七色向日葵   作:ブランチランチ

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お楽しみいただけたら幸いです。


無印第4話

無印4話

 

風呂から上がり軽く水気をタオルで取りトリートメントを馴染ませてから、寝室にてドライヤーを使いクリスの髪を丁寧に乾かす幽香。ドライヤーの音だけが聞こえる。

 

「体のこと何も聞かないのか?」

 

静寂に耐えかねたのかクリスがぽつりと呟く。体にある傷は火傷や生傷の一つや二つではない。

 

「なら一つだけ」

 

クリスは少しガッカリしたこいつも同じなのかと、自分に哀れみを向けるがなんの役にも立たない大人達と。どうせ薄っぺらい同情の言葉でもかけるのだろう。

 

「あなた、その年でスタイル良すぎない?肌もすべすべだし、あっ、でも髪の手入れはした方が良いわよ。せっかく綺麗なんだから、なんなら教えてあげるわ」

 

「一つじゃないし、なんなんだそれは!!っ!!クソっまた押さえてやがるな!!動けねぇ!!」

 

立ち上がろうとしたがガッチリと肩を掴まれて首を振るくらいしか出来なかった。

 

「何?他に何を聞いて欲しかったのかしら?」

 

「その、傷のことだよ」

 

「それがどうしたの?私の知ってる白黒とかはもっと怪我してるんじゃないかしら、紅白巫女はわからないけど」

 

「なんだよそいつら」

 

幽香は本当に気にしてる様子はない。妖怪相手にタイマンはる幻想郷基準なのだが、人は身体の怪我は乗り越える。腕を食われても、目を潰されても、かえって強くなるものまでいる。心が折れなければであるが・・・

 

「まぁ、言いたい事があるなら聞くわ。アドバイス出来るかわからないけど」

 

乾いた髪を櫛で梳く。最後に丸めてお団子ヘヤーにする。

 

「いやいい、あんがと」

 

なんのことはないと言う幽香に心の緊張が緩む。ご飯を食べてる時も優しい顔で見ててくれた。風呂に入った時もニコニコしながら体を洗ってくれた。くすぐられたり、髪を洗いながら変な髪型にもされたが、とても暖かかった。何年ぶりだろうか、こんなに暖かいのは、俯きながら頬をつたう雫を止めることはできなかった。

幽香そっと頭を抱き寄せて頭を撫でる。

 

 

「顔を洗ってくる」と洗面台に向かったクリスを見送り部屋で待っていると携帯が振動した。

未来と響からのメールで無事に寮に戻ったと報告があり改めてお礼をさせて欲しいとのことだった。別にいいのにと思いながら、今度友達を連れて遊びに来なさいと返信し、わかりましたと返信があった。

 

戻ってきたクリスをベットに寝かせて同じベットに入る。一瞬クリスはビクッと身体を震わしたが抵抗は無かった。

 

リモコンで豆電球にして

 

「おやすみなさいクリス」

 

「ああ、おやすみ」

 

クリスに添えられた手がトントンと優しくリズムを刻み安らかな眠りへと誘うのだった。

 

 

 

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