰一人も居なくなった直後の事…
「うぅ…?此処は診療所の手術室?…そうだった確か僕は階段から落とされて頭を打って…」
そうか尾崎の先生が治療をしてくれたのか…だが僕はこの時思い違いをしていた事に後になって気が付く事となった。
「嫌ああああー!?」
「この声は…律子さん!?」
手術室から出ようと扉に手をかけたその時、外から悲鳴が聞こえてきたのだ。
しかもそれは僕が愛する想い人の叫びだった。
僕が慌てて出てみると診療所内は所々が荒らされていて周囲一辺には灰が積もっていた。
そして見た事の無い灰色の化物が想い人である律子さんに襲いかかろうとしていたのだ。
やめろ!…彼女に手を出すなあー!
「う、うおおおおおおー!」
「ぐわっ!?」
僕は律子さんを化物から守る為に無我夢中で叫びを上げながらタックルを仕掛けた。
己の体の変化に気が付く事無く…そして律子さんは気絶してしまっていた。
彼女の事は心配だけど今はこの化物をなんとかして外に追い出して安全を確保してあげないと…!
そう思い僕は意を決して化物に挑もうとした時だった。
「俺と同じ!?…」
「え?…」
ふと化物がそんな事を言ってきたのだ。
僕があの化物と同じ?…恐る恐る己の両手を見てみると確かに僕の体は何時の間にか化物と同じ灰色の不気味な体になっていたのだ。
「何ですかコレ!?…」
「!…あんちゃんこの奇妙な体に成り立てだったのか…俺も最初こそは驚いたものだけどよ…慣れちまえば案外どうって事はないぜ!神様もこの力で尾崎の糞野郎に復讐しろって言ってるんだなって!」
「尾崎の先生が貴方に一体何をしたっていうんですか?!」
困惑する僕に対して化物はそう言い放ってきたので気になり僕は問いかけた。
「何をしたかだと?…あの医者を名乗る糞ペテン師はな!俺の愛する妻を見殺しにしやがったんだ!単なる医療ミスとかじゃない!…多額の手術費を払っていたにも関わらず奴は今日みたいに下らない会合なんぞを優先して手術をしなかったんだよ!
調べたら俺以外にも奴の被害者遺族は大勢居たが…ほとんどが真実を知らずに泣き寝入り状態さ…だからこの力に目覚めた俺が率先して奴に復讐してやらないと死んでも死に切れねえんだよ!」
「尾崎先生がそんな!?…」
僕は化物の彼の返答を聞いて驚きを隠せなかった。
村唯一のお医者の先生が真逆患者さんの命をないがしろにしていたなんてとても信じられない事だった。
という事は僕も…一度死んでしまった?…
「だからといって他の看護師さん達まで巻き添えにしたのは…」
「ああ?奴の汚い手段で俺達から巻き上げた金貰って悠々と生活している奴等も同罪に決まっているだろ!」
「それでも!…」
彼の悲痛な思いは痛い程良く理解は出来る…それでも直接は関係の無い者達の命まで奪ったのは到底許されるべき事などではない。
「僕が貴方を止める!」
「やってみろよ青二才が!」
「うっ!?…」
彼を止めようとなんとか試みるがこの奇妙な体に未だ慣れていなかった僕は一方的な防戦を強いられる。
「そらそらそらあ!」
「ああ!?…」
僕は化物が放ってくる触手を捌き切れずに吹き飛ばされてしまう。
「ぐうっ!?…」
「はあはあ…あんちゃんにこれ以上俺の復讐の邪魔をされちゃ敵わねえ…トドメを刺してやるよ!じゃあな!」
「!…」
化物が触手を思いっ切り振り上げてくるのを目にして僕はおもわず目を閉じた。
「い、いでえ!?…」
「?」
だが一向に痛みは襲ってこずに代わりに化物の彼の片腕が何処からともなく飛んできた緑色の光を放つ棒の様な物体に斬り裂かれていた。
彼は痛みに悶える。
「い、一体何が?…」
体力の限界を迎えた僕はそのまま気絶した。
マジで敏夫の末路どうしてやろうか悩む…
正史郎をオルフェノクにするか否か?
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する!
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しない