シズク=ムラサキは愉悦したい   作:さろんぱす。

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第21話 始まらない4次試験

 3次試験の試験官、リン=イシュガールは飛行船でダラダラしていた。

 リンは受験生を遺跡へ送り出すと、飛行船へ戻ってすぐシャワーを浴び、それからベッドで横になった。

 

 ここから3次試験の会場である遺跡まではたった10分の距離だ。

 とは言えそんな短時間でも砂漠を歩けば砂塗れになることは避けられない。意外と砂漠は風が強い。遮るものがないからだ。

 

「今頃、あの子達は遺跡の中を彷徨ってるのかしらね。」

 

 それとも殺し合いでダイアを手に入れ、他の受験生と合流して戻ってきてるのだろうか。

 

 リンは定期購読しているファッション雑誌を広げると、ストローをくわえてジュースを飲んだ。

 そこには厳格に試験を執り行なおうとする気配は全く無かった。

 

「全く、ルビィとツェズゲラは真面目すぎるのよ。」

 

 リンはライバルであるルビィと、仕事人間であるツェズゲラを頭に浮かべた。

 二人は少しでも良い同僚を選ぼうと、準備の時点でとても張り切っていた。

 

 だがリンは違う。二人ほど真面目にやる気はなかった。

 むしろ試験を通して、組めそうな新人を見つける事に比重を置いている。

 

 その為にわざわざリゾート地を貸し切りにし。近くの遺跡を試験場にした。

 財宝ハンターである自分について来れるかを測るためである。

 

 どうせ金は出ないのだ。ならば代わりに少しぐらい私情を挟んでも構うまい。

 むしろソレぐらいの役得がなければ、試験官など受けようと思わなかっただろう。

 

「すぐに戻ってこないなら、トップは10時間後ぐらいかしらね。」

 

 渡したランタンは明かりが最低限の物。遺跡の中はトラップで満載。

 念能力者でなければ、探索には大いに時間がかかるはずである。

 

 

 

 そうして部屋でダラダラ過ごすこと10時間弱。

 外では日が落ち始め、砂漠の空に星が輝き出した頃にそれは起こった。

 

 ――突如、飛行船全体が【円】に包まれたのだ。

 

「えっ、なに。これは……念のオーラ?」

 

 リンは慌ててベッドから飛び起きる。

 そのまま急いで部屋から出れば、廊下には慌てて駆けてくる職員がいた。

 

「ビーンズ! 何があったの?」

 

「緊急事態です! 船が、飛行船が燃えています!!」

 

「……とりあえず協会に連絡を! その後は外に脱出しなさい!!」

 

 リンは職員達に脱出を指示すると、すぐに火元へ向かった。

 辿り着いたのは機関室。そこに有ったのは壊れたエンジンだ。

 しかもそれはそのまま動き続けており、炎と煙を吐き出し続けながら暴走していた。

 

(ちっ、これはもうダメね。)

 

 リンは一瞬で止めるのは不可能だと悟る。次いで少しでも炎上を遅らせる為、エンジンを念弾で吹き飛ばすことに決めた。それには膨大なオーラを放出する必要があったが、プロハンターで熟練の念能力者であるリンならば容易い。しかも放出系のリンにとって、念弾は得意中の得意である。

 

「ああもう、誰よこんなことしやがったのは!!」

 

 リンは両足を開き腰を落として踏ん張り、両手を右腰の横で構えた。それはまさにカメ○ハ波の構え。全てのオーラが両手に集中し、ボールサイズの塊へと圧縮されていく。

 

 だがその念弾が放たれることはなかった。

 

 ――ブスリッ!!

 

「はぅあ!?」

 

 今まさに放たんとした寸前、半出しの()()に強烈な衝撃が走ったのだ。

 集中が阻害され、集めたオーラは放たれること無く霧散した。

 

 すぐに首を曲げ確認すれば、刺さっていたのは病院で使われる注射器だった。

 後ろから飛んできたそれは、中身は不気味な液体が満ちていた。

 

(やばっ、これたぶんダメになるやつ……)

 

 リンの脳裏に昔ルビィと行ったハプニングバーの思い出が浮かび上がる。

 突発的なハプニングを楽しむ場を、酔って暴れてもOKだと勘違いして店を全壊させた日。酒が抜けた後は、丸1日土下座しっぱなしだった。その後にどちらのせいかでルビィと争い、隣の店までも全壊させたのは苦い記憶である。

 

(あれ、なんで今あの時のことが……)

 

 それは俗に走馬灯と呼ばれるものだった。

 注射器は何らかの念能力によるものか、自動で中の液体を押し込んだ。

 

 その度に頭に靄がかかっていく。それはまるでリン自身が消えていくようだった。

 リンは必死に足掻こうとしたが、意識に反して体は動かなかった。

 

 だから最後に、どうしても気になったことを口にした。

 

「どうしてお尻に刺すのよ……」

 

 その言葉を最後にリンは意識を失い、飛行船の炎上を止められる者はいなくなった。

 開けたままだったドアからは一人の受験生が顔を出し、リンを担ぎ上げて別の場所へ運んでいった。リンの最後の問いに答えながら。

 

「――そこに尻があるからさ(お尻フェチのこだわり)」

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 

 

「おいおい、こいつぁひでぇな。」

 

 遺跡から出た私達――私、マロさん、イルミ、バショウの4人。

 まるでRPGのパーティのように合流した私達は、村の入口まで急いで駆け、燃え続けるオアシスの前で足を止めていた。

 

 炎は砂漠の風に吹かれて燃え上がり、建物を容赦なく灰に変えていく。

 村は巨大なキャンプファイアーの会場となっていて、もはや消火は不可能だ。

 

「一体何が起こっているでおじゃ?」

 

 第三次大戦かな? いやこの世界じゃそんな事やってる余裕なさそうだけど。

 流石にハンター試験でも、リゾート地を丸々燃やして『実は試験の一環でした、テヘ☆ペロ』なんてことはやらないだろう。……やらないよね? つまりこれが何らかの緊急事態であることは明らかだ。

 

「どうするの?」

 

 イルミがどうでも良さそうに呟く。私も村自体はどうでもよかった。

 

 というのも、実は私は村(街)が燃える様を見るのは初めてじゃない。

 転生する前の地球でも、一度だけ燃えあがる首都から脱出した事がある。

 

 仕事で某国を訪れた時、たまたま内乱に鉢合ってしまったのだ。

 そこかしこで警備隊と市民がぶつかり、火炎瓶や手榴弾が爆発して建物を焼いた。

 それは地獄のような光景だったが、しかしその時と今では決定的に違うことが有る。

 

 ――地球では()()()は出てこなかった。

 

 

 

「うひひひひゃひゃひゃひひひ……!!!」

 

 奇声を挙げながら物陰から飛び出してきた人物に対して、容赦なくサブマシンガンの引き金を引く。銃口から9mmパラペラム弾が1秒間に20発も発射され、容赦なく相手を蜂の巣にした。

 

「い、いきなり撃つでおじゃるか。」

 

 そりゃあ撃ちますとも。だって相手は明らかに正気を失っていた。

 眼は血走り、口は垂れた涎でグチャグチャ。おまけに左足はあらぬ方向に折れ曲がった状態で、手には血のべったり付いた斧を持って近づいてきたのだ。

 

 むしろ撃たない理由がなくね? たとえソレが()()()()()村のお姉さんでも。

 

 ていうかなんで村がバイオってんの? ようやくこの試験も終わりだと思ったのに。

 これ絶対に誰かがフラグ建てたせいだよ!!

 

「はーい注目。遺跡で"もう試験は終わった"とか"合格余裕"とか言った人はいませんかー?」

 

 私は片手をあげ、教師っぽいポーズを取りながらチラっと3人を見渡す。

 すると全員が視線を反らした。あっ、これ全員だわ。

 

 イルミとバショウもプイっと顔を反らしてる。お前らそういうキャラじゃねーだろ。

 

「い、今はそんな事を言ってる場合では無いでおじゃろう。」

 

 そっすね。私達も盛大にフラグ建てたもんね。でもこんなことならもっと沢山建てとけばよかった。そうすればきっとギャグ扱いで無効化されてたはずだ。だが今さら後悔しても遅い。

 

「それでどうすんだ? このまま村の中を通って飛行船まで行くか?」

 

 村は50人程度しか住んでいないので、建物はそれほど多くない。

 それにいざとなればオアシスに飛び込めばいいので、服に火が燃え移っても焼死することはないだろう。

 

「そうじゃの。どちらにしろ試験官は探す必要があるからの。」

 

 3次試験の合格条件は、飛行船にいるリン試験官にダイアを渡すこと。

 そして飛行船はオアシスを挟んで反対側。このまま村を抜けるのが最短ルート。

 

 だが問題は村を丸ごと包み込む形で【円】が展開されている事だ。

 その半径はざっと200メートル以上。中心は恐らく飛行船の真下だろう。

 私達がここについた瞬間に展開された事から、犯人はコチラに気づいている。

 

「まぁその飛行船も盛大に燃えておるがの。」

 

 飛行船は大型だったので、ここからでもボウボウ燃えている様がよく見える。

 それでもプロハンターは全員が念使いだ。火事ぐらいで死ぬとは考えづらい。

 

 【円】で把握されてしまうが、ここは速度を取るべきだろう。

 

「ではこのまま突っ切って、飛行船の下まで行きましょう。」

 

 その後の作戦は、高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に。

 個人的にはとっとと合格をもらって、次の4次試験の会場に行きたい。

 無理かな? たぶん無理だろうなぁ……。

 

「決まったんなら、とっとと行こうぜ。」

 

 方針が決まった私達はすぐに行動を開始する。

 

 途中で村人っぽいのが襲ってきたが全員殺した。

 みんな正気を失ってたし、体中に火が付いていたのでどうせ死ぬ。

 こんな状況では助けようがない。

 

 そうして私達は火に気をつけながら、村の中を飛行船に向かって走り抜けた。

 

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 

 

 飛行船の下に辿り着くと、そこには複数の人が折り重なるように倒れていた。

 飛行船に乗っていた協会の職員さん達だ。驚くことにこの3次試験の担当であるリン試験官の姿もあった。

 

 だがその様子は明らかにおかしい。特に仰向けで倒れている試験官。

 彼女は白目を剥き、体中から液体を垂らしながらビクビクと痙攣していた。

 

 ぶっちゃけその姿は凄くエッチだった。男だったら股間がスタンダップしてたかもしれない。

 その証拠にマロさんとバショウは前かがみになっている。

 

 しかし油断はできない。こんな状況だが、一人だけ倒れていない男がいた。

 燃える飛行船をバックに、腕を組んで堂々と仁王立ち。

 上半身には肉襦袢を装備し、下半身は黒いスパッツを履いている。

 

「やぁ、遅かったな。」

 

 それは私達と同じ受験生の一人。遺跡の中で話題にあがった男――キャシャリン軍曹だ。

 

 

 

 ……コイツが犯人じゃね?

 

 そう思った私はすぐにサブマシンガンの引き金を引いた。

 試験官が倒れている以上、【円】を展開しているのはこの人で間違いない。

 ならば遠慮する必要はない。

 

 銃口から2秒弱で50発の弾丸が発射され、軍曹に雨のように降り注ぐ。

 併せてイルミが針を弾丸以上の速度で投げ、バショウは懐から色紙を取り出して読んだ。どうやら書き置きしていた句でも使える模様。すぐにバショウの両手からニョキニョキとウルヴァ○ンのような爪が生えた。

 

 だが軍曹は展開していた【円】によって全てを感知。

 マト○ックスのような動きで銃弾と針を避けると、接近して殴りかかったバショウを逆に蹴り飛ばした。

 

「いきなり撃ってくるとはな。」

 

 そのままキャシャリン軍曹が口を開く。吐き出された言葉こそ非難じみていたが、驚いた様子は全然ない。

 

 いやだってどうみても敵でしょこれ? なら話しかける前にぶっ放すのは当たり前だ。

 ゲンスルーが『疑わしきは爆する』と言っていたように、この世界では疑わしい者は殴られてもしょうがないのだ。

 

 間違いだったら? その時はごめんなさいしよう。

 シズクちゃんのラブリー笑顔なら、謝ればきっと許してくれるでしょ(ゲス顔)

 

「一応、倒れている職員は人質のつもりだったのだがな。」

 

 えっ、それ死体じゃなかったの? でもその人達って朝にあったばっかりだし。ほとんど話したことないし。

 それで人質とか言われてもね。そのなんだ、ちょっと困る。助ける気にならない的な意味で。

 

「これはどういう事でおじゃるか? のう、キャシャリン軍曹。」

 

 初動を躱され、そのまま隙を窺っていた私達。

 そんな中、唯一様子を見ていたマロさんが軍曹に問いかけた。

 丁度いいので、私はその後ろでこっそりとマガジンを交換する。

 

「ふむ、どうもこうもない。()()()()()。それだけだよ。」

 

 帰ってきたのは元軍人さんだけあってシンプルな答え。

 

 でもまじで? 試験官までやっちゃうとか、ちょっとはっちゃけ過ぎじゃない?

 まぁどうせ理由は聞いても教えてくれないだろう。こんな事をしでかすやつだ。どうせ碌なもんじゃない。さっさとぶち殺さなきゃ。

 

「理由は? 理由はなんでおじゃるか?」

 

「むしゃくしゃしてやった。反省はしている。とでも言えば満足かな?」

 

 それでもマロさんは聞くようだ。

 そっかー、むしゃったかー。じゃあしょうがないね。殴っていいかな?

 

「というのは冗談で、本当はハンター協会に復讐するためだ。」

 

「わりぃ、すまんがそれ来年にしてくれねぇか?」

 

「ダメに決まっているだろう。常識的に考えろ。」

 

 ですよねー。バショウのお願いはあっさりと却下されてしまった。

 

 だがいいぞ。これだけ派手にやったのだ。

 すでにハンター協会へ状況は伝わっているだろう。

 

 つまりこのまま時間を稼げば、原作2次試験のようにネテロ会長がやってくる可能性が高い。

 そしてバショウもその事に気づいている。でなければあんなアホなことは言うまい。

 

「あの、復讐ってどういう事ですか?」

 

「良いだろう、冥土の土産に教えてやろう。」

 

 そんな訳なので時間稼ぎに詳細プリーズ!! してみると、軍曹はなんか普通に語りだした。

 嘘だろお前しゃべるの? まじで? もしかして聞いてほしかったのかな?

 

「元々、私は特殊部隊の出だ。国に忠誠を誓った兵士だった。

 国王から国の誇りだと言われ、雑誌の表紙を飾ったことすらあった。」

 

 軍曹がノリノリで話しだしたので、今のうちに武器の交換を試みる。

 未だに【円】は展開されたままだ。なので行動は把握されるがしょうがない。今は装備を整える方が大事だ。相槌はマロさん辺りがやってくれるだろう。なんか聞き上手っぽいし。

 

「このまま国のために働き、その結果が国をよくしていくのだと信じて疑わなかった。

 そう、私達を邪魔だと思った政治家がハンターを雇い、そのハンターが100倍の成果を上げるまではな。」

 

 マロさんの背中に隠れ、こっそりとデメちゃんを具現化。

 ゲートを開いて短機関銃(ウージー)を仕舞い。代わりに私の切り札その1――汎用機関銃MG42を取り出す。

 

「……周りの全てが手のひらを返した。

 国王すら『もう全部ハンターでいいんじゃないかな?』等と言いだした。

 同調した大臣等により、あっという間に部隊は解散になった。」

 

 さらにマガジンを変えておく。チーム戦だと射線の関係で撃ちっぱなしという訳には行かない。

 ゲートを開きっぱなしにするとオーラの消耗が酷いので、長期戦も考慮して単独のマガジンの方が良いだろう。

 

 機関銃(MG42)からゲート越しに部屋の弾帯に繋がっているベルトリンクを外し、代わりに100連発装填のドラムマガジンを取付ける。銀お姉さんに師事して練習した動作だ。淀みなく動いた手は、おおよそ1秒弱でマガジン交換を終了させた。

 

「おまけに国の保護を失った隊員達は情報が漏れ、復讐されて一人ずつ死んでいった。

 生き残ったのは私だけだ。麻薬に溺れて捕まっていた為、見せしめも兼ねてそのままにされたのだ。」

 

 最後にコッキングレバーを引き、初弾を装填。これでこっちの準備は整った。

 よかった、準備が終わる前に話が終わらなくて。

 

「分かるかね? 私にはもう何も無いのだ。せっかく収容所で目覚めたこの力(念能力)も、使って守る相手はもういない。」

 

 で、なんだっけ。交換に集中してて半分ぐらい聞いてなかった。

 まぁたぶん、ハンターがやり過ぎて仕事無くなったふざけんな!! ってことだよね。

 

「だからどうせなら嫌がらせでもしてやろうと思ってな。リゾート地が一つなくなれば、いかにハンター協会とて政治的な責任は逃れられないだろう。」

 

 そう言えば原作でもカイトの仕事について『調査機関の200年分に値する』って言われるシーンがあった。私はハンターすげーと思うと同時に、200年分の仕事が無くなっちゃったんだ。調査機関乙w とも思ったものだ。

 

 まぁこういうのは極論すれば出来ない側が悪い、という事になる。

 予算が有限である以上、コスパが優先されるのは当たり前のこと。

 1回雇うだけで100回分の仕事が終わるなら、専用部隊なんてイラネ、ってなってもしょうがない。私が政治家でも喜んで解散させる。

 

「残念だが、君たちもその犠牲になってもらう。……OK?」

 

「OK!!」

 

 ちょうどよいタイミングで話が終わった。

 私はマロさんの背から飛び出して、遠慮なく汎用機関銃(MG42)の引き金を引く。

 

 陣形は私とマロさんを中央に、バショウが左、イルミが右に位置どった。

 私の銃撃に巻き込まれないためだろう。

 

 ついでにマロさんにその場で伏せ、タイミングをみて離脱するように伝える。

 いくら武芸の達人でも、念能力が使えないのでは足手まといだから。

 

 対してキャシャリン軍曹は【円】を止め、オーラを肉体強化に回して器用に弾を避ける。

 予想以上に動きが速い。これは強化系か、その両隣の系統だろう。接近されると厄介だ。

 

 私は弾を温存するため一旦トリガーから指を離す。

 チッ、砂漠だと砂塵が上がって邪魔だ。姿が見えづらくなるため撃ちっぱなしに出来ない。

 

 代わりにバショウとイルミが接近戦を仕掛けた。

 イルミは隙を窺っているのか牽制程度だが、バショウは驚くほど動きが速い。

 先程避けられたので、今度はスピード重視に切り替えたのだろう。

 恐らく自身を加速させる句を読んだのだ。バイクで地下通路を走ったときのように。

 

(うーん、どうせなら相手の動きを止める系の句を使ってほしいんだけどなぁ)

 

 と思ったものの、この状態で温存はしないだろうから、恐らく出来ないのだろう。

 よく考えたら"読み誌した句を実現する"って汎用性高すぎるし、何らかの制限があるはずである。

 

 原作の使用シーンも踏まえて考えれば、可能性が書いのは"近距離限定"。

 もしくは"生物に効果を与えるには読んで内容を理解させないとダメ"といった辺りだろうか。

 もしかしたら両方かもしれない。

 

(これはもう近接要員として扱った方が良さそうだね。)

 

 頭の中でこっそりバショウの評価を下方修正。

 私は何時でも援護が出来るように備えつつ、念の為に全力で【練】を行った。

 

 今の私は闘技場に登録した頃よりかなりオーラが増えている。

 これなら攻撃を受けても、ある程度ダメージは軽減できるだろう。

 

「いい【練】だ。まだまだ発展途上だがな」

 

 しかし相手が隠していた実力は私の予想以上だった。

 軍曹は再び二人の攻撃を華麗に捌くと、距離を取って構えながら更にオーラを滾らせた。

 

「!?」

 

 その瞬間、私は息を呑んだ。目の前で行われた、恐らく軍曹の本気の【練】。

 それにより相手が纏ったオーラは、私の何倍もあろうかという量だった。

 

「まじかよ……」

 

「……」

 

 その圧に当てられたのか、イルミとバショウも距離を取る。

 バショウは冷や汗をかいているが、イルミは不思議そうに首を傾げてしきりに手を開閉していた。

 なにか気になることでもあったのかな? まぁゾルディックだし、なんかの儀式でしょ(適当)

 

「ほう、やる気は失わんか。」

 

 しかしまだだ、まだ終わっていない!! 確かにこれがタイマンなら勝ち目は薄いだろう。

 だが今の私は一人じゃない。ココには一緒に試験を乗り越えた頼もしい仲間達がいる。

 

 それにどれだけ強くても念戦闘は相性ゲーだ。3対1ならきっと余裕。

 

 ……すごい。もう何も怖くない!!

 

(絶対にチ○コもいで逆マミさんにしてやる!! せっかくクリアした試験をむちゃくちゃにしやがって!!)

 

 私は怒りによってさらにオーラを滾らせる。

 

 こちらは私かイルミが一発当てればほぼ勝ち。

 オーラを増した軍曹は更に早くなるだろうが、接近戦はバショウに任せれば良い。

 

 私は再び汎用機関銃(MG42)を発砲し、それをきっかけに再び全員が戦闘に入った。

 

 だがやはり弾は当たらない。汎用機関銃は圧倒的な射程と速度だが、その攻撃はあくまで直線的。

 軍曹は念によって強化された動体視力と反射神経を用いて、数多の戦闘経験から銃口の向きとタイミングを見切り、撃たれる前に射線から身を反らして避けているのだ。

 

 ちっ、やはりこのクラスの能力者が相手だとただ撃つだけでは有効打にならないか。船のような閉鎖空間なら驚異になるのに。ここはもう割り切って回避方向を限定させたほうが良いかも知れない。イルミなら動きが読めれば一発で決めてくれるはずだ。

 

 ……と思ったが予想に反して、私以外の2人の動きが鈍かった。

 

 特にバショウは意識が切れたかのように体を傾かせ、そのまま砂の上に倒れ伏した。

 よく見れば、マロさんも伏せたまま動く様子がない。

 

「!?」

 

 軍曹はその隙を逃さない。明らかに速度が落ちたイルミの針を躱して接近。驚いた私に容赦なく左足で蹴りを放った。

 

 私はとっさに持っていた銃を盾にする。銃口が折れ曲がり、出口を塞がれた銃弾が中で暴れて破裂した。私は衝撃で飛ばされ、砂の上を転がった。

 

(一体何が?)

 

 起き上がりながら慌てて現状を把握する。

 汎用機関銃(MG42)は銃身が半ばから折れていた。これではもう撃つことは出来ないだろう。

 

 切り札その1をアッサリ損失したことに苛立ちが募る。

 だが幸いなことに体は無事だ。左腕は多少火傷しているがまだ動く。

 

「ふむ、何が起こったか分からない。といった顔だな。これは私の発によるものだ。」

 

 どういうことだ? 戦闘が始まってから私はずっと凝をしていた。

 軍曹は何か能力を使った様子は無かったのに。

 

「ところで君は麻薬を使ったことがあるかね?」

 

「はっ、あるわけないじゃん。ついでに今後もやる予定はないよ。」

 

 もし変な影響が出て、シズクちゃんのプリティボディが育たなくなったらどうすんだ?

 お前責任とれんのか? あぁん??

 

「使用法としては溶かした物を注射器で打ち込むのがメジャーだ。だがもう少しお手軽な方法として"そのまま粉末を吸い込む"という形があってな。」

 

 麻薬? 粉末を吸い込む?

 

「ってまさか」

 

 もしかして、こいつが【円】を行っていたのは……

 

「気づいたようだな。私の【発】、【夢の始まり(ハッピーセット)】はオーラ(の特性)を麻薬に変える能力だ。更に【円】を併用することで空中に飛散させることも出来る。まぁオーラを体から離すと効果が落ちるし、その分だけ症状が出るまで時間がかかるがな。」

 

 なるほど。ご丁寧にベラベラ喋ってたのはこのためか。

 おかしいと思ったんだ。あまりにも二人の攻撃が当たらないし。

 

 だが最初から不調だったならば納得だ。

 恐らく思考が鈍って攻撃パターンが単調になっていたのだろう。

 

 村まで丸ごと【円】で覆ったのも、きっと私達に少しでも多くオーラを吸わせる為。

 

「ガスマスクで君だけは無事だったようだが、その三人はしばらく動けんよ。それにもう少し進行が進めば、凶暴性が解放されて暴れだす。その後は暴力の虜になり、最後は人格の崩壊だ。オアシスの村人達のようにな。」

 

 あのゾンビもお前のせいかよ!! マジでやりすぎだろコイツ。

 

 でも言ってることが本当ならこの能力はやばい。

 他2人はまだしも、イルミまで影響を受けている。つまり通常の毒耐性は効果が薄く、吸い込んでしまえばその時点でほぼ敗け。なんてひどい初見殺し。

 

「そしてこれが私のもう一つの【発】。」

 

 軍曹の右手にオーラが集まっていく。

 それはある程度の塊になると圧縮され()()()の形となって具現化された。

 見るからに針が大きい。刺されたら一発で気持ちよくなっちゃいそう。

 

「麻薬と化したオーラを圧縮して撃ち込む注射器。

 相手を即座に中毒(幸せ)にする能力――【幸せの魔法(ドナルドマジック)】」

 

 軍曹は見せつけるように注射器を握り、こちらにゆっくりと歩いて近付てくる。

 

「――さぁ、君も一緒に幸せ(中毒)になろう。」

 

「なるか馬鹿っ!!」

 

 くっそ、某ハンバー○ーチェーンに喧嘩を売るような能力名を付けやがって!! 私まで訴えられたらどうすんだ? あなたの人生も一緒にBANしましょ、ってか?

 

「ふざけやがってぇ!!!」

 

 私は即座に足にオーラを集めてバックステップ。ついでに砂を蹴り上げて目潰しにする。

 同時に左手で胸に付けていた手榴弾3つ放る。私と軍曹の直線状に置くように投げ、すぐに右手で自動拳銃を抜いて発砲。

 

 狙いは投げた手榴弾の一つだ。相手に回避運動を取らせつつ、芯を撃ち抜いて起爆させた。軍曹の手前で破片手榴弾が爆発し、続けて誘爆により催涙ガスと煙幕が辺りに拡散する。

 

 更にイルミも諦めずに針を投げる。さすがゾルディック家の長男!!

 残念ながら投げ終わるとイルミは倒れてしまったが、一瞬でも気をそらしてくれたのは十分な援護だ。

 

「――ちぃ!!」

 

 これは流石にマズイと思ったのだろう。軍曹は注射器でイルミの針を弾きながら横に飛び、ガスの影響化から脱した。だがソレこそ私が望んでいた動き。飛んだことで一瞬だけ動きが固定される。

 

(――ココだ!!)

 

 私は勝ちを確信して自動拳銃(デザートイーグル)を連射する。頭と心臓はきっちりガードされているので狙えない。

 だが元より私が狙おうとしたのは別の部位だ。天空闘技場で()()()()()()()は、例え強化系でも防ぐことは出来ない。

 

 右手の自動拳銃が火を吹き、重い金属音が鳴り響いた。

 残り6発の弾丸が一瞬で撃ち出され、全てが相手の()()に吸い込まれていった。

 

 しかし……

 

 ――カン! カン! カン! カカンッ!! カンッ!!

 

「……はっ?」

 

 放った銃弾は全てが()()()()()()、あらぬ方向へ飛んでいってしまった。

 

 何が起こったのか分からない。

 私が撃ったのは小さな22口径じゃない。50口径の大威力弾だ。

 例え純粋な強化系だろうと、チ○チンで防ぐのは不可能なはず。

 

「惜しかったな。」

 

 あまりの事態に私が呆然としていると、キャシャリン軍曹は一歩私に近づいた。

 銃弾でゴムが切れてしまったのか、履いていたスパッツがずり落ちる。

 丸見えになった股間は、驚くことに()()に輝いてた。

 

「……って灰色ぉ??」

 

「知らないかね? これは特殊部隊時代の知恵でな。"金的ファールカップ"という。」

 

 ファールカップ。それはチ○チンとタマ○マを守る為に作れた専用の防具。

 男の弱点を克服すべく、長い年月をかけて作り上げられた人類の英知の結晶。

 主に野球で股間丸出しで構えるキャッチャーが装着する物。

 

(や、やろう。なんかすごいオムツ履いてやがった!!)

 

 本来はプラスチックで作られるファールカップだが、色と音からしてキャシャリン軍曹が付けているのは恐らく鉄製。念で強化されたそれは、驚くことに50AE弾すら弾く強度になっていた。

 

「では続きだ。」

 

 軍曹は自慢気に腰をクイクイと動かしながら、容赦なく注射器をぶっ刺そうとしてくる。

 その姿は、幼女にお医者さんゴッコを強制しようとするロリコンのよう。

 

(おまわりさんコイツです!!)

 

 私は脳内のおまわりさんにセルフ通報して心を落ち着ける。

 

 状況は最悪だ。手持ちの武器をほとんど損失し、残っているのは閃光手榴弾が1個だけ。

 本来なら逃げて仕切り直すところだが、しかしイルミだけは見捨てられない。それをやると例えここで生き残っても未来はない。

 

 だってイルミが死んだらきっと一生ゾルディック家と鬼ごっこだ。もしくは捕まって拷問室行き。それはちょっと勘弁してほしい。しょうがないので、苦肉の策として飛行船から離れるように移動する。

 

(ダメだ。何とかして隙を作らないと……)

 

 それからの私は防戦一方だった。

 捕まえようと伸ばされた左手に弾切れの自動拳銃を叩きつけて撃退。牽制で放たれた軍曹の右中段蹴りをしゃがんで躱す。更にぶっ刺そうとしてきた右手の注射器は、とっさにデメちゃんを具現化して防ぐ。

 

『んぎょぎょーーー!!?』

 

 盾代わりにされ、いきなり注射器をぶっ刺されたデメちゃんが悲鳴を上げる。

 針先から強制的に軍曹のオーラ(麻薬)を注ぎ込まれ、防ぐ度にデメちゃんはブクブクになっていく。何度か繰り返すと、最後は内側から破裂してしまった。

 

(ぎゃあああ、私のデメちゃんがぁ!!)

 

 そうしてしばらくすると体勢が崩れ、倒された状態で踏みつけられた。

 体は仰向けで大の字の状態。体の中心を左足で踏まれて体重を掛けられ動けず、私は砂漠に固定されてしまった。

 

「どうやら決着のようだな。」

 

 そう、確かに決着の時だ。でもまだ諦めるには早い。

 私は怖がってる振りをしながら両手を顔の前で組み、こっそりとデメちゃんを具現化する。

 

 軍曹の予想以上の力にかなり追い詰められてしまったが、実は私にはまだ()()()()()()切り札が残っている。ただしこれは()()()()だ。外せばたぶん私は死ぬ。

 

(まだだ、まだ引きつけろ。ギリギリまで堪えるんだ。)

 

 何時ものように心を沈め、バレないように集中してタイミングを図る。

 

 私を踏みつけたまま、キャシャリン軍曹が右手を構える。

 注射器を刺そうと前屈姿勢になり、私と軍曹の距離が近づいた。

 

(いまだっ!!)

 

 その瞬間、私は自分の()()()に具現化していたデメちゃんでゲートを開く。

 繋いだ先は闘技場の部屋の一室、そこには一丁の銃が()()()()されていた。

 

 ――対物狙撃銃(アンチマテリアルライフル)、バレットM82である。

 

 12.7ミリ弾をセミオートで連発出来る、有効射程2キロの化物銃だ。

 トリガーには自動発射装置が付けれており、ゲートを開けば即座に発射されるようになっている。

 

「モガモガモガァ!!」

 

 私は限界まで口を開く。その中で更にデメちゃんがヒョッコリと口を開き、その先のゲートから銃弾を吐き出した。

 

 機関銃(MG42)の5倍以上の威力の弾だ。連続で発射された11発の弾丸はガスマスクの口部分を吹き飛ばしながら飛び出し、突然のことで避ける事が出来なかった軍曹の体に風穴を開けた。

 

「なん……だと……ゴフッ!!」

 

「モガガガァ!!(やったぜ!!)」

 

 軍曹は撃たれた衝撃で後ろに倒れ込んだ。

 流石、対物狙撃銃(アンチマテリアルライフル)だ。威力マジぱない!!

 

 これが私の切り札その2。

 デメちゃん越しに撃つから命中率に難があるが、その分当たればイチコロだ。

 しかも今回は不意をうつため、口の中にデメちゃんを具現化した。

 

(でも出来れば使いたくなかった。)

 

 ひどい撃ち方だ。下手したら私の前歯が全部吹き飛んでた可能性もあった。

 

 しかも闘技場には爆音が鳴り響いていただろう。

 数発とはいえ、対物狙撃銃(アンチマテリアルライフル)をぶっ放したのだ。もしかしたら今頃は大慌てで職員さんが部屋に踏み込んでいるかもしれない。

 

「ふふふっ、でも私の勝tウオロロロロロロ……」

 

 私は立ち上がり、口の中のデメちゃんと胃の中身を吐き出す。

 数秒とは言え口に金魚を詰め込んでいたのだ。地球で死んだ時のトラウマを思い出して最悪な気分になる。その上、嬉しそうに振られる尻尾が喉奥をビチビチと刺激して気持ち悪かった。

 

 そうして吐き終わってから軍曹を見れば、彼の体はボロボロだった。

 

「うわー、なかなか面白い格好になってるね。」

 

 特に左半身が酷い。左腕と左足は千切れ、左脇腹には大きな穴が開いていた。

 でも狙ったのは心臓なので、これではやはり精密射撃は無理そうだ。

 

「うぐぐぐ、わ、私はま、まだだ。」

 

 だが、そんな状態でも軍曹はまだ諦めていなかった。

 彼は残っている意識を繋げ、むりやり自分の首筋に注射器を刺す。

 

 中の液体が自動で押し出され、彼の体にどんどん注入されていく。

 すると出血が止まった。さらに軍曹の体がまるで戸○呂弟のように膨れ上がり、肉襦袢が内側から弾け飛んだ。

 

「うわー、まだそんな【発】を残してたんだ。」

 

 恐らく軍曹の最後の【発】だ。ラリるほど強くなる、とかそんな能力だろう。

 変化系(麻薬化)をベースに、具現化系(圧縮注射器)、強化系(ラリってパワーアップ)とバランスよく能力を作ってやがる。

 

(その合理的思考を別の方向に使えばよかったのに。)

 

 だが吹き飛んだ左半身はそのままだ。流石に欠損した部位は治らない模様。

 当たり前だが失った血液も戻らないようで、これ以上動く様子は無い。

 

 ならばもはや逆転はありえない。

 私は油断せず軍曹にトドメを刺す準備を始める。

 

「軍曹さん聞いてもらえますか? 私、昔から言ってみたいセリフがあったんです。なんだと思います?」

 

 壊れたガスマスクを外し、笑顔で軍曹に問いかける。

 

 軍曹の右手に気をつけながらその場で1メートルのデメちゃんを具現化。

 そしてゲートから愛用のバイク――()()()()()を取り出す。

 

 一体何を? そう視線で告げる軍曹。私はそれを無視して話を続けた。

 

「それはね――死なばもろとも、だよ。」

 

 ただし、死ぬのはお前一人だけどな!!

 

「!!?」

 

 私の言葉でこれから起こることを察したのだろう。キャシャリン軍曹の眼が見開かれた。

 

 ふむ、やはりまだやる気だったのか。

 近づいたら最後の力を振り絞って右手を振るつもりだったのかな?

 でも私は余裕ぶっこいて軍曹に近づいたりはしない。

 

 私はその場でバイクの調子を確かめるとハンドル中央部のカバーを開き、その中に躊躇なく右手を叩きつけた。"こんな事に巻き込みやがって!!"という怒り共に。

 

 中にあった"ニトロ"と書かれたボタンが押下されたバイクは、異音を発しながらブルブルと震えだし、私はそのバイクを軍曹の方に蹴り飛ばして全速力でその場から離脱した。

 

 ……そしてバイクが軍曹にぶつかった瞬間。

 

「た~まや~♪」

 

 パッソル改は巨大な爆発を引き起こし、夜の砂漠を明るく染めた。

 雷のような光と音で周囲を満たされ、灰となった軍曹の体は砂漠の風に吹かれて空を舞った。

 うん、やっぱ念能力者は念入りに殺しておかないとね!!

 

 

 こうして3次試験中に起こった事件は幕を閉じた。

 あとに残ったのは燃え尽きた村と飛行船、そしてラリった村人と目を覚まさない協会の職員達。

 私は飛行船の下に戻って助かりそうな人を助け、砂の上に腰を下ろして夜空を見続けた。

 

「砂風や 混ざり起るは 薬の乱

 

 そに残るは 不祥事のみかな

 

 くすりだめ ぜったい。 ……字余り。」

 




読んでくれて有難うございます。実質的なボス戦でした。
ハンター試験編は次で最後になります。

軍曹「注射器で不意打ちよー。ランゴスタアタック!!」
リン「お尻を刺されたんご。虫プレイは勘弁してクレメンス。」
ビーンズ「焼き豆になっちゃった。」

■キャラクター紹介
・キャシャリン=ドナルド(変化系) モデル:磯辺強(すごいよマサルさん)
元ワカメ王国の特殊部隊―ザ・セクシーの部隊員。
逆恨みから試験中のリゾート地でテロを起こした。ハンター協会涙目。

念能力:
1.《夢の始まり(ハッピーセット)》 変化系。オーラを麻薬のような性質に変化させる
2.《幸せの魔法(ドナルドマジック)》 具現化系。オーラを圧縮する注射器を具現化
3.《満員御礼(マックスドナルド)》 強化系。ラリるほど強くなる
※能力名は某バーガーチェーンとは一切関係ありません。

夢(幻覚)を見て、幸せ(多幸感)を感じ、満員(依存)に至る。
麻薬中毒になった経験と、軍人として培った合理的な思考が合わさり生み出されたバランスのよいクソ能力。割と初見殺し。何らかの形で摂取すると、意識の混濁→凶暴性の発露→暴力の虜→人格崩壊 といった風に症状が重くなっていく。
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