脳内妄想集(主に二次創作作品)   作:kazura

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久しぶりの投稿。
しかし、小説というには地の文少な過ぎる気がする……
これ殆ど台本形式じゃね。


レオリオがハンター協会会長になっていた場合のその後(HUNTER×HUNTER)

かつての俺達と同じだ。

金がねえ、まともな後ろ盾もねえからまともな医療も受けられねえでいる、そんな奴らを治療してやって「金なんて要らねえ」って言ってやりてえ。

ああ、それが俺の夢--人生で一番の望みだった。つーか、今でもそうなんだよ。本当なんだ。

なのに、俺の人生どうしてこうなった!?

 

 

 

 

 

「貴方がハンター協会会長選挙で結果的に一番票を集めて、貴方も辞退しなかったからよ」

「脳内の独白にツッコミ入れんじゃねーよ! まさかアンタの念って読心能力? それなら特質系だよな」

「貴方がブツブツ小声で呟いてたのを聞いただけよ」

「マジで!? ヤベえかも。リアルでボケ始まってっかも。やっぱ会長なんて務まらねえって」

「流石に今ボケられたら困るわね。その時は私が治してあげるわ。もっと素直に私の意を酌んで動くように」

「いきなり傀儡政権!? 就任して2時間でレームダック扱いってどんだけ無能扱い!?」

 

コイツはハンター協会の最高幹部“十二支ん”の一人、“戌”担当のチードル。

“十二支ん”の中でも頭脳労働におけるリーダー的存在で、“子”担当兼ハンター協会副会長のパリストンに並んでハンター協会における事務方、協会内政治のトップといえる存在だ。

――最早その片方は、そのトップの座から既に降りちまった訳だが。

で、そんなとんでもない御偉方と、何で俺なんかが対等っぽく話してるかというと――

 

――約2時間前

「あのさ……マジで当選しちまったけど、良いのか俺で? つーか、何であんな演説で俺に投票すんだよアイツら……」

「貴方の演説が自己評価通りのものなら、貴方は今、この椅子に座っていないわ。たとえマグレだろうと何だろうと、形式上のものだけだろうと全プロハンターのトップの座に就くというのはそんなに易いことじゃない」

 

新たなハンター協会会長を決める会長選挙。

その場に、遂に公の場に姿を現したゴンのクソ親父ことジン=フリークス。

今にも死にそうなゴンに見舞いに行けと、俺としては当然の意見を出したら、そのあんまりな返答にムカついて、思わず能力披露してまで一発ブン殴っちまったら、何故か会長候補に祭り上げられましたとさ。

まあ、何故かというか祭り上げられた理由は、俺が一発かましたクソ親父が周囲から反感買ってたってのが最大の理由だろうと、そのくらいのことは俺でも見当が付くんだけどよ。

つーか、ジンが俺に殴られた時の周囲の反応、喜び過ぎだろ。

何でお前らそんなに喜んでんだ?

ゴンの親父、嫌われモンなの?

殴っといてなんだけど殴られた挙句にあんなに周りに喜ばれるとか、なんか不憫なんだけど。

 

そんなこんなで祭り上げられた最終演説の舞台――

受験勉強しつつ、センズリこいたり家に女連れ込んだりしてました!

そしたら、いつの間にか年下の恩人の親友が危篤状態になってました!

俺じゃ助けられねえから、その為に俺が会長になったら教会を私物化して、お前ら全員に治し方を探させます!

こんな感じの演説をしたら、何故か皆が俺に投票してたんだよ……

 

「まあでも、なっちまったからにはしょうがねえ……俺に会長やれってんなら、勿論会長としての仕事の前に、宣言した通りお目当ての見返りをプロハンター全員からいただくけどな。ゴンの治療法を総出で探す! ハンター協会に属するプロハンター全員でだ! 文句言う奴もいるだろうけど、会長になったら教会を私物化するって宣言して、それでもあいつらが俺を選んだんだ。ハンター協会会長としての地位と権限を持って、お前ら全員にそれを強要するし強行する」

「その必要はないわ」

「……何で?」

「ゴンはもう回復したわ」

「は!?」

 

――と、こんな感じのやり取りが2時間ほど前にありましたとさ。

 

「まあ、見たところ自分が会長になるなんて、全く思ってなかったみたいだものね……でもね、貴方が会長になったからには、貴方を会長の座から降ろす気なんて無いわ。これでも私はあなたを極めて高く評価してるのよ。少なくとも貴方が居なければパリストンの会長就任を阻止することは多分出来なかった」

「例えそうだとしても、こんな星一つも持ってねえハンターになったばっかのルーキー、しかも大学入ったばっかのガキに務まる訳ねえだろ。ハンター協会の会長なんてよ」

「あのパリストンに会長選挙で競り勝った。まずはこの一点だけでも、ある意味偉業。個人的には星一つくらい授与されるべきだと思うくらいだわ」

「そんなにかよ? あのパリストンってそんなにヤベー奴なのか? つーか、どんだけ嫌われてんだアイツは…まあ、何考えてるのか、俺から見ても分からねー奴ではあったが」

「一言では説明するのは難しいわね……それでもあえて分かり易く言うなら、自分の愉悦(たのしみ)の為なら、お遊びで現行のハンター協会そのものを崩壊させる程度は喜んでする男よ」

「……あいつも金や地位や名誉やらが欲しくて動いてるって訳ではねえみてえだな。だからこそ尚更性質(タチ)が悪いって感じの奴っぽいけど」

 

ちなみに当のパリストンは、会長選挙が終わると同時に副会長を辞し、十二支んを脱退。協会内における地位を全部捨てて、協会内の地位的には普通のハンターとなり、副会長にはチードルが就任した。

アイツはアイツで何考えてんだろうなホントに。

ついでにゴンのクソ親父も十二支んから脱退したそうだが、それはもうどうでも良い。

 

「まあパリストンについては何考えてるか分かんねえし、何するか予測できねえし、現状だと実際に向こうの動きを観察し続けるしかねえとして置いといて。俺がハンター協会会長って言っても具体的には何をやりゃ良いんだ?」

「まず主業務としては、当然の事としてハンター協会内における(まつりごと)……協会全体の運営の基本方針や展望や規則の発案や実施を行う事ね。協会内で起こった問題(トラブル)の処理、対処。各国政府や世界的大企業から直接協会に依頼があった場合の応対、交渉、折衝。その他にも協会運営に必要となる業務全般で総指揮を執る事になるわね。細かな事でも協会全体に関わる取り決めの採決は貴方がその是非を判断することになるわ」

「聞いてるだけでダリい……あの爺さん、見えないところでそんな細々とした事やってたんだな」

「ネテロ会長は最強の念能力者というだけに止まらない、政治の能力も高い御方だったわ」

「ホントにネテロ会長好きだなアンタら……まあ、アンタらほどのネテロマニアじゃなくても、只者じゃねえ事だけは、一目見れば俺でも分かってたけどよ……」

 

満足気にウンウンと頷くチードル。とは言っても、別に俺もチードルのご機嫌取りの為に言った訳じゃねえんだよ。

むしろこの後続ける話の布石――俺が会長職を辞退するための発言のための前置きなんだよ。

 

「だからこそ、ゴンが完治した今は、俺が会長になろうとか思えねえんだよ。あの爺さんの代わりなんざ、俺が務まる訳ねえだろ」

「そんなこと何度も言われなくても分かっているわよ。貴方にネテロ会長の代わりなんて務まる訳ないわ。だから私達がサポートすると言っているのよ」

 

苛立ちを感じているようなチードルの顔。何で苛立ってんだ、お前。俺が会長に成りたがってないのが気に入らねえのか?

そりゃお前らにとっては使いこなせるなら、これ以上都合の良い傀儡はねえんだろうけどよ。

 

「サポートねえ……具体的には何してくれんだよ」

「貴方の副官としての通常の仕事よ。具体的には先ほど説明した、会長である貴方が業務を滞りなく行えるよう準備やら根回し、貴方の業務上の相談受け付け、貴方と相談の上で代理として業務の遂行を実施……貴方の協会内政治が余りにも愚かならそれを止める義務もあるわね」

「止めるって……具体的にはどうやって止められるのやら」

「私が貴方を裏切る必要は無いわよ。貴方がハンター協会会長に相応しい人物であり続ければね。是非そうなって欲しいとも思っているわ」

 

「逆に俺が会長に相応しくなけりゃ何時でも後ろから刺す気満々って事かい? ブルータスさんよ」

「それは暴君になる予定があるという事かしら。貴方が善き王であるように努めようという意志があるなら、そもそもそんな心配をする必要は無い事だわ、シーザー王……しかし貴方がシェイクスピアを嗜むとは。正直ちょっと意外ね」

「……シェイクスピアなんざ読んだ事もねえよ。それでも、このくらいのユーモアは一般的な雑学の範囲内だろ。それはまあ良いとして、アンタを含めた十二支んも会長としての俺に対しては、まだまだ様子見って段階なわけね。改めて再確認したぜ」

「貴方が会長から罷免されるような時には、貴方を会長になることを後押しした私達十二支んだって任命責任を免れないわ……お互い、そうなったところでデメリットは在っても、メリット何て無いんだから、そうならないようにお互い努力しましょうって、私が言いたいのはそういう事よ……というか、好い加減に観念しなさい」

 

この歳若くも百戦錬磨の女医にとっては、俺のような若造の浅はかな考えなど既にお見通しだったらしい。

 

「……まあ、なっちまったもんはしゃーねえ。アンタらに担ぎ上げられた神輿の化けの皮が剝がれるまで、アンタらに担がれるしか無いかね……勿論、会長辞めたさにわざと馬鹿な真似しようとまでは、流石に思ってねーよ」

「頑張って全体に塗した金箔が剥がれないようにしてね」

 

そう言って、踵を返してドアへ向かうチードル。

会長になるの断れねーなら、そろそろこの話も終わりにしてーなとか思ってたんだが、向こうにとっても丁度良い話の切り上げ所だと判断したらしい。

そうでなくとも、あちらさんは忙しい身だろうしな。

ただ、この後どうするのかは気になったので、続けて質問する。

 

「何所行くんだ?」

「十二支んの会議よ。主な議題は、この後の新会長就任に関する記者会見(マスコミ)対策」

「……やっぱ会長、アンタがやらねえ?」

「馬鹿言ってないで、後で私が呼んだら貴方も来てね。ある程度方針が固まったら内線で呼ぶから」

 

ドアを開いて――何を思ったのか、そのまま退出せずに立ち止まるチードル。

そして、本当にこの会話の最後の一言を聞かせてきた。

 

「……最後に言っておくけど、私が貴方を会長に推したのはパリストンへの対抗意識だけじゃないわ……貴方は良い会長になれる」

「……そう言われっと少しはヤル気が出ちまうんから、我ながら自分の単純さに呆れちまうぜ。俺も、アンタのご期待に沿えるよう少なくとも可能な限りの努力はしようかね」

 

……少しはヤル気が出たのは本当だ。狙ってやってんなら流石大人の女、中々の口説き文句だ。

 

 

 

 

 

すまねえな、ピエトロ……

俺、医者になるってのは、ちゃんと今でも夢見てんだけど……また、ちょっと寄り道することになりそうだぜ。

金も身分も、何も無くても、俺なりに夢叶えるための最短ルート走ってるつもりなんだけどよ……

なんで医者になりたい筈の俺が、世界最悪の盗賊団と一戦交えたり、ハンター協会の会長になったり……こんな事になってんだ?

ホント、俺の人生どうしてこうなった!?




自分で書いてて思った感想は、今まで同じネタが先に投稿されてないのが不思議だってことと、原作でのチードルの口調、再現すんのめんどくせえ。
なので普通に喋らせました。

10/1
尼佐東様、お気に入り追加ありがとうございます。
月の向日葵様、公開評価ありがとうございます。
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