ライスちゃん可愛いです。
呼ばせ方に難儀しましたがこれでご容赦ください。
今日はルドルフ会長から昼食用の弁当を頼まれた。なんでも書類が溜まってるらしい。生徒会室で食べるからサンドウィッチとおにぎりを所望された。
レタスを切りトマトを輪切りにしパンに乗せてさっと塩をかけパンで閉じる。同じ中身で今度はマヨネーズに少量の辛子を混ぜたものを塗り二品目完成。
お次はゆで卵を形がそれなりに残るように細かく切る。それをマヨネーズと少量のマスタードを加えて混ぜる。これをたっぷりとパンにぬり挟む。
フライパンを熱しバターを溶かすとそこに牛乳とマヨネーズを混ぜた溶き卵を投入して硬くなりすぎないようにヘラでフライパンの上を掻き混ぜボウルに移す。最後に粗挽き胡椒を振り軽く混ぜたらパンに挟む。
次は、豚ロースを出し肉叩きで筋を切る。
塩胡椒を振り薄力粉を満遍なくつけて軽く叩いてつけすぎないようにする。これを溶き卵に通し、パン粉をつけたら馴染ませる為に置いとく置いてる間に同じように何枚か作る。
馴染んだものを低温で揚げ一旦取り出す。
最後に高温にして二度揚げしたらとんかつの完成。パンに乗せ甘辛く仕上げたソースを塗りサンドウィッチ達に軽く重しをして味を馴染ませる。
「コック長のお兄さんおはようございます」
おにぎりを握っているとライスシャワーがあいさつしてきた。
「おはようライス、朝練終わりか?食堂は見ての通りまだなんだが」
「えっと、本当は部屋に戻って食堂が開くのを待つつもりだったんだけど、お兄さんが見えたから・・・」
見かけたから声を掛けた事を上目遣いに言われてテンション爆上がりするしかないコック長であった。おにぎりをにぎる速度が三倍に跳ね上がる。かわええやんけ、さすがライスたんや!!護らねば!護らねば!
「迷惑だったかなぁ」
「んな事ないよ朝から最高の気分だよ」
涙目のライスに優しく応えるコック長。
本当は心の底から声を張り上げて自分がいかに幸せな気持ちになったのかを言いたかったがライスを驚かしてはいけないと紳士的な回答を選んだ。
「よかったぁ」
「っ!!」
自分に向けてにっこりと微笑んだライスの笑顔はコック長のメンタルにクリティカルした。尊さにより一瞬の硬直がおにぎりを手から滑らせてしまう。
「あっ」
二人の間の抜けた声、高速スピンを続けるおにぎりは茶色い物が詰まったタッパーに落ちてしまう。
「あ、ああ、ライスが声なんてかけるから!!」
それを見て一気に表情が崩れ涙を流し始めるライス。
(俺はなんてことを!!調子にのって5倍速にした自分にキン◯バスターを掛けてやりたい!!しかし、今はライスたんを笑顔にすることが自分の命より大事だ!!何か、何か無いのか!!)
打開策を探そうとおにぎりを拾うと一つ思い出した。
「ライス泣かないでくれ、何も問題ないから」
「でも、お兄さんが作っていたおにぎりが」
「これは、味噌なんだ、だからこのおにぎりがダメになったわけじゃないし、うーんなら一旦朝練の汗を流してからまた来てくれないか?これはライスが起こした不幸じゃなくて幸運にするから」
「わかった」
なんとかライスを宥めてこの場を収めるコック長だがライスの、表情はまだ暗かった。
シャワーを浴びて再び食堂に向かう。40分程かかってしまったが約束の為食堂に、向かう。
「おはよう、ライスちゃんどうしたの?まだ食堂やってないよ」
元気いっぱいに挨拶してきたハルウララは不思議そうに問いかけて隣りをついてきた。
「おはよう、コック長と約束したからちょっと早いけど今から行くの」
「そうなんだ!!ウララもついてっていい?食堂始まるまで今日何食べようか考えてるから!!」
了承し食堂の前までくるとトウカイテイオーが話しかけてきた。
「おはよ!!ライスとウララどしたの二人ともまだ食堂やってないよ?」
「おはよー、ウララ達はねーコック長に用があって来たのーテイオーは?」
「そっちもコック長なんだ、僕は、会長からお弁当貰って来てって頼まれたのとコック長が作ってるらしいから、なんか作って貰えないかなーと思ってね!」
コック長が作ってるお弁当と聞いて表情が暗くなるライス。自分のせいで会長達のお弁当を台無しにしてしまったと落ち込んでしまう。
「きたなライス、ウララとテイオーも一緒か、テイオーは弁当取りに来たのか?」
三人で入るとコック長が声をかけてきた。
「そだよー、お弁当会長に持ってくんだー、後なんか作ってよコック長」
「ラッキーだなテイオー、ライスのおかげで美味いもん食べさせてやるぜ!ウララも食うだろ?」
「やったーライスありがとう!!」
「ウララも食べるーライスちゃんありがとう!!」
「えと、ライスは別に何も・・・」
ガハハと笑いテイオーとウララを誘うコック長とコック長のご飯が食べれると喜びライスに、感謝する二人。困惑しながら厨房に程近いテーブルに招かれる三人。
そこには七輪が三つ用意してあった。
「じゃあ焼いてくな、おっと焼くのを待ちながらこれでも摘んでてくれ」
差し出されたのはスティック状に切られた野菜達、ニンジン、きゅうり、キャベツや大根などが並べられ隣には味噌ベースのタレとマヨネーズ、豆板醤を使ったピリ辛のもの三種類ある。
「生でも美味しいけどタレもいいね、この味噌とマヨネーズは何かいつものと違う気がするー」
「ウララもこの味噌のやつ好きーいい感じに、あまじょっぱい!!」
「お味噌美味しいです」
ぽりぽりシャクシャクと食べ進める三人はタレも気に入ったようだ。
「その味噌は6ヶ月前に仕込んでた奴が出来上がった俺特製味噌をつかったんだぜ!!マヨネーズもついさっき作った出来立てホヤホヤさ」
サムズアップしてドヤ顔をキメるコック長は暑苦しい、の一言だが味は最高である。
「んで、この七輪で焼くのがこのおにぎりさ!!」
味噌でコーティングされたおにぎりを七輪で焼いていくと焼ける味噌の匂いが食欲をそそる。一つの七輪は味噌おにぎり、もう一つは焼きながら醤油を塗っていくこれも醤油の焼ける匂いがたまらない。最後はプレーン、おこげを楽しむ焼きおにぎりだ。
程よく焦げ目ができたところで三人の前に焼きおにぎりを、置いていく。
更に別で作っておいた筑前煮と焼き魚、味噌汁を並べてスペシャル朝食の出来上がり。
前菜の野菜スティックを平らげた三人は香ばしい匂いに涎が、止まらなかった。
「それではどうぞ召し上がれ」
「「「いただきます」」」
三人揃って手を合わせて食べ始める。
「お味噌の美味しいよ〜」
あまじょっぱい味噌が焼けた事により風味を増し噛むほどにご飯と馴染み口の中を旨みで満たす。
「おこげもパリパリしてて食べてて気持ちいいし、煮物にちょうど良い」
パリパリと食感を楽しむと口に入れられた煮物から溢れる汁を受け止めて旨味を引き立たせる。
「お醤油も、香りが良いし止まりません」
魚と一緒に食べると醤油の風味が食欲を際立たせて食べる手が止まらない。
「いや〜作った味噌で何作ろうか迷ってたらライスがヒントくれてな、焼きおにぎり作ろってなったんだよ喜んでくれて良かった、でも仕込んだ味噌はあまりないから言いふらすなよ?」
焼きおにぎりを作りながらニコニコ話すコック長
「じゃあ、ライスのおかげでこんな特別な朝食が食べられたんだ!!ライス様様だね」
「ライスちゃんありがとう、本当に美味しいよ!!」
「ライスが起こした幸運に感謝しろよ〜」
「「ありがとうライス(ちゃん)」」
「っ!?」
顔を伏せてしまうライス
「不味いものあったか?!それとも朝はパン派だからやっぱり嫌だったとか?!」
慌てるコック長
「違うの、ライスの、不幸を幸運に変えてくれたお兄さんがすごいなぁって、ライスのおかげって言ってくれることが嬉しくて」
「お兄さん・・・ありがとう」
満面の笑みで言われたコック長のテンションは爆上げとなり奇声を上げながら焼きおにぎりを焼いたそうな。
更に朝練上がりのオグリンが爆速で登場し三名に加わったのであった。