皆さんこんにちは。グリードアイランドが22本も手に入ってホクホクのシズクちゃんです。
内12本はプレイヤーが死んでいたのでゾルディック家に預けてきた。
ミルキがめっちゃ欲しそうにしていたので『頑張ってお金を貯めたら売ってあげる』と言っておいたよ。
もちろん値段は
それでもミルキならやり遂げてくれるだろう。私も伊東ラ○フ風に応援してきたし。
「ミルキがんばれ♥ がんばれ♥」
「むりだよぉ。」
涙目でオロオロするミルキ(5才)は可愛かった。
それと生まれたばかりのキルアにも会ってきた。誕生日は原作通り7月7日だ。
私が訪れたときはすでに生まれてから1ヶ月以上立ってたけど、キキョウ姉さん達は未だに大はしゃぎしていた。
なんせ初めての銀髪の子供――ゾルディック家の血を強く引いている、だ。よっぽど嬉しかったのだろう、さっそく緑色のミルクを飲ませたり電流を流し始めたりしててドン引きだった。……ちょっと可哀想だけど、あの家に生まれちゃったからしかたないね。
「キキョウ姉さんの子供……ということは、つまり私の弟ってことだよね!!」
「はっ? おばさんが何いってんの?」
「おばさん言うな、ちんこもぐぞ!!」
残念ながらイルミはすでにメロメロに魅了されていて手遅れだった。
念を込めた針でほっぺプニプニとかしてるの。きっとあれには『お兄ちゃんが大好きになる』なんて念が込められてるに違いない。ブラコンからは逃げられないんやなって。あとおばさん呼びは許さねぇ。
それからまだプレイ中だった残りの10本は近くの山に別々に埋めた。
自分ので試してみたけど、ログオフ時にゲーム機の周囲が埋まってると、転送されるのは一番近くの空き空間になる仕様っぽいんだよね。
これはウィズで言う"石の中にいる"を避ける為なんだろうけど、
初めてのログオフで山の中に出てしまえば、きっとこれが
あとは数日おきにバインダーを確認し、プレイヤー名が灰色になっている(死んだかゲームから出た)人のグリードアイランドを回収すれば良い。
ちょっと面倒な作業ではあるけど、1回で何十億だと考えると全く苦にならない。むしろ不安要素が一つずつ消えていくので気分はルンルン。
「まとめてゾルディック家に預かってもらうのも手だけど、流石にこれ以上借りを作るのもなぁ。」
ただでさえ修行でお世話になっているのだ。それに敷地の中に他人が瞬間移動してくるゲーム機など、彼らとしても預かりたくはないだろう。
気がかりなのは港から"ゲーム機の場所"を選んで出た場合だけど、まさか真下に埋まってると思う人は少ないはず。むしろゲームのバグを疑う人の方が多いんじゃないかな。リスクは多少あるが、あまり時間を掛けてられないのでこれで行くことにした。
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さて、これからいよいよカードを集めていく訳だけど、まずは情報を集める。
えっ、拠点はどうしたのかって?
いやだってこのゲームには〈
ならいっそ定住はしない方がいいんじゃないかって。街には宿屋もあるからね。
もちろん空いた時間で良さそうな洞窟は探す。誰かが集団で追いかけてきたら皆殺しに出来るように。爆薬を仕掛けて引き込んで崩壊させれば一網打尽だ。入口側から崩せば移動用の呪文でも出られないだろう。
なので拠点は置いといて、まずはカードの番号・名前・ランクをはっきりさせる。流石に私も100枚全部を覚えている訳じゃないからね。
「ソロなんだから計画を建てて効率的に進めないとね。がむしゃらに集めるなんて柄じゃないし。」
幸いなことに、このゲームには
その中でこれから主に利用するのは〈
これはいわゆるTRPGにおける情報収集用の占術呪文。使用して番号を指定すると"カードの説明"か"所持人数"を教えてくる。だが実はその時に一緒に"カード名"も表示されるのだ。
例えば原作でツェズゲラさんが〈
『現在 2「一坪の海岸線」を所有しているプレイヤーは0人』
と
カード名さえ分かればあとは簡単だ。
「やっぱこういう呪文は最高だね。……使いすぎるとGMが泣くけど。」
ドラゴンとダンジョンをハックするTRPGでGMを泣かせた事を思い出す。
占術特化キャラで洞窟に入る前に全部調べ尽くしたっけ。あれは確かGMが1週間掛けて作ったダンジョンだったはずだ。……あの時はマジすまんかった。
「60万
「はいよ。」
さっそくトレードショップで貯金を下ろし、バインダーに限界まで1万J札カードを詰め込んで
「ああああああ!!! 〈
「拙者の10万Jが溶けたでござるぅううううう!!!!」
道中、何人かのプレイヤーとすれ違った。
流石に2ヶ月も経ってるだけあって、マサドラにたどり着いた人もポツポツ居るようだ。まだ多くは無いが、それでもチラホラと呪文ガチャで爆死した叫びが聞こえてくる。
「おいダンシャクよ。3パック開けたら〈
「おお、それは
なんか今、変態さんたち居なかった? しかも超レアなカード出してたような。……ちっ、奪おうにもすぐ使いやがった。
「カードパック45袋下さい。」
「45万Jになります。」
スペルショップでは持ってきた金で買えるだけ買う。
カードは1袋3枚入りで1万Jだ。受け取ったらすぐに全部開ける。
「〈
どうせならランクSカード来ないかな? なんて思いながら引けば、なんとランクAのカードすら来ない有様。ぐぬぬぬぬ……!!
でも最初だしこんなもんだろう。ゴン君は最初の20パックで引いてたけどな!!
「物欲センサーさん仕事しすぎじゃね。」
ちょっとぐらい休んでもいいのよ? まぁ今必要な2種はどちらもランクGの呪文カード、いわゆる外れのせいか10枚ずつ出たので良しとしよう。
さてこうして手に入れた大量の呪文カードだが、まずはその中から〈
これはランクC以下限定であるが、
「〈
出た5枚をすべて使い、持ってきていた1万J札を再びカードに戻す。
面倒であるが、この世界ではカード状態の金しか使えないからしょうがない。
「カードパック5つ下さい。」
「5万Jになります。」
そしてこの金でまたパックを買って開ける。
これを〈
「ガチャは回転率こそが全て。欲しいなら無心で回せッ!! ……って誰の言葉だったっけ。」
今度はランクCすら出なかったぜ!! ……いや知ってたけどね。
という訳で無事に呪文ガチャで爆死したら、次はやっと〈
No.000~003は分かってるから、No.099から逆にやって行く。
「〈
出た情報はちゃんとノートにメモしておく。
全部使うことで20枚の指定ポケットカードの番号と名前が分かった。
ちなみにバインダーに嵌めていないカードは1分経つと自動でカード化が解除されてしまうが、この店の中なら呪文カードは何分経ってもそのままのようだ。
「原作では『徹夜で列に並んだ』って言ってて不思議だったけど、こういうことだったんだ。」
サクっと買って出るだけだと思っていたが、カード化が解除されないなら厳選で悩む人が多かったのだろう。
早漏の呪文カードちゃんが寸止めされるので、みんな焦らずプレイできた訳である。人によっては何時間も店に籠もってたんだろうね。
まぁ私はすでに優先順位を付け終えてるから厳選はすぐに済む。
必要な分をバインダーに入れたら店の外へ。入りきれなかった呪文カードは店を出た瞬間に消えた。
それからはデパートで島の地図を購入。したら〈
「No.099、《メイドパンダ》の情報を売って。」
「《メイドパンダ》? なんだそりゃ。」
「はい、ランクSカード確定。……〈
ランクSの場合は〈
後はこの行動を繰り返す。ただし島の地図は一つだけで十分だ。
取っておく呪文カードが増えるので、一度に買える量は徐々に減っていくが、10回目でやっと指定ポケットカードの情報が揃った。
ついでにランクS以上のカードが取れる場所の把握と、全ての街の【接続ポイント】作りも完了だ。途中でオーラが切れそうになったので、休憩を挟みながらだけどね。
そして最後に取っておいた〈
「〈
《聖騎士の首飾り》。これは全ての攻撃呪文を跳ね返すアイテム。しかも装備中はずっと有効。いわば永続マホカンタだ。原作でも使われた、あまりにも簡単に取れるチートアイテムである。攻撃呪文さんは泣いていい。ついでに対策用の防御呪文さんも。
「この性能でランクDなのはびっくりだよね。」
どう考えても〈
〈
まるで『呪文で遊んでないで、はよ自力でカード取りに行け』というゲームマスターさん達の思考が透けて見えるよう。まぁとっととイベントに向かわせたいんだろう。せっかくこんな島を用意したんだから、ずっと同じ街で呪文のやり取りをやられたんじゃ興ざめだろうし。
「まっ、私としては好都合だけどね!!」
ゲーム内で用意されている物は遠慮なく使う。F○Tのエクスカリバーしかり、ペ○ソナ3の全能の真球しかり。当たり前のことだよなぁ?
それにいちいち防御呪文を持ち歩く必要がなくなるのはありがたい。ソロの私はフリーポケットの数が限られるからね。
「
さっそくアイテムに戻して装備する。盾と剣を組み合わせたようなデザインのペンダントだ。ぶつかって煩いので、すでに付けている十字架のペンダントは服の中に仕舞う。
さてここまでで
・指定ポケットカード100種の番号、名前、ランクが判明
・ランクSS、S、Aカードの取得場所の把握完了
・全ての街に【接続ポイント】作成完了
・攻撃呪文は全種無効
これだけの準備が出来た。RTAかな? やっぱり事前に知識が有るのって最強だ。
あとは順番に取りに行くだけ、なんだけど……
「別に全部の取得イベントをこなす必要は無いんだよね。」
指定ポケットカードは全部で100枚。
しかしそのうち
ランクDの1枚は呪文で取れる。
ランクBの34枚は金で買える。
ランクAの39枚は《リスキーダイス》と〈
つまりイベントをクリアしきゃいけないのはランクS以上のカード26枚だ。
ただしこのうち3枚は取り方が分かっていて、更に別の3枚は情報がある。
つまり0から探さなきゃいけないのは、
おおっと、めちゃくちゃ行けそうな気がしてきたぞ!!
「これならソロでも何とかなりそう。」
まぁ実際は先に取っておきたいランクAカードが有るから少し増えるけどね。
あとは時間だ。出来ればこれから10ヶ月以内にクリアしたい。
理由は原作通りなら、発売から1年後にバッテラさんが懸賞金を掛けてしまうから。
そうすると金目当ての輩が入ってきて足を引っ張り出す。ギスギスオンラインになっちゃう訳である。なのでそうなる前にクリアしたいのだ。ゆっくり遊ぶのはクリアの
「ってことは月に2~3枚か。」
出来ればランクSは1週間に1枚のペースで取って、SSはちょっと長めに見ときたい。
でもこうして情報を整理すると分かりやすくなるから良いね。
先行きが分かると心も軽くなる。やっぱり計画って大事だなぁ。
「まぁ今は他人の足を引っ張る人は居ないだろうし、堂々と集めていけばいいか。」
私はさっそくゲートを開き、必要なアイテムの有る場所の近くへ転移した。
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「おいガキィ!! その扉を閉めるなぁああああ!!!」
今なら足を引っ張る人はいない……そう思っていた時期が、私にもありました。
「どけぇえええええ!!!!」
ソロの私にとって絶対に必要な《7人の働く小人》のカード。取るためにヒントにあった洋館へ踏み込むと、そこにいた先客だろう男はいきなり私に掴みかかってきた。
「――ふんっ!!」
「ごぱぁあ!!!」
もちろん黙って掴まれる趣味はないので、手の下に潜り込んでヤクザキックで蹴り飛ばす。男はそのまま後ろへすっ飛んでいき、部屋の中央にあったテーブルへ背中から華麗に着地を決めた。
「いきなり何なの? 殺されたいの?」
右手親指に専用の指輪をしている所から、どうやらこの男もプレイヤーのようだ。
見た目は瓶底眼鏡に青いジージャン。ちょっとポッチャリしてて運動は得意じゃなさそう。
私はそのまま部屋の中へ進む。後ろからはバタンッ、と今通った玄関の扉が閉じた音が聞こえてきた。
「おっ、中々いい部屋だね。」
見れば正面の壁には大きな暖炉が一つ。中央には高級そうな木製のテーブルと柔らかそうなソファー。左右の壁には1つずつドアが付いていた。
入ったらすぐに何かイベントが起きると思っていたが、今のところは
「どうして閉めたんだ!!!」
「うるさい。そんなに開けたきゃ自分で開ければ?」
そんな私に起き上がった男が喚き散らす。だが何となく事情は分かった。
この様子からして、恐らく入ってきた扉は中から開ける事が出来ないのだろう。私としては、だから何? って感じだけどね。
「さーて、何かヒントとかないかなー?」
「おっ、おい!!」
男をガン無視して部屋の中を調べると、暖炉の右上の方にこのイベントのルールらしきものが書かれているのを見つけた。
『小人からお客様へ。』
という言葉から始まる7つの文である。
『入れるのは7人まで』『外へのドアは開けない』
ふむ。これはイベントの参加人数は最大7人、一度参加するとクリアまで出られない、ということだろう。
『もう さいくつ は いやでち』『まいにちまいにち ぐーるぐる なの』『だれか ひめ を おこして』
こっちは小人さんたちは強制的に働かされていて、姫を起こせばイベントクリアってことかな? 7人の小人と言えば白雪姫だけど、これじゃブラックな鬼姫だね。
『茨の化け物は敵』『開けた扉は閉められない』
最後の一つがちょっと難しいとこだが、スタートすると安置が無くなるってことだろうか。要は出会った化け物は全部倒せってことだ。ホラーハウスの謎解きかな?
「OKOK、中々楽しそうじゃん。」
茨に囲まれるのは『白雪姫』じゃなくて『眠りの森の美女』だと思うけど、たぶん色々な童話が混ざってるのだろう。もしかしたら
「お、おい、先に進むのなんて許さねぇぞ!!」
何か勝手なこと言ってる男が居るが関係ない。
私は壁のドアに向かって歩き出す。
「良いかよく聞け! ここの裏庭には恐ろしい化け物どもがいた!! 俺はそいつらに追いかけられてこの屋敷に入っちまったんだ!! だが恐らく館の中にはもっとすごい化け物が居るはずだ。なんせここからがイベントの本番みたいだからな!! だから先に進むのは止めろ!!! ……分かったか?」
「分かった。じゃあ私は先に行くね!!」
「わかってねぇええええええ!!!!!」
いやちゃんと分かってるよ? つまり裏庭を覗き見してたら捕まりそうになったから、この館に駆け込んだってことでしょ? そんなの自業自得じゃん。
でも私はココでダラダラする気はないんだよね。ここのカードは寝る前に取っておきたいから。
「私はこっちに進むから、行くなら逆に行ってね? じゃーねー。」
「やめろぉおおおおお!!!!!」
私は玄関から見て右のドアを開けた。遠慮なくババーン、と全開にする。
中に居たのはごっつい両手剣を持ちそれっぽい冠を被った茨の
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「ヴォォオオオオオオオ!!!」
襲ってきた茨王子(仮)に対して、私は反射的にリボルバーを抜く。
地球ならオリンピックで金メダルが取れそうな早撃ちだ。一瞬で撃ち出された5発の銃弾は頭に3発、心臓部に2発着弾。王子の一部を吹き飛ばす。
しかし全身が茨で出来ているせいか、相手の疾走は多少速度が落ちただけで止まらなかった。
なんで体まで茨って分かるのかって? 全裸だからだよ!!
「身につけてるのは大剣と冠だけのくせに!!」
代わりに体の方はきっちりチンチンまで作り込まれてやがる。
これはちょっと可哀想じゃないですかね? どうせならちゃんと服も作ってあげろよ。
「ヴォォオオオオオオオ!!!」
「ちぃっ!!」
正面からまっすぐに振り下ろされた両手剣、それを左前方に飛んで回避する。同時に具現化したデメちゃんを逆側に飛ばす。
「へいパース!!」
私は着地した左足を軸にそのまま一回転。回し蹴りで相手を蹴り飛ばした。
『ぎょーぎょっ!!』
対して、反対に居たデメちゃんも横に一回転。勢いをつけた尻尾を叩きつけ、相手をコチラに吹き飛ばし返した。
「ヘイヘイ!!」
『ぎょっぎょっ!』
――ドゴンッ! バチンッ!! ドゴンッ! バチンッ!! ドゴンッ! バチンッ!!……
「ヴォォオオオオォォォ……」
サッカーのパス回しのように、そのまま交互に相手を蹴り(?)返す。
棘があるので素手では殴りたくない。一番効果的っぽいのは火炎放射器だろうけど、ここは館の中だから使えないんだよね。館ごと燃やしたらイベントが強制終了しちゃいそうだし。
なのでひたすら蹴り続けると、王子は途中で砕け散ってカードに変わった。
「どれどれ、《No.602 茨に汚染された盗賊王子 C-100》……うわ、ざっこ。」
ゲームから出るための港の所長がランクB。港の手前にある森のボスがランクCで最強のモンスターだ。これぐらいなら【練】じゃなくて【纏】のままでも行けるね。
「つーか
そういえば『眠りの森の美女』って、眠ってる100年の間に何人もの王子が姫を奪いに来てたっけか。元になった民話に至っては、王さまがこっそり姫を孕ませてたはずだ。うーん、考えても意味がなさそう。
さて敵が居なくなったら部屋の探索だ。
有り難いことに右側の壁には、調べろと言わんばかりに巨大な振り子時計が鎮座している。
さっそく針を適当に動かしてみると、短針を6時にした時、取っ手に"剣が描かれた鍵"が出てきた。
「剣の鍵? ……何かのゲームで見た事があるような。」
私はそのまま次の部屋へと進む。先へのドアは一つしか無いので迷うことはない。
部屋に居たのはグツグツ湯だった大きな鍋を、洗濯板のような物でグルグルと掻き混ぜていた茨の魔女。……だから出てくるのがはえーよ!!
「お前らビジュアル的に中ボスポジでしょ!! なんで初っ端に出て来てるの!?」
「ギィエエエエエエエエ!!!」
魔女は私を見つけると、叫び声を上げて襲いかかってきた。
洗濯板をビート板に見立てた見事な飛び込みフォームで頭から突進してくる。くそっ、コレだから話を聞かない奴はダメなんだ。シナリオの都合でザコ敵は全部削除になりました、みたいな顔しやがって。
「潰れて死ね!!」
すぐにデメちゃんを鈍器代わりにして振り下ろす。銃撃は効果が薄い事が分かったので使わない。
潰れた魔女をさらに横スイングで壁に叩きつけると、あっさり砕け散ってカードに変わった。
「さて、怪しいのはグルグルしてた鍋だよね。」
中身を全部ぶちまけてみると、底には"盾が描かれた鍵"が沈んでいた。
「んんんん? 剣と盾ということは兜とか靴もあるのかな?」
集める鍵が多いとダルいが、考えても楽にならないので次に進む。
今度も先へのドアは一つ、左の壁にしかない。開けると中庭に繋がっていて、茨の犬が10匹以上ウロウロしていた。
「そうそう、こういうのでいいんだよ。こういうので。」
「ギャルルルルルルルル!!!」
即座にデメちゃんを3匹具現化。口から榴弾を吐き出させて纏めて爆殺する。
カードになった犬のランクはD。うーん、普通に殴って倒してもよかったかも。
中央にあった噴水を調べると、台座には剣、盾、兜、鎧の4つのマークが描かれた鍵穴があった。しかし他に進めそうなところは見当たらない。
「最初の部屋から逆のドアに行って取ってこいって事ですね分かります。その後は噴水から地下にでも行くのかな? 採掘場があったりして。」
急いで今までの道を逆走し、その先にあった部屋で
再び中庭に戻って4つの鍵を嵌めると噴水が止まり、予想通り地下への階段が出てきた。
不意打ちを警戒しながら下れば、そこには死んだ目でツルハシを振り続ける7匹の妖精さんたちがいた。
「採掘はんたーい!!」
「眠りたいでちぃいい!!」
「もう疲れたのー!!」
「休暇をくださいぃいいい!!」
酷い光景だ。まるで某ブラゲの昔の潜水艦達のよう。
「姫の部屋は中庭から見て一番大きな窓の部屋でち。」
それでも何とか話し掛けると改めて姫の討伐を頼まれた。もう完全に姫がモンスター扱いだな。
中庭に出ると、恐らく裏庭に続いているであろう鉄格子が開き、そこから茨の犬が入ってくる。
「なんだ追いかけられた恐ろしい化け物ってこのワンコかよ。」
館の外なので遠慮なくグレネードを使い、さくっと退治する。鉄格子はすぐに閉じてしまったが、今は特に意味もなさそうなのでほっといても構わないだろう。
終わったら教えてもらった3階の姫の部屋へ、中庭からデメちゃんで直接乗り込んだ。
窓を破って入った広い部屋には、意外なことに白い棺桶しか無かった。そしてどの方向の壁にもドアがない。どうやらどれだけ館の中を進んでもこの部屋には入れないようだ。クソゲー。
「出入り口は窓だけとか酷いなぁ。」
本来は館の中をさまよい続けるハメになる訳だ。
ということはモンスターもリポップしそうだね。知らなかったらすごいイライラしそうなイベントだなぁ。
棺桶に近づくと蓋がゆっくり開きだしたので、その間に隙間から手榴弾を幾つも放り込む。
「よくぞ参っ……おっボォッ!!!」
姫が話し出すとちょうど手榴弾が爆発した。完璧なタイミングである。
姫はそれでも倒れずに話を続けようとするが、着ていたドレスが爆発で吹き飛んで素っ裸だ。だが全身が茨なので全然エロくない。だれかエロMODはよ。
つーか何で姫まで茨の化け物なの? もうどの童話がベースか分からないけど、これは絶対にオカシイでしょ。
「あの
話が終わると姫のお腹から金と銀の子供が出てきた。でも特に強くも無かったので先に倒させてもらった。
あとは今までと同じ様にデメちゃんと連携して戦う。
姫は胸の先端の乳首のように咲く花から、種っぱいをマシンガンのように撃ち出してきた。
私はそれを躱しつつ接近、クワガタを取ったときのハンマーで何度も頭を殴り、銃弾を撃ち込みまくると倒れてカードに変わった。
「《No.252 茨に汚染された白雪姫 B-070》。あっ、一応ベースは白雪姫だったんだ。」
それからは地下採掘場に行き、泣いて感謝する小人さんたちを連れて地上に出た。
すると館そのものが茨に変わって襲いかかってきたので、小人さんの忠告に従い裏庭への鉄格子をこじ開けて逃げればクリアだ。
「黒幕は館そのものだった、ってことなのかな。」
なんかモヤっとするがランクAカードのイベントなのでこんなものだろう。
ブラックな館から逃げ切った小人さんたちは手をつないで喜び、そのまま一枚のカードに変わる。
「《No.026 7人の働く小人 A-20》、確保っと。」
これが私が欲しかったカードだ。小人さんたちは私が眠ってる間に働いてくれる。
使い道は多岐にわたり、銃を持たせて他プレイヤーへの
「まぁ小人がNPCと会話が出来るかは分からないけどね。」
こればかりは試してみるしかない。だが出来ない場合でも街の中の地図は作れるので、私一人で調べるよりは格段に効率が上がるだろう。
最低でも街のNPCの配置を調べてくれれば大助かりだ。一つの街には結構なNPCが居るので、それっぽい相手を探すだけでも大変だから。
まぁどのように使うにしてもソロには大変ありがたいカードである。
単純に労働力を増やせるからね。だからどうしても最初に、それも寝る前に手に入れておく必要があった。
「それじゃあ攻略法も分かったことで……2周目行くか。」
情報の無い指定ポケットカード20枚、その全ての場所に小人を配置するには1枚の7匹では足りない。最低でも3枚の21匹、出来れば一箇所3匹+警戒3匹で9枚の63匹+保存用1枚で10枚ほど欲しい。
「慣れれば1枚10分で行けるかな? よーし、タイム計っちゃうぞ。……目指せ5分針!!」
私は逃げてきた道を逆走し、もとに戻っていた館で再びイベントを開始する。
スタート地点の部屋の中には、ビリビリに破れた青いジージャン
占術っぽい呪文を使い、奴隷を集めに行くシズクちゃんでした。
まぁ情報集めはゲーム攻略の基本ですよね。
今の所、ランクS以上のカードに関しては以下の感じです。
条件を把握してるカード:《支配者の祝福》《一坪の海岸線》《大天使の息吹》
少しヒントが有るカード:《一坪の密林》《不思議ケ池》《美を呼ぶエメラルド》
他のカード:取得場所のみ把握
ちなみに館のギミックはバイオ1から。
部屋に先にいた男のモデルはカイジの安藤。館がモンスター化した際、中に居たので無事死亡しました。本来はもっとクズっぽいことをしてたのですが、長くなったので丸々カット。使い捨てキャラだからしょうがないですね。
読んで頂きありがとうござました。