人魚と天狗と人狼と猫又と耳長とえーとドワーフ? 作:仲間はずれのドワーフ
「こんな所にこんな場所が……」
「妙な形の珊瑚と木ですね。めっちゃ侵食されてるじゃないですか」
「ああ、海が綺麗になってる!」
おお、お客さんが来たぞ。ちなみに水が綺麗になっているのは人魚の魔法である。
空気がきれいになる翼人の魔法も使っている。エルフがいれば更に完璧なんだが。
「よく来たな」
「オオタカ! 悪いな。バレちまった」
佐藤が謝り、ティアが寄り添うのを抱きとめる。
「いつまでも隠し通せるとは思っていない。要求を聞こうか」
オオタカの質問に、早速佐藤は紹介した。
「こちら、外交官の田上 絆さんと、俺の上司の大野 晴貴大佐と海上自衛官の海野 美雨大佐。こちら、祈祷師で変わり者でハグレの天狗のオオタカさん。こっちは同じく人魚のミオさん」
『宜しくおねがいします、オオタカさん。ミオさん』
「どうも、航空自衛官の大野です」
「海野です」
「これはご丁寧に」
「今回は調査に来ました。お互いに良い関係を築きたいと思っています」
「そう願うよ」
「航空自衛隊としては、翼人になる薬を売っていただきたい。行く行くは、翼人化の祈祷を行って欲しい。もちろん、ハーフの子供は作らないようにする」
薬ねぇ。それはまあ、作れるけど。祈祷も出来るけれど。
ただ、媒体集めなど、色々しなければならない事がある。その価値があるのか。覚悟はあるのか。
「種族を永遠に変える魔法は一度しか使えない。覚悟はあるのか?」
「もちろん、志願者のみとする」
「海上自衛隊は、人魚になる薬を売っていただきたい。同じく、行く行くは人魚の祈祷を望んでいる。子供を作る際は配偶者も人魚になってもらい、もちろん志願者のみとする」
「俺はオオタカみたいに報酬をビー玉で済ませたりしないぞ」
「俺もしないから! ビー玉はもらうけど!」
もらうのかよ。
「何を望む?」
「人魚保護と湾の開放を。後は謝礼金」
「俺も森を開放してほしいなあ。天狗保護と自然公園の開放がいいや。後は謝礼金と極上のビー玉!」
「それは私の領分ですね。ひとまず持ち帰らせていただきます。魔界は人間が言っても大丈夫なのものですか? 是非一度お伺いしたい。それと、天狗の長と人魚の長にお会いしたいのですが」
「それは無理。同族の群れの長に謁見するならともかく、人間に会うことはない。魔界に連れて行ってもいいけど、チラ見せだけで案内はできない。他の集落に不用意に近づくのは危険だから」
「なるほど。国はないと?」
「それすらわからないんだってば」
「とりあえず、連れていけるところまで連れて行って下さい」
ということで、掘っ立て小屋に連れて行った。
広い海と青い空。崖に隠れるような小さな掘っ立て小屋。
ウムウムと頷いて、人間達は帰っていった。
それから、取り急ぎということでトランクいっぱいの輝かんばかりのビー玉が届いた。
オオタカの目がハートマークになっていた。こ、怖ぁ。種族特性は俺も気をつけよう……。