七色向日葵   作:ブランチランチ

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第2話

2話

 

アリス・マーガトロイドは困惑していた。

急にスキマに落とされた先は見たことない建造物の中、しかもライブ途中と思われる場所でとんでもなく賑わっている。幻想郷で人里の人間が集まってもこんなにはいないのでは?という疑問が浮かんで現実逃避する程に・・・

 

「また、とんでもない所に飛ばしてくれたわね、しかも明らかに不法侵入っぽい場所じゃない」

 

自分の周りには照明器具がステージを煌びやかに照らしており壇上の主役を彩る。

 

「まぁ、終わるのを待ってこっそりと退場すれば良いかしら?歌はとってもいい感じだしこの子達にも聞かせましょう」

 

自身が作成した中でよく使用する二体の人形を手すりに座らせる。

名前は上海と蓬莱、アリスが作成した人形でそれぞれの型で初めに作成した人形である。

 

舞台では赤の歌姫が会場へ呼びかけ、観客がそれに応え熱狂の声を上げる。動きも勢いがあり快活な声でアグレッシブな振る舞いのためか明るい女性に感じる。方や青の歌姫は凛とした声でキレのある動きによりクールな女性に感じるアリスである。

 

(赤は魔理沙ぽいかしら、青は咲夜?どっちもこんな大勢の前で歌なんて歌わないだろうけど)

 

歌姫を身近な知人である白黒魔法使いと瀟洒なメイド長で例えてみたりとアリスなりに楽しんでいる。

上海は手すりで踊りを真似して動きまわり、蓬莱はリズムに合わせて体を揺らす。

 

 

 

 

別室

 

「フォニックゲイン順調に上昇中」

「セーフティー問題なし」

「目標値まで残り15%を切りました」

 

スタッフより上がる報告に頷きながら腕を組む男。特異災害対策機動部二課の司令官である風鳴弦十郎は推移を見守っていた。

 

今回は完全聖遺物のネフシュタンの鎧起動実験であり、ライブを通して奏と翼の能力を引上げ起動に必要なフォニックゲインを集める計画だ。

 

(この調子なら数分で起動となるか?)

 

完全聖遺物故に大量のフォニックゲインを必要とする為、秘密裏に一般人を巻き込んだ今回の起動実験の成功が見え始めた。

 

「フォニックゲイン急上昇!?」

「セーフティ保ちません!!」

「起動っ!いや、暴走します!!」

 

報告と共にネフシュタンの鎧よりエネルギーが溢れ、周囲の機材が爆発し天井や柱が崩れた。

 

 

同時刻 ライブ会場

 

観客席の床が突如隆起し爆発、粉塵を巻き上げビルのように巨大なノイズが出現する。

巨大なノイズは人間大のノイズを放出し、現れたノイズは瞬く間に周囲の人間を襲う。

 

ノイズ、認定特異災害と呼ばれる脅威であり、人に触れる事で自身もろとも炭素の塊に転換する特性を持つ。更に位相差障壁という自身の存在する比率をコントロールすることで物理干渉を減衰または無力化させる厄介な能力を有する。

 

現れたノイズにより会場は地獄となった。

次々と炭素に変えられる観客、我先に逃げようとするもの、家族を探すもの、泣き叫び逃げ惑うもの、抵抗できるものはいなかった。

 

「ノイズの好き勝手にさせるかよ!!翼行くぞ!!」

 

「奏!!司令からはまだなにも」

 

「ダンナからの指示を待ってられるか!!槍と剣を携えてるのは私たちだけだ!!」

 

舞台から飛び、詠唱によりシンフォギアを纏う。そのまま空中から槍を投げノイズを瞬く間に葬る。シンフォギアにより位相差障壁に干渉してノイズの存在を固定し攻撃可能とする。更に聖遺物の力により強力な攻撃を可能としアームドギアという武器を形成する。

 

奏より放たれるガングニールの槍は空中で分離、増殖し投げるたびに複数のノイズを殲滅する。

奏に遅れて翼もシンフォギアを纏い、天羽々斬のアームドギアである剣で周囲のノイズを切り刻む。

奏も翼も何とか逃げようとする人達の盾になるように対峙するが大量のノイズの前に限定的なものになっている。

 

「クソっ!!攻めきれない、、、!?早く逃げろ、ダァーーーーーー!!」

 

奏は攻撃の合間に背後で立ちすくむ少女を確認すると叫び、ノイズの攻撃を一身に受ける。

槍を高速で回転させ盾とするがノイズの猛攻の前に槍や自身のアーマーが欠けて後方に飛散する。

何とか防ぎ切るが槍から欠けた破片が弾丸の様に少女の胸に突き刺さり鮮血が舞い倒れてしまう。

 

「頼む!!目を開けてくれ!!生きるのを諦めるな!!」

 

駆け寄り叫ぶ奏に少女は瞳を開ける。

瀕死の状態ではあるが、まだ助けられる可能性があることにひとまず安堵し覚悟を決める。

 

「一度、頭ん中空っぽにして目一杯歌ってみたかったんだ。こんなに聞いてくれる奴がいるし・・・いいよな」

 

一筋目から涙を零しながらノイズに向き合い軽く息を整える。決死の覚悟で絶唱を行おうとすると、、、

 

「あら、何をする気なのかわからないけど、あんな奴らに貴方の歌は勿体ないわ」

 

ふわりと空から金髪の少女が武装した人形たちを伴って舞い降りた。

 

「お前は、、、」

 

「私はアリス、この子達は上海と蓬莱よ。

貴方達のお陰でこの子達が攻撃出来るように改良できたわ。すぐに手当するから少し大人しくしてちょうだい?」

 

「何を、言って、、」

 

「上海、蓬莱行きなさい!!」

「シャンハーイ!!」

「ホーラーイ!!」

 

奏の問いかけを無視して上海と蓬莱に指示を出す。

自身の名前を鳴き声の様に叫び突撃する二体を先頭に同型と見られる人形達は後に続く。

赤色のドレスを見に纏いランスを構えた蓬莱はそのままノイズに突撃を行い進路上のノイズを貫通していく。

青色のメイド服の様な様相の上海は剣や鉈を携つつレーザーを放ち蓬莱を援護する。

統率された人形達は数では劣るものの確実にノイズを減らし追い詰めていく。

 

「お前、本当になにもんだよ」

 

「そんなのは後よ、取り敢えずこっちの子の応急処置はするけど、こんなにひどい怪我私の手に負えないわ。その次は貴方よ」

 

奏の問いかけより、手当を優先し止血を行なって応急処置をする。

 

程なく翼と上海、蓬莱の活躍によりノイズは撃退する事が出来た。

奏はリンカーの効果時間が切れたことによりシンフォギアが解け疲労とダメージの為横になる。

 

「奏!!大丈夫なの!?それとあの人形は何!!」

 

「何とかね、あの人形は上海と蓬莱だってさ」

 

「上海と蓬莱?確かにそう言いながら攻撃してたけど、、、いやそうじゃなくて」

 

「あっちで人形に指示してる奴がいるだろ?詳しくはわからないけどアリスが手伝ってくれたのさ」

 

翼は指差された方を向くと、アリスが上海と蓬莱に指示を出して通路の瓦礫の撤去や瓦礫の下敷きになってる人達の救出を行っていた。

 

「私も手伝ってくる。奏は安静にしててね」

 

「頼んだ。私は動けそうにない」

 

奏の事で頭がいっぱいになっていた翼はアリスの行動をみて自身も救助を手伝うべく小走りでアリスの元に向かう。

 

その後到着した自衛体や救護チームにより救助活動が本格的に行われた。

この時もアリスが活躍した。

上海や蓬莱を使用する事で、重篤な患者を会場外まで空中経由で救急車に乗せることで従来より早く搬送でき、少なくない命を助けることが出来た。

 

 

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