チャクラ・シンボリズム。
人間の体内には、チャクラと呼ばれるエネルギーセンターが6つ存在すると言われている。
ヨーガの伝統では、身体には縦横を走る生体エネルギーが存在しているとされ
縦に流れるエネルギーは、身体の中心に延びる"中央スシュムナー気道"と
それを巻きつくように入る
また、体内のチャクラを活性化させることで、縦に流れるエネルギーを横に
広げることができ、6つのチャクラを全て開放することが出来れば、頭上に存在するとされる
第7チャクラ:サハスラーラ・パドマを発現させ、結果解脱に至るという。
そして星斗の精神世界は、まさにそれに準じたような構造になっていた。
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第一チャクラ:ムーラーダーラから始まった旅路は、第二チャクラ:スヴァーディシュターナと
第三チャクラ:マニプーラを超え、第四チャクラ:アナーハタに至る。
様々な経路が交差するこの場所で、それでも道を違えずに進むことが出来たのは
先導するヒュプノスの力あっての事だろう。
そして、ここに至るまでに、陽乃は自身が星斗の精神世界へと
足を踏み入れたおおよその経緯を思い出していた。
「サイコダイバーの彼も困惑しただろうね、なんせ星斗君の精神構造は複雑だ」
そう、ヒュプノスが陽乃に話しかける。
「そうですね、本職でも匙を投げる程度には」
そう、星斗が意識を失った後、空が準備したというサイコダイバーが現れ
その精神へとダイブを試みようとした矢先の出来事である。
万全に近い準備をしながらも、その精神は潜り込むことを躊躇するほどに怪奇で
おおよそ常人のそれとはかけ離れている、それに対応できるほどの力を
サイコダイバー本人が持ち合わせておらず。
「そして彼の代わりに、君たちが星斗君の精神へと入り込んだわけだ。
星斗君に過去の記憶を思い出して貰うために」
そういった経緯から、その精神の入口だけを確保させ、星斗の精神へと潜り込む。
最初、その意識が曖昧だったのは、かなり無茶な方法でのダイブだったためであろう。
本職ではない人物が、
「空君は中央スシュムナー気道から泰山府君と
ルナ君は
仲魔同士で連絡でも取り合っているのか、他の二人の状況は十分に把握しているようで
ともなれば、こちらも状況もあちらに伝わっていると考えるのが自然である。
「……他の二人が何を考えているかは、私には分かりません」
ほとんど同時のタイミングで、星斗の精神へと入り込んだ二人について考えを巡らせる陽乃。
本日が初見の二人に対して、陽乃は特段良い印象を持っているわけでなく。
むしろ、邪魔になるのではないかという懸念すら頂いていた。
しかしながら、そんな陽乃の様子も特段気にせずヒュプノスは言葉を放つ。
「まぁ、心配することはない、資格が無ければどこかしらで立ち止まる事になる」
そのように言葉を発した後、陽乃の方を振り向いてもう一言付け加える。
「無論、それは君自身にも言えることだがね」
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近い将来、東京にはミサイルが打ち込まれ
そのことごとくを破壊し、長きにわたる荒廃が続く。
それは、この世界において必定の歴史である。
しかしながら同時に、それに抗う一人の少年の姿がそこにはあった。
ある時は、大天使ミカエルの天軍の剣に貫かれ、天魔アスラ王のゴッドハンドで押しつぶさる。
大天使メタトロンのシナイの神火で焼かれ、魔王ベルゼブブの死蝿の葬列に晒され
神霊エロヒムの光に照らされ、魔王マーラにより誘惑される事もあった。
それは、ここに至るまでに実際に起こった出来事の数々。
多種多様な過程を辿りながらも、その結果は常に変わらず。
東京崩壊は止められないまま、少年は次の世界へ輪廻転生を繰り返す、何十回、何百回と。
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それは第四チャクラ:アナーハタを超え
第五チャクラ:ヴィシュッダへ進む道すがらの出来事である。
「このビジョンは……」
そう呟きつつ、陽乃は先ほどまで延々と見せられていた、少年の死にゆく様を思い浮かべる。
かなり高位の悪魔に殺されている事もあれば、低位のそれや人間に殺されている事もあった。
そのどれもが、違った背丈の違った容姿であるにもかかわらず、既視感のようなものを感じる。
そんな陽乃の疑問に、ヒュプノスは直接答えを言うわけでもなく。
「君もライドウなら聞いたことぐらいはあるだろう。
我々の過ごすこの世界が、アマラ宇宙に浮かぶ泡沫の一つに過ぎないという事を」
ヒュプノスの言う通り、この世界はアマラ宇宙という無限に広がる空間の中に存在する
泡沫の一つに過ぎず、そして同じような平行世界が無数に存在していると言われている。
過去には歴代最強として名高い十四代目葛葉ライドウが
これら平行世界間を繋げるアカラナ回廊を用い、別の世界へと行き来していたとも語られる。
「勿論知っていますが、それが何か?」
続けて疑問を発する陽乃に、ヒュプノスは神妙な面持ちで言葉を返す。
「それぞれが独立した世界ではあるが、極まれに例外は存在する。
その
誰の事を言っているのか、この時点で陽乃には見当が付いていたが言葉にはせず。
「君が見たのは、そんな彼が辿ってきた道の、ほんの僅かに過ぎない」
言葉にすれば、その想像が事実へと確定してしまうと思ったから。
「それでも、ここで見られるのは比較的上手くいったものだがね。
酷い時は、生まれる事すら出来ない世界もあったようだ」
星斗の異常な精神構造、その理由の一端を垣間見た陽乃であった。
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……
第五チャクラ:ヴィシュッダに至ったその時、急にヒュプノスは立ち止まる。
「……どうしましたか?」
急に立ち止まったヒュプノスの行動を疑問に思い、問いただす様に言葉と発する陽乃。
そんな彼女の方を向き、なんてことはないといった表情で言葉を放つ。
「ここで一つ、君に協力して貰いたいことがあってね」
そうして陽乃の返答を聞く前に、ヒュプノスは自身のスーツからとある液体を取り出し
周囲にそれをしみ込ませるように、ばらまく。
「……いったい何を?」
ヒュプノスの突然の行動に困惑する陽乃だったが、それはすぐさま結果となり現れる。
液体を付着した箇所から、黒い光が漏れ、シルエットが浮かび上がる。
それは鬼のような形相が三つ、首だけで宙に浮かんでおり
その身は、陽乃を丸ごと飲み込んでしまわんとする程、巨大。
「これは、星斗君のトラウマを具現化した、もう一人の彼とも呼べる存在だ」
別の平行世界では、ペルソナとも呼ばれるそれの正体は。
九曜星の一つであり、八方敵殺にて万事凶事となす羅喉星。
インド神話において不死の霊薬アムリタを飲み込み、太陽と月を怨み日食や月食を起こす怪物。
『悪星ラーフ』
それは星斗が無意識に抑圧した「もう一人の自分」であり、今世で乗り越えるべき壁。
「本題に入る前に、この些細な問題を解決しておきたくてね」
そんな言葉を聞く前に、すでに陽乃は仲魔が入った"封魔管"を準備して戦闘に備えている。
そんな彼女の様子に満足げな様子でヒュプノスは言葉を放つ。
「安心するといい、ここでなら君も本気で戦える」
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2021/09/02
誤字・脱字修正、ご指摘ありがとうございました!
読者兄貴姉貴たちの女神転生シリーズプレイ状況について
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ほぼすべてプレイ済
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いくつかのナンバリングだけプレイ済
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ペルソナだけプレイ済
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上記以外の派生作品だけプレイ済
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二次創作による知識だけ
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前提知識なし、未プレイ
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その他