Side?
バキイ!
「ぐっ!?…」
「敦ぃ!お前又客の注文間違えただろう!」
「…」
俺は大川 敦、村唯一の酒屋である大川商店の長男だ。
俺は幼い頃から日々実の父親から何かにかこつけては酷い暴力を受けていた。
母親や親類連中は親父にビビッてヘコヘコ媚を売っているだけで一切も助けてくれもしてくれなかった。
一体何度と此処から逃げ出せれたならと思った事だろうか…だけど俺はある時からこの日々を耐える事を選んだ。
その理由は…
「『皆ー!まだまだいけるよねえー?!』」
「!…」
親父から避難していた友人宅のTVで偶然目にした一人のアイドルに俺は心を奪われたからだった。
そのアイドルに俺は完全に初めての一目惚れしたのだ。
俺はこの日から彼女、羽山純子ちゃんを推す事を決めた。
親父からの暴力に必死に耐えて僅かばかりの金を切り詰めて純子ちゃんグッズを買い
漁った。
そして密かにやっていた推活は予想もしていなかった形で報われる事となった。
「!?」
「はじめまして~!」
「おう、しばらくの間ご厄介になると聞いているからよろしくな」
なんとある日、実家を拠点に地方ロケを行うとの事で純子ちゃんが訪れて来たのだ。
当然そんな事を耳にもしていなかった俺の脳内は電流が流れた。
今すぐにでも握手とサインを求めたい所だったが糞親父の手前ぐっと堪え我慢した。
一方の糞親父はというと純子ちゃんに対して無自覚な老害っ振りをこれでもかとしていた。
純子ちゃんや他のスタッフさん達は目に見えて不快そうな表情を浮かべていたが自己中心的である糞親父はそれにすらも気が付いてはいなかった。
最早虚無でしかない仕事を終えて…
「じゅ…羽山さん、俺、大川 敦っていいます!
あ、貴方の大ファンで!…」
「あら?そうなんだ喜んで!」
俺は糞親父が就寝したのを見計らってロケの打ち合わせでまだ起きていた純子ちゃんに意を決して求めた。
彼女は笑顔で(営業スマイルであろうが)快く受け入れてくれた。
「うちの親父があんなのでスマン!…」
「…施設でもあんなタイプの老害を目にした事はあるわ。
あれは命かかる状況にでも陥らないと一生理解しないタイプね…だから貴方が謝った所でどうにかなるものでもないわね」
「…」
糞親父の怖い者知らずな態度について謝罪を述べると彼女はあっけらかんとした態度でそう言ってきた。
「まあ貴方みたいな人が居てくれるだけでも心強いわ」
「!…」
理不尽に晒され、否定され続けてきた人生の中で初めて己を認めて貰えた瞬間だった。
正史郎をオルフェノクにするか否か?
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する!
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しない