イナイレ世界に転生したら女子だったんですが   作:マルメロ

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総理警護の11人

 無事奈良に到着した私達は財前総理の誘拐現場であるシカ公園にやってきた。……なんだけど

 

「中には入れそうもないね」

「ここまで来て門前払いかよ」

 

 現場は事件の操作を行う警察の人達で溢れていた。私達のような一般人が立ち入るのは難しい。さっきから監督が交渉しているけど手こずっているようだ。

 

「もしもしバトラー?お父様に繋いでくれる?」

「夏美ちゃん、何してるの?」

「何とか入れてもらえないかお父様から頼んでもらうわ」

 

 ……いやいやいくら理事長の顔が広いからってさすがに警察は無理でしょ。しかもただの事件ならともかく総理誘拐なんて重大事件なら尚更。

 

 ♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 

「はい、ありがとうございます理事長」

「ホントに入れちゃった……」

 

 理事長顔広すぎでしょ……警察にまで顔が利くなんて。

 パッと公園の中を見渡すと壊れた銅像や橋など目に入った。だけど破壊の跡はあれど宇宙人の手がかりになりそうなものはない。

 

「よし、手分けして宇宙人の手がかりを探すぞ!」

 

 公園内の捜索を始めるけどそう簡単には見つからない。そもそも警察の捜査ですら大して進展していないのだから証拠なんて残ってないのかもしれないな。

 

「う〜ん、なかなか見つからないなぁ」

「根気よく探すしかなさそうだね…」

 

 アフロくんと一緒に銅像裏のスペースを捜索するがそこには何もなかった。ここが一番可能性がありそうだと思ったんだけどな。

 

「あ、あったッスー!」

 

 その時、壁山君の声が公園中に響き渡った。声のした方向へ向かうとびしょ濡れの壁山君と眼鏡君、そしてエイリア学園が使っていた紫色のボールがあった。

 

「お、重い…」

 

 守君がそれを両手で持ち上げるけどあまりの重量に離してしまう。ボールはドスンという音を立てて地面に落ちる。やっぱり重いよね、少なくとも普通は蹴るようなものじゃない。

 

「そこまでだ!」

 

 突然の声に振り向くとそこには黒いスーツを身にまとった人達が立っていた。警察…じゃなさそうだけどいったい…。

 

「今度こそは逃がさんぞ!エイリア学園の宇宙人共め!」

 

 ……もしかして私達のことを宇宙人と間違えてる?どこからどう見ても地球人だと思うのだけど。

 

「財前総理をどこにやった!」

「いや…俺達は」

「黙れ!その黒いサッカーボールこそが動かぬ証拠だ!」

「これはそこで拾ったもので……」

「とぼけるな!」

 

 全然話を聞いてくれないよこの人達……確かに総理を誘拐されてピリピリしてるのはわかるけど……。

 

「あの、警察の方には話が通ってると思うので一度確認してもらっても…」

「我々は総理大臣警護のSPだ!その様な言い訳が通じると思うな!」

 

 なんだか違和感あるな……いくらなんでも話が通じなさすぎだし、喋ってる男性の表情からそこまでの怒りを感じない。

 

「宇宙人はどこだ!」

 

 そんなことを考えていると黒服の人達の後ろから同じ格好をした少女が出てきた。歳は私達と同じくらいだ。

 

「動かぬ証拠があるのに認めないなんて、往生際が悪い宇宙人だね」

「だから俺達は宇宙人じゃないって!」

「いいや宇宙人だね」

「宇宙人じゃない!」

「宇宙人だ!」

 

 平行線をたどった守君と少女の口論、先に折れたのは少女の方だった。

 

「そんなに言うなら証明してもらおうか」

 

 ♦♦♦♦♦

 

 

 

 

「で、なんでサッカーなのよ?」

「さあ?」

 

 結局何故かサッカーで決着をつけることになった。夏美ちゃんが疑問を声に出すが最もだ。でもやらなきゃこの状況を切り抜けられなさそうだ。

 

「相手が大人だからって怯むな!フィールドの中では大人も子供も関係ない!」

「体格差があるからなるべくテックニックで勝負しなきゃだね」

 

 作戦会議をする私達だが何故か監督はだんまりだ。私達の実力を見極めようってことかな?

 

「あ、ありました!SPフィクサーズ、大のサッカーファンである財前総理のボディガードでもあるサッカーチームです!」

 

 春奈ちゃんが手持ちのノートパソコンで調べたいデータを皆に見せる。なるほど、サッカーで体を鍛えてるってことか。

 

 FW 豪炎寺、染岡

 

 MF 一之瀬、鬼道、羽花、アフロディ

 

 DF 風丸、土門、壁山、目金

 

 GK 円堂

 

『さあなんとあのアフロディをメンバーに加えた雷門イレブン!対するはSPフィクサーズ!いよいよキックオフです!』

 

 いつの間にか実況を始めている角間君、彼どうやって東京から来たんだろう?さっき自転車で登場してたけどまさかそれで来た?

 なんてことを考えているとホイッスルがなり雷門ボールで試合が始まった。

 豪炎寺君と染岡君がパスを繋ぎながら攻め上がる。だけど早々に囲まれてしまった。さすがに総理の護衛をしてるだけあって守備力はかなり高いようだ。

 

「染岡、アフロディがフリーだ!」

 

 鬼道君が空いたスペースに走り込んだアフロくんを確認すると染岡君に指示を出す。

 

「……ちっ、天川!」

 

 だけど染岡君はアフロくんではなく逆サイドにいた私にパスを出した。しかしそのパスはさすがに無理がありあっさりとカットされてしまった。

 

「させるか!」

 

 だけど風丸君がそれをすかさず奪い返す。

 しかしすぐに敵ディフェンスが立ち塞がる。

 

「こっちだ!」

「う……くそ!」

「プロファイルゾーン!!」

 

 ボールを奪われ吹き飛ばされてしまった。

 ……なんだろう、今のはアフロくんにパスを出せばかわせてたはずだ。さっきの染岡君も……。

 もしかして皆まだアフロくんを信用できてない?

 そう思い周りを見渡すと皆の目には若干警戒の色が残っていた。

 守君はアフロくんを信用して迎え入れようとしてくれている。鬼道君や豪炎寺君はまだ完全に信用してはいないのかもしれないけどエイリア学園との戦いでアフロくんの力が必要になると理解している。だけど他の皆はそうもいかないようだ。

 

「「トカチェフボンバー!!」」

 

 そんなことを考えているうちに相手の連携シュートが放たれた。それに対し守君は拳を打ちつける。

 

「爆裂パンチ!!」

 

 目にも止まらぬ連続パンチに弾かれたボールは弧を描きながら私の元へ。

 ……どうすれば皆アフロくんを信用してくれるんだろう?……そうだ!この方法なら。

 スライディングで向かってきた相手をジャンプでかわすと私は空中でアフロくんにパスを出す。

 

「アフロくん!」

「「…!?」」

 

 ボールを受け取ったアフロくんが走り出す。

 すると彼は敵が立ち塞がったのを確認すると指を鳴らす。

 

「ヘブンズタイム!!」

 

 そして一瞬のうちに移動し相手を吹き飛ばす。

 ボールは再び私に周りすぐにアフロくんに戻す。そんな風にワンツーを繰り返し相手ディフェンスを突破していく。その速度に相手はまるで追いつけない。そしてあっという間にゴール前に到達した。

 

「合わせて、アフロくん!」

「ふふ、面白い…やってみよう!」

 

 ペナルティエリアに侵入したタイミングでボールをアフロくんに預け飛び上がる。するとアフロくんも追随するようにヒールでボールを上げると跳躍する。

 そうして私のところに来たボールを蹴り上げると次にアフロくん、そして再び私と交互に何度も蹴り上げる。

 そして黒いイナズマを纏ったボールを2人同時に蹴りつける。

 

「「ジョーカーレインズ!!」」

 

 青白い光と黒いイナズマを纏った弾丸がゴールを襲う。それに対し相手がキーパーは左手を上げたと思うと彼の背後に警察がよく使っているような盾が何枚も現れた。

 

「セーフティプロ………ぐわぁ!」

 

 だけどそれは放たれたシュートに対しあまりに無力だった。一瞬の拮抗すらなくボールはゴールネットに突き刺さった。

 

『ご、ゴール!!天川とアフロディが放つ凄まじいシュートが決まったァァ!』

 

「あの二人が一緒にシュートを……」

「神のアクアが無いのにすごい威力だったス…」

 

 フィールドのあちこちからそんな声が聞こえてくる。どうやら私の作戦は上手くいったようだ。サッカーのことはサッカーで証明するのが一番だからね。これで皆もアフロくんがもう神のアクアに頼るような卑怯者ではないとわかってくれるだろう。

 

「ナイスシュート!羽花、アフロディ!前はいろいろあったけどこのユニフォームを着れば仲間だ!これからも頼むぞアフロディ!」

 

 ゴール前の守君からそんな激励の言葉がかけられる。それを聞いたアフロくんは頬を緩ませた。

 

「彼には感謝しないとね、僕を認めてくれたこと」

「それが守君だからね、サッカーを通じて誰とでも仲間になっちゃうんだよ」

 

 そんな会話をしていると染岡君がこちらに歩いてきた。彼はアフロくんの正面に立つとゆっくりと手を差し伸べた。

 

「……!!染岡君……」

「勘違いすんじゃねぇぞ、お前がやったことを許したわけじゃねえ。ただエイリア学園と戦うためにお前の力が必要だと思っただけだ」

 

 正直にすごいプレーだったって言えばいいのに。素直じゃないんだからまったく…。

 アフロくんは微笑むと染岡君の手を取った。

 よかった、これでひとまずは認めてもらえたようだ。

 

 キックオフから試合再開、相手の攻撃に対し染岡君が迎え撃つ。

 

「さあ、来い!宇宙人!」

「俺達は人間だって言ってんだろうが!」

 

 ボールを持つのはさっきの赤い髪の女の子。大人だらけのチームで唯一私達と同世代、しかも驚くべきことにキャプテンみたいだ。

 彼女はヒールリフトでボールを染岡君の頭上に上げると自らも回転しながら飛び上がり染岡君を抜き去った。

 

「大したことないね、宇宙人!」

「くそ……う、……」

 

 ……!今の染岡君の反応、足を抑えていたような……まさか…………。

 

「キラースライド!!」

 

 素早く土門君がリカバーしてボールは風丸君へ、彼は自慢のスピードで左サイドを駆け上がろうとしたけど―――

 

「「「ボディシールド!!!」」」

「ぐあぁぁ!」

 

 敵のディフェンスで吹き飛ばされた風丸君、……今のもいつもの彼ならかわせたはず。

 ボールは相手のFWへ、その前に壁山君が立ち塞がる。

 

「行かせないっス!」

「「合気道!!」」

 

 しかし相手の必殺技によってひっくり返されてしまった。……やっぱりあの三人どこか不調だ。実力は完全にこちらが上回っているのに攻めきれないのはこのせいだったのか。

 そこで前半終了の笛が鳴った。

 ベンチに集まる皆の表情はどこか曇っていた。確かに点数的にはこっちが勝っているけどこうも攻めきれないとなると……。

 

「皆聞いて!後半の作戦を伝えるわ。風丸君、染岡君、壁山君、あなた達はベンチに下がって」

「「「ええ!?」」」

「空いたポジションは他の人がカバーして、よろしく」

 

 監督のその指示を皆は飲み込めていなかった。確かに三人は不調だけど全員ベンチに下げるなんて……。三人も少ない状態で戦うなんてハンデもいいところだ。

 

「ちょっと待ってください!そんなの……敵に抜かれでもしたら終わりじゃないですか!」

「だったら、抜かれないようにすることね。後半始まるわよ」

「しかし!!」

 

 当然抗議の声が上がるけど監督はそれを無視してグラウンドへ出るように促した。皆まだ納得いってないみたいだけど渋々それに従った。

 

「どういうことだ!?私達を舐めてるの?」

「……これは作戦だ」

 

 赤髪の子が鬼道君に突っかかるけど彼はそれを無視してポジションについた。

 

 FW 豪炎寺

 

 MF 一之瀬 鬼道 アフロディ

 

 DF 羽花 土門 目金

 

 GK 円堂

 

 壁山君と風丸君が抜けてディフェンダーが二人になってしまったので私がディフェンスに下がってスリーバックになった。フォワードは豪炎寺君のワントップだけど彼なら大丈夫だろう。

 笛が鳴って後半が始まった。

 私達はこれまで以上に攻め上がるけどやっぱり人数が少ないハンデは厳しく中々ゴールを奪えない。それどころかハンデの埋め合わせの為に一人一人の運動量が多くなってしまっている。

 

「くそ!これで勝てたら漫画だぜ!」

 

 ベンチで染岡君がそんな叫びをあげた。それを聞いた監督はマネージャー陣に指示を出す。

 

「もう、怪我してるなら言ってよ!」

「だって……言うほどのことじゃないと思ったっス」

「今は一人でも多くの力が必要だ……」

 

 …やっぱり、皆怪我してたから動きが悪かったのか。だから無理させない為にベンチに。どうやら監督としての力量は確からしい。

 

「……そういうことだったのか」

 

 それに気づいてから鬼道君のゲームメイクが変わった。人数的不利を有利にするような立ち回りで雷門は次第に相手を圧倒していった。

 

「ザ・タワー!!」

 

 赤髪の子が塔を出現させ私の行く手を阻んだ。それを更に高くジャンプし飛び越えて反対側に着地した。

 

「な!?」

 

 そしてボールを蹴り上げ跳躍を繰り返しオーバーヘッド。

 

「バウンサーラビット改!!」

 

 それは相手のキーパーに技を出す隙を与えずゴールに突き刺さった。だけど私達の勢いはこれだけじゃ収まらない。

 

「ファイアトルネード!!」

「真ゴッドノウズ・インパクト!!」

「ザ・フェニックス!!」

「イナズマブレイク!!」

 

 結局元の実力差が出る形となって私達は6対0でSPフィクサーズを下したのだった。

 

 ♦♦♦♦♦

 

 

 

 

「あたし達の完敗だよ、さすがは日本一の雷門イレブンだ!」

「いやぁそれほどでも………ってええ!?知ってたの?」

「ああ、どうしてもあんた達の戦いたくてさ……騙してごめんよ」

「戦いたかったて…どうして?」

 

 なんとなく察してたけどやっぱり彼らは私達が宇宙人じゃないって知ってたみたいだ。仮に私達を本当に宇宙人だと思ってたのならサッカーなんて挑まずに問答無用で捕まえるはずだからね。だけど私達と戦う理由がわからず質問する。

 

「あたしは財前塔子、攫われた財前総理の娘だ」

「「「ええ!?総理大臣の娘ぇ!!」」」

「あたしどうしてもパパを助けたいんだ…だから一緒に戦ってくれる強い奴らを探してた。ごめんよ試したりして」

「いいさ、気にするなよ」

「ありがとう!あんた達ならエイリア学園に勝てるかも……お願いだ!私と一緒に戦ってくれ!」

「もちろんさ!なぁ皆!」

「「「おう!!」」」

 

 守君と塔子ちゃんが握手をかわした。これで一件落着と思われたその時、パソコンを見ていた春奈ちゃんが突然声をあげた。

 

「た、大変です!」

「春奈?どうした?」

「……ジェミニストームが倒されたそうです」

「え!?倒されたって……いったい誰に…」

「それが……」

 

 ♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 奈良シカTV、本来ならばまもなくジェミニストームが全国に向けて宣戦布告を行うはずの場所だ。

 しかし彼らは全員屋上のフィールドに倒されていた。キャプテンのレーゼだけはかろうじて意識を保っているものの、その他のメンバーはあまりのダメージに意識を失い倒れている。

 周囲の高層ビルは崩壊し、所々で火の手が上がっている。その惨状がこの場で起きた出来事の凄まじさを表していた。

 

「貴様……いったい…………何者だ」

 

 薄れゆく意識の中ではレーゼはフィールド上にただ一人腕を組んで立っている緑の髪に褐色の肌の男に問いかける。

 男はそれを聞いてたから笑いを浮かべた。

 

「くっくっく……そう言うと思ったぜ。お前は誰だなぜこんなことをする?そう言いたいんだな?いいだろう教えてやる」

 

「俺は…………ザナーク・アバロニク!!名もなき小市民だ!!」

 




ヤバいやつ登場。ここで原作でのザナークの所業を並べていきましょう。

・プロトコル・オメガ3・0を一人でボコボコにした挙句謎のビームで洗脳する。
・三国志や幕末の偉人を強制ミキシマックスや封印で好き放題使い回す。
・デッドフューチャーを胸トラップで止めてそこから一人でギル全員を吹き飛ばして得点。(強化されていたとはいえピカチュウはミキシマックスしても止められなかった)
・雪男や謎の巨大イカとリアルファイトで修行して史上最悪の巨大台風とミキシマックス。ガルを一人で圧倒する。
・恐らく作中最強クラスのザ・ラグーンを相手にしてもチーム内でフェイと共に唯一互角に渡り合う。

……化け物かな?どうやって倒すんだろ……

化身は出した方がいい?

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