トレセン学園コック長   作:ブランチランチ

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伸びるお気に入り数とUAに嬉しくて次弾を発射してしまいました。
お楽しみいただけたら幸いです。

※コック長がぷかぷかさせてるのはオモチャです。


たこ焼きお待ち!!

「ふぅ〜これで準備は出来た」

 

トレセン学園の食堂から程近い中庭でコック長は屋台の設置に汗水流していた。

 

今日はある意味決戦といっても過言では無い日となる。

 

実は先日の焼きおにぎり事件の際に事は起こった。

途中参加したオグリンにより自家製味噌は瞬く間に無くなってしまった。

無くなった事は問題では無い、四人共満足した顔で「ご馳走様でした」と最高の笑顔をコック長に与えた。この時、間の悪いことに

「うちも〜」と登場したタマちゃんとご馳走様(完食)が被ってしまい、焼きおにぎりを食べさせる事が出来なかった。

 

「そんなこといってほんまはあるんやろ〜」と肘でツンツンしてきたタマちゃんに「醤油とプレーンなら」としか言えなかった自分の不甲斐なさに今でも腹が立つ。目の前でご馳走にありつけなかったと絶望したタマちゃんの顔は今も夢にみる。その後は何とか直ぐに作れた俺特製オムライス30個で満足してもらえた。あれ?何で30個も作ったんだっけ・・・ああ、オグリンか・・・

 

ともあれ、その後に何が食べたいか確認したところ「たこ焼き」と回答があったので今日のこの屋台設営に至ったわけだ。

決戦とは?って、いやその場にオグリンも居たから今日は最初からクライマックスなんだよ。

 

 

「いや〜午後の練習も終わったし楽しみやなぁ、オグリ!!」

 

「ああ、さっきから空腹で倒れそうだ」

 

コック長との約束で食堂近くの中庭に向かうタマモクロスとオグリキャップ。

正直、オムライスも相当な出来で満足したのだが、申し訳無さそうに聞いてくるコック長にたこ焼きをリクエストしてしまった。

 

ようやく食堂近くになると遠くからでも屋台が見える。お祭りにあるような屋台で看板や旗にたこ焼きと大きく書かれている。

そんな屋台の横に座る人影が見える。

 

「コック長〜〜っ!!」

「??」

 

手を振りながら近づくタマモクロスは驚愕し、オグリキャップは疑問の表情を作った。

 

そこには、はっぴを着て捻り鉢巻を頭に装着し、茶色の大きなグラサンを掛けキセルから煙を出しながらビールケースに座るコック長と思われる人物がいた。よく見ると頬やオデコにマジックペンで書かれた縫傷と思われるペケマークが書かれている。

 

固まる二人に893仕様のコック長が声をかけて来た。

 

「嬢ちゃん達、たこ焼き食わねぇか?」

 

ぷかぷかキセルから煙を出しながら低くしわがれた声を作って問いかけて来た。

 

「頼む」

 

「え?」

 

短く答えるオグリキャップに気を取られて突っ込むタイミングを逃したタマモクロスは調理過程を見守るしか出来なかった。

 

「たこ焼き入りヤース!!」

 

気合いの掛け声をあげて立ち上がるコック長(893仕様)は背中に祭りと書かれた団扇を帯にさしていた。

 

鉄板に油をひき、生地をつけた菜ばしで鉄板の温度を確かめるとジュッと焼ける音がする。これが開始の合図となった。柄杓を使い鉄板に生地を満たすし、窪んだ場所にタコを投入する。次は全体に散りばめる様に刻んだ青ネギ、紅生姜、キャベツ、天かすを投入。ある程度生地が固まったら竹串でさっと線を引く様に窪地以外をなぞる。そこからは高速で窪地の周囲の生地を巻き取る様に綺麗な丸を形成していく。鉄板全ての生地は瞬く間にたこ焼きへと昇華していく。そこから少しの間たこ焼きを転がして表面をパリパリにする。

 

「嬢ちゃん達、青のり、鰹節、ソース、マヨネーズ全部つけちまって良いかい?」

 

コクリと頷く二人にニカッと微笑むコック長の笑顔をウザイの一言である。

 

竹串で回転をかけて打ち上げたたこ焼きは、さっと出したプラ容器に綺麗に収められてハケでソースをぬり、マヨネーズを波のようにかけ青のり、鰹節を振りかける。

 

「お待ち!!」

 

二人に差し出されたたこ焼きは鰹節が踊りソースのいい香りがした。

 

「「いただきます!!」」

 

爪楊枝を刺し口に入れるとより香りを感じる、一口噛めばパリッとした食感の後にトロトロの中身が溢れる濃いめのだしで味つけられた生地は鰹節の風味を増し昆布の香りがほのかに香り紅生姜の酸味と青ネギの辛味がピリッと味をしめる。

 

「うまぁ」

 

「!!?、!!?、!!?」

 

確かな味に酔うタマモクロスとは違い、オグリキャップはうまい、美味い、旨いと次々口に放り込む。

 

「満足したようで安心したぜ」

 

いつもの口調で話しかけて来たコック長。

 

「マジうまいで、ご飯ある?」

 

「あるよ!!」

 

「あんがと、でもドヤ顔がウザイ!!あとそのカッコはなんやねん!!普通に返事したオグリの所為でツッコミできんかったけど」

 

ドヤ顔で返答したコック長は怒られてしまった。

 

「いや、子供の頃行ってたお祭りでこんな感じの兄ちゃんがやってるたこ焼きがめちゃくちゃ美味くてね、それを真似てる」

 

ご飯をよそいながら答えるコック長にタマモクロスは呆れていた。

 

「コック長は変なカッコすることおおいな、焼きそばの時もそうやったし」

 

「まぁ気にしなさんなタマちゃん、後一旦こっち来てオグリンも」

 

二人を屋台裏に呼び込み、自身は屋台のちょっと離れた所に立ち背中の団扇を装備する。

 

祭りと書かれたコック長の背中に隠されていた巨大な団扇それを

 

「せい!!、やぁっ!!」

 

二度大きく薙ぎ払う様に振るった。

ふぅっ、と額を手ぬぐいで拭いながら戻って来たコック長は一仕事した良い表情をしていた。

 

それを迎えるのはモグモグと口を動かしながら?を浮かべるオグリキャップとドン引きしたタマモクロスであった。

 

「いや、なんやねん・・・マジで」

 

「まぁ見てろって」

 

たこ焼きを再度焼き始めたコック長を他所にたこ焼きとご飯を食べていると

 

 

「スズカさん、こっちから凄い良い匂いがします」

 

「スペちゃん待って〜ウソでしょ、全然追いつけない」

 

 

「会長〜こっちから良い匂いがする、きっとコック長がなんかやってるんだよ」

 

「そうだな、テイオー行ってみよう」

 

 

「ウオッカ、スカーレット急げ、ゴルシちゃんレーダーが反応してる!!こっちでコック長が面白いことしてる」

 

「ゴルシ先輩待って」

「早すぎだぜゴールドシップ先輩」

 

団扇であおいだ方からぞろぞろとウマ娘達が集まって来たようだ。

 

「にいちゃんから教えてもらった客寄せ方法だ効果抜群だろ」

 

程なくして集まったウマ娘達はたこ焼きを楽しみ、ゴールドシップから無茶振りされたコック長は曲芸まがいのたこ焼きを披露するのであった。

 

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