トレセン学園コック長   作:ブランチランチ

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誤字報告ありがとうございます。

お楽しみいただけたら幸いです。


クッキーお待ち!!

「来たかテイオー」

 

「カイチョー僕に用事って何ー?」

 

生徒会室に入ってきたトウカイテイオーを椅子に座ってるシンボリルドルフが迎える。

 

「広報用の映像を一緒に確認してほしくてな」

 

「そんなの撮ってたんだ」

 

「エアグルーヴ頼む」

 

「はい」

 

モニターに映像が映し出される。

 

 

 

[今回はトレセン学園内でのウマ娘達の日常を食事を通してお送りします。]

 

「カイチョーがナレーションしてる」

 

「これも生徒会の仕事でな」

 

[トレセン学園では早朝よりトレーニングしてる生徒が多い、そんな中で最初に食堂に入ってきたのはサイレンススズカとスペシャルウィークです]

 

サイレンススズカとお腹を押さえたスペシャルウィークが食堂に入ってきた。

 

「あー、多分スペちゃんがお腹すいたーってスズカにねだったんだよ多分」

 

[彼女達はチームスピカに所属し、同室であり周りから見ても大変仲の良い2人です]

 

ニコニコとサイレンススズカに話しかけているスペシャルウィークと時折笑いながらそれに応えるサイレンススズカからは仲の良さが滲み出ている。

 

 

「彼女達は本当に仲がいいな」

 

「僕もカイチョーの事大好きだけど、スペちゃんもスズカの事大好きだもんね」

 

「ふふ、そうかありがとう」

 

テイオーがシンボリルドルフに擦り寄り抱きつくが、シンボリルドルフは受け入れて軽く頭を撫でてやるのだった。

 

[サイレンススズカはバランスの良いモーニングセットを選んだようです。スペシャルウィークはニンジンハンバーグ3つと山盛りご飯です]

 

サイレンススズカのモーニングセットはトマトにレタス、ゆで卵パプリカのサラダに、コンソメスープ、オムレツ、牛乳にクロワッサンとニンジンスティックである。スペシャルウィークは大きなハンバーグの中心にニンジンが突き刺さり直立しデミグラスソースがかけられたハンバーグと見たまんまの山盛りご飯である。

 

[2人がニコニコと会話をしながら食べている朝食はトレセン学園名物コック長がスタッフ達と考え調理したものです。特に週2回から3回は朝食用のパンはトレセン学園内で焼き上げられた名物パンになります]

 

「食堂に向かう途中であの香りを嗅ぐと今日はパンにしようって思っちゃうんだよねー、カイチョーは?」

 

「あの匂いは朝食前には反則級だ、何せエアグルーヴが何回かお腹を鳴らせるくらいだからな」

 

「会長!!それは秘密だと約束したではないですか!!テイオー!!わかっているな!!」

 

「わかってるよぉ、言わないから睨まないでぇ」

 

キッと睨むエアグルーヴにシンボリルドルフに抱きつく力が強くなるトウカイテイオー。

 

「まぁ、いいじゃないか女帝も可愛らしい一面があるという事で」

 

「まったく会長は」

 

クスクスと笑うシンボリルドルフに赤面しながらため息を吐くエアグルーヴ。

 

[ご存知の方もいるでしょうが、スペシャルウィークはトレセン学園きっての健啖家の1人です。彼女は毎回お腹いっぱいに食事をしてこの満足そうな笑顔で食事を終えます。彼女のこの笑顔に私を含め多くの人達が幸せな気持ちになります。貴方もその1人ではないでしょうか?普段は大人しいサイレンススズカもこのような笑顔にかわります。満足した様子で食器を片付けて食堂を後にします]

 

「いやースペちゃん本当に美味しそうに食べるね。僕ちょっとお腹空いてきちゃった」

 

「そうだな、何かあるかエアグルーヴ?」

 

「先程、コック長から試作のクッキーを頂きました。少しお待ちください」

 

給湯室に向かいクッキーと小皿、ティーセット、ビンを3つトレイに載せて持ってきた。

 

「ビンの中身はなに?クンクン、ジャム?」

 

「ああ、クッキーの甘さを減らしてこのジャムをつけて食べると説明があった。クッキー自体も美味しかった」

 

「ずるーい、先に食べるなんて!!」

 

「つまみ食いか、女帝エアグルーヴが、ふふ」

 

「会長、違います!!その場で試食を求められたのです!」

 

ぶーぶーと抗議するトウカイテイオーと茶化すシンボリルドルフ、否定するエアグルーヴ。

 

「「「頂きます」」」

 

2種あるクッキーは片方がサクサクと軽い口当たりで、もう一方はしっとりと口の中で溶けていくようなものである。

両方とも、口当たり以外は同様で小麦の香りが広がりほんのりと甘い。

 

3つのジャムは苺、ブルーベリー、オレンジ。苺は甘酸っぱく、酸味が少し強い。ブルベリーは糖度の高いものを使用しておりブルーベリーの香りと砂糖に頼らない自然な甘味が特徴的だ。最後にオレンジのジャムは皮も丸ごと入ったもので爽やかな香りとほんのりとした苦味を感じ一品だ。

 

「どれも美味しいが、このブルーベリーは普通のと甘味が違うな」

 

「うん、なんだろう?甘さがなんか違う?わかんないけど美味しい」

 

「コック長がようやく直産農家を見つけたとウザったい小躍りをしながら説明してました。なんでも粒が通常のものより大きく、砂糖を使わないでもジャムを作れる優れものなんだとか」

 

「なんか、コック長の姿が想像出来るのが嫌なんだけど・・・きっとまた大きくなってるよ」

 

「想像できるな。彼の欠点の一つだな」

 

「ええ、まったくです」

 

3人はやれやれとため息を吐くのだった。

 

「でも、そんな良いブルーベリーなのにジャムだけなのかな?」

 

「それなら、丁度モニターのマックイーンが食べてる奴がそれを使った新作スイーツだそうだ」

 

横目で見ていたモニターにはカフェにメジロマックイーンが入ってきて件のスイーツを注文していた。

 

 

[彼女はスイーツが大好きで、レースで見せる気高い姿は鳴りを潜め年齢に見合った少女の姿がそこにあります。切り分ける仕草こそ気品を感じますが、ケーキを口にした時の、この光を放つ様な満面の笑みは、皆さんが見たことのない彼女の魅力ではないでしょうか?どうやら気に入ったようです。おかわりを注文する彼女は、まだか、まだかとケーキの到着を胸を高鳴らせながら待っています。いざケーキが到着すると先程以上にニコニコしている彼女はとても可愛いらしいではないですか。紅茶で、口を一旦リセットしてから改めて食べ始める彼女の笑顔は止まりません。最後に載っけられていたブルーベリーを食べて余韻に浸っているようです。こうして息抜きを終えた彼女はまた、皆さんに凛々しい姿を見せてくれる事でしょう]

 

「美味しそう〜、ショートケーキみたいに大きなブルーベリーが乗っかってたね〜」

 

「二層で上は紫色だったからブルーベリーなんだろうが下の白いのは何味だろうか?」

 

「マックイーンも随分と緩んだ顔で食べてましたね」

 

「なぁ、提案なんだが、あれを食べに行かないか?さっきのクッキーだけでは物足りなくてな」

 

「賛成!賛成!!大賛成!!僕も気になってたんだ!!カイチョーとおやつだー」

 

「賛成です。テイオー余り騒ぐな!」

 

モニターを切り生徒会室を後にする3人はカフェに向かうのだった。

 

 

 

おまけ

 

「そういえばカイチョー、あのナレーションってカイチョーが考えたの?」

 

「いや、エアグルーヴが原稿を持ってきてな」

 

「最近、捕まえた奴が思ったより優秀でな、撮影と原稿を任せたんだ」

 

「ほぅ、女帝に優秀と言わせる奴とは一体誰なんだ?」

 

「いえ、変わり者です」

 

「今度、連れてきてもらえないだろうか?あの原稿は1人1人凄く観察し、愛が無いと書けないと思ってな。是非お礼を言いたい」

 

「言葉は伝えておきます。多分、会長の前に出てきたら気絶すると思いますので、私も手を焼いております」

 

「そうか、皇帝と女帝の二つ名では威圧してしまうのか、悲しいな」

 

「いや、そういう問題では無いと思います・・・」

 

「???」

 

 

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