何度か書き直してようやく納得いく形になりました。
カータちゃんの若気の至り回です。
独自解釈マシマシの士官学校ですが、どうかご容赦を。
某所での考察を参考にしました。
参考サイト、載せてもいいのだろうか…?
時空管理局の抱える候補生育成機関の教育過程は、大きく分けて三段階に分かれる。
1年目…総合教育。
普通の学校のような語学や数学、歴史などの一般教養などをここで培う。
2年目…専門教育。
主に局員として必要なルールや、戦術などの学ぶ、ここで武装局員か一般局員かの振り分けが行われる。
3年目…修士教育。
各々の適正に合わせた訓練、教育を行う。
一般局員であるなら簿記などデスクワークには必要な専門知識を
武装局員なら陸士・空士に分かれ、より専門的な戦術や訓練を学ぶ。
3年の教育で振り落とされない人たちは晴れて管理局に入局する。
私は候補生一年として入学した。
どうしてかわからないけれど、私は春先に入学することはなく、暫く自宅にてお姉様からの特訓の傍ら、学校から出される課題を片付ける日々が続いた。
理由は、よくわかっていない。
お姉様に聞いてもはぐらかされてしまうから、私が聞いても仕方の無いことなのだろう。『大人の事情』という奴だと思うことにしている。
編入の時も念のため編入試験を行った。
試験内容は直近の定期試験を基に構成されており、私は難なくその試験を通過。
晴れて士官候補生の仲間入りとなった。
……まではよかった。
大人達の間では私の編入は特例や例外はあった物の、キチンと筋の通した物であったけれど、学生達の間ではそうはいかない。
突然候補生として入って来た余所者。
学内で私の悪い噂は一瞬で広まった。
編入条件をお父様が無視して、私をここにねじ込んだ。そう信じられているらしい。
我慢ならない、
声を荒げて抗議するのも一つの手かもしれない。
でもそんなことより一番手っ取り早い方法がある。
力を見せることだ。
私と
もう私に他の候補生に歩み寄るという選択肢は残ってなかった。
お父様を侮辱したのだ、そんな人たちと一緒にはいられない。
ここはあくまで、私が次のステージに進むための通過点だ。
思い出なんていらない。
私に必要なのは栄光。「グレアムの子供は優秀」と世間に理解させる。
学内で私の目につく所での陰口は直ぐに消えた。
だけど顔の見えない誰かさんは私の事が気に入らないようで
机に落書きだの、上履きがなくなるだの、参考書を傷物にするだの、嫌がらせが横行していた。
いやになる。
嫌がらせを受けている事実がじゃない。
|これが卒業後には人々を守る職務に就く人間のすること《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》にため息が出る。
でもそんな小さな事に気を揉んでいる場合じゃない。
私はこの2年と半年程の間に執務官の資格を取らなければならない。
あのクロノが不合格をもらっている。
生半可な試験内容でないのはいうまでもない。
それに、受験料だってタダじゃない。
高度試験に該当する執務官試験は、結構な金額で、受験すれば私のお小遣い数年分が吹き飛んでしまう。
※日本円にして数百円
だから、何度も受けることはできない。
最悪一度目の試験だって、お父様に少し工面してもらわなければ足りないから。
私が目指すのは士官候補生3年目の春…ここを目指す。
年2回実施されるから、秋に受かれば良いのだけれど
3年目にそんな暇はないと、お父様やお姉様から聞いている。
だから、最終ラインは春。ここで一発合格を目指す。
一年目の自由な時間が多いから、この半年が一番大事だ。
ここで必要な知識を吸収して、2年目に仕上げに入り、
3年目の春受験を目指す。
だいぶ無理な計画なのは自覚している。
クロノはこれくらいを目指している。
アイツに並び立つのを目指すのならこれくらいやり遂げなきゃならない。
そんなわけだから、一学生のくだらない自尊心に付き合って居られる程私は暇ではない。
流石に参考書を傷物にされた時は、
少し痛い目を見てもらったから、今後彼が私に関わることもないだろう。
ただ、少し我を忘れて暴れすぎてしまい、
お父様は学校に謝罪することになってしまった。
「ゲイトから報告を受けたよ。
君の力は悪用してはならない。…そう教えたはずだが。」
「申し訳、ありません。」
お父様にご迷惑をかけない為に自力で解決するつもりが、
結局お手を煩わせてしまった。
「謝罪が欲しいわけじゃない、
カータは無闇に力を振るう様な子じゃないのは、
私たちがよく知っている。何がキミをそうさせたのか、聞きたい。」
「お父様を…侮辱されました、どうしても、許せなくて。」
頭に血が上った。今では
軽率な行為だったと思っている。
「……そうか、父として、
そんな風に言ってもらえるのは嬉しい。
たがね、そういう解決法はよくない、
もっと私を頼ったくれていいんだよ。」
「はい、申し訳、ありません。」
お父様が優しく私を抱きしめる。
…この様子だと私の事情を学校から教えられてるらしい。
確かに、彼からの嫌がらせお父様に報告すれば、
もっと穏便に済ませられたはずだ。
こうやってお父様に抱き締められるたびに思い知る。
自分はちっぽけだ。少し魔法が得意なだけの弱っちい存在。
お父様達が守ってくれないと、暮らすこともままならない。
だから早く…強くならなくちゃ。
強くなって、一人前になって、お父様達の…力になるんだ。
ーーーーーーー
その少年は才能人であった。
幼い頃の診断にて魔力適正有と診断。
魔力量はA、エリートとまでは言わないにしても
万年魔導師不足の界隈から言わせれば貴重な人材だ。
類稀な才能を発揮して、魔法実践では常にトップクラスの成績を誇り、
元来、努力家の彼は、当然座学の成績も優秀。
才能人で努力家。
将来有望と周りが持て囃され続けた
少年の精神は果たして健全であっただろうか。
自らを強者と信じ、
外面では友情を育みながらも心のどこかでは見下す。
そんな歪んだ精神。
彼女が現れたのは、彼が士官候補生になって数ヶ月になったころ。
親の七光りで士官学校に足を踏み入れた愚か者。
最初はその程度の認識でいた。
どの道優秀な自分と交わることはない、
そんな底辺を気にするだけ無駄だ。
…しかし、コネクションを持つのは良いかもしれない。
士官学校の上層部に融通が効く後ろ盾がいるのだ。
仲良くして損はないだろう。
それに、彼女は凄く美人、
自分は顔立ちもそこそこだし、何より優秀。
学内でも孤立している彼女、
大して、友人も多く才気をある自分、
こちらから少し言い寄れば彼女の方から靡くに違いない。
挫折を知らない少年は麗しい少女が自身に媚をうる姿を夢想する。
「こんにちはカタリーナさん。
放課後勉強会を開くんだ、良かったら君もどうかな?」
「要らない、授業の範囲内程度は、一人でできるから。
……それだけ?ごめんね、忙しいからこれで。」
玉砕、人生で初めてと言っていい挫折。
なんだアイツは?
何様だアイツは?
自分がわざわざ声を掛けてやったというのに、それを無碍にした。
許せない、許してはならない。絶対後悔させてやる。
自分を特別だと思い込んでいるあの女に力の差を見せつけてやる。
生意気にも自分に楯突いた女が膝を屈する。
そんな灰色の優越感に今度は想いを馳せる。
そんな日は訪れなかった。
理解不能の存在。
実践も座学も彼女に遠く及ばない。
特別だと思っていた自分が
路傍の石ころとなんら変わらなかったのだと思い知る。
そして彼女は、明らかに他の候補生を見下していた。
他の連中が気づいているかは知らない。
だが、自分には分かるのだ。今まで自分がそうしてきたから。
だからこそ許せない、自分以外の物が自分と同じ振る舞いをし
あまつさえこの自分が、見下されるなどあってはならない。
彼は躍起になって少女を凌辱しようと試みた。
凡ゆる手を尽くして彼女の澄ました顔に泥を塗ろうとした。
机に落書きをした。
一瞬の驚愕、しかしため息一つこぼしただけで彼女はそのまま席に着いた。
上履きを隠した。
情けなく素足で教室に入るのを期待したが、来客用のスリッパで彼女は何食わぬ顔で教室に来た。
ならばと、彼は彼女の居ない隙に取り巻きを使って彼女の私物を奪う。
出てきたのはそれなりの値段がする参考書。
資格勉強の教本だとは思うが、どの程度の難易度かはわからない。
とにかくこれを傷物にすれば、彼女の邪魔になるだろう。
カッターでズタズタに引き裂き、机に放置する。
戻った彼女が参考書を見つめ、明らかな動揺を示す。
ザマアミロ。
やっと見れた生意気な女のアノ顔。
歯軋りをして屈辱を必死に飲み下す悔しそうな顔に溜飲が落ちるようだ。
成る程、彼女はそういう邪魔立てに弱いのか。
ならばこれからはそこを中心に辱めてやる。
覚悟しろ、自分に刃向かったことを後悔させてやる。
そんなことをヘラヘラと考えている中、少女の青い瞳が自分を射抜く
ぞくっ
感情の落ちた色に背筋か粟立つ。
整った顔立ちは能面のように無表情、静かに彼に歩み寄って傷物にされた参考書を乱暴に、普段の彼女から想像もつかない所作で叩きつけた。
「弁償しなさい。」
一言だけ告げられた。
言い訳も弁解も謝罪も許さない。
言外にそんな事を言われた気がする。
「おいおい、証拠もなしに他人様を疑うのか?
流石は裏口編入を企てるような方の御子息だ。」
あの少女に優位に立っている、
そんな高揚感が少年に超えてはならない一線を踏ませてしまう。
「あが…!?」
気付けば少女の小さな指先が自身の顔を鷲掴んでいた。
凄まじい握力、一体この細指にどこにそんな力が…?
そんな無駄な考察もそこそこに少女が口を開く。
『黙って弁償するなら見逃してあげようと思ったのに。
今までやったこと全部、クラスのみんなに聞いてもらおっか?』
何を馬鹿な不可能だ。
監視カメラの映像を洗う権利なんて彼女にはない。
…彼女の親にその権利はあるかもしれないが。
まさか、ここに来て親の力を使うつもりか?
それは不味い、少なくとも彼女の親はこの学校を言いなりにする程度の力はある。
ここに来て彼はようやくことの重大性を理解した。
…ただし、間違った方向で。
「わ、わかった。べ、べ、弁償しよう。
それでいいだろう?
君にも今後は関わらない。
や、約束しよう。」
「当然、でも貴女は
だからもう許さない。」
彼女を、中心に魔法陣が展開される。
不味い不味い!
何をする気か知らないがこの魔法を発動させるのは不味い!
「ま、待て待て!校内で魔法の使用は禁止だぞ!?」
「人の机に落書きしたり、
上履きを隠したり、
参考書を破っておいて、今更なにいってんの?
名前は「メモリーコピー」でいいかな。」
まるで、今思いついたかのような発言。
…実際には今この場で魔法を一から組み上げている離れ業なのだが、
彼に知る由はない。
展開された魔法陣は消え、ようやく少女の指先が彼の顔を解放する。
慌てて自分の体を撫で回す。異常は、無さそうだ。
なら、今の魔法は一体なんだったのか?
アイツ、私たちのことそんな風に見てたんだ……
クラスの誰かがそんな事を口走る。
なんのことか?声の主を探そうとするが、
クラスメイトが自分を見つめている。その色は失望と嫌悪だった。
あの女が何かをしたに違いない。
彼はそう確信して詰めよって胸ぐらをつかんだ。
「お、おい!みんなに何をした!」
「言ったでしょ?
って、話聞いてなかったの?」
「ま……まさか…!?」
「理解おっそ。
随分クラスのみんなのこと馬鹿にしてたみたいだね?
あ、この参考書、明日までに新しいの持ってきてね?
持ってこなかったら、他にも色々暴露してもらうから。」
絶望に暮れる少年に対して、
少女は柔らかな笑みを浮かべ追い討ちをかける。
彼女のやったことは記憶の共有。
彼が今までクラスメイトに向けてきた
憐憫と見下しの心を全てクラスメイトに共有させた。
もう以前のような優等生ではいられない。
彼女の噂が学内に一瞬で広まったように、
彼の悪評も一瞬で学内を満たすだろう。
一週間と経たずに彼は士官学校から去っていった。
その顔にかつての自信に満ち溢れた顔は見る影もない。
学校から彼が去ってから、クラスメイト達は…いや、
全生徒は少女に対して共通見解を持つ。
コレを怒らせてはいけない。
そして何より、少女は彼らを見ようとしていない。
当然だ、彼女は言った
『お父様を侮辱した。』
つまり、彼女の父を裏口編入させる狡猾な男と侮蔑した時点で、
彼らもまた少女に対して憎悪の対象なのだ。
触ってはならない存在、生徒達は彼女を畏怖の念を込めてこう呼んだ、
氷銀の魔女と。
クロノ「氷銀の魔女w」
カータ「やめろォ!」
渾名のネーミングはダセェwwwwって
言われるような名前にしたくてこうなりましたw
ダセェwwwwって思ってくれたのなら筆者の勝ちです。勝ちなのです。
ちな、由来は銀色の髪した氷のように冷たい女〜みたいな、多分そんな感じ。魔女は多分魔法使うからだと思います。
きっとスバル達が入学する頃には
尾ひれがつきまくった
めさめさ怖い人扱いされるんやろなぁ。
カータちゃんは思わぬ傷口を
新人ちゃんに抉られて致命傷を負うんやろなぁ…
そこまで書くかは知らんけど。
念の為補足
入学が送れた理由は
アリアとクロノが「カータを魔導師として仕上げる為」です。
スキル暴発しねえな!って確信するまで
通信教育的にさせるつもりでした。
グレアムさんえらい人だからね!
それくらいできるよね!?ね!?