天狐の使徒と屍の鬼が紡ぎし狂想曲   作:カオスサイン

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EPⅩⅡ「人の形をした者達PARTⅢ」

Side砂子

「ちょっといいかしら?正史郎」

「何だい砂子?」

「今屋敷にとても面白いお客様がいらっしゃっているの。

戻ってきた同胞達を可能な限り大広間に招集をかけてほしいのだけど…」

「何だって?…」

「ええ、彼等を目にすれば絶対に驚く事間違い無しよ!」

「君がそこまで言うなんて珍しい事もあるものだね…了解したよ」

私が父親代わりである人物を呼びにいき彼等の事をそう伝えると彼は目を丸くする。

「それと千鶴は?」

「ああ、彼女なら既に帰ってきてはいるけどもう休息に入っちゃっているからね…」

「そう…出来れば彼女にも居てほしいものだったのだけれど…」

肝心の千鶴はというと帰ってきて早々に休息に入ってしまっているらしく今は彼女の動向に釘を刺しておく事は出来ないと判断した私は他の同胞達の帰還を待つのだった。

 

Side十六夜

「これはこれは!君達が義娘から聞いた面白いという客人かな?」

「ああ、その通りだ…」

砂子ちゃんが呼びつけた屋敷内の唯一の人間だというおっさんと他の起き上がり達が集められた。

「正史郎に言われて集まったはいいっすけど…む?…」

「アンタ達一体何者なんだい?…」

「辰巳、それに佳枝も彼等の異常さに気が付いたみたいね…流石『人狼』だわ」

アスタルに変身していた時に遭遇した男、辰巳と二十代中盤くらい?の女性の佳枝さんは俺達を見てすぐにその異様さに気が付いたようだ。

「へえ…確かに君達は実に面白いようだねえ!」

「わ、分かるものなんですね…」

あのおっさんが唯一の人間の正史郎という人物だな。

彼も起き上がり達に言われて俺達をじっくりと観察してそう言った。

オルフェノクになって日が浅い武藤先輩だけはおもわずたじろいでいたが。

「当然だ、なんたってもう何年も彼女達起き上がりと共に過ごしてきてきているのだからね!

だがやはりそこまで良くは分からないかな」

「では…お見せしましょうか!フッ…!」

正史郎のおっさんは俺達の異様さは分かるもののやはり疑問は感じているようだった。

そして俺達はそれぞれの姿へと変身した。

「「!?」」

「ほう!…」

オルフェノクへと変身を完了させた俺達を目の当たりにした彼等は驚愕していた。

正史郎のおっさんだけは歓喜に満ちた声を上げているが。

「俺達のこの姿はオルフェノク、人類種の進化系とも云われており素質を持った人間が死を経験する事によって生まれ変わった者達の総称です」

「そんな事が…」

俺達は元の姿へと戻りオルフェノクの説明をしていくと彼等は絶句する。

「す、素晴らしい!…他にどのような力が備わっているのだね?」

おっさんが興奮気味に疑問を投げかけてくる。

「彼等の体はね本来生きる為に必要不可欠な筈のモノが存在しないのよ…!」

「はあ!?」

「何だって!?それはもしや…」

既に事情通である砂子ちゃんが告げると起き上がりの人達は驚き、おっさんは察したようだ。

「ええ、実はオルフェノクへと至る際に心臓を一切必要としなくなるのですよ…」

「なんと!…」

「ですがデメリットはあります…種の差もありますが肉体がオルフェノクの力についていけなくなって普通の人間よりも短命だという事です…ですが俺と俺が使徒再生を施した恵にはそのデメリットはありません」

「ほう…?それは何故なのかね?」

おっさんに問われて俺は自身について語る。

「それは俺がアークと呼ばれるオルフェノクの王に最も近しい力を持つオリジナルのオルフェノクに成っていたからです」

「オルフェノクの王様!…それに先程言っていた使徒再生だったかな?それにオリジナルとは?」

「オリジナルとは自然死で覚醒する強力な力を持ち得た個体の事です。

オルフェノクは使徒再生を用いてでしか基本同胞を増やす事が出来ないのです…その中で素質の有る者はそのままオルフェノクへと覚醒し、反対に素質無き者には肉体の灰化という崩壊が待っています。

従って起き上がりはオルフェノクにも至れなかった半端な者達であると俺は考えています」

「…もし彼等が君にそれを頼んだとしても…」

「ええ、百%悲惨な末路の結果になるだけですね…」

俺はそう告げるとおっさんは少し考える様な顔をする。

「ならば逆にこの私ならばどうなのかな?」

「…それはやってみない事には分からないのですが…」

おっさんは自分に使徒再生を行って欲しいようだが…

「本当によろしいんですね?」

「ああ!…私は起き上がりにはなれないと知り絶望した!…だがオルフェノクという存在を知り私は是非共至りたいと思った!」

おっさんの決意は揺るがないようだな…。

「武藤先輩…」

「…分かったよ…」

俺はおっさんの決意を聞いて武藤先輩に頼んだ。

「い、いきます…ちょっと痛いですけど我慢して下さいね…」

「!…」

先輩はタイガーオルフェノクに再度変身し正史郎のおっさんの胸に鍵爪を突き立てた。

おっさんは少々の苦痛に顔を歪めたものの体は保っていた。

「正史郎!…大丈夫?!」

「む…おお…力が漲る!」

「成功したようだな…では力の扱い方を御教授致しましょう!」

「頼む!」

おっさんに施された使徒再生は無事に成功を収め俺は早速彼に力の扱い方を教えるのだった。

 

正史郎をオルフェノクにするか否か?

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