Fate/Immaculate Whiteness 作:クリサンテモ
月曜日。それは一般的な学生にとって休みが明けて学校に行かなければならない日である。
当然、学生であるガルシア・鳥院・翼人も変わらない。普段であったら休みが終わって憂鬱に思いつつも、仕方なしに高校へ登校するであろう。
だが、今彼は非日常の最中にいるのだ。
聖杯戦争に参加することとなってしまった彼は、いつ狙われてもおかしくない立場である。今はキャスターの陣地作成スキルによってサーヴァントはいないと誤認させられているため、どこの陣営とも戦闘になっていない。だが、学校に行くようならば、いつ不測の事態が起こるかもわからない。
キャスターは学校に行かずに家に篭っているように提案した。外に出るのは危険だと。
だが翼人は高校に行くと言い張った。翼人は特別優秀ではないが、特別素行の悪いわけでもない、極々一般的な高校生だ。仮病で数日休むくらいなら出来なくもないが、それ以上は彼の良心が咎める以上に、親にも申し訳ない。親に学校に行くと嘘を吐いてどこかで時間を潰すのも、彼の学校から家に連絡が来るかもしれないという小市民的な精神を持っている翼人には無理だ。そんな思いから聖杯戦争中ずっと学校に行かないなんてことは到底できないことであった。
「マスターがそこまで言うなら、私も反対はしません。しかし、これだけは持っていて下さい。」
そんなマスターを見て観念したのかキャスターは予め作っていた、キーホルダーのような小さな石人形を渡した。
「...えーと、ナンデショウカ、コレは。」
不気味な面をした石人形を恐る恐る掴みながら、翼人はキャスターに尋ねる。キャスターは「いいですか。」の前置きの後、真剣な顔でその説明をした。
「これは一度きりの魔除けのお守りのようなものです。これを身につけていれば一回限りですが、敵の攻撃を凌げるでしょう。ただ、完全に防げるわけではなく、致命傷を避けるためのものだと考えて下さい。」
「な、なるほど...」
「? どうしましたか? そんな微妙そうな顔をして。」
「い、いやー。ありがたいなあ、って。」
翼人からしてみれば、はっきりいってそれじゃ魔除けというよりは呪いの人形と言われた方がしっくりする見かけである。夜中に見たら一人でトイレに行けなくなる感じの。
そんな思いをぐっと押し込めてお礼を捻り出した。これは自分のためにキャスターが作ってくれたものだ、そう己に言い聞かせて。
「まあ、心配せずとも私もマスターの近くに待機しているようにしますし、人が多いところなら、仕掛けてくる陣営もいないでしょう。それでも、くれぐれもご注意を。」
「ああ、ありがとう。」
そのやりとりが1時間程前のこと。家を出た翼人は覚悟を決めながらいつもの通学路を歩いていた。どこから敵が現れてもいいように警戒しながら。......その様子は側から見たら少し馬鹿っぽいが。
その背後から忍び寄る気配が一つ。
「おーい、何してんだよっ。」
「なっ!や、やる気か!」
急に肩を叩かれて、翼人は慌てて振り向く。そこにいたのは敵ではなく、翼人より少し背の高い友人、水田悠真だった。
「なんだ、悠真かよ!驚かせやがって。」
「いやー。だってあんな馬鹿みたいな翼人見たら驚かせるしかないだろ。」
「ふざけんなよ!めっちゃびっくりしたわ!」
翼人と悠真は去年高校入学したころからの付き合いである。最初の席が近かったことからよく話すようになり、家も近かったこともあって一緒に登下校していることも多い。
そして供に先日の肝試しと称して廃倉庫に行った友人の一人である。
「あーっと。大丈夫か?」
「ん?大丈夫かって何がだ?」
「いや、だからこの前金曜日の、」
「あー、肝試しか。いやー、悪かったな。なんか全然覚えてないんだけど、なんか気分悪くなっちまって。もしかしたら本当に何か出てきてたりして。」
「ははは... そんな訳ないじゃん。」
どうやら本当に金曜日のことは覚えていないみたいだと、翼人は胸を下ろす。あんなことは覚えていなくていいものだ。
「そんで、さっきは何であんな変な歩き方してたわけ?」
「いや、変なって。そんな変じゃなかっただろ。」
「いや、確実に怪しかった。何か犯罪を犯している人の歩き方だった。」
「そこまでは酷くね!」
普通の高校生の日常。それを霊体化したキャスターは微笑みながら見ていた。
◇
翼人と悠真は巫山戯合っていると、いつのまにか高校に着いていた。時計を見れば、時刻は8時20分。いつも通りの時間だった。
翼人たちが通う鈴蘭高校は街の中心部にある鈴蘭駅から北に10分ほど歩いた場所にあり、大蔵山も程よく近い場所にある。翼人の家からは20分程だ。
翼人は自分の席に腰を下す。そんな彼の横からかけてくる声が一つ。
「おはよう、鳥院君。」
「ああ、おはよう。」
声をかけきたのは隣の席に座っていた島津若菜であった。
「この前の金曜に肝試しに行ってたんだって? 今の季節って知ってる?」
「いやー、知ってる知ってる。けど何か流れでつい」
「はあ、何でそんな話になったんだか。」
若菜はジト目で翼人を見る。翼人は「ははは」と苦笑いしながら視線を逸らす他ない。
肩まで伸びた髪をポニーテールで纏めた少女、島津若菜は翼人のクラスメイトであり、噂好きな普通の女子高生である。
「そういえば知ってる? 北の大蔵山の方でガス爆発が起きたんだって。」
「その話ならニュースで見たな。何でも雷が落ちたせいだって言ってたな。いやー、何だったんだろうな、あの嵐。雨は全然降ってなかったって聞くし。」
「うわっ、水田君。おはよう。」
「うわって酷いな。うわって。」
横から割り込んで来た悠真は傷ついたようなジェスチャーをする。最初は弁解していた若菜であったが、面倒くさくなったのか、悠真を無視して話を続けた。
「それと、昨晩馬に乗った騎士を見たー、なんていう話もあるし、どうなってるんだろうね、鈴蘭市。」
「無視も酷いな!」
「あ、あははは......」
無視されてが食ってかかる悠真を尻目に、ここ数日の事件について思いを巡らす。
(ガス爆発に突発的な嵐、騎士の噂などはどれも他のサーヴァントだってキャスターは言ってた。そんな奴らが俺たちの敵......)
まだ実感が湧かないながらも、その事実を前に翼人は不安を感じていた。以前放ったキャスターの動く石像もライダーだというあの騎士のサーヴァントに簡単に破壊されている。果たして勝てるのだろうか、そう思ってしまう。
「おい、おーい。聞こえてるか、翼人?」
「えっ。ああ。すまん。ちょっと考え事で。」
「そう? それらないいんだけど。」
「ああ、悪い。それで何の話、」
チャイムが鳴り翼人の言葉は遮られる。先生も教室に入ってきたため、この話はここで中断された。
翼人は何事もないようにと思いながら先生の話を聞き流す。
「先日、ガス爆発事件がありましたが......また、不審者の目撃情報など.......」
不穏な話とは反対に、窓の外はきれいな青空が広がっていた。
◇
放課後。
いつも通りな一日の終わりの鐘が鳴り響く。
本当に何事もなく終わった一日を翼人は噛み締める。キャスターからの報告もない。来る前はあれだけ警戒していながら、結局何事もなかったのは拍子抜けもいいところだった。
あとはさっさと家に帰るだけだと考える翼人に話しかけててくる人物がいた。
「おい、翼人! 一緒に帰ろうぜ。」
「ちょっ。ああ、いや悪い悠真。また今度にしてくれねえか?」
「ん? 何か急いでることでもあるのか?」
「いや、ちょっとね。」
「ちょっととは。」
「うわっ! 島津さん。」
絡んでくる悠真をどうにかしようとしといると、今度は横合いから若菜が乱入していく。厄介なのが増えたと翼人は内心で汗を流す。
「いつもなら何か用事があっても方向は同じなんだから勝手について来るならいい、ぐらいは言う筈ね。なんだかんだ言って流されていくのがいつもの鳥院君よ。」
「そんなお前が俺を遠ざけてまで重要なちょっととは何だろうなー。」
「いや、だから、それは。」
翼人からしてみればこれは友人である二人を危険から遠ざけるためにも、あまり一緒にいるのは得策でない。そのためにもどうにか二人と距離を置くようにしたい翼人の心情もつゆ知らず、悠真と若菜は問い詰めてくる。これでは翼人のその場凌ぎの嘘なんて吐いても、速攻で嘘だと露呈するだろう。
どう考えても聖杯戦争のことなんて話せない、安っぽい嘘ならすぐにバレる。この状況で翼人がとった行動はーーー
「とにかく、そういうことだから!」
「「あ、にげた!」」
ただひたすらにその場から逃亡すること。それが今の彼の脳が最善手であると弾き出した行動であった。
翼人は猛ダッシュで校門を駆け抜ける。その頭に彼と主従契約を結んだサーヴァントが声を響かせる。
『あらあら、随分と力技ですね、マスター。』
「そんなこと言われても! 嘘もそんなすぐに出てこねえよ!」
念話で聞こえてくる揶揄うようなキャスターの声色に、翼人はキャスターへの敬語も忘れて言い返す。
『普通は聞かれそうなことは事前に答えを用意しておくんですよ。』
「器用じゃなくてすんませんでした!」
そう言いながら全力で走って逃げていく翼人。そんなかわいいマスターを見守る傍らキャスターはある懸念をする。少なくとも、今日自身の感知に引っかかったサーヴァントはいない。しかしそれもキャスターが気がつかなかっただけだ。気配遮断のスキルを持つアサシンならばあるいは、とも思うがそれを口に出すことはしない。不安を煽ったところで何の意味もないのだから。
一方で、翼人少し走るもそこまで距離を離すつもりもなかったのか、少し離れた場所で立ち止まった。そして、ズボンのポケットに入っていたスマホを取り出してあの二人に釈明の連絡を送ろうとするも、そこに届いていたメッセージを見て面倒くさそうに顔を顰めた。
「って、うわ。どうしよう。」
「どうかしたのですか?」
「いや、母さんからスーパーにお使いしてこいっていう連絡が来てたみたいで。スーパーまで完全に遠回りなんだけど、どうしよう。」
既に彼の家までの距離は近くなっていたが、ここからスーパーに寄るとなると少々遠回りになってしまう。あまり外を無防備に彷徨きたくない翼人にとっては好ましくない。
ここは気づかなかった程でこのまま帰ろうとも翼人は考える。実際、ここまで気が付かなかったんだから別に問題ないんじゃないか、などと言い訳を考える。
「うん、それじゃあーー」
「それじゃあ行きましょうか、マスター。どっちの方角でしょうか?」
「うん、このままーーって、え? 行くんですか?」
一瞬聞き間違いかと思って翼人は聞き返す。そんな翼人にキャスターはさも当然とばかりに行くべきと断言する。
「ええ、当然です。子は母に従うもの。求められたのならば、それを為すのは子の務めでしょう。」
「いや、ですけど、あんまり出歩かない方がいい、って話はーー」
「それとこれは話が別です。安心して下さい。人目につくところを歩けば襲われる可能性も低いでしょう。いざとなれば私も撤退戦はできるはずです。」
「あー、いやー、でもー。」
「マスターは親不孝者ではないと信じていますよ。」
笑顔で語りかけるキャスター。どことなく圧があるのは翼人の気のせいだろう。キャスターは人としての道理を説いているだけである。
「あ、ああ、そうですねー。はい。えーと、スーパーは西の方です。」
「西ですね。では早速行きましょう。日が暮れてしまっては大変ですからね。」
そう言ってキャスターは霊体化した。既に夕日は沈みかけており、翼人はキャスターが言う通りさっさと帰ろうと、スーパーへ早足で向かっていった。
◇
それと同じ頃、翼人が逃げ去った教室に残っていた悠真と若菜は頭に疑問符を浮かべていた。
「あんなに焦るなんて、あいつ何があったんだ?」
「うーん、怪しい。確実になるかあると見たね。」
目に見えて慌てていたあの姿を見て、何も気にしないはずもない。二人は考えるも特に答えは出てこない。
「この前の肝試しで何かやったんじゃないの?」
「いやいやいや、そんなこと...... いや、あるのか? そもそも俺、あの時のことあんま覚えてないし。ていうか、何で覚えてないんだっけな。」
「こっちが聞きたいわよ。」
呆れた目で馬鹿を見る若菜だったが、この程度では馬鹿にはなんともないらしい。まったく気にした様子のない悠真をいっそ清々しく思う若菜であった。
「そんなことよりも、私も塾あるしとっとと帰らなく.......」
「ん? おい、どうした。おい、島津!」
「...............」
帰ろうとした若菜は急に足を止めた。その顔はうっとりとしたもので、まるで生気が抜けたようでもあった。若菜の急変に悠真は戸惑うも、その尋常ではない様子に真剣に心配する。
「おい、くそっ! 待ってろ。今先生を、」
「うるさい、みずたくん。」
「なっ。おい、本当にどうしちまったんだよ⁉︎ おい......」
心配する悠真を全く気にしない様子の若菜。これは本格的にヤバいと思った悠真は急いで人を呼ぼうとするが、それが為されることはなかった。なぜなら、既に彼も毒されていた。
「綺れいな声だな。誰がうたってるんだうな。」
その耳に響くその歌声が悠真の思考力をすべて奪う。頭に直接響くようなその天使の声は、まるで蛇のようにその魂に絡みつき、毒牙を突き立てる。
それは彼ら二人だけに留まらない。生徒も教師も、その時学校に残っていた者全員がその毒牙にかかっていた。
◇
「えーと、買うものはっと。」
スーパーに着いた翼人は送られたメッセージを確認しながら、スーパーの中を歩いていた。物心つかない頃から通っていたスーパーなだけあって、どこに何が置いているかは大体わかる。故に目的の品々を揃えるのにも、そう時間はかからなかった。
無事レジでの支払いも終えてスーパーの外に出る。まだ陽の沈み切るまで時間はある。今度こそ無事に帰れそうだと思って歩き出したその時だった。
「なっ!」
翼人の視線の少し先、一組の男女があるいていた。片方は15〜16歳くらいで長い髪をポニーテールで纏めた普通の少女だ。しかし、もう一人。その少女の横を歩いていた男性は20代前半くらいの明らかに一般人ではない雰囲気を持った外国人だ。男性の方はそこそこ大声で、隣の少女がそれを窘めているように見えることから、余計に目立っている。
明らかに目立つ二人組。初めて見た人ならば思わず目をやってしまうようなものだが、翼人は彼らを一方的に知っている。
それは二日前の夜のこと。キャスターが偵察として出した蛇を経由してたまたま見つけた相手だ。その時は試しとして動く石像で襲ったのだが、あの騎士によっていとも簡単に破壊された。その後も、その蛇で同じ場所を見張っていたことで、昨日のセイバー陣営との攻防も把握している。クラスはライダー。欠けた剣を振るい黒馬に乗った騎士であり、彼らが倒さねばならない相手の一人である。
(まずい! まずい! まずい! どうする、どうすれば!)
ライダーの強さは既に知っているし、隣の少女も魔術師ならば、翼人よりも遥かに強いはずである。既に翼人の頭は戦いへの恐怖で狼狽しきっていた。だが、ここでキャスターからの叱咤が入る。
(落ち着いて下さい! 焦ってはいけません。)
(っ! キャスター! ああ、そうだ、その通りだ。ありがとう、キャスター。それで、この後どうしよう。これはもう、戦うしか......!)
(...... ! マスター!)
(はい!)
(まずは落ち着いてください。幸いにも、まだ気付かれていないようですし。)
(あ、ああ…え?)
キャスターの念話での呼びかけで少し落ち着いた翼人は急いで側の柱の影に身を潜める。キャスターはライダー陣営を捕捉した際、気付かれぬように気配隠しの魔術を自身にかけてライダーに気づかれないであろう距離まで離れている。マスターを敵サーヴァントの近くに残すのは危険極まりないが、翼人はただの一般人であり、多少不審に思われてもやり過ごせる確率は高い。翼人はそんな彼女の忠告を受けて改めてあの2人を見てみれば、呑気に会話しているだけだ。こちらに気づいている様子はない。これなら逃げることも、あるいは奇襲することだってできる。
(…キャスター。)
(ええ、ですがここは人目も多い。目的も達成しましたし、早々に去りましょう。)
(わかった。それじゃああいつらが店の中に入るまでここでやり過ごそう。)
翼人は見つからないように物陰に入ってやり過ごした後、ダッシュでスーパーを後にする。気付かれたかもしれないという恐怖で心臓がバクバクとなっている翼人はスーパーが見えなくなってもなお走り続ける。そうして走り続けること10分弱。翼人は異例ともいえる速さでスーパーから家に到着した。
「ただいま!」
「あら、おかえりなさい。結構早かったわね。」
汗だくになった翼人が家に着くと、翼人の母である鳥院由希子が出迎えた。40も半ばを迎えんとするはずだが、まだ若々しさの残る女性であった。
家に着くなりすぐに2階の自室に行こうとする翼人を由紀子は呼び止めた。
「頼まれてたものはここに置いとくから、それじゃ!」
「うん? どうしたの? そんな慌てて。すごい汗よ。それに、週末もそうだったけどまた部屋に籠るの?」
「いや、そんな籠るってほどでもなかったとおもうけど...... ちょっと課題とかがね。」
「そう。まあ、じゃあ頑張りなさい。夕飯の時には下に戻ってくるのよ。」
「ああ、わかってる。」
そう言って駆け足でリビングを後にする。そして自室に帰った翼人は部屋のドアを勢いよく閉めると、糸が切れた人形のようにベッドへ倒れ込んだ。
「はあ、はあ、はあ。つ、疲れた…」
「お疲れ様です、マスター。ここまで焦ることもなかったでしょうに。そこまで怖かったのですか?」
「いや、見つかったらと思うと、怖くて。あいつらは? 俺たちに気付いてた?」
「いえ、おそらくは気付かれていないかと。もし気付いていたとしたらここまで追ってくるはずですから。」
「そ、そう。よかっ…た。」
ベッドに仰向けに転がっている翼人はキャスターの報告を聞いて安心したのか目が半分閉じてしまっている。気を張り巡らせた1日の疲労がここで襲ってきたのだ。それを見たキャスターは慈愛に満ちた目でマスターを見つめる。
「寝ていても、大丈夫ですよ。」
「え? いや…だけど。」
「心配なさらずとも夕食の時間には私が起こしましょう。マスターは疲労をとることを優先して下さい。」
「ううん、悪い。それじゃあ、お言葉に甘えて…」
そう言い残して翼人は目を閉ざす。このような有様でやっていけるのかという不安に一時でも目を逸らして。