EPⅠ「過去での目覚め」
ミーン…ミーン
う?うー~ん…蝉の鳴き声が煩わしいなあ…っては?…
「!?」
俺はその状況が可笑しいと思って混乱しおもわず飛び起きようとするが何かに阻まれた。
確かに俺の肉体は限界を迎えて完全に遺灰と化した筈だ。
なのに確かに体が有る感覚があった。
一旦落ち着いて周囲を見渡してみるとどう見ても病院の一室で俺は医療用の機械に繋がれていた。
ど、どういう事だ?…
「!?先生、患者さんの意識が!」
ふと傍で俺の様子を見ていた担当の看護師さんが慌てて医者を呼びに行った。
そして…
「十六夜!心配したんだぞ!」
「ホントに良かった!」
「奇跡だ!…この短期間で意識が目覚めたのは正に!…」
俺の容態を見た医者の先生は大層驚く。
それよりも俺にとっては自身のお見舞いに来ていた目の前に居た夫婦の姿に驚いた。
俺が中学に上がる前に交通事故に遭って亡くなった筈の実の両親であったからだ。
「父さん、母さん!…」
「お、おい本当に大丈夫なのか!?…」
「ご、ごめんなさい!迷惑かけてしまったなと思って…」
「そ、そうか」
俺は二度と会えないと思っていた両親の元気な姿に涙した。
父は慌てふためくが俺はすぐに謝罪を述べると納得する。
両親によるとどうやら俺はつい四日前に中学の帰りに暴走車に突っ込まれたらしい。
そういえば俺があの姿と力を得たのも高校生になる前に起きた交通事故による事故死だったが…そこで俺ははっとなり本来なら己にある筈である体の器官をそっと探る。
…この時点なら聞こえてくる筈の音が全く聞こえてこなかったのだ。
どうやら俺は再びオルフェノクとしての生を受けたらしい…。
自身が知っているものとは大分相違が有る過去の世界で目覚めた俺は今度こそ大切な人達を守る決意をした。
だが…歩夢璃にはおろか前の世界でオルフェノクになってから出会った他の知り合いにすらも再会する事などは一切なかった。
極めつけは俺や善良なオルフェノク達がいずれ打倒すべきとある企業が設立される筈の年になっても一向に姿形すらも見せる事がなかったのだ。
俺の手元にどうしてなのかあったアスタルギアと何故か修二さんに託した筈のデルタギア一式(病室のベッドの下を退院直前に覗いてみたらあった)を除いては…これは厳重に管理する必要性が有るか。
そして、月日が経って俺は前の世界と同様に同じ高校にへと進学したが其処でも引き起こされる筈の事件が発生する事はなかった。
友人達から奴等の犠牲者が出なかった事に喜ぶ反面、腑に落ちずモヤモヤしていたがそのいくつもの点がとある日を境に結び付く事になるとはこの時の俺には思いもよらなかった。
それは父の仕事の都合によってとある田舎の村へと引っ越してからの事であった。
正史郎をオルフェノクにするか否か?
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する!
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しない