トレセン学園コック長   作:ブランチランチ

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今回はセリフが多いです。
こういう回も楽しく書けました。
それと今度から分割はやめようと思います。
お楽しみいただけたら幸いです。


つけ麺お待ち!!

「さぁ、始まりましたトレセン学園特別金船つけ麺杯、実況はトウカイテイオーと」

 

「サイレンススズカです」

「タマモクロスや」

 

ステージ脇に設けられた実況席に座る三人がマイクで自己紹介する。

 

「今回の大会はゴールドシップが発端となり始まりました。皆さんからの反響を受けて大々的に開催されることとなった事に本人もやる気充分で焼きそばを売っておりますので見かけたら是非購入してください」

 

「ゴルシおらんのかい」

 

「あはは、自由な方ですから」

 

苦笑するスズカと呆れるタマである。

会場からも笑いが漏れた。

 

「それでは、選手の入場です。1番1枠スペシャルウィーク!!今大会真っ先に出場を申し込みました!!今大会2番人気になります」

 

「今大会への意気込みは並々ならぬものがありますね」

 

登壇したスペシャルウィークは満面の笑みで小さく手を振り観客の声援にこたえる。

 

「続きまして2番2枠オグリキャップ今大会1番人気!!既にヨダレが止まらない!!」

 

「ハンカチ渡しといて正解やったわ」

 

オグリキャップはハンカチで口元を拭きながら観客にペコリとお辞儀した。

 

「3番3枠ツインターボ!!ターボエンジンは奇跡を起こすのか!!」

 

「無理はしないでほしいですね」

 

「まったくや」

 

観客に両手をあげてアピールし宣言した。

 

「なんと、大逃げ宣言!!流石師匠!!会場も大盛り上がりだーー!!」

 

「嘘でしょ?!」

 

「意気込みは買ったる」

 

「4番4枠メジロマックイーン、ゴルシにより勝手に出場登録されたが不戦敗は許されないと参戦」

 

「ゴールドシップさんによくいじられてますもんね」

 

「不憫やな」

 

「皆さん着席ください。ルールの説明をさせていただきます。制限時間内により多くの麺を食べたウマ娘が優勝となります。スープとトッピングもおかわり自由ですが得点には基本的に加算されません。最終的に同点の場合により多く食べた方を優勝といたします。」

 

「なるほど、箸休めや美味しいからとトッピングを食べてもお腹を膨らませるだけになってしまうんですね」

 

「極端な話し麺1皿の方が得点につながるっちゅうわけやな」

 

スクリーンにはイラストでわかりやすくルールについて映し出されている。

 

 

 

観客席の中、最前列の男が話し始めた。

 

「なるほど、勝利に固執するなら麺に限定して食べ進める事で確実に勝利を目指せるという事か」

 

「どうした急に」

 

「オグリキャップもスペシャルウィークも全ての食べ物を平らげるだろう。これはツインターボとメジロマックイーンに有利に働くはずだ。」

 

「それで?ツインターボとメジロマックイーンの勝算は」

 

「それ聞いちゃう?」

 

「ご飯は美味しく食べるのが1番だと思います」

 

「「ふ、そうだな」」

 

幼い子の意見に同意する男たちであった。

 

 

 

 

「それではお待ちかね!!つけ麺についてご紹介します。スープはなんと4つご用意いたしました。更に麺は2種類あります。スズカさんお願いします。」

 

「はい、まず今回は太麺と細麺を用意致しました。選手の皆さんは麺の太さとあったかい麺のあつもりと、冷たいめんのひやもりを選んでいただきます。次にスープについてタマモクロスさんお願いします」

 

「おう、4種類のスープは鶏ガラ醤油、濃厚魚介、坦々、酢醤油、があんで。酢醤油は冷たいスープになってるんや。コック長のオススメの組み合わせは太麺のあつもりが濃厚魚介と坦々、あつもり細麺が鶏ガラ醤油、ひやもり細麺が酢醤油や。勿論好きな組み合わせで食べてええで」

 

「それでは失礼してお先に味見しちゃいます」

 

ガタッ!!

ガタッ!!

 

「オグリキャップ、スペシャルウィーク静かに座っときー」

 

「まずボクが鶏ガラ醤油を細麺あつもりでいただきまーす」

 

カメラに写し出されたスープはほんのりと醤油の色合いを出しているが透明度は高く、チャーシューの油が程よく輝きを放っている。

持ち上げた麺は細麺ストレート、それをスープに潜らせてトウカイテイオーは一気に啜った。

 

スープを纏った麺は勢いよく彼女の唇を通過し閉じた唇はスープにより艶を増していた。

 

会場は皆黙りごくりと生唾を飲み込み様子を伺っている。

 

「あっさり醤油、王道のラーメンで優しい味です。このスープはこのまま飲んでもちょうど良い味です。おいしい」

 

眩しいくらいの笑顔に会場のみんなもほっこりした。

 

「では続いてサイレンススズカが濃厚魚介をあつもり太麺でいただきます」

 

鶏ガラ醤油とは違い茶色くどろっとしたスープで麺を潜らせると黄色かった麺を茶色くコーティングする。

 

スズカは髪が麺とスープにつかない様に片手でかきあげ、ふぅふぅと熱を冷ましてから口に麺を啜った。

 

「魚の風味が強く麺ももっちりと歯応えが強いです。スープの味に負けない麺はとても食べ応えがあります」

 

「ウチは坦々スープで、あつもり太麺や」

 

白濁のスープにラー油の赤い斑点が浮かんでいる。

タマモクロスはつけた麺をカメラに見せずそのまま、ずぞぞっと一気に食べた。

 

「胡麻の香りにピリ辛の味、ぷりぷりの麺もいい感じやー、もうちょい辛みが欲しいなウチは」

 

「薬味は胡椒、ラー油、山椒にお酢すぐにお出しできます」

 

サイレンススズカが補足説明をする。

 

「じゃあ最後の酢醤油はボクが」

 

とスープの入った容器を掴もうとしたところで横から取られた。

 

「これはゴルシちゃんがいただくぜ」

 

「「ゴルシ!!」」

「ゴールドシップさん!!」

 

「おぉ、労働の後にこの酸っぱいスープは効くぜ、火照った体にも冷たくて気持ちいいしな」

 

「こっちの醤油もいいな、魚介もガツンとくるぜ。ゴルシちゃんには坦々はこのくらいがいいな」

 

進行なんて知らんと次々と試すゴルシの姿はそのまま会場に写し出されており、選手と会場の心は一致した。

 

(早く食べたい!!)

 

「えーと、ちょっとハプニングはありましたがそろそろ始めたいと思います。初めはあつもりの太麺と細麺がきます」

 

「それと会場のみんなにお知らせや、スタートしたらステージ横のスペースより、つけ麺の提供が開始されるから楽しんでなー」

 

 

 

タマモクロスのお知らせの間に各選手の前にスープと麺が用意された。

 

「それでは」

 

「「「召し上がれー」」」

 

「おーっと、会場の観客が一斉に提供スペースへ、いつもはボク達が走り出すのにね」

 

「新鮮な感覚ですね。しかし、皆さん怪我をしない様に走らないでください。量は十分にありますので、お子さんやお年寄りを優先してあげてください」

 

サイレンススズカのお願いを聞いてくれた様で続々と子供やお年寄りがつけ麺を持って戻ってきた。

 

「さぁ、実況に戻ります。静かな立ち上がりを見せるのは1番人気オグリキャップ一つ一つ確かめる様箸を進める!これはどういう事でしょうタマモクロスさん」

 

「アレは全部試して好みの味を探してるんやな。好みを見つけたら一気に行くと思うわ」

 

「なるほど、おっとスペシャルウィークはまずスープの味見から入った一つ一つテイスティングしている。どう思われますかサイレンススズカさん」

 

「オグリキャップさんと同じで味を確かめてるのでしょう、その、テイオーがスープを飲んでる時凄い羨ましそうにしてましたし」

 

「美味しいからね♪ここでツインターボ動いたー!!あつもりの太麺を豪快によそい濃厚魚介に突っ込んだ!!それを一気に啜る!!

しかし、盛大にむせた!!一旦麺を切り食べたが熱かったのか舌を出して悶えてます。水で口を冷やします。スタッフも大慌てで水を持ってきて、頬についた汁を拭き取ってあげてます」

 

「あーあかんなぁ、大食いであないに水飲んだら腹膨れてまうわ」

 

「しかも、余り無茶な食べ方をして食材を台無しにしたらコック長は凄い怒ると思います」

 

「おっと、舞台袖で腕を組みツインターボを見ているのはコック長!!それに気づいたツインターボは震えながらゆっくりと食べるのを再開、おっと途端に笑顔だー!!」

 

「美味しいのでしょう」

「やろな」

 

「これにはコック長もニッコリ、サムズアップしながら裏に戻ります」

 

「食べ物台無しにするとマジで怖ぇからなコック長」

 

「ゴルシ何したんや・・・」

 

「その横ではメジロマックイーンが優雅に鶏ガラ醤油で食べている!確実に食べ進めています」

 

「観客を意識して食べ方に気をつけてる様に見えます。気品すら感じますね。」

 

「ターボの後だから尚更やな」

 

「ここでオグリキャップ動いた!あつもり太麺20皿追加だーしかもチャーシューとメンマまで!!対してスペシャルウィークあつもり細麺と太麺を10皿づつ追加しかもメンマ増し増しだー!」

 

「オグリはずっと腹減ったーって言うてたからガツンとくる濃い味の2つから食べ進める様やな」

 

「スペちゃんはメンマが気に入ったようですねコリコリとした歯応えは私も好きです」

 

「2人に続けとツインターボとメジロマックイーンも追加だ!しかし1皿、逆転はあるのだろうか!」

 

「難しいやろなぁ」

「そうですね」

 

 

 

 

 

「今大会も残すところ後僅か、やはり残ったのはこの2人!!オグリキャップとスペシャルウィーク!!」

 

「ほんま凄いわ、ずっと食べ続けてるやん」

 

「スペちゃん幸せそう」

 

「そんな2人の横では轟沈したツインターボと、キャロットジュースと杏仁豆腐を食べ続けるメジロマックイーンだ」

 

「アイツ絶対もっと食えたやろ」

 

「しかも、つけ麺食べてた時はキリっとしてたのに、ニッコニコで食べ続けてますしね」

 

「あんなに尻尾も揺らして耳も動きまくっとる」

 

「甘いものは別腹ですの!!ですからねテイオーも一瞬固まってましたし」

 

「杏仁豆腐とキャロットジュース出てきた時のオグリとスペもやばかったけどな、競技変わるところやったわ」

 

「食べ終わったら出しますって言って収まりましたけど」

 

「無情にもタイムアーップ、2皿差で優勝はオグリキャップです!!お二人とも勝因はなんだと思いますか?」

 

「メンマやろ」

 

「そうですね、スペちゃん途中メンマしか食べない時ありましたからね。余程気に入ったのでしょう」

 

「対してオグリは麺食べながら全てのトッピングも均等に食べてたからな」

 

「なるほど、メンマで勝負を忘れてしまったという事でしょうか、スペシャルウィークには魔性のメンマだったということですね!

改めまして優勝はオグリキャップです!見事金船つけ麺杯を制しました!!」

 

 

「それで皆さん、一旦あの言葉で大会を締めたいと思います。ゔぇ?!スペちゃん、オグリ先輩、ちゃんとキャロットジュースと杏仁豆腐はこの後出るからそんなに睨みつけないで、コホン失礼しました。それでは」

 

「「「「ご馳走様でしたーーー!!」」」」

 

 

こうして大会は無事に終了した。この後も数時間会場は賑わい続けウマ娘達との交流会は大盛況で幕を閉じた。

 

後日、トゥインクル交流会スペシャル号が出され即日増刷が決まる売れいきとなった。さらに抽選でトレセン学園でウマ娘と食べるコック長の料理招待券の応募があったのだが応募サイトがパンクしたのは別の話である。

 

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