才能(つよつよ因子)あるウマ娘をひたすらループして最強目指すけど、結局挫折してトレーナー辞めてしまう小説誰か書いて(他力本願)
※アンケートですが今書いている2話(3部構成)が終わるまでは継続いたします。
ソフィアの訃報に対してグレアムの動きは迅速とは言えなかった。
理由は、闇の書の転生先が特定できたからである。
場所は第97管理外世界の惑星「地球」。
そこにカタリーナと同じく両親を失った少女を次の担い手として闇の書が転生して居る事を突き止めた彼は、独自に調査を行なっていたが為に、ソフィアの訃報に対して初動が遅れてしまった。
本来であれば、彼女が病院に搬送された時点で赴くべきだった。それを目の前の急務(彼からすれば私事)に追われ、肝心な時に自分を慕う少女の傍にいてやれなかったことは、グレアムを酷く焦らせた。
使い魔達に現状を任せて、急ぎ彼女の元へ向かう。
自分を迎えたカタリーナは、変わり果てていた。
かつての無邪気さも明るい笑顔も無く、どこかよそよそしさも覚える態度。グレアムは彼女に見限られたと感じた。
キッチンで彼女が自分の為に慣れない手つきでお茶を淹れながら啜り泣いて居る事もわかったが、グレアムには奥歯を静かに噛むことしかできなかった。
復讐に近い形で闇の書を探し、その手がかりに飛びついてる間に全てが終わっていた自分に、何ができるというのか。そんな葛藤が、グレアムを雁字搦めに縛った。
しかし、守る義務はある。アダムに託されたのだ。「妻と子供を頼みます。」と、彼の妻を守ることはできなかった。だからせめて娘の未来だけは守らなければならない。
『私達と一緒に住まないか?』
時間をかけてはいられない。このまま彼女を独りにさせるわけにはいかなかった。カータがもし自分を見限っているのなら、拒絶するだろう。それも構わない、手段を変えるだけだ。
彼女からの回答は、無かった。想定内だ、しかしこの上ない悲しみがグレアムの胸中を満たす。
そんな感情を誤魔化す様にして、立ち上がったときだった。
『もう、帰っちゃうん、ですか…?』
青い瞳が縋る様に彼を見つめた。
彼は自らの愚かさを呪った。
あの時もそうだ、カータを傷つけるかもしれない。だからソフィアの再婚について積極的に動かなかった。
違う。
あの時、強引にも父親となりうる人物を当てるよう尽力すれば、こんなことにはならなかった。
今もそうだ、彼女がよそよそしく、明確な拒絶が怖いから目を逸らした。…もう間違わない。
『あの…その、ごめんなさい。おじさんは…忙しい、もんね。また、連絡します。』
慌てて目を逸らすカータ、悔しい、あの少女から華の様な笑顔を奪ったのは自分だ。ならばその罪滅ぼしはしなければならない。
『今日は私の家で過ごさないか?』
嫌だと言っても、強引に連れて行く。グレアムは覚悟を決めた。
その覚悟も杞憂に終わり、カータは静かに頷いた。心無しかその顔は安心して居るように、グレアムには見えた。
(アリアとロッテに謝らねばならんな。)
あの使い魔姉妹のことだ彼女をきっと受け入れてくれるだろう。
ーーーーーー
またワガママをしてしまった。
おじさんは、私の言葉を受け止めて、家まで連れていってくれた。
あの時の約束……あんなに楽しみだったのに、今はすごく足が重い。
お母さんに甘えて、今度はおじさんにまで甘えてしまった。
手を離して、帰りたいと言えばきっとおじさんはそうしてくれる。
でも…握られた手は凄く温かくて、離したくなかった。
独りは…嫌だ。でも、私のワガママで大事な人が居なくなるのはもっと嫌だ。
「どうかしたかい?」
ぐるぐる、ぐるぐると、余計な事を考えてる間に、おじさんが心配そうに見つめてきた。慌てて首をふる、これ以上心配をかけたくない。
「ううん、なんでも、ないの。」
「そうか…。……ロッテがね、君に会いたがってたよ。」
「ロッテおねえちゃんは、元気…?」
リーゼロッテ、おじさんが呼び出した双子の使い魔。
二人ともとても優しくて、可愛がってくれる。私も二人が大好き。
ここ最近は、お仕事が忙しいってお母さんが言っていた。
「元気でやっているよ。今日も君を連れて帰るといったら、早退するなんて言い出した物だから。叱りつけたところさ。」
ハンドルを回しながら、冗談めかして笑う。ちょっとだけ、驚いた。
いつも私が喋り倒していたから、おじさんがこんな風に話してくれた事はなかった。無理を、させてないかな?
「……嬉しい。」
言葉を発する度に口が乾く、以前はこんな事なかった。
お喋りは楽しかった。どうしてだろう、いまは喋る度に、どこかが凄く、イタイ。
「しゃべりすぎてしまったね。疲れているだろう?着いたら起こしてあげるから、一眠りするといい。」
「ありがとう、おじさん。」
無言の中、何度か瞼を落としたけど…眠れる気配は全然なかった。…仕方ないから窓の外を見詰める。…私はずぅっと気になっていた事を意を決して聞いてみた。
「おじさん……。」
「何かな?」
「お母さんが死んだのって、……私のせい?」
「それは違う。」
即答。まるで私の質問がわかってたみたいに。
ハンドルを握るおじさんに視線を投げる。その顔は、ひどく…悲しそうで、凄く、怒って居る様にも見えた。
「じゃあ、誰のせい…?」
「私たち大人の責任だ。君のせいじゃない。…君は、もっと泣いても良い。」
泣いても良い。優しい言葉、大人の人に一番言って欲しかった、許し。
「ッ…ゥ、ひッ…ゥ…ァァ……。」
悲しい、寂しい、苦しい…怖い。
ぐちゃぐちゃになった想いを涙で押し出していく。
車が止まってハンカチで涙や鼻水を拭われる。
「一人でよく、頑張ったね。」
かけられた言葉は、凄くあったかくて、安心する。我慢していた全部が、溢れる。
「ァ…ぁ…、ゥッ、ひッ…ぐ。うわァァァァ!」
外に響くほどの大きな声で思いっきり泣いた。
ーーーーーー
「落ち着いたかい?」
どれだけ泣いていたのか分からない。泣き止むまで、おじさんはずっと私の手を握ってくれていた。
「うん…おじさん、あのね。」
涙を指先で拭う、色々吐き出したせいか、思ったより容易く言葉は出た。
思い出すのは、おじさんの言葉。
『一緒に住まないか?』
さっきはびっくりして答えられなかったけど、今度こそちゃんと言わなくちゃ。
「私、お母さんが死んだのは、
私がいっぱいワガママを言ったせいだと思ってる。
お手伝いが足りなかったからだと思ってる。
だからね、おじさんにもいっぱい、いっぱいいっぱい、嫌な事をしちゃう。」
そこまで一息ついた。私の言葉の続きを待ってくれている、
「でもね、おじさん達がそれでもいいなら、一緒に住みたい。」
言い終わってから、急に怖くてなった。
やっぱりダメだ、そんな悪い妄想が溢れ出る。怖くて。ギュッと目を瞑る。
「もちろん、君のことは大きくなるまで、ちゃんと見守ってあげるから。おじさんに任せなさい。」
妄想は、現実にならなかった。
優しくいつも通りに頭を撫でられる。大好きなヒトの大きな手、その感触が嬉しくてて止まった筈の涙が溢れる。気付けば助手席から運転席に飛び出して、抱き着いていた。あったかい。はなしたくない。少しだけ、少しだけ遅れて…おじさんが私を抱き返してくれる。
もう随分と誰かに抱き締めもらってないような気がする。
それが嬉しくて、安心して、私はゆっくりと感じた眠気に身を委ねた。
私がギル・グレアムをお父様と呼ぶ始まり。
でも私は、お父様が私を守ってくれる理由を知らなかった。
お母さんがくれるのと同じ無償の愛は…赤の他人からは決して得られないのだと、知らなかった。
1話終了。
過去編は大体10話くらいを想定しています。
その後は無印=>A′s=>BoA=>GoDと綴る予定です。
StSは未定です…先ずはGoDまで完走して供養をする事を目指します。