七色向日葵   作:ブランチランチ

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無印は次回で終われそうです。

お楽しみ頂けたら幸いです。



無印第13話

「お姉ちゃんクッキー下さい!!あとね、コーヒーも!!」

 

元気良く注文をする女の子。

母親もニコニコとそれを見ている。

 

「あいよ。いつもありがとうな」

 

コーヒーとクッキーの袋を手渡すクリス。

常連客との慣れたやり取りだ。

 

「今日も可愛いね。コーヒーとサンドウィッチください」

 

「はいはい、いつもありがとよ」

 

三角巾にエプロン姿のクリス。

出勤前にいつも買いに来るサラリーマンだ。

 

そんな感じでクリスは1人ながらいつも通りに接客を行う。

 

「クリス手伝いに来たよ」

 

「ん?ああ、ありがとう」

 

先日のコスプレ接客で仲良くなって以来、響が留守の時にちょくちょくクリスのとこに来る様になった未来。

 

クリスも自然に店に通す。

 

2人で店番をしてる時にそれは起こった。

 

けたたましく鳴るサイレン。

繰り返される避難指示。

 

「ノイズ!!」

 

「未来!!店に入れ!!お前達も!!ここからシェルターに行くよりこの店の方が安全だ!!」

 

店のドアを開放して客を受け入れる。

 

「でも!!ただの店だろ?」

 

困惑する客にノイズが空から飛来する。

 

「シャンハーイ!!」

 

数体の上海が店から出てノイズを迎撃し難を逃れる。

 

「わかっただろ!!早く!!」

 

それを見た周りの人は店に入る。

 

店を基点にしてアリスが用意した上海人形。

幽香の有り余る妖気をエネルギーとし、店の防衛の為に何体か設置させている。

 

上海は迫るノイズを倒し客が店に入るのを援護する。

 

死角から店に突撃するもノイズは壁に阻まれ中に入れない。

 

この店はノイズ発生時には結界が張られるのでそこらのシェルターより頑丈に作られている。

 

阻まれたノイズを上海が処理する。

 

ただし店にある妖気をエネルギーにしてるので広範囲は動けない。なので距離を空けて攻撃するノイズの数が余り減らない。

 

脅威を発見した事でノイズが集まってくる。

普段の数なら対応も可能だったが今回は違う。空を覆い尽くす程の数が集まり巨大なノイズも数十体はいる。

 

「な、なんて数だ!!」

 

「お母さん」

 

「大丈夫、大丈夫よ」

 

クリスは立ち上がり外に出ようとする。

 

「クリス!!」

 

慌ててしがみつく未来。

 

「あぶないよ!!」

 

「大丈夫だ!!私が護るんだ!!」

 

腕を振り解き、ペンダントを握り外に出る。

 

「私は歌で護るんだ!!」

 

イチイバルを纏い全力で攻撃する。

ミサイルを放ちガトリングが絶え間なく火を噴く。

 

爆炎に包まれるノイズ。

飛来するノイズはなすすべもなく蜂の巣になる。

 

しかし、打ち出す弾丸を優に上回る数で飛来するノイズ。自身を弾丸の様に丸め特効を仕掛けるノイズ群。クリスと上海は懸命に迎撃を続けるが魚の群れの様に飛来するノイズ群にレーザーや弾丸が当たっても僅かに数を減らすだけで勢いを殺せない。

 

そしてついに上海が飲み込まれた。

 

「上海!!くそっ!!」

 

まだ残っているが次々にやられていく。

 

津波に攫われる様にノイズに飲み込まれ砕ける。

 

「くそーーー!!」

 

ノイズの濁流に飲まれる。

全身がノイズやコンクリートに打ち付けられて鈍痛が襲う。

 

運良くノイズの波から吐き出されたがシンフォギアはひび割れクリスも立ち上がる事が出来ない。

何とか首を動かして店を探す。

幸いにもそんなに遠くまで飛ばされたわけでわなく直ぐに見つける事が出来た。

 

そこに広がるのは絶望の景色だった。

 

最後の上海がレーザーを撃ち注意を引くが大型ノイズに踏み潰される。

 

家よりも大きなノイズが集まって来ている。ハサミの様な腕を振り下ろす。

 

結界が働き崩壊こそ免れたが店にはひびが入り振り下ろされた部分は大きく凹んでいる。

 

「やめろ、やめてくれ」

 

踠き何とか右手をノイズに向けて拳銃タイプのアームドギアで弾丸を打ち込む。

 

意に介さずノイズはもう一撃、もう一撃とハサミを振り下ろす。

 

「やっと見つけた居場所なんだよ」

 

日常になりつつある常連とのやりとり。

響や未来との戯れ合い。

幽香との日々。

 

温かい居場所

それが壊されようとしている。

 

止められない自分に涙する。

力の入らない体が恨めしい。

 

扉が歪んで出れないのかノイズに恐怖して出れないのかは分からないが避難した人達は出て来てない。

 

このままでは纏めて潰されてしまう。

 

業をにやしたのか別の大型ノイズがドリルの様な形状に変化して落下し始めた。

 

「クソ!!クソ!!」

 

回転するノイズは弾丸をものともせずに真っ直ぐに落下する。

 

「行きなさい!!ゴリアテ!!」

 

全てを粉砕するかに思えたノイズに対して蹴りを加える巨大な人形。

 

着地の間際に両手に持つ剣で店の周囲にいる大型ノイズを斬り伏せる。

 

「生きてる?」

 

ふわりと降り立つアリスはクリスを抱き起こす。

 

「おせぇよ」

 

泣き顔のクリスは少し安堵する。

 

「頑張ったわね。悪いけど少し休んだら加勢してちょうだい。敵が多すぎるわ」

 

それぞれ100体は下らない上海と蓬莱が巨大なゴリアテを中心にノイズを殲滅する。

 

殺到するノイズを正面から斬り捨てるゴリアテ。溢れたノイズを上海がレーザーで殲滅する。ゴリアテの背後から迫る大型ノイズは蓬莱がランスを構えて四方八方から串刺しにする。

 

「ハァ!!」

 

更に翼が援軍に駆けつけ剣の雨を降らせる。

 

「緒川さん、住民の避難は任せます!!」

 

翼に続いてワゴン車が数台現れて中から黒服を連れた緒川が降りてくる。

 

「アリスさん!!住民は!!」

 

「あの店の中よ!!一旦押し返すから頼むわ!!」

 

「了解です!!」

 

ゴリアテの攻勢が増し、上海達もレーザーを束ねて纏めて通常のノイズを焼き払う。蓬莱は盾を構えて緒川達の護衛をする。

 

「私だって!!店番を任されたんだ!!」

 

クリスは気力で立ち上がり緒川に続く。

 

「みんな!!無事か!!」

 

ドアを開けて中を見ると所々ひび割れた天井が落ちているが皆無事の様だ。

 

「クリス!!ボロボロじゃない!!」

 

未来がふらふらのクリスに近づき支える。

 

「すまねぇ、皆で脱出するぞ!!ついて来てくれ!!」

 

緒川が先導し全員がワゴン車に乗り発進する。

 

「住民の避難開始しました。当該区画に住民は居ません。いけます!!」

 

「幽香君!!」

 

空中で待機していた幽香。

 

「待ちくたびれたわ。アリス、翼も車に続きなさい。」

 

深呼吸を一つし

 

「幻想郷の開花」

 

辺り一面に様々な花が空中を彩る。

空を覆い尽くす様に開花すると一斉にノイズに襲いかかる。

 

花の雪崩に巻き込まれたノイズはたちまち炭化し消滅する。

 

花による蹂躙であった。

 

数の暴力で苦戦を強いられていたノイズ群をさらに上回る力で蹂躙する。

 

司令室は消えていくノイズ反応と比例して恐怖を覚えた。

 

集まっていた事もあり大半のノイズは花にのまれた。幽香も何とか被害を抑えようとしたがある程度高いビルや道路のあちこちを消滅させてしまった。

 

 

「こっちは完了したわ」

 

司令室に報告する幽香。

 

「?」

 

返事が返って来ない。

 

「幽・・・ん、至急・・・応・・を、繰り・・します。・・・応援を・・・司令室が!!」

 

そして通信機から銃声が聞こえた。

 

 

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