しないシンフォギア的なのを思いつくので
早くフィーネ倒してゆうかりん。
お楽しみ頂けたら幸いです。
夜も遅くなり就寝前にミルクを飲みながら本を読む幽香。
そんな時にガンガンとシャッターを叩く音が聞こえてきた。
「幽香さん!!幽香さん!!」
声は未来のものとすぐ分かったが大分慌てているようだ。
寝巻きのままシャッターを開けると未来が見るなり抱きついてきた。
「ゆうっかさん、ひっく、えぐ、」
抱きついてくるなり泣き始める未来に困惑したが落ち着かせる為に頭を撫でたり、背中をポンポンと優しく叩く。
店に入り、私室に連れてきたが未来は離れない。やっと見つけた寄る辺が無くなるのを恐れている様にも見える。
少しの不安を覚えながら未来に尋ねる。
「こんな遅くにどうしたの?響ちゃんは?」
互いに支え合う2人が1人でいる事が珍しい。無いわけでは無いがこのくらいの時間なら寮にいるべき時間である。
「響がっ響が!」
未来の体は強ばり、涙が溢れる。響というワードに反応したようだ。
「警察からっ、連絡があって、えぐっ、行方がわからないって、ノイズ発生区域で行方不明だって・・・」
抱きつきまた大泣きを始める未来。幽香も衝撃を受ける。己の矜持も無く人を襲うノイズに興味は無かったがお気に入りを取り上げられて殺意がふつふつと湧き上がる。
このお気に入りは2人でセットなのだ。太陽があるから月は輝く。大きく翳った月は太陽を求めて泣き出している。
未来の悪夢を晴らす為、少なくとも生死を確かめる為行かなければならない。
未来はこのままでは折れてしまうかもしれない。応急処置だが寝かせておこう。優しく妖気を当てて意識を刈り取る。涙を拭いベットに寝かせる。せめて良い眠りであるように安心効果のある花を咲かせる。
「すぐに響ちゃんを連れてくるからね」
頭を撫でてから店を後にする。戸締りをキチンと行い。対ノイズ様に護衛用の植物妖怪を置いていく。
取り敢えず本日警報が出た地域に来たが厳重な規制線が張られている。深夜だというのに昼間の様な光量でライトアップされ重機や人が溢れている。
何回かノイズ発生終息後を眺めていた事があったが様相が大分違う。ただでさえ廃墟だったこの区画が更に瓦礫の山になっている。
そんな場所を終息直ぐに重機を大量投入してまで瓦礫を退かすだろうか。広範囲の瓦礫を退かす割には事前に入念な確認を行い中を探っている。
ビルの上から日傘をクルクルしながら考える。
(何かが埋まっている?周囲には植物が焼けた後、黒く煤けるコンクリート。瓦礫の山。爆発によるもの、未来への連絡。ノイズ被害者は炭になるのに?すぐに特定出来たのか?響ちゃんの秘密。政府の人間との関わり。探してるのは響ちゃん?)
自分の願望があるのは理解している。しかし、希望はそこにしかない。
ここら辺は不幸な事に植物が少ない。植物が豊富なら響の事を聞いて回るのだが上手くいっていない。
植物を求めて廃墟をふらふらしているとようやく植物を発見し話を聞いてみる。女の子は見なかったとの事。代わりにガタイの良い男達が何かを運んでいたと。欲しい情報じゃなかった。その場を離れるとパキリと何かを踏んだ。特に意識してなかったが足を退かして見ると見慣れたヘアピン。赤くNみたいな形をしたもの・・・そこで繋がった。
男達に運ばれていたのは響、初めは政府関係者が荷物を運んでいたのかと思ったが違う。今作業してる連中とは別で今回のノイズ発生を利用した者達。響を攫った理由は分からないがそれはいい。殺すなら放置でいいだろ、爆発とビルの倒壊で生きていられる方が稀だろう。そこから運ぶならば響は生きている可能性が高い。そして
「やってくれたわね」
殺意を秘めた顔は月明かりに照らされた誰もが震え上がる笑顔であった。
植物より聞き出した場所に向かうと大きなトレーラーが二台倉庫跡地の様な場所に隠れていた。屈強な男3人が自動小銃を手に持ち周囲を警戒している。
「ビンゴ」
ふわりと鉄塔から飛び入り口に降り立つ。
男たちは姿を確認すると問答無用で銃の引き金を引く。サイレンサーがついている様で派手な銃声は無く殆どの弾丸が幽香に襲いかかる。慌てる素振りもなく幽香が傘を開くと弾丸はそこで弾かれる。
それを確認した男達は無線で増援を呼び、2人が幽香に駆け寄りながら銃を撃つ。
傘を閉じて2人に向かう幽香に銃を放つが1発も当たらない。交差する直前にナイフで斬りかかる2人だが幽香に刃が届く前に腹部にとんでもない鈍痛が走る。幽香が放つ拳が突き刺さり僅かな時間差で2人とも数メートル離れた壁に叩きつけられ泡を吹いて意識を手放す。
現実離れした光景に驚くも小銃では話にならないと理解して男は背中からショットガンを抜き連続発射する。発射される前に横に飛び稲妻の軌跡の様に接近する幽香には擦りもせず男が最後に見たのは凶悪に笑う悪鬼だった。
「貴様何者だ!!」
トレーラーから出てきた5人の内1人が声を荒げる。残りは先程とは違い大型の銃を構えている。
「ゴミに名乗る趣味はないわ。今すぐ響ちゃんを渡せば命だけは保証しても良いわよ?」
「何を馬鹿な事を、あのサンプルは有効に使わせてもらう」
「そう」
交渉は決裂した。
「ファイア!!」
事後の事は取り敢えず後にし全火力を撃ち込む男達。銃声と吐き出される薬莢が地面に散乱する劣化したコンクリートは弾け白煙の様にあたりに立ち込めるほど撃ち込むと銃声が止む。
「ミンチになってるでしょね。隊長」
「これで生きてるわけがねぇ」
「油断するな死体を確認しろ」
警戒は解かずゆっくりと近づく。
一歩、また一歩。
「そんなにそれは大事なのかしら?」
耳元で話しかけられ、声の方に銃を向けると部下達は悶絶していた。
「こうしても使えるのかしら?」
幽香が銃を握るとそのまま握り潰され銃が曲る。
「化け物め!!」
隊長は幽香にパンチを繰り出すが掴まれてしまい。
「失礼しちゃうわ」
笑顔のまま拳が握り潰された。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
悲鳴をあげる隊長は膝をつき無惨に変わった手を抱えるしかなかった。
「うるさいわ」
的確に顎を打ち抜き失神させる。
男達は重傷を負い意識を失った。
幽香は何のこともなく手を振り赤く染めていた液体を飛ばす。最後にハンカチで拭いてからトレーラーに向かうがトレーラーに入るところで足を止める。
「命が惜しけりゃ止まりな」
倉庫入り口の方から女の声がする。
「面倒ね」
幽香は一足で飛び傘の一撃を加える。
「なんて力してやがる」
「よく防いだわね」
月明かりが照らすのはネフシュタンのムチで幽香の一撃を防いだクリスだった。
「なっ!?お前!?幽香か!!」
「この声はクリス?」
ネフシュタンのバイザーで顔は見えないが声と反応でわかる。
傘の力を緩める。
「随分とハレンチな格好ね」
体のラインが強調されるようにピッタリとした姿に呆れる。
「なっ!?何を言ってやがる!!」
腕で体を隠すクリスに幽香はクスクスと笑う。
「ちゃんと私の知ってるクリスで良かったわ。それで?なんでこんなところに?」
「そ、それは、さ、探し物だよ!!」
明らかな動揺あたふたと告げる。
「奇遇ね。私は人探しなのよ。多分あの中にいるわ」
トレーラーを指さすとクリスはビクッと反応する。
「幽香も敵なのか?私の邪魔をするのか?」
「クリス?」
雰囲気が変わる。ただでさえ暗い中バイザー越しの表情は伺えない。
「私には後が無いんだ!!」
クリスはネフシュタンのムチで幽香に襲いかかる。振り抜かれたムチは易々とコンクリートの地面を抉る。
幽香は片足を下げて体を逸らす事で回避している。
「クリス」
「そんな顔で私を見るなぁ!!」
飛び上がりエネルギー弾を撃ち込む。癇癪を起こした子供が周りにあたる様に、しかしその力はネフシュタンの鎧により現代兵器を軽く凌駕する威力。着弾と同時に弾け飛び倉庫を吹き飛ばす。爆音と揺れは凄まじく周囲の廃墟も爆風で崩れている。そんな中でも幽香は二台のトレーラーを無傷で守っていた。
「んなぁぁぁぁぁ!!」
めちゃくちゃにムチを全力で振るうが傘でそらされる。更にエネルギー弾を放つが着弾前に拳で弾かれ拳圧にてエネルギーを空に流す。
そんなめちゃくちゃな戦いをしているとヘリの音と車のエンジン音が無数に近づいてきている。
黒服を引き連れて現れたのは弦十郎と緒川、ヘリからはシンフォギアを纏った翼が降下してくる。
「ネフシュタンの鎧を纏う少女とあの女性は?」
「出鱈目ですね」
地面についた傷の数々に崩壊した廃墟群、しかし、幽香の後ろには傷1つない状況。それだけで幽香の実力の一端を測る事ができる。
「あまり手荒な事はしたく無いが確保するぞ!!翼!!緒川!!行くぞ!!」
「叔父様!?」
「司令!」
「邪魔!!」
傘を一振りし飛びあがろうとした弦十郎の足元のコンクリートが抉られる。
「そこを超えたら容赦しないわ」
重圧な殺気が3人を襲う。弦十郎と緒川は一瞬の怯みで済んだ。しかし、翼は凶悪な害意で体が震える。死の恐怖を味わった事はあるがノイズ相手と人相手ではまた違う。更に武を収めているからこそ彼女の力量がとんでもないものであると感じ取れた。シンフォギアがあっても勝てないと
「あ、あ、」
「翼!!」
殺気から護る様に体で翼を隠す弦十郎は叫ぶ。
しかし、翼はまだ震えてるだけだ。
「緒川、少し様子を見るぞ」
「はい」
翼の前に立ち様子を伺う事にした。
「誰も!!誰も!!私を私たちを救ってくれなかった!!パパもママも!!だから私が戦いを振り撒く奴を叩き潰すんだ!!そうすればこんな思いをする奴は生まれない!!邪魔するなぁぁぁぁぁあ!!」
特大のエネルギー弾を放ち追撃にムチを全力で振るう。エネルギー弾は傘で空に打ち上げられて爆発する。そしてムチを掴んだ幽香は思いっきり引っ張り自身にクリスを引き寄せる。
「力を振るうだけではダメなのよ。それは次の戦いを生むだけ」
優しく抱き止めて耳元で呟く。
「だったらどうすればいい!!私は!!力しか無い私は!!」
抱擁から脱出しようともがくが幽香は離さない。
「考えましょう。今は1人じゃないわ。私がいるもの」
「っ!!」
力が抜けていくクリス。
「でも、私は戦いを無くさなきゃ」
「一緒に考えましょう。強いだけではダメなの私もそうだから」
優しく優しく頭を撫でる幽香それを受けるクリスは力を使いすぎたのか姿も洋服になり意識を失ってしまった。
「よいだろうか?」
静寂を破り弦十郎は声をかける。
「何かしら」
先程とは違い普通に受け答えする幽香。
「俺は特異災害対策機動部二課の風鳴弦十郎という。君は?」
「私はしがないカフェ兼花屋の店主よ。後ろの中にようがあるの」
「先程から気になっていたがその後ろの者達は君が?」
「ええ、邪魔されたからね」
動かない男達の事を聞く。
「その子はどうするつもりだ」
「家に連れてくだけね。保護になるかしら?」
「素直には返せないな、色々と手続きを」
「知らないわ。いい加減、響ちゃんを連れてきたいんだけど」
苛立ちの声で告げる。
「何!!響君だと!!」
周囲もざわめく。
「うるさいわね。だから早くしてちょうだい」
「響君がいるなら尚のこと引き下がれん!!」
キッと睨みつける幽香。
(弦十郎やめなさい。アレと敵対するのは自殺行為よ。ノイズと敵対するより余程危険だわ)
アリスから通信が入る。
「しかし」
(何でか保護すると言っているのだから監視をつけて様子見が得策よ。アレが暴れたら街の2つ3つ無くなるわよ。幽香に聞こえる様にして)
弦十郎は通信機の音量を最大にする。
「幽香?聞こえるかしら、アリスよ」
「あら、貴女もこっちに?」
「ええ、紫のせいでね。私達も響が心配なのよ。だから私だけでもついていって良いかしら?それで面倒な事は無しにするわ」
少しの沈黙の後
「わかったわ」
トレーラーの中にあったポッドの中で寝かされていた響を回収してその場を後にする幽香。
それを見送り動き出す。
「アリス君、後で聞かせてもらうからな」
(ええ、わかってるわ。取り敢えずありがとう。幽香と戦うのは危険すぎるのよ。私は言われた場所に行くわ)
切られた通信機を見てため息を一つ。
「取り敢えず、あれから話を聞くか」
「はい」
この場の収拾に努める弦十郎達だった。