Side十六夜
再びオルフェノクとして砂子ちゃん達起き上がりと向き合った俺達は唯一の人間であった桐敷 正史郎さんを同胞として迎え入れた。
翌日、俺は武藤先輩の案内を受けて起き上がりに理解を示しているというもう一人の人間と対面していた。
「室井 清信さんですね?」
「ええ、そうですが…貴方は?」
「俺はついこの間からこの村に引っ越して来た神原 十六夜といいます。
貴方がこの村に伝承として伝えられている起き上がりについて認知しておりそして理解を示しているとお聞きしましてね」
「!…一体その事を何方から?」
「それは御存じなのではないですか?」
件の人間である室井さんに俺がそう話を切り出すと彼は僅かばかりの警戒をみせる。
「もしかしてお会いになったのですか?彼女と…」
室井さんは恐る恐るそう聞いてくる。
「ええ、起き上がりの実質的リーダー格である彼女や他の起き上がり達の何人かとは会いましたよ」
「…神原さんでしたか、貴方は彼女達に対して…」
俺がそう答えると室井さんが今度はそう問いかけてきた。
「偏見やらといったものは一切感じていませんよ。
誰だって生きたいという思いはあるものですしね…それに今はまだ詳しい事はお伝え出来ませんが俺達は起き上がりとは違う事情を抱えています」
「え?」
「似て非なるもの…とだけ言っておきましょうか。
それともう一つお聞きしたいのは室井さん、貴方の幼馴染である尾崎 敏夫についてです」
「敏夫の事…ですか?」
俺は室井さんに奴の人柄について問いただした。
「…」
俺は室井さんの話を聞いて更に尾崎に対して呆れを感じていた。
結局の所、奴は悪い方向にマザコンを拗らせて只々自らの環境に甘んじてきただけの愚か者でしかなかった。
しかも無自覚ときたもんだ、むしろ長所なぞ何処にも見当たらない。
もう躊躇する理由がないな。
「実は尾崎は…」
「え?…」
俺は尾崎が関与している悪事についての証拠を室井さんに見せた。
「こ、これは…本当なのですか!?」
「ええ、先日診療所が何者かに襲撃を受けた事件は知っていますよね?
あの件は尾崎の被害者によって引き起こされてしまったものなんですよ…」
「敏夫…」
室井さんは真逆ここまで幼馴染が汚い事をしているとは思いもよらなかったみたいだ。
だけど彼はどこか納得せざるを得ない部分もあったようだ。
「まあこんなモノ出した所で尾崎は勿論十中八句親族連中も躍起になって握り潰しに出るでしょうな…死人に口なしだといわんばかりにね。
それに奴に何かを期待するというのは無駄な事です…起き上がりの事を知られたら奴は間違い無く…」
「わ、分かりました…留めておきます…」
室井さんは話を聞いて尚未だ幼馴染との関係を完全に切るのには躊躇しているようであった。
まあ時間が経てば決断出来るだろう。
正史郎をオルフェノクにするか否か?
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する!
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しない