人魚と天狗と人狼と猫又と耳長とえーとドワーフ? 作:仲間はずれのドワーフ
【条件が満たされました】
【アイテムボックスが開放されました】
【ショップが開放されました】
【ステータスが開放されました】
【アバターが開放されました】
【言語情報がインストールされました】
【転生セットが配布されます】
崖に隠れるようにたった小さな掘っ立て小屋の前で、魚を焼いて食べていると、そんな声が聞こえた。
まじかよ。
「どうしたの、兄様?」
「にーさま?」
「おい、ミオ……」
「ああ、オオタカ」
弟のウロと妹のカナが首をかしげるが、さっさと食べるように促す。
気がつけば俺は、かつてプレイしていたゲームの世界でツインテールマーメイドとして転生していた。
ツインテールマーメイドとは、両足がそれぞれ魚の足になったようなもので、顔は耳のあたりに美しいヒレがあり、髪は青系統が多く、肌も青め。
人間に変わることも出来る……というか、人族以外の種族が使える魔法があり、それが人間になる魔法である。
他には、他の種族を一時的に同じ種族にするのは全種族使える。
確か、ゲーム設定では、亜人狩りを憂えた神の対策、ということだったはずだ。
ゲームのどの時期かはわからない。テリトリーの関係で、中々気軽に足を伸ばせないので。でも、そろそろ俺もオオタカも15になる。だいぶ力もついたし、蓄えも溜まってきた。そろそろ動いても良いかもしれない。
変わり者として遠巻きに見られ、父に邪険にされ、母に気味悪がられて生きてきた。
5歳から群れからはぐれて暮らすようになり、同じような境遇の翼人のオオタカとひっそりと暮らしていて、たまに弟のウロと妹のカナを迎えていたのだが。
早速アイテムボックスやショップ、転生セットを調べ、オオタカは笑った。
「運が向いてきたぜ」
指差した先には、地球へのゲート装置があった。
俺達は、早速掘っ立て小屋の中にゲートを設置した。
繋げた先は、人気のない岩場の影。
「ウロ。カナ。お前達は帰れ。俺達はこれから忙しい」
「いやー!!!」
「僕も行く!!!」
言うことを聞く気配がなかったので、仕方なく連れて行くことにする。
人間に変身して、もしもの時のために用意しておいた真珠を握り、ウロとミオの手を握って移動した。
「懐かしの日本だ……!」
「ああ、凄いな、ミオ……!」
感動する。
「けほっ けほっ ねーここ、汚い」
「そう思うよ。でも、俺達の故郷はここなんだ」
そうして、俺達は自由へと猛ダッシュした。
具体的には、身元不明でも雇って貰える場所を探し、海岸にこっそり家を作り、オオタカとともに住み着いたのだった。