シズク=ムラサキは愉悦したい   作:さろんぱす。

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GIに突撃の2話目です。使えるものは何でも使っていくスタイル。


第26話 アヘ顔デビュー

 グリードアイランドのスタート地点である"シソの木"。

 広大な草原の真っ只中に立つ巨木の中で、私は再びイータさんと向き合っていた。

 

「こんにちは。えへへ、また来ちゃいました。」

 

 本日だけで実に6回目の再スタート(リセマラ)である。

 これでキレないイータさんは受付の鑑ではなかろうか? 私なら確実に殴ってると思う。

 

「……グリードアイランドへようこそ。あなたのお名前をお教え願えますか?」

 

 対してイータさんは冷静に役割をこなそうとするも、その声には呆れと疲れが入り混じっていた。まるでクレーマー対応中の中間管理職のようだ。だが安心してほしい。垢の作り直しは今回で最後だから。

 

「"プーリン"で。」

 

「ちゃんとした名前……ですって!?」

 

 プリンじゃないよ!! プーリン!!

 リアルがバレるとめんどうなのでプレイは偽名で行うことにした。

 

 名前の由来はFGOにおけるグランドろくでなしお姉さん、プロトマーリンから。

 ギルガメッシュとかも考えたけど、やっぱり女性キャラの方がいいかなって。千里眼+ろくでなし繋がりだね。もちろん顔バレを防ぐためにガスマスクも装備している。

 

「それでは御健闘をお祈りいたします。そちらの階段からどうぞ。」

 

「たぶん私がそこの階段を降りることは二度とないと思います。」

 

「えっ」

 

 だってゲートで転移する方が便利なんだもん。

 それに階段は降りた先でガン待ちする奴が多そうだし。最初の時の変態とか。もう全く降りる気にならない。

 

「行ってきまーす。」

 

 私はイータさんから6回目のお祈りをもらいつつ、今度は"懸賞都市アントキバ"に転移。

 黒猫の看板を出しているカフェを探して入ると、腹ごしらえも兼ねて大食いパスタにチャレンジした。

 

「それではスタート!!」

 

「いただきます。」

 

 胸の前で両手を合わせつつ、目の前に置かれたパスタを見る。

 大皿にでかでかと盛られたパスタは軽く5キロ以上ありそう。だけど私は結構な大食いだ。筋トレしすぎ+念使いなせいだろうが、これぐらいなら軽くいけちゃう。

 

 金がないので飲み物は水で我慢しつつ、遠慮なくバクバクと食べていく。

 

「アイヤーやられたアル」

 

「ごちそうさまでした。」

 

 そのまま約15分、規定時間の半分で完食した。

 トマトソースだったけど具も多くて美味しかった。時間が空いたらまた食べに来よう。

 

 終わったら商品をもらって、トレードショップで売却。

 

「《ガルガイダー》売りで。」

 

「はいよ3万ジェニーね。」

 

 更にその金で《キングホワイトオオクワガタ》の情報を買う。

 

「ここから北に80キロ進むと湖がある。そこから今度は北東に150キロほど進んだ先にある、巨大な大木に棲んでるって噂だ。」

 

 これで場所が分かった。北の湖ってことはマサドラから行ったほうが早そう。

 

 だがその前にすぐ北の盗賊の村へ行きフラグを立てておく。

 このイベントはバインダーのカードを全て渡すだけなので今なら楽勝だ。

 

 一応バインダーが完全に空だとイベントが起きない可能性を考え、念の為にその辺の石を拾ってカード化していく。

 

「助けて下さい!! お願いします!!」

 

「はいはい。とっととバインダーの石ころと、中古屋で買ってきたボロ外装を受け取って。」

 

 村に近づくと盗賊が『息子が風土病だけど薬を買う金がない』と土下座してくるので、今持っている全財産(バインダーの中身)と着ている上着を差し出して恩を売っておく。

 

 これでフラグ建ては完了だ。後で別のアイテムを持ってくれば《奇運アレキサンドライト》を手に入れることが出来る。

 

 終わったらゲートでマサドラに転移し、デメちゃんに乗って湖から北東に飛んだ。

 

 

 

 

 

「どうだい、でかいだろう?」

 

 木こり風のおじさんNPCに言われて見れば、そこには巨大な木があった。

 幹の太さは目測で約20メートル以上。余りの大きさに圧倒されるが、ここで怖気づいてはカードは取れない。

 

 なんせ《キングホワイトオクワガタ》の取得方法はこの木をぶっ叩いて揺らすこと。

 特質系の私には苦手な分野だが、まぁそこはオーラ量でどうにかなると思っている。

 

 現在の私のオーラ量は推定で内蔵21600で化現1700ほど。1月に10分ずつしっかり伸ばしていった成果だ。

 

 原作で3匹を落としたゴン君のジャジャンケン、これが500オーラ使われていたとすれば、私はその3倍以上のオーラを使える。これは得意系統による精度差を補って余りある量。

 

 さらに……

 

「じゃじゃーんっ!! スレッジハンマ~~(特注)!!」

 

 ゲートから用意しておいた大型ハンマーを取り出す。

 全長2メートル、総重量100キロのおばけハンマーだ。持ち手部分には衝撃が来づらいようにゴムを貼り、その上から布を巻いて固定している。

 

 これでこの木の良い所(意味深)に一発きついのを叩き込む。そうすれば気持ちよくなった木は、きっとクワガタさんを吐き出しちゃうに違いない。んっほぉおおおお!! クワガタでちゃうのぉおおお!!! って感じで。

 

「せーっ、のっ!! ……しねぇえええええ!!!」

 

 私は練ったオーラを【凝】でハンマーに集めてフルスイング。遠心力による加速を加え、その大質量を木に叩きつける。――ドゴォオオオオオン!! と何かが爆発したような音が響き、遅れて揺れた木から大量の虫が降ってきた。

 

「やったか!?」

 

 【円】を展開して探してみれば《キングホワイトオオクワガタ》を()匹も発見!!

 準備してる時は不安で、ハンマーの後ろにロケットを付けようと思ったりもしたが必要無かったようだ。

 

 すぐに()匹を拾うと、ボンッ! という音と共にクワガタがカードに変化した。

 

「っしゃー! 《No.053 キングホワイトオオクワガタ A-30》ゲットー!!」

 

 このゲームを初めて最初の指定ポケットカードだ。幸先いいぞぉ~。

 ただしこのクワガタは珍しいだけで何の効果もないけどね。

 

 私はカードをバインダーに収納し、続けて木に2発目を打ち込む。

 木が揺れてから再び【円】を展開すれば、落ちていたクワガタは()匹。最初にあえて拾わなかった1匹はそのまま残っていた。

 

「ふんふん、なら最後に纏めて拾えばいいね。」

 

 そうと分かれば後は簡単。

 君がっ!! 泣くまでっ!! 殴るのを止めないっ!!

 

 ゴン君は木が可愛そうと手加減していたが、もちろん私は全力で殴る。

 ていうか多分これ具現化された木だし、仮に倒してもまた来たらニョキニョキ生えてるよね。

 

 私はそのまま木をハンマーで叩きまくる。

 疲れたら時々休憩を挟みつつ、1時間以上ずっと木を叩き続けた。結果、クワガタを120匹手に入れた。これだけ多いと流石にキモイ。

 

 そのうちカード化が出来たのは30枚だけだ。これは"カード化限度枚数"というシステムのせいで、要は"同じカードはゲーム全体で規定の数しか存在出来ませんよ"という事である。

 

 ただしすでにあるカードのカード化が解除されると、後から取った順にアイテムがカードに変わるので、残りの90匹にもちゃんと意味がある。なので30匹ずつ袋に詰めておく。

 

 終わったらマサドラに飛んでカードショップに直行だ。

 

「《キングホワイトオオクワガタ》1枚を売却で。」

 

「はいよ。百万ジェニーになります。」

 

 あれっ、安くね? これランクAのカードだよ? 確か月齢大会の商品ってランクBカードでも1千万以上なんだけど。……もしかしてこっちは何時でも取れるからかな?

 

 まぁ幾らだろうが売るんだけどね。

 すると袋の中に詰めていたクワガタの一匹がカードに変化した。限度枚数に空きが出来たからだ。

 

「1枚を売却で。1枚を売却で。1枚を売却で……」

 

 この調子でまずは1枚ずつ50枚を売る。

 実はトレードショップで50回取引すると、Bランクの指定ポケットカードが買えるようになるのだ。

 

 その後はまとめて売ってOK。何時でも取れるので残しておく必要はない。

 

「全部で1億2千万か。……クワガタ錬金術と名付けよう。」

 

 売るだけ売ってバインダーを空にしたら、次はこれから使うアイテムを買い込む。

 

「《移り気リモコン》《コネクッション》《ウグイスキャンディー》《クラブ王様》を購入で。」

 

「はいよ。」

 

 心を操り、声を偽り、時間の流れが違う部屋を作る。ちょっと狂ったアイテム達だ。これらがこうして簡単に買えてしまうのだからこのゲームは面白い(ただし対策が無いとクソゲー確定)。

 

「ゲイン。」

 

 早速、手に入れた内3つのカード化を解除する。

 カードはそれぞれ、10個のボタンと2種類のメーターがついたリモコン、水色でフリル付きのクッション、赤白黄で塗られた飴が入った袋、へと変わった。

 

 試しに飴を一つ口に放り込んで喋ってみる。

 

「アーアーテステスッ……『グリードアイランドへようこそ。おお、あなたはもしや"ちんちん"さまでは?』」

 

 おっ、ちゃんとイータさんの声が出せた。やったね、これで何時でもお姉さんの声で卑猥なセリフが聞けるよ!!

 

「色々喋って録音しとこ。クリアした時にプレゼントしてあげよっと。」

 

 これでグリードアイランドを狩る準備が整った。

 私はニヤリと笑うと、アイテムを持ってアントキバの街へ転移した。

 

 

 

 

 

 ■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 

 

 アントキバについたら隠れながら他のプレイヤーを探す。

 【絶】を使い、こそこそと街の端の方から探っていくと、ちょうど公園で駄弁っている3人組を見つけた。

 

 私は気配を消して茂みに隠れ、そのまま限界まで彼らに近づく。

 

「……それで"ドエムノアニキ"殿、本日の成果は如何ですかな?」

 

「ガハハハハ、順調に決まっておるだろう。本日も3人のおなごにナニを踏ませてやったわ!!」

 

「おお、流石でござるな。ドMの鑑でござるぞ。」

 

 よく見れば、内一人は私にナニを踏ませた草の服の変態だった。

 一緒に居るのは貴族風の服を着た痩せた男と、忍者っぽい格好をした卑怯そうな男。

 

 あれっ、この集まりってもしかして……ちょっと嫌な予感がしてきたぞ。

 

「くくくくく、階段の下に潜みスタートの小屋から出てくるおなごを見定め、素早く下半身を晒す。俺にかかれば造作も無いことよ。」

 

「大抵はゲーム世界とは思えない景色に驚いて、足元が疎かになりますから。アニキの作戦勝ちですな。」

 

「うむ、そういう事だ。で、二人はどうなんだ? なぁ"ペロンダンシャク"よ。」

 

「私の方はいまいちですぞ。中々ペロペロしたい! と思える脇が見つかりませんで。」

 

「ふむ、流石ダンシャクはマニアックだな。"オニンニンジャ"はどうだ?」

 

「素敵なショタが見つからないでゴザル。」

 

「……ショタは無理だろ?」

 

「オニンニンジャ殿もですか、お互い苦労しますな。」

 

 ……酷い会話だ。プレイヤー名も内容も、とても子供には聞かせられない。

 

(こいつら何なの? 3人共エンジョイ勢か? ……性癖満たしに来てんじゃね―よ!!)

 

 恐らくココがマジでゲームの中だと思っているのだろう。だから彼らはハジケてしまっているのだ。ある意味、全力で楽しんでやがる。というかこのLvの変態が3人揃ってるとかどうなってんだこのゲーム……売る相手は選べよジンンンンン!!!

 

(現実だって知ったら黒歴史確定かな? ……さてやるか。)

 

 でも此奴らは逆に吹っ切れそうだなぁ、等と思いつつ、私は持っていた《移り気リモコン》をドエムノアニキとペロンダンシャクに向ける。そして"憎悪"のボタンを押し、メーターを最大に回した。

 

「所でおいダンシャク。お前のその格好と言動はなんだ? エセ貴族みたいでウザイんだが!?」

 

「ア”ア”ッ!? それならそっちだって服に生えてる草が臭いですぞ!!」

 

(ウザイのも臭いのも今さらでござる……)

 

 とたん、ワイワイと楽しそうだった二人が相手を罵り合い、殺伐した雰囲気が漂いだした。そしてしばらく口論を続けると、最後はバラバラに分かれてしまった。

 

 デデ~ンッ!! 残念ながらPTは解散してしまった!! 音楽性の違いかな?

 

 ……酷い効果だ。使った私が言うのもなんだけど。

 

 このアイテムは、他人が他人へ抱く10種類の感情を、10段階の強弱で操作できる。

 効果時間と距離は要検証だが、この結果を見るだけでも恐るべきアイテムだ。

 

5メートル先(遠距離)から他人の感情を操れるとか頭おかCー。)

 

 リモコンには憎悪以外にも、愛情、信頼、恐怖、嫉妬などヤバそうなのが目白押し。

 もし原作で使われてたら、GI編はもっと殺伐としたものになっていただろう。

 

(やっぱり脳を操作する能力は作っといて正解だったね。こんな物が簡単に買えるとか、オチオチ街を歩けないよ。)

 

 私は分かれて歩き出した内の一人、ドエムノアニキの後をつける。

 全身に草が生えてるからめっちゃ目立って追いやすい。

 

「ちっ、あのガリ野郎、俺の草を侮辱しやがって!! ……うっ!?」

 

 それから頃合いを見て近づき、膝カックンで相手をコカす。試しにちょっと匂いを嗅いでみると、確かに洗ってない犬の匂いがした。これは洗濯してませんわ。

 

 そのままドエムノアニキが尻もちを着く前に素早く《コネクッション》を差し込んで座らせ、首の横から書類を突き出し()()()()()()()()()でお願いを告げる。

 

「振り向かずにコレを書くでござる。」

 

「……分かった。」

 

 《ウグイスキャンディー》はどんな声でも自在に出す事が出来るようになり、《コネクッション》は座った人が能力の及ぶ範囲で一回だけお願いを聞いてくれるアイテムだ。

 こうしてコンボで使えば、他人の振りをして言うことを聞かせることが可能になる。

 

 書類を受け取ったドエムノアニキは、そのままサラサラとペンを走らせはじめた。

 

(おっ、意外と達筆だ。ちゃんと全部書いてくれるかな?)

 

 この時の為に私が用意した書類は2枚。

 

 1枚目はグリードアイランドの譲渡書だ。中にはゲームを私に譲る旨が書かれている。初期参加組はほとんど死ぬか自力で出られない事が分かっているので、この書類さえあれば勝手にゲームを回収しても大丈夫。もちろん契約の部分は見えないようにしてある。

 

 2枚目は情報収集用である。

 現実世界の氏名、住所などの個人情報、それから念能力の詳細、そしてグリードアイランドを開始した場所と入り方などだ。これで簡単にゲームを取りに行ける。購入者を現実で調べるなんて私には無理だからね。それよりもこうして本人に直接教えてもらったほうが早い。

 

(うーん、この行為はゲームアイテムの効果だから灰色? いやぎりぎり真っ黒か。)

 

 私は自分でも性格が破綻していると自覚しているが、それでも別に犯罪行為が大好きという訳ではない。他に手段がない場合は遠慮なく使うが、合法的に目標が達成できるならそれが一番だ。

 

 なので最初はマサドラで"離脱屋"を開いて、ゲームからの離脱の対価として合法的に譲ってもらおうと考えた。命との交換ならきっと安いものだ。だがそもそもマサドラに辿り着けずに死ぬ人も多そうだし、チンタラしてたら他の誰かが勝手に持っていくだろう。

 

 だから折衷案だ。まずは回収を優先。そしてもしこの人達が生き延びて帰りたそうにしていた場合には改めて声をかけ、譲渡を条件にこのゲームから離脱させる予定である。

 

 そういう訳でココで《縁切り鋏》――写真を切ると、その人と2度と会わずにすむようになるアイテム、は使わないでおく。この変態だけには使ってもいい気がするけどね。

 

「書き終わったぞ。」

 

 しばらく待つと記入が終わったようだ。

 私は即座にドエムノアニキを気絶させて書類をチェック。

 

「なになに……職業:某社の社長、念系統:放出系、念能力【ドエム砲】:気持ちよく踏まれる程オーラが引き出され、それを股間から解き放つ能力、か。……能力まで変態かよ。」

 

 イメージとしては股間から撃つ霊丸かな? もちろん色は真っ白。うわぁ、想像しちゃったけど、ちょっと気持ち悪すぎるね。

 

 でもこの能力は使えるかも。引き出したオーラを減衰なしで放てるから、レイザー戦に連れて行って踏みまくったらワンチャン? ……レイザーも全力で避けそうだな。私も嫌だけど一応、覚えておこう。

 

 ちなみに気絶させた後は、ちゃんと近くの壁にもたれ掛かからせてある。

 安全? ズボンは下げておいたから大丈夫だ。間違いなく誰も近づかない。

 

「ふむふむ、しっかり書かれているね。……《コネクッション》さんぱねぇ。」

 

 これって、座らせて『カード全部ちょうだい^^』って言ったら丸ごと奪えるのでは? なんか普通に出来そうで怖いな。店なんかでも座る時は注意しなきゃ。

 

 私は書類を2枚ともチェックすると、引き返して今度はペロンダンシャクを追いかけた。

 

 その後はアントキバのプレイヤー達に書類を書いてもらうと、シソの木を挟んだ反対側にある街"ルビキュータ"でも同じ様に書類を配った。そうして3日掛けて40人分の情報を手に入れた。

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 

 

 2つの街のプレイヤーから粗方契約(物理)を勝ち取ったら、次はいよいよグリードアイランドの回収に向う。

 

 がその前に港の近くで《クラブ王様》を使って店を出現させた。

 これは中の一時間が店外の一日になるという、竜宮城のような店だ。

 

 すぐに扉を開けてストップウォッチを放り込む。カウントは直前にスタート。

 それから他のアイテムは持ち出せないので、箱にいれて近くの地面に埋めておく。

 

 このゲームは念能力で作られているが、それを行なっているのが人間である以上、アイテムの具現化数には必ず限界が存在する。

 

 例えば城と城下町(1万人付)を出現させる《支配者の祝福》というカードがあるが、これを1万回ゲインしたらきっと途中から何も出なくなるはずだ。処理能力を超えてしまいパンクするから。

 

 なのでGMたちは使わないリソースを回収しようとするはず。

 それがどういう方法かは分からないが、少なくともこれでゲインした本人がゲーム外に出た場合に、アイテムがどうなるかは分かるだろう。

 消滅するのか、それとも効果が止まるだけでログインしたらまた動き出すのか。

 

 まぁ消えてもまた買えばいいけどね。だって全部Bランクだし。

 ただ、もしゲーム内に居なくても動き続けるのなら、将来的に《リサイクルーム》で武器の修理場を作れる。または《7人の働く小人》を10枚ぐらい集めて内職場とか。まぁ今後次第か。

 

 アイテムを埋め終わったら何時ものように所長の頭をパーンッ!! して港へ。

 

「こういう時、世界中の港に出れるのは便利だよね。」

 

「あら、今回は港に行くの?」

 

「はい、ちょっと用事で。」

 

 ゲームから出ると、すぐに契約書に書かれた住所へ向かう。

 全部の書類をチェックし、最適な回収ルートは構築済みだ。もちろん私のゲートと港へのログオフ機能も最大限に活用する。

 

 最初はペロンダンシャクとかいう変態の家。

 書いてもらった書類によれば、掌に相手を舐める口と舌を具現化するキモイ能力の持ち主だ。ペロペロは自分の口だけで我慢しろよ。それとも両脇を同時に舐めたかったのかな?

 

「オクションの最上階なんて、変態のくせに良いとこ住んでるなぁ。」

 

 入り方はしっかり分かってるので、堂々と正面から踏み込む。

 チラっと見れば部屋の中には性グセマガジンだの女性の下着(盗品?)だのが山積みになっていた。がそっちは一切関与しない。

 

(おっ、あったあった。)

 

 ゲーム機から繋がっていたモニターにはペロンダンシャクの顔が映っていた。つまりまだ生きているということだ。

 見つけたらジョイステーションごとグリードアイランドを回収して、すぐにマンションを離脱する。こんな犯罪者の部屋に居られるか!! 私は帰るぞ!!!

 

 それから私はしばらく時間をグリードアイランドの回収に費やした。

 超高額のゲームだけにセキュリティの高い部屋でプレイしていた人が多かったが、事前に入り方を聞いていた私には楽勝だ。無理な時は筋肉でお邪魔させてもらった。やっぱり筋肉さんは万能だね!!

 

 結果、丸々2ヶ月かけて私が手に入れたグリードアイランドは合計22本。

 着いた時すでに半分は奪われて無くなっていたが、それでもこれだけ回収できれば大成功だろう。

 

「アハッ!! アハハハハハハハハハ!!!!」

 

 笑いを抑えきれない。原作と同じ様にバッテラさんの恋人が倒れていれば、1年後にはこれが1本170億に変わる。全部売れば3740億だ。

 

 あ~、お金の想像したら体が勝手にアヘ顔になっちゃう~~~ッ!!!

 

「今ならダブルピースで気絶するほどイケそう。」

 

 だがまだだ。まだグリードアイランドのクリアが残っている。

 2ヶ月も遅れてしまったが、これからは本格的に攻略していく。こちらに帰ってくることも激減するはずだ。

 

 まずは向こうで拠点を作って基盤を整えなくては。

 

「よしっ、やってやるぜ!!」

 

 ただし明日からな!! だってニヤケ顔が止まらないんだもん。だから今日は休みだ。

 そうして私はゲートから買っておいた酒を取り出してあおり、そのまましばらく笑い続けた。




ゲームを回収してご満悦の幼女。
マンションの鍵は筋肉さんが開けてくれました。
次回からやっとカード集めが始まります。
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