キタちゃんとダイヤちゃんのものを書いてたのに
出来上がったのはダイワスカーレットと
ウオッカのものになってしまいました。
お楽しみいただけたら幸いです。
頭痛が酷くて悪寒もある。喉も痛いし咳も出る。完全にやらかした。風邪だろう。喉が渇いたが身体が重くてベッドから起き上がる事が出来ない。
「スカーレット?」
そんな時にウオッカが起きてきた。まだ暗い部屋の中、静かに近づいてきた。
そーっと覗き込むウオッカと目が合った。
「どうした?」
いつもと違うアタシに声をかけてきた。
何とか声を出そうとするが上手くいかない。
異変に気づいたウオッカはアタシの額に手を置いた。冷たくて気持ちいい。
「うお!お前凄い熱じゃんか!大丈夫か?えっと、氷枕とかあったか?ちょっと待ってろ!」
照明をつけて血相変えてバタバタと部屋の中を探し回るウオッカ。多分無いと思う。ウオッカに弱った所を見られるのは悔しいが今のアタシにはありがたい。
「そうだ!女医の姐さんが居るじゃねぇか!なんかあったら連絡寄越せって言ってたな。でも深夜だぞ・・・と、取り敢えずメールしてみるか?」
時間が時間なので、そこまでしなくてもと申し訳ない気持ちになる。
「いや、スカーレットは苦しそうだし電話だ!」
意を決して電話を掛けるウオッカ。
「おお!ワンコールで!!えっ!いや、すみません驚いてしまって、はい。あの夜分申し訳ないんですけど同室のスカーレットが凄い熱で、はい、はい、ありがとうございます!待ってます。お願いします!」
無意識なのか電話越しなのに頭を下げている。
スマホを切ったウオッカは笑顔で近づいてきた。
「すぐ来るってさ。いやー良かったなぁ」
その表情で本当にアタシの事を心配してくれてる事がわかる。何よ、ちょっと嬉しいじゃない。
コンコンとドアがノックされてウオッカが慌てて迎えに行った。あれ?まだ五分も経ってない様な?風邪で感覚もおかしくなったのかしら?
「失礼するよ」
「姐さんお願いします」
カバンを1つ持ってアタシのベッドの方にきた。
「取り敢えず飲みなさい」
身体を起こしてくれた女医さんはペットボトル飲料を口に当ててくれた。
こくんこくんと喉を伝う水分が身体に染み渡る。
「ありが、ゴホッ、ゴホッ」
「無理に喋らなくていい、私の質問に頷いてくれれば問題ない」
咳き込むアタシに優しく言ってくれる。ウオッカは後ろでバタバタしている。そんなに心配しないで
熱を測り、聴診器を当てて幾つか質問を繰り返して女医さんは言った。
「熱は高いが他に気になる症状は無い。風邪だな。この薬を食後に飲んで、それでも熱が下がらないなら連絡をするんだ。まぁ、見には来るがね」
ニコリと微笑む女医さん。
「ありがとうございます」
腰まで頭を下げる見事なお辞儀をするウオッカ。それに続いて頭を下げるアタシ。
「そう畏まらないでくれ、私にすぐ連絡をしたのはいい判断だった。彼女も大分苦しかっただろうし。熱が高いから、このゼリーを食べた後にこの薬を飲みなさい。あと、朝食は弟にお粥でも作らせよう。私から言っておくよ」
飲むタイプのゼリーや先程のペットボトル飲料を幾つか置いてくれた。
「何かあったらすぐ連絡するように、それではお大事に」
そう言って部屋を出て行った。
「はぁー、安心したぜ。取り敢えず薬飲みなスカーレット」
こくんと頷き受け取ったゼリーを飲んでから薬を飲んだ。
そのまま横になるとすんなりと寝る事が出来た。
目が覚めると部屋の中はお日様の光で満たされていた。時計を見ると12時を回っており、どおりでお腹が空いているわけだ。
まだ身体は重く熱もあるが昨夜ほどでは無い。
「おお、起きたかスカーレット昼飯貰ってきたぞ」
そんな時にウオッカがお盆を手に持って入ってきた。
「ありがと」
「おう、朝食もコック長が持ってきてくれたんだけど、スカーレットぐっすり寝てたから泣く泣く帰ってったぜコック長」
「そう」
肩を落として帰るコック長が目に浮かぶ。後でちゃんとお礼言わなきゃ
「んで昼飯は卵粥だってさ」
お盆に載った土鍋とラップのしてある小皿には漬物が載っていた。
ジーッと見つめていると
「なんだ?そんなに見つめて、オレに食わせて欲しいか?なーんてな」
ケラケラと笑うウオッカにムッとし
「あーん」
「んなっ?!」
揶揄うつもりで口を開けてみた。
「えっ?マジ?食べさせるのか?」
あたふたするウオッカが可笑しくて調子に乗ってしまった。
「あーー」
あたふたしてる。そろそろやめよう。口を閉じようとしたら
「あ、あーん」
レンゲにお粥を掬って出してきた。
ふー、ふーとお粥を冷ましてくれて口に入れられた。頬が熱くなる。赤く染まっている事だろう。
とろとろのお粥は卵の風味とネギの香りがする優しい味だ。少し塩気が欲しくて漬物を見る。
「こいつか?」
本当によく見てる。漬物を指で摘んで出してきた。なんとなくイラッとしたので復讐する。
パク
「ちょっ!!」
驚いてる。指事口に入れて少し舐めてやった。
ちゅっ、と指が口から離れるとなんか変な空気になった。アレ?なんか恥ずかしい、なんで、ウオッカも真っ赤になって顔を背けている。アレ?アレ?わからない。もうヤケだ!!
「スカーレット痛い!イタタタ!噛むな!」
照れ隠しに噛み付いたスカーレットだった。
「ひでー目にあったぜ」
食事を終えて薬を飲んでベッドに入った。
ウオッカは食器を纏めて玄関近くに置いていた。
椅子に座るウオッカはバイクの雑誌を読んでいる。
「ウオッカ今日の練習は?」
確か予定があった筈だ。
「バカやろー、そんなお前をほっておいて練習できるかよ」
呆れた顔で言うウオッカ。
「そっか」
「ああ」
少し嬉しくて、起きた時にウオッカがいなくて寂しかった事を思い出してしまった。
風邪で弱ってた。そうに違いない。
だからこれは仕方ない事なのだ。
自然に手が伸びてウオッカの足に手を置いてしまった。
「ん?」
そっと手を握ってくれたウオッカ。
「弱ってると寂しくなるもんな」
優しく握りかえしてくれるウオッカに、恥ずかしくて布団で顔を隠した。
ギシっとベッドが軋む。
ウオッカが横に寝転んできた。
とんとんとお腹を優しく叩いてリズムを刻む。隣にいるウオッカがいて恥ずかしいけど、安心してそのまま寝てしまった。
(なんかあったかくてオレも)
そのまま2人は眠りにつくのだった。
コック長はデジタルと新たなアイテム作りの話をしていた。そんな時、突如として身を震わせ片膝をつくコック長。デジタルはその場で立ち尽くしていた。
「なっ!!なんだ!?この波動は!!デジタル大丈夫か!!」
「はぃぃ、しゅごいぃぃ、尊みの波動がぁぁデジたんにぃぃ」
デジタルのツインテールの束がある方向を示す。
「はっ!!こっちは寮の方角でしゅぅ」
「何?ではあちらで何かとんでもない事が!!なっ!!第二波来るぞ!!ぐぉぉぉ耐えろデジタル」
「のぁぁぁぁぁ、しゅきぃぃ」
敢えなく撃沈したコック長とデジタルは女医に発見された。コック長は蹴られ転がされながら、デジタルはお姫様抱っこで医務室に連れて行かれた。
後日コック長とデジタルは、この時の天啓を形にした。そこにはダイワスカーレットとウオッカが添い寝するフィギュアが出来上がり2人は歓喜したが、顔を真っ赤にしたスカーレットにより回収された。