天狐の使徒と屍の鬼が紡ぎし狂想曲   作:カオスサイン

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EPⅡ「新生活と新たな出会いの中で」

Side十六夜

「神原 十六夜といいます!これからどうぞよろしくお願いします!」

父親の仕事の都合によって数日前から辺境に存在する外場村と呼ばれている小さな農村に移り住む事になった俺はこの村にある高校に編入する事になった。

やはりこんな偏狂な村に都会からの者がわざわざやって来るというのは珍しいらしくクラスメイト達から質問攻めの嵐にあったりもした。

その中で一目惹かれた女生徒が居た。

「あの子は?」

「清水さんの事?あの子クラスで一番都会っ子に憧れているんだけど緊張してて声かけられないんじゃないかな?」

「ていうかウチらが独占してるからじゃねw」

「だったらどいてね」

「あ、ハイ…」

俺を取り囲んでいた女生徒がそう話す。

気になった俺は人波を搔い潜って清水さんの所へと行った。

その際に一人の男子生徒に睨まれたりしたが…

「やあ」

「!?な、何?!」

俺に声をかけられるとは思っていなかったのか清水さんは素っ頓狂な声を上げる。

「清水さんと是非共仲良くなりたいなと思って声かけたんだけど駄目だったかい?」

「い、いえそういう訳じゃないんだけどね!ちょっと考え事にふけってて…」

「考え事?」

「実は偶然拾ったこのハンカチの事でなんだけど…」

清水さんは先日拾ったという薔薇が描かれているハンカチを見せてきた。

どうやら俺達が引っ越してくる数日前に引っ越してきた家族が居るらしい。

それも山奥に存在する誰も手をつけなかった城みたいな大分古い豪邸にだそうだ。

拾ったハンカチは恐らく其処の住人になった女性の物だそうだが…薔薇柄にあんまり良い思い出が無い俺に少しばかりの警戒心を抱かせた。

若干のトラウマを思い出したが俺は清水さんにある提案をした。

「不安だけど届けに行くのなら俺も一緒についてきて良いかな?」

「ふえっ!?わ、悪いわよそんなの…貴方もこっちに越してきたばかりみたいだし…」

「それじゃあこの村の案内ついでとかは駄目かい?」

「…仕方無いわね…神原君の案内してあげるようじゃない!」

「よしそうと決まったら放課後頼むな!」

「分かったわ!」

清水さんと約束を交わして俺は席に着いた。

それと同時にさっきも俺の事を睨みつけてきた男子生徒が又睨んできたんだが…何々だ一体?…

「ええっと?…」

「ふん!…都会から来たからってチヤホヤされて調子に乗っちゃってさ!…」

何かと思っているとその男子生徒がそんな事を言ってくる。

「ああ、村迫 正雄君ね?神原君、アイツには関わらない方が身の為よ?根暗で考えている事全然分からないし」

「…」

ああ、男の嫉妬という奴か…俺が清水さんと仲良くなったのが気に入らないと…いやそれ完全に八つ当たりなんですが…

「自分から動かない奴には来る筈の幸福も訪れないぜ?」

「!?お前に何が分かる!?祖父ちゃん達からの愛情をかっさらっていったアイツ等が悪いのによ!…」

「いやいい歳してるし親離れしろよ…後さ父親の後妻と連れ子が気に入らないって…完全に逆恨みだよそれは…とりあえずちょっと黙れ?」

「く、糞っ!?…」

村迫の言い分に俺は呆れるしかなかった。

ああなると手遅れに近いな…まあこれ以上変な事してこないなら無視で良いか。

「…」

そんな俺達の様子をじっとみている女生徒が居た。

そして放課後、約束していた通り清水さんと待ち合わせて村の案内ついでの遺失物を届けに件の屋敷へと向かうのだった。

「ちょっと待ちなさい!」

「え!?羽山さん!?今日は大川さんの所でお仕事じゃなかったっけ?」

「私にだって仕事選ぶ権利はあるわ!あんな老害ジジイの居る所でキャラが保てる訳無いじゃない!」

「あはは…私もあの店苦手だわ…」

突然俺達の前に現れたのは黒髪ツインテールの美少女、クラスに居た羽山 純子さんだった。

でもこの気配って…

「あのお屋敷に行くの?やめておいた方が良いわよ?明らかに怪しさしかないし…」

「でもコレだけは届けてあげたいんだけど…」

羽山さんがそう警告してくるがそれでもと清水さんは渋っていた。

「ああもう!分かったわよ!私も一緒について行ってあげるわ!でも少しでも危機感を感じたらすぐにおいとまするのをお勧めするわ!」

痺れを切らしたのかさんは一緒についてくると言い出した。

まあ不足の事態に陥った時を考えて人数は多い方が良いか…俺達は再び屋敷へと向かった。

「それじゃあ、俺達は門の前で待っているから」

「ささっと行ってきなさいな恵ちゃん」

「分かっているわ、それじゃあ行ってきます!」

俺と羽山さんは清水さんを見送った。

「羽山さんだったけ?君ってもしかして…」

「そういうアンタもなんでしょ?…」

清水さんが屋敷に入っていったのを見計らって俺は羽山さんに問いかけた。

向こうも感付いていたようだ。

そう彼女もオルフェノクだった。

この世界で初めて遭遇した同類であった。

「やっぱりか…」

「私、善良な人間は襲ってないわよ?まあ以前私に枕営業強要してきた女の敵で屑な外道Pは灰にしてやった経験はあるけど…アンタは?」

「俺は…ほとんど成り行きで戦ってただけだけどね…」

俺達は情報を交換し合った。

羽山さんはなんと真理さんやあの草加 雅人と同じ流星塾出身の子だったようだ。

だけど彼女はこの世界では普通の家庭で育ったにも関わらずある日オルフェノクに再び覚醒した事でこれまでの記憶を思い出した。

前の世界でもアイドルを目指していた彼女はスマートブレインに買収されてカイザギアを草加から奪取しようとしたらしい。

旧仲だったから話し合いで済まそうとしたが草加自身はSBが信用出来ないと言いギアを手放す事を拒んだ。

でもアイドルになりたくて必死だった彼女は痺れを切らし他の奴と一緒に彼に襲いかかったが真面に戦闘経験も無かった彼女はあえなく返り討ちにされてカイザに変身した草加に一度殺された…。

「草加君を裏切ったのは私達…報いを受けて当然ね…それにしても彼と戦り合った事あるって…アンタ良く生きてられたわね…」

「まあ、草加は何故か乾さんに執着してたから俺はそこまで被害は受けてないな…」

彼女は端金で旧友を裏切ってしまった事を強く後悔しており今世ではお金があまりかからないローカルアイドルとして日々活動しているみたいだ。

俺の中で草加の評価がほんの少しだけ変わりつつあった。

物凄くはた迷惑だったのには変わりはないのだが…。

「…」

其処で屋敷に入って行っていた清水さんが外に戻ってきたのだが…

「清水さん?」

「ちょっと大丈夫なの?」

戻ってきた清水さんは何処か様子が少し可笑しい感じがしたのだ。

「…あ、ゴメン!ちょっとボーッとしてて…今日は付き合ってくれてありがとうね!」

「あ…」

清水さんはそれだけ言って帰って行った。

「明らかに様子が可笑しかったわね…やっぱりあの屋敷に何かあるのかしら…」

「…」

不安を残したまま俺達も帰路に着いた。

その翌日の事であった。

「え?…」

清水さんが夜になっても帰って来ず今朝になっても未だ行方不明のままだという事を担任の先生から聞かされたのは…

 

 




カイザコミック版から推しキャラ出しました

正史郎をオルフェノクにするか否か?

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