どらごんれでぃい!!!〜捨てた魚が竜でしかも俺の事が大好きなんですが〜   作:囚人番号虚数番

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XXXXXX Mother

現在時刻 幸せな時間

 

現在位置 自宅

 

「あー……おはよう」

 

「もー遅いですよ。あんまり起きるのが遅いと朝ごはん冷めちゃいますからね」

 

「すまないな。でもしっかり待ってるお前もお前だと思うけどな」

 

自宅一階リビングにて、いつもの朝の光景。ドラコが朝食を作り、俺が食べる。これももうそろそろ6年目に突入する。

 

「はいはい、褒めても何も出ませんよー」

 

あの時と何も変わらないような何気ない会話。しかしそこには明確な変更点があった。第一に彼女の薬指には銀色に輝く指輪がはめられている。

 

「(えへへ……やっぱりこれを見ると拓海はあの時からあんまり変わってないね!!)」

 

「そういえば、食べ終わったら飯の片付けはしたほうがいいのか?」

 

「ううん、それはへーきだよ。まだ寝てる人がいるしね」

 

「ぱぱっ!!おはよう!!」

 

そして第二に俺とドラコの間に娘が出来た。

 

「うおっ朝から元気だなタツミ」

 

挨拶と同時に娘から全身を使ったタックル食らう。彼女は現在4歳、しかし身体的にドラコの遺伝子が濃いのか見た目的にもかつてのドラコに似て意外と身体能力も高い。

 

だから危うく腰を机に打ちかけた。よくある事だが老体にこれは少しきつい。

 

「ミツキはどうした。まだ寝てるのか」

 

「いまおきた。あねきがしぬほどうるせえからおかげさまで」

 

そして俺に似てやる気のなさそうなのが息子のミツキ。眠そうな目を擦りながら机に向かい飯を食べ始めた。

 

「あーみつきだめー!!またさきにたべてるよ!!はやおきしたのはわたしのほうでしょ!!」

 

「じゃあお母さんも食べちゃおっかなー。ね、お父さん」

 

「……ああ、そうだな。今日は皆休みだから全員で食べような」

 

ーーー

 

「ごちそうさまでした!!」

 

「ごちそさま」

 

「ご馳走さま」

 

「お皿は今洗ってるからこっちに運んでね!!」

 

一足先に朝食を食べ終えたドラコは既に皿洗いをしている。相変わらず心配になる、俺も彼女の手伝いをしよう。

 

「母さん、俺も手伝う」

 

「あら、それは嬉しいね。じゃあお皿拭いてしまってくれる?」

 

「お安い御用」

 

 

 

一方で

 

「ねぇねぇきょうはなにする!?」

 

「おれは……たつねえにふりまわされなきゃどこでも」

 

 

 

子供二人は小さな手で食器を運びながら今日は何するかを楽しそうに話している。

 

「ぱぱー!!みつきがかわであそびたいっていってる!!」

 

「……そんなこといってない」

 

「いったよ!!いったっていったらいったの!!」

 

「おう、仲良く決めろよな」

 

タツミの妙に強引で自分勝手な所はどう考えても彼女の遺伝子だ。お姉ちゃんとしての役割で彼を導く事が好きらしい。だから彼女はいつもミツキを振り回して自分のペースへ持ち込んで遊んでいる。

 

「んー、さっきから子供ばっかり見てニヤけてるよ。可愛いのは分かるけど手元が危ないんじゃないの?」

 

「手元は充分気をつけてる。さっきからタツミとミツキを見てるとさ、似てるなって思って」

 

「似てるって、私達と?」

 

そうだ。俺らの出会いは俺は大学生、ドラコは竜だった頃の出来事。人の様な子供時代の思い出を送るチャンスは小学生の時に河原で俺が捨ててきた。

 

「……ねえ、もしさ。もし私達が子供の頃に出会った世界があったら行ってみたい?あ、それまだ洗剤落ちきっててない」

 

「あ、ホントだ。答えだけど俺は遠慮する」

 

それは今とは違った面白さと幸せで満ち溢れた人生となっていただろう。だけれどお互い少しだけ大人で、子供みたいなあの記憶が俺とドラコの一番いい思い出だからこれでいいのだ。

 

「拓海も私に似てきたね」

 

「そうか?似せたつもりはなかったんだが」

 

「似てるよ。だって前の拓海なら『そんな事あり得ない』とか言ってそうだから」

 

「……つまり」

 

「情熱的、だね!!」

 

ーーー

 

結局俺たちは子供達の望み通り川へ向かった。川とは当然神社裏のあの思い出の川だ。大学時代にはこの忘れかけていた川にまさか俺が妻と子を連れて来るとは思いもしなかっただろう。

 

「わー!ミツキよーまてーお姉ちゃんが追いかけてるのに」ザバザバ

 

「まてまてまてまてなぜりくじょうでぜんりょくとうそうするおれにおよいでおいつける」

 

そして自分の娘が教えてもいないクロールで川の流れに逆らい高速で泳ぐなんてことも考えなかっただろう。ドラコに教えたのかと聞いたところ彼女も驚いていた。まさか自力で……いやテレビで見かけて覚えたのかもしれない。

 

「もしかしたら竜の本能?かもね!!」

 

「結局母さんが教えたんじゃないか」

 

「デフォルトの仕様だからセーフセーフ!!」

 

仕様っていうな。

 

「所でお父さん、あの子供たちを見て私も体が疼いてきちゃった」

 

「………あ、泳いでくるのか」

 

「その思考時間には何も言わないでおくよ!!それじゃあ着替えてくる」

 

そうして彼女はしばらくした後黒い水着に着替えた。彼女が自力で生成したものではなく、市販品の。もう竜の力は使いたくても使えないらしい。

 

「お父さんも一緒にどう?」

 

「え?あ、俺は……」

 

「どうせ、準備はしているんでしょ?」

 

なんだ、バレてるなら最初から誘ってくれれば良かったのに。俺も脱ぐもの脱いで安い海パン姿になって川へ入る。

 

水温は結構低い。ここ最近暑い日が続いていたから余計に水が冷たく感じる。遠い昔、小学生の頃もこんな感じだった気がする。

 

逆に水深は前来たときよりも遥かに浅くなっていた。それこそまだ小さい子供たちが安全に遊べる位には水底が上がっており俺の腰の高さ以下である。まるで川の方が俺達の方に合わせているように都合がいい。

 

「それじゃ、何するか?」

 

「まずは準備運動!私ももう若くないしいきなり泳いだら足がつっちゃうかもしれないからね」

 

「そうだな。そうしたら俺が助けるから」

 

「おー!男らしい事言うね!期待してるよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

「なああねき」

 

「どうしたみつきよ!おねえちゃんになにをきく!」

 

彼ら、ミツキとタツミは子供二人で川の上流に登っていた。川辺の岩を伝い、草むらをかき分けてどんどん遠くへ向かう。

 

「こんなうえのほうまできちゃってへいきなのか?おとうさんはなんかよわそうだからいいとしてかあさんにはつたえないとおこられそうだよ?」

 

「だいじょうぶ!そうなったらおねえちゃんがなんとかするからあんしんして!」

 

「あんしんできねえからそういってんだ」

 

彼の言う通り彼らは親に伝えずここまで来ている。ミツキは自分達が後で文句を言われないか警戒している、しかしタツミはその状況をあえて楽しんでいる。彼女なりの挑戦というか冒険的な楽しさを求めたが故の行動だ。

 

なお、親もとい拓海とドラコはこれを知らながら好き勝手させている。子供の彼らからしたら長距離でも実際の距離はそこまでではない。それに隠れているつもりでも意外と見えている。

 

「なあ、母さん。二人はあんな所で何をしてるんだ?」

 

「さあ?でも今だけは見えない振りしない?」

 

「……だな、楽しそうだし」

 

 

 

子供達に視点を戻す。彼らはどんどん川の上流に向かう。川の流れは少しずつ早く急になっていく。無鉄砲なタツミも流石に危険を感じて岩の端ギリギリの所や水の近くを歩くのを躊躇して陸の方を選ぶ。

 

「なあ、あねき。こわいのか?」

 

「な、なんのこと?わたしがなにをこわがるのかな!?」

 

「じゃあなぜかわからはなれる?」

 

「なんとなく!」

 

「ああそう……で、ほんとうは?」

 

「……こわいなっておもって」

 

「やっぱり。やーいよわむし」

 

「よわむしじゃないもん!!めっちゃつよいよわたし!!」

 

楽しそうな喧嘩をしながら上へ上ヘと進む。

 

「……ん?あねき、あそこだれかいね?」

 

ミツキが遠くの木陰で誰かが座っているのを見つける。黒髪の大人の女性が本を読んでいるようだ。

 

「ほんをよんでるね。すみませーんおねーさん!!」

 

「え……なにしてるのあねき!?」

 

「だってなによんでるかきになるじゃん!」

 

「……君たちは?僕は誰かを連れてきた覚えは無いのだけれど」

 

「はい!タツミです!!」

 

「あぁ……うん。あねがすみません。ミツキです」

 

「辰巳ちゃんと充希……いや、海月君か」

 

「そのほんはなんのほんなの?」

 

女性は本を読む手を止める。そして暫く何かを考えた後本を閉じてから答えた。

 

「……外国の本だよ。読んでも分からないと思うけど」

 

たしかに、そうミツキは思う。その本のタイトルは英語、というのだろうか。そんなので書かれて読めるわけが無かった。

 

「そうだな。さっぱりわからない」

 

「おねえさんはなにをするつもりなの?」

 

「………あねき!?」

 

タツミは酷く青ざめた顔になっていた。勿論彼女にもその本に記載されている内容はさっぱりだった。しかし何故だかその本から不気味さや己の無意味さ、或いは深さや広さを想起する。とにかく彼女にはそれが無性に恐ろしい物だと感じられた。

 

「……今度の時のための仕込みの仕込みの準備だよ」

 

「あ、ありがとうございます。では……」

 

「そのほん、なにが、かかれてる?」

 

普段の彼女がここまで萎縮するのは珍しい。ついさっきまでミツキは彼女についてこれっぽっちも興味がなかったが俄然興味が湧いてきた。

 

「うーん、簡単に言えば『竜』についてかな。君たちは竜を信じるかい?」

 

「ばかにしてんのか?いるわけない」

 

「そっか。じゃあ海月君はお父さんかお母さんに聞いてみて。多分いるって答えてくれるから。辰巳ちゃんはどう?」

 

「みつき!かえるよ!!」

 

彼女は女性の質問には答えずミツキの手を引いて来た道を戻ろうとする。当然話を急に中断しようとする彼女に彼は驚くが引きずられながら無理矢理連れて行かれてすぐに抵抗を止めた。

 

「あねき、ちからつよい!いたいから!」

 

「…………」

 

「こっちのはなしきけくそあねき!!きけこのやろう!」

 

「(帰ってからお母さん……いや水竜【水槍】と話さないと。あの人は、あの化け物は何かおかしい)」

 

ーーー

 

「(彼がミツキ君……いい息子と娘を持ったね)」

 

僕は本を持ち立ち上がる。ここでする用事は済んだ。帰ってまた調べ事の続きをしようかな。

 

「……そういえばこの辺りに引っ越したんだっけ」

 

久々に顔を出そうかな、なんて事を思うけれどそんなことしたら彼……いや彼女らに何をされるか分からない。第一彼とは前に二度と会わないって決めたじゃないか。

 

「……やっぱり帰ろ。森も涼しいけどやっぱりエアコンの効いた部屋の方が僕はいいからね……あ、そうだ」

 

「To Be Continued on Next Story」

 

英語が苦手なのに無茶するね。それじゃ、また僕と会おう。

 

物語は竜から聖女へと移ろう




ちょっとだけ続けました。


あと新作投稿します。多分すぐに投稿すると思うので首を長くしてお待ち下さい。

最後の方を反転すると……?

どのキャラが好きですか?

  • ドラコ
  • 拓海
  • ナツメ
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