七色向日葵   作:ブランチランチ

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Gに入りました。

引き続きお楽しみ頂ければ幸いです。

のほほんとしたきりしらを書きたいけどまだ書けない。だからひびみくを書きました。







G第1話

米国某所

 

パソコン越しに通信する者が1人。

 

「今回も稼いでくるのよマリア」

 

妙齢の女性はワイン片手にそう告げる。

 

「分かっているわ。最高に盛り上げて利益を上げれば良いんでしょ」

 

ぶっきらぼうに告げるマリア。

 

「そうよ。期待してるわぁ。それじゃあ頑張ってね」

 

「まちな・・・」

 

一方的に通信を切る。

そして、パソコンを操作してある監視カメラの映像をみる。

 

「これがある限り貴方は私の言いなりなのよ。ふふふ」

 

暗室の中で不気味に光る機械の映像を見ながらワインを飲み干し悦に浸る。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「クソっ!!」

 

テーブルを両手で叩く。

抑えられない怒りの感情を少しでも発散させる様に暴れるマリアは家具にあたる。

家具はめちゃくちゃになり花瓶などの陶器の破片が散らばる。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、・・・うっ、うう」

 

ベットに顔を埋めて声を殺し泣くマリア。

 

音を聞きつけて駆けつけるがドアの隙間から見える光景に中に入れない2人。

 

暁切歌と月読調。

 

「マリア」

 

「流石に入れないデスよ調」

 

気付かれないように小声で話す。

そっと気付かれない様にドアから離れる2人。

 

「どうせ!!あのおばさんから連絡があったデス」

 

「私もそう思う」

 

ため息混じりに表情を曇らせる。

 

「なんとかマリアを元気づけられないデスかねぇ?」

 

文字通り頭を抱えて必死に考える切歌。

 

「キリちゃん、ご飯作ろう。それで少しでも元気になるはず」

 

元気になってほしいという願いを込めて提案する調。

 

「そうデスね。お腹がいっぱいになれば元気になるはずデス!!流石は調デス!!」

 

厨房に向かう2人を見送るしか出来ない自分に歯噛みするナスターシャだった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ふぁぁ、ただいまぁ」

 

寮に着いた事で気が抜けてしまう響は眠気目を片手でくしくしと擦りながら靴を脱ぐ。

 

「お帰り響。一晩中お疲れ様」

 

そんな響を出迎える未来。

 

「あれ!?未来!?遅くなるって言ってたのになんで?いや、すごく嬉しいんだけどね」

 

ソロモンの杖を岩国の米軍基地へ護送する任務を行なっていた。

任務は順調に終わり予定より早く基地に到着出来た。そして弦十郎の計らいにより手配されていたヘリで超特急で帰ってきた。

 

「うん、響を出迎えたくてね。悩んでたらこの子が帰って来たら教えてあげるって」

 

肩に乗っていたチビ響が顔を出してピースする。

 

「嬉しい!!」

 

「おっとと、ふふ、私も」

 

感極まって抱きつく響を受け止める。

 

「寝る前にご飯にする?」

 

抱き合ったまま未来は聞く。

 

「ううん。最初はこれ」

 

瞳を閉じてキスをする。

じっくりと唇の柔らかさを確かめるように、熱が上がると次第に啄む様なキスになる。

 

チビーズは一緒に主人から離れて顔を両手で覆うが指の隙間からその光景を覗いていた。

 

キスに満足した2人は頬を染めて互いを見つめる。見つめ合いながら時が過ぎる。

絡めた手からは熱を感じ、当たる胸からはお互いの鼓動を感じる。

鼓動は速くなり更に気恥ずかしさが増す。

 

「えっと、あの、お、お腹空いちゃった!!ご飯ご飯!!」

 

沈黙と羞恥に耐えられず逃げるように居間に向かう響。

 

「いくじなし・・・」

 

この先の展開に少しは期待していた未来さんでした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

マリアは今回のコラボ相手であるツヴァイウィングの控室に来ていた。

 

ノックをし中から了承を得てドアを開ける。

 

「貴方達がツヴァイウィングの2人かしら?私はマリア・カデンツァヴナ・イブよ。よろしく。マリアでいいわ」

 

少し芝居がかったような大きな動きで自己紹介するマリアに奏と翼は少々面食らうが続けて自己紹介する。

 

「よろしく。私は天羽奏。好きに呼んでくれていいぞ」

 

「よろしく。私は風鳴翼。翼と呼んでくれ」

 

それぞれ自己紹介の後に握手を行う。

 

「今日はせいぜい私の引き立て役になって頂戴」

 

そう言うマリアは不敵に笑う。

 

「ほほう?私達ツヴァイウィングを舐めない方がいいぜ。マリア」

 

挑発を真正面から受けてたつ奏は仁王立ちで告げる。

 

「ふっ、そうこなくちゃね。最高の夜になりそうだわ。それじゃあステージで」

 

面白いと笑い部屋を出るマリア。

 

自分の控室に向かう途中でスタッフと思われる男が電話をしながら歩いている。

 

「え?幽香さん控室の場所分からないんですか?今どこに居ます?迎えに行きますよ」

 

普通の人なら特に気にならないやり取りだかマリアは走り去るスタッフの電話内容にハッとする。

 

「風見幽香が来ている?」

 

長年密かに待ち望んだ再会に鼓動が速くなる。直ぐに追いかけようとするが携帯が鳴る。着信を確認すると切歌からだった。

表示されている時間が集合時間の15分前であるから居場所の確認電話だろう。

 

「くっ」

 

内心は男を追いかけたいが今日のステージに不備があっては元も子もないとグッと我慢して電話に出る。

 

(風見幽香が近くに来ている。それさえ分かれば)

 

上の空で電話を受けながら控室に向かう。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「凄いよ未来!!超満員!!カメラもいっぱい!!」

 

サイネリウムを両手に持ちブンブン振り回しながら興奮している。

 

「もう、凄いのは分かるからそんなにはしゃがないの」

 

余りにはしゃぐ響に苦笑しながら軽く嗜める未来。

 

「いやいや!!響の反応の方が正しいよ!!今をときめくツヴァイウィングと世界の歌姫マリアのコラボライブなんだよ!!何でそんなに冷静なのさ!!」

 

冷静な未来に待ったをかけるのはクラスメートの板場弓美。

響と同じくサイネリウムをブンブンしている。

 

「いやぁ、あんた達は、はしゃぎすぎだよ気持ちは分かるけど・・・まだ始まってないんだよ」

 

呆れ顔で注意するのは同じくクラスメートの安藤創世。

 

「このバカはいつも以上にうるさいな、少しは大人しくしろ」

 

注意もどこ吹く風でソワソワしている響にチョップするクリス。

 

「もぅ、痛いなぁ、クリスちゃんだってソワソワしてるの分かるんだからね」

 

「このバカは!!少しは年上の私の言う事を聞けってんだ!!」

 

ギャーギャーと盛り上がるクリスと響。

 

「いつものが始まりましたね」

 

苦笑するのは寺島詩織。

 

「あれはじゃれあいだしほっとこう。キネクリ先輩とビッキーの恒例行事だよ」

 

「そうですね」

 

暫く騒いでいると会場が暗くなる。

 

レーザーが無数に光り暗闇を照らし会場の中央にあるステージに光が集まる。

 

すると曲が流れ始めて中央ステージからマリアが跳び出して来る。

 

出だしはマリアがソロで歌う。

歌いながら両手を広げて会場の左右を指さす。そこには高台がありそれぞれマリアのいる中央ステージを挟んで聳え立っている。

 

赤と青の光がそれぞれの高台を照らすと青くなった高台に翼、赤くなった高台に奏が現れる。

 

マリアが歌を止めると2人は高台から走り出しそのまま飛んだ。

 

観客席の頭上を歌いながら駆けるツヴァイウィング。2人の飛んだ軌跡には光り輝く青の羽と赤の羽がそれぞれ観客席に降り注ぎ会場半分を青く、もう半分を赤く染めて幻想的な景色を作り上げる。

 

そうして観客席を一周した2人はマリアのいる中央ステージに舞い降りる。

 

マリアを真ん中に翼と奏が、脇を固めてポーズを決めると中央ステージの縁から光輝く青と赤の羽と桃色の花びらが打ち出される。

 

打ち出された発射音と同時にモニターのあるメインステージ迄の道に炎が上がり3人は歌いながら駆ける。

 

メインステージに着くと曲も終盤になる。

 

3人は右手を掲げると青、赤、桃色の光球が現れる。

 

歌が終わる際に光球を口元に近づけてロウソクの炎を消すように息を吹きかける。すると光から先程と同じように羽と花びらが観客席に飛んでいき何かに当たる度に小さく弾けて会場を飾る。

 

吹きかける仕草はメインモニターに三分割で写し出されており3人が吹きかける様は扇情的に映し出されている。

曲が終わるとマリアが言う。

 

「私の歌をくれてあげる!!ついて来れるやつだけ付いてこい!!」

 

その言葉に観客は歓声で答える。

 

「あたしらだって負けてられねぇ!!そうだろうみんな!!」

 

「私達の歌で皆んなに勇気を分けてあげられたらと思っている!!」

 

「「「まだまだ始まったばかりだ!!」」」

 

3人はそう宣言し会場には歓声が響き渡る。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

大盛況で幕を下ろしたライブ。

余韻に浸る事なくマリアは急いでいた。

この会場に居るであろう風見幽香に接触する為に・・・

 

「マリア」

 

そんな彼女を呼び止めたのはナスターシャだった。

 

「マム」

 

「わかっています。ここに彼女が居るはずです。私が時間を稼ぎますから行って来なさい。くれぐれも注意するのですよ」

 

焦った様子が隠せて無いマリアにナスターシャは一枚の簡易的な地図を渡す。

 

「ありがとう」

 

泣きそうになる自分に喝を入れて地図に記された場所に向かう。

 

通路を曲がると目的地である所まで来た。

 

(お願い!!まだ居てちょうだい!!)

 

時間的余裕はない。

願いを込めて通路を曲がるとあの日と同じ姿が見える。

 

あちらもこちらを確認したようで驚いている。

 

「今日の主役じゃない」

 

「っ、あ」

 

マリアは言葉が出なかった。

ようやく会えた風見幽香になんて声をかけて良いかわからなくてなってしまう。

 

「こっちに行ったらしいぞ」

 

背後から声が聞こえる。

忌々しい女が付けたSPの声だ。

 

マリアは弾かれたように駆け出すと写真を幽香に握らせる。

 

「貴女何を?え?」

 

ボソッと呟くと踵を返して去っていくマリア。

 

困惑する幽香は握らされた写真を見ながら先程言われた言葉を呟く。

 

「セレナを助けて?」

 

幽香は困惑の中にいた。

 

 




何回もライブシーン見ながら書いたけど難しいです。
脳内補完して頂ければ幸いです。

マリアさんに幸あれ!!
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