どらごんれでぃい!!!〜捨てた魚が竜でしかも俺の事が大好きなんですが〜   作:囚人番号虚数番

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Dragon Hate

「…………んぁあ?」

 

現在時刻 9月最終週 深夜2時

 

今日は珍しく深夜に目が覚めてしまった。最近は朝までぐっすり寝ていて朝にはドラコのキスマークが何処かしらにできている。先日、ドラコが来て久々に酒を飲んだからだからか?飲みすぎが原因だろう。

 

あ、そうだ、たまにはこちらからいたずらしてみよう。普段彼女がどう寝ているのか寝顔を拝んでやる。

 

………ナツメがやりそうだなコレ。まあいやらしいことに使うつもりは無いから俺の携帯電話の容量の肥やしになるだけであろう。

 

そもそもあいつ、いつ寝てるんだ?普段あいつの方が寝るのが遅いからいつ、どうやって寝ているのか未だ知らない。

 

「……ドラコ?」

 

答えは「不明」だった。どこの部屋、どこの場所にも彼女の布団が、いや「彼女がいなかった」。

 

「ーーーっドラコ!!」

 

トイレか?鍵はかかっておらず中にももちろんいない。

 

風呂?明かりもついてないし第一は沸いていない。

 

まさかの外?すぐに着がえて近所のコンビニ位まで走り出した。チキン買って帰ってきた。

 

「(どこだどこだどこだ!!ドラコ……あいつ!!)」

 

あの野郎、どこ行きやがった!?

 

人生でも感じた事の無い焦り。手段なんて考える余裕もない。俺は深夜だという世間体を無視してナツメに協力を要請する電話をした。

 

ーーー

 

prrrrr……prrrrr……

 

 

 

 

 

 

 

「ドラコちゃん。拓海から電話が来たけどどうする?」

 

「私は出ないので勝手にどうぞ。今は寧ろ彼が邪魔です。あとこの事については何も言わないでください」

 

「毎回毎回その注意するかい?彼も彼だけど君も人の扱いが……。ま、頑張ってね」

 

「こちらも早めに、いや早く終わらせちゃ意味がないですがちゃっちゃと終わらせます」

 

 

 

 

 

 

ざぁぁぁぁぁぁ………ざぁぁぁぁぁぁ………

 

現在位置 近くの海 岩場

 

現在時刻 同刻

 

 

 

 

深夜の冷たい風が波を揺らす。残暑から随分と涼しくなった10月になる直前の9月、潮風と岩場に溜まった水が肌を刺す。

 

「拓海、あと少しで私のやる事は終わる」

 

私は誰もいない海岸に1人いた。尖った岩だらけで海水浴や生態観察には向かず放置されている誰の目にも留まらない場所。

 

服が濡れて不快だったから服は生成したスク水を身に着けて靴も脱ぎ捨てた。そのせいで岩で足の裏が傷だらけ、岩の間に溜まった塩海水がしみる。

 

「………拓海……ごめん」

 

不快なのは感触だけではない。これから汚れるのに彼からの贈り物のワンピースでは不釣り合いだ。

 

「穴の中はもういいかな?」

 

私の目線の先には岩場に空いた大きな穴があった。この穴は長い年月をかけて波が岩を削って出来たものらしい。

 

「………本当に真っ暗」

 

ふと、海の方を見た。

 

今日は満月、遠くの水面に歪んだ月が映っていた。なのに暗い海ですら照らされているのに目の前の岩穴は先の見えない闇。

 

「…………奥が静かになった。こっちも仕事にかかろう」

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

「もしもし、ナツメだ。こんな時間に何か……」

 

「やべぇドラコが居ない!!家の中にも近所にもどこ探してもだ!!どこに居るか探すのを手伝って……」

 

「おいおい、一旦落ち着きなよ拓海。取り乱すなんて君らしくもないぞ」

 

「そんな場合じゃねえ!!あの野郎どこに……」

 

「落ち着け!!君が冷静じゃなければこちらもアドバイスできないよ」

 

ナツメから電話越しに怒鳴られる。普段大声を出さないナツメの大声にハッとなって正気に戻る。そうだ……ナツメの問題なのに俺が冷静じゃなくてどうするんだ。

 

「………すまなかった」

 

「落ち着いてよかったよ。それで、ドラコがいなくなったんだって?」

 

「ああ、たまたま目が覚めたらいないのに気づいた」

 

「最近の動向とかは?」

 

「ドラコに告白されるっておかしいことが起きたけどそれ以外はない」

 

「あれをおかしい事扱いするって……」

 

「ともかく俺に心当たりがないから……お前ならどうする?」

 

「どうするって……僕が彼女と会ったのは服を買いに行った時だけじゃないか。彼女の考えてる事なんて知る由もないよ」

 

なっ……クソッ何でそんな単純なこと忘れてたんだ。パニックで頭おかしくなっている。こいつならどんな問題も投げてもいいから反射的に電話してしまったけど思えばナツメの言う通り、彼とドラコの接点はコンビニでの騒動とあのショッピングモールのみ……。加えて最悪なことを思い出した。そもそも最近のドラコの存在を知っている知り合いなんて俺にはいないのだ。

 

「…………そうだな。今日は寝て、明日になって来なければ警察にでも……」

 

「君は何を言っているんだい?」

 

「だから、明日来なければ捜索願を出す予定……」

 

「彼女の考えてる事は勿論分からないよ。でも何をしてるかは知ってるし居場所も知ってる。ま、それもドラコちゃん直々に君への伝言を止められてるからね。言いたくても言えないんだよ」

 

「おい……それはどうゆう事だ!!何を知ってる!!」

 

「察せ。もう君なら分かるだろ?」

 

察せ……?

 

あいつが黙って何かやる事なんてそうそう……

 

 

 

朝ごはんは出来たからゆっくり食べてていいよ!!初めての手料理だから味付けは保証しかねますが……多分食べられるからね!!

 

 

 

……おかしいな。俺は確かに昨日3つ目覚ましをかけたはずなのに全て破壊されてる

 

 

 

さーて!!今日も拓海の性癖を捻じ曲げるようなCG動画作るぞー!!

 

 

 

あれ?日常的にやってるな。もしかして、この失踪もその過程か?そこは考えても仕方がない。彼女が俺に隠れて何かをやる時は……俺にやらせたくない事をやる時。彼女と初めてあったときに家事をさせずに、最近は逆に俺にも家事を……「家事をしない状態を」避けるように協力してやらせてもらえるようになった。

 

だとするなら俺の為に夜に抜け出してまで何を成し遂げたいのか?

 

……単に「俺に知られたくないから」。それと「俺がしてはいけない事」なのか……?

 

「……で?」

 

「心当たりがあれば教えてほしい。あいつの努力は無駄になるが……それでも俺は心配だ」

 

「……分かった。今から送るメールに添付されたファイルをパソコンで開いてくれ。あとビニール袋か洗面桶も用意しといて」

 

そこで通話が切れた。程なくしてPCの方にメールが届いた。本文は「彼女の頼みだ。恨むなよ」と簡素な文章。添付されたファイルを開くと……

 

「これは……名簿?全員俺の知り合い……それにどこかの地図へのURL?」

 

 

URLを検索すると近くの海岸や廃ビルなど人目のつかないような所がまとめられていた。そこに沢山の人物名が並んだ表……全てが俺の苦手な人物だ。

 

「(ドラコが過去にこれを受け取ったなら何かしらの形で使ってるはず。データを探そう)」

 

パソコン中のファイルを調べる。写真、音楽その他諸々のすべてのファイルの中身を隈なく調べていった……あった、送られてきたデータ。しかも更新日は最近。

 

URLは1つを除いてすべて削除されている。場所は海岸だった。

 

そして、もう一つの名簿は……

 

「…………開くか」

 

開いたデータの表には先程の名前に加えていくつかの数字と死亡と書かれたセルが追加されている。そして、参考と書かれた数枚の写真データを見て戦慄した。

 

「ドラコ……お前、何てことしてんだ……」

 

ーーー

 

 

 

 

 

 

 

現在位置 海底へ続く洞窟

 

 

 

「………」「ゔぁ…………」「シテ………イデ…………」

 

 

 

死屍累々、怨嗟、絶望。

 

穴の中には地獄が広がっていた。

 

腐臭と磯香る洞窟の中、岩壁の中に出来た無数の牢屋に傷つけられ憔悴しきった人達が閉じ込められている。全身が打撲と切り傷だらけで普段なら目を背ける様な怪我人ばかり。でも心は傷まない。だってここにいるのは拓海の嫌いな人達だから。

 

壁や床は岩壁の牢屋には出口なんてものはなく、私の能力でしか出入り出来ない。初めは檻を壊してなんとかして出ようとはした物もいたがもう誰もしようとしない。

 

洞窟は膝下くらいまで浸水して、そこに尖った岩を敷き詰めている。たったこれだけの牢屋だがこの時期の海水温は10℃、この中で傷だらけの体を海水漬けにされれば彼らの様なクズ共には十分な苦痛である。苦しんで死んでもらわないとこちらとしても困るけど如何せん数が多かったから数日でこの通りなのは成功でいいだろう。

 

 

 

 

「ねぇ!!出して!!出せよ爬虫類!!お兄さんの悪口ならいくらでも謝るからお願い!!」

 

そんな中に未だに煩い奴が一人。学校で拓海の悪口を言った彼女だ。私が彼女に銃を向けた後全身を液状化、そして体内に彼女を取り込んで隠してきた。世間の間では彼女は失踪扱いとなっている。

 

彼女は簡単には殺さない、だから生かしてまでここへ連れてきた。

 

「□□ちゃんはほんと元気だね。もうしばらく経つけどもしかしてずっと叫んでるの?何度言えばわかるの、□□ちゃんは最後まで生かしておくよ」

 

「じゃあ出せよ変温動物!!こっちは死にたくねえんだよ!!国語で心情の変化とかやった事ねえのか!?」

 

「……はぁ」

 

「そんな急かさなくてもそのうち満潮になってここは沈むよ。そうじゃなくても私がそこらに穴を開ければ水圧で洞窟は崩壊、ホラゲーなら生きてるよ。そろそろ奥の奴らを痛めつけてからうるさくならないように黙っててね」

 

「おい!!こんなことしてお前のニキが喜ぶとでも……

 

スパァン!!

 

水の触手で顔面をぶん殴る。足元の赤黒い水のから作った触手のせいで銃にでも撃たれたかのような水の跡ができる。

 

「ひいっ……ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

 

「なんで当たり前のことを聞くの?□□ちゃんみたいなクズがいなくなれば拓海も喜ぶよ」

 

「………狂ってる……狂ってるよ……」

 

ドンッ!!

 

次は壁に裏拳を入れた。壁に10cm程の割れ目ができた。

 

「狂わないとやってられないよこんな事!!…………スーッ……行ってくる」

 

 

ーーー

 

私が陸上に適応する為の肉体改造中、長期的に拓海から離れるときが来るのはかなり前から分かっていた。だから、避けようがないその時が来る時の為に私に何ができるのか考えた。

 

私にとって恐ろしい事は拓海から離れる事、それと……拓海が傷つく姿。

 

見えない所で拓海が傷つく事は私にとって耐え難い。

 

拓海が長期的に私の保護下から離れた時の為の私が拓海にできる最後の手段。私が考えて、答えとして出てきたのは拓海に敵対しうる全ての人物を殺す事。ある程度の効果が保証された最も効率的で合理的な解。

 

だから拷問して苦しめながら殺す。拓海に何かされる前に彼に向く悪意を排除する。幸い私にはそれを為す為の力は湯水のように使える。

 

 

 

その欲望に従えばあとは楽だった。

 

 

 

「………」スパァンッ

 

「ヒギィ!!やめて!!死んじゃ……あ"あっ!!」

 

 

 

 

「……………」ズバッ

 

「ぐあぁぁ!!腕が!!俺の腕があああ!!」

 

 

 

 

「…………………」ゴリゴリゴリゴリ

 

「ぎゃああああああ!!!骨が削れる!!削れる!!」

 

 

 

 

「おい!!クソみてぇなことやめて早くここからだ

 

「……………………」スパッ

 

「あ?」ビシャーッ

 

ボチャン……

 

「………………首はよく血が飛ぶな……ははは」ピチャピチャ

 

 

 

水で作った拷問器具で無抵抗なか弱い人間を痛めつける。決意というものは一度決めてしまえばあとは楽なもので2、3人も殺せばあとは流れ作業の感覚で出来る。あんなに不快だった手に残る感覚も、悲鳴も、電源が切れたように絶命する瞬間も段々と快感になってきた。今なら笑みすら零れそうだ。

 

これが少しでも彼が喜んでくれるなら私はそれでいい。傷つき狂ってるのは私だけでいい。拓海は私の知らない所で何も知らずに笑ってくれればいい。

 

……でも、もし許されるのならば彼もここで一緒に彼らを拷問したかった。

 

 

 

「………ふぅ」

 

体に飛び散った細かい肉片を払う。

 

「あと何人くらいだっけ……」

 

先の見えない暗闇の先を見つめて仕事が終わるまでの時間を確認する。ナツメが用意した名簿に書かれた人数は46人、そのうち既に27人は殺している。自身の体力の低下も考えるとあと3時間くらいかかるから……今日は10人くらいをさくっと終わらせて残りは適当にボコッて帰ろう。

 

「(……これで5時には家につく。5:50くらいまで寝て朝食は適当にしよう)」

 

あ、奥に拷問に行く前にやる事があった。適当に塩漬けされた死体を引きずる。これを何に使うのかというと

 

「□□ちゃん。今日のご飯だよ」

 

「……きたねえ男の土左衛門持ってくるな。腐臭で気分が悪くなる」

 

「好き嫌いはしちゃだめだよ。ほら、口に入れて。ここに来てから何も食べてないはずだからそろそろ体調が心配だよ」

 

「だったらてめえが食ってみろ!!毒でも仕込んでんじゃねえか?」

 

「分かった」

 

でっぷりと太った男の死体の腹をえぐる。若干ふやけて腐って柔らかい肉。それを一口大に千切りながら手に取った部分を少しずつ食べた。塩が効きすぎてて水が欲しくなる。

 

「………ゔぉえぇ!!」

 

あ、□□ちゃんが吐いた。食べ物だった半固形の物がないほぼ液体だけのそれを見て流石に可愛そうだと思った私は口から吐き出した分を補填するように口に肉塊を突っ込んだ。ゲロが腕にかかって気持ち悪いけど洗えばいいや。

 

「じゃあまた明日。頑張って生きててね」

 

「ゲホッ……ゲホッ…………ペッ……死ね」

 

「さて、クズの処理はまた明日!!拓海がいる我が家に帰ろっか!!」

 

今日の作業も済んだ、洞窟を出ようと出口の方へ向く。……そこには月の光とともに見覚えのある人影、それと

 

 

 

 

 

「おい、お前こんな所で何してる……ドラコ……お前いつから拷問なんて悪い趣味やり始めたんだ?」

 

理解を拒む声がした。

 




ヤンデレなのかこれ?

次話からは暫く毎日投稿です。

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