天狐の使徒と屍の鬼が紡ぎし狂想曲   作:カオスサイン

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EPⅣ「遭遇と天狐の使徒の決断」

Side十六夜

「…」

「真逆可笑しな病気の様なものにかかってしまうだなんてね…」

清水さんが謎の希病にかかって倒れてしまってから二日が経った。

それも明らかに現代医学じゃ治せないものだろう…。

「原因が分からない事にはとても完治など望めないな…やはりあの屋敷をなんとかして調査しなければいけないが…」

ルナメタルの装甲を軽々生身でダメージ入れてくる様な奴が居る所だ。

警戒されてしまって侵入するのにも一苦労だろう。

「だったら今度は私が行ってみようか?」

「大丈夫なのか?…」

「オルフェノクの姿だったら逆に警戒されないんじゃない?

向こうの正体が分からないんだったらあんまり意味は無いとは思うけど…」

「頼んだ…俺は村周辺をパトロールしてみる。

他にも被害者が出る可能性が否定出来ないからな」

「それもそうね」

羽山さんに件の屋敷の再調査を頼み俺は村の自主的パトロールを行う事にした。

そしてその日の夜の事だった。

 

Side正雄

「チッ…あの女、兄貴に愛されているからってこっちを見下してきやがって!」

俺は大変イライラしていた。

都会からの編入生に完全論破され、清水達女子生徒には汚物を見る様な目で見られて家では兄嫁とその連れ子のおかげで肩身が狭い思いをしていた。

「はあはあ…ねえちょっと君」

「んあ?なんだよ俺は今凄くイラついて…ってアレ?」

何処からともなく男の声が聞こえてきたので周囲を見回してみるがそんな姿は何処にも見当たらない。

「しゃあ!…」

「うえ!?…」

気のせいかと思っていたら突然道端の樹木の上から男が降ってきて俺に襲いかかってきたのだ。

しかしその男の姿を見て俺は酷く驚いた。

それもその筈だ…何故ならその男はつい数日前に亡くなった筈の村の図書館の司書さんだったからだ。

「仕方無いんだよ~だから君も…ね…」

「うげっ!?…俺にそんな趣味は無いってかだ、誰か!」

逃げようと思っていた矢先だった俺を司書さん?は気色悪い笑い声を上げながら羽交い絞めにしてきた。

そこで

「早速ビンゴってか?!おらよっと!」

「ぶげっ!?…」

司書さんは誰かに蹴られて吹っ飛ばされる。

「お前は!…」

「あん?お前こんな時間迄何やってたんだよ?」

その正体は編入生の神原だった。

それはこっちも言いたい台詞なのだが…

「よ、よくも邪魔しやがったな~!お前から可愛がってやる~!」

「ヒィッ!?」

吹っ飛ばされた男は何でもなかったかの様に起き上がって又襲い掛かってこようとした。

「俺の蹴りをモノともしねえとはな…ますます疑惑が確信に変わったぜ!

仕方無い…テメエが仕掛けてきたんだから恨むなよ!…」

そう言いながら神原は腰の辺りを捲り上げた。

其処には見た事の無いベルトの様な物が巻かれていた。

「正雄だったけか?これから起きる事は秘密にしておいてくれると助かるんだが…」

「お、お前一体?…」

「何をごちゃごちゃ話している!?」

業を煮やした司書が襲い掛かってきた。

そこで神原は携帯電話の様な物を取り出した。

お、俺だって持ってないのに…

「変身!」 <Complete!>

「「!?」」

神原は携帯を操作して先程のベルトに装填した。

すると彼の体は緑色の光に包まれたかと思うと其処には鎧の戦士が立っていた。

ええええええ!?…

 

Side十六夜

「さてと…正当防衛させてもらおうか!」

アスタルに変身した俺はクラスメイトを襲おうとしていた男を見据える。

「そんな苔脅しになんかに!」

男は思いっ切りアスタルの装甲を殴りつけてくるが

「い、痛え~!?」

だが男のパンチではアスタルの装甲に傷一つすらも付ける事は出来ずに逆に痛みに悶える。

「ふう、それで終わりみたいだな?今度はこっちの番だぜ!」

「ふげっ!?…」

俺は反撃に出て男にパンチとキックを交互に浴びせ続けた。

「!?(なんだ今の違和感は?…)」

攻撃の最中に俺はふと違和感を感じた。

この男、心臓が有る!?…だが他の部位を攻撃してもダメージが予想よりも軽い気がする…どういう事なんだ?!

「テメエが何者か知らないが清水さんの件と関係ありそうだから放っておく訳にはいかない!

此処で食い止めてやる!」

俺はアスタルショットを装備して必殺技態勢に入った。

<ExeedChage!>

「であー!」

必殺のシルバリオングランインパクトを繰り出して謎の男の胸目掛けて一撃を叩き込んだ。

「うっ!?…わ、私は只可愛い子供達の…」

フォトンブラッドには流石に耐え切れずに男は気色悪い事を言いながら灰化した。

それにしても男の正体は一体?…

「さてと…」

「お、俺は何も知らないぞ?あの男が数日前に死んだ筈の司書だって事以外はな!」

「何?…」

変身を解除した俺は詳しい話を聞こうと正雄に近付くと彼は口を滑らした。

俺は彼の言葉に驚愕したのだった。

そして…

「どうだった?」

「駄目…あの屋敷の住人全員出払っているみたいで何も分からなかったわ…そっちは?」

「ああ、実はな…」

合流した羽山さんに俺と正雄が遭遇した謎の気色悪い男の事を話した。

「何よそれ…オルフェノクじゃない何かって事?」

「ああ、だから慎重に事を運んだ方が良い気がする…だけど…」

「残された時間が少な過ぎるわね…」

だからといって悠長にしていては本当に清水さんが死んでしまう…。

「だったら!…」

「!もしかしてアレをやる気なの?清水さんに…」

俺は決断した。

出来ればしたくなかったが…羽山さんも俺がしようとしている事に気が付いて驚く。

「ああ、このまま訳も分からない病気で死なせたくない!もう失うのは嫌なんだよ!…」

「本気なのね?…だったら私に止める権利は無いわね」

そう、清水さんを彼女の人間としての命を一度終わらせる…そして使徒再生で蘇らせてみせる!

歩夢璃の時の様に後悔したくないから…俺のエゴでしかないが清水さんだってやりたい事があるんだ!…だからこそ俺はその罪を喜んで背負う!

「今の時間帯なら医者は出払っている筈よ…やるなら今夜の内にすればいいわ」

「ああ…」

俺は今も尚闘病している清水さんの病室へと忍び込む事にした。

「清水さん…今こそその苦しみから君を救ってみせる!」

俺は自身のオルフェノクとしての姿に変化させた。

九尾の狐の様なそうナインテールフォックスオルフェノクだ。

「歩夢璃は救えなかったけれど…俺のオルフェノクの能力なら!…」

九つある尾の内の一つを操作し清水さんの心臓目掛けて突き刺した。

「くうっ!…」

使徒再生エネルギーを初めて流し込んでいく感覚に震えつつも俺は続けていく。

そして遂に清水さんの心臓が燃え尽きていく感覚を感じた。

念の為にすぐに尾のもう一つの能力を使って疑似心臓を作り出す。

「…成功だ!…灰も落ちてこない!…」

初めてだったが清水さんへの使徒再生行為は成功した。

彼女はこれで可笑しな病からも解放され再び目を覚ましてくれる筈だ。

俺は見回りに見つからない内に彼女の事を想いながら急いで診療所から出るのだった。

 

 

 

正史郎をオルフェノクにするか否か?

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