一般バンドリーマーだったはずの俺がある朝目覚めたら最推しになっていた話 作:小説家やっさん
最新話やっと書き終わりましたので投稿します。
今回は最終回前編となります。
「ちょっと待って...それどういうこと」
俺のカミングアウトにまず1番に開口したのは予想通り蘭ちゃんだった。
「さっきも言ったように俺はモカちゃんの姿を借りているだけで本当のモカちゃんじゃないんだ。」
動揺を隠せない皆に出来る限りショックを与えないように俺がモカちゃんになり、この数ヶ月過ごしていた理由を全て話した。
「じゃあ...こころちゃんのプライベートビーチの時も勉強会の時も全部あんただったの....!」
「今まで黙っていたことは本当に申し訳ないと思ってる。だけど、俺自身もこんな大事とは思ってなかったんだ。」
「ふざけないでよ!モカがあんたの中に居るってなら早く出ていって!モカを返して!」
あまりのことに動揺を隠せないのか、蘭ちゃんは今までに見たことのない怒りに狂った姿を見せていた。
その時だった。
「も~蘭ってば、そんなにモカちゃんのことが好きだったなんて照れるな~」
そう。俺を含めた5人の前に半透明のモカちゃんが現れたのである。まるでジョ○ョ のス○○ドのように。
ちょっと待て作者、ここで前回全くなかったコメディ要素入れてくるか普通!?今、前回以上にドシリアスな場面だったのに!?せめて意識が入れ替わるとかあるでしょうよ!?
「本当にモカなの....?嘘じゃないよね...?」
え!?蘭ちゃんなんも疑問も持たずに話進めるの!?俺ですらこの状況に戸惑っているのに!?
「蘭ってば漣くんのこと怒っちゃってさ~漣くんはモカちゃんの命の恩人なんだよ~?」
「そ、それは感謝してるけど...」
「だからさ、蘭、漣くんのこと信じてあげてね?」
「うん...わかった...」
モカちゃんの言葉にさすがの蘭ちゃんも納得している様子だった。
「ふぁ~眠たくなってきたーじゃあ漣くん、まだ話すことがあるようだからよろしくね~」
と半透明のモカちゃんは何処かへ消えていってしまった。
いきなり現れていきなり消えるとはさっきのモカちゃん嵐みたいだったな....
「モカが信じてくれって言ったからね....あんたのこと信じるよ」
「ありがとう蘭ちゃん」
「でも、今まで黙っていたのを今になって話すって事は何かしらの理由があるってことでしょ?話してくれる?」
蘭ちゃんの真っ当な疑問に他の皆も同じように不思議がっている様子だった。そろそろ本題のほうも話しておくか。
「蘭ちゃんの言う通りこの事を話すのは訳があるんだ。」
「訳?」
「あぁ、さっき話したようにモカちゃんの意識が戻ったことで俺はもうすぐ元の世界に戻らなきゃいけないんだ」
「そんなぁ!?どうして!」
「詳しくは話せないけど俺をこの世界に呼んだ人によると1つの身体の中に2つの意識、つまり2人分の魂が共存することは不可能に近いことらしいんだ。だからどちらかが身体から離れないといけないんだ。」
「でも、それって今までのあんたとモカの関係と矛盾していない?」
「そう。そのルールに則ると俺とモカちゃんの関係は矛盾しているんだ。でも何も起きなかったのは俺とモカちゃんの関係がそのルールにとってイレギュラーな存在だったんだ。」
「....!それってもしかして!」
つぐと蘭ちゃんが俺の話を聞いて何か閃いたような顔を見せる。
「モカちゃんは今まで眠っていた...つまり意識がなかった扱いになるから漣くんが中に入っていても何も問題がなかったって事だね?」
「その通り。だから少しずつモカちゃんが意識を取り戻しつつある今、俺はモカちゃんから離れなきゃいけない訳なんだ。」
「理由はよく解った。で?肝心のあんたがモカ出てく日は何時なの?」
「9月3日...モカちゃんの誕生日だ」
「そんな...モカちゃんの誕生日に...!?」
「それで皆にお願いがあるんだ。3日はあくまで普通にモカちゃんの誕生日を祝っているように振る舞っていて欲しい。理由は後で追って話す。」
こうして皆に全てを話して皆に整理する時間を作るために今日は解散となった。
皆に真実を告げてから数日後、ついに俺がモカちゃんと別れる日でもあり、年に1度のモカちゃんの誕生日がやってきた。
誕生日会場である羽沢珈琲店に着くと皆揃っており、俺が入店すると同時にクラッカーが鳴る。
「モカ(ちゃん)HAPPYBIRTHDAY!」
「えへへ~皆ありがと~」
「はい、モカこれ、あたしからの誕生日プレゼント。」
蘭ちゃんからラッピングされた長方形の箱を貰う。ラッピングを剥がし、箱を開けてみると中身は様々なパンの形をしたヘアピンなどのアクセサリー類が入っていた。
「モカ、パン好きでしょ?だから身につける物もパンの形をしていたら喜ぶかなって思って」
「蘭ってばモカちゃんのことをよくわかっておりますな~えへへ~似合ってる~?」
「うん!モカちゃんすっごく似合ってるよ!」
その後、他の皆からのプレゼントを貰ったり、ゲームで遊んだりと誕生日会は滞りなく進んだ。
そして、その時がやってきた。突如、俺の周りを光が包み始め、それと同時に身体の感覚が少しずつ抜け始めているのを俺は感じていた。
「モカ....いや、漣、その光もしかして.....」
「どうやら時間が来たみたいらしい。....今までありがとうな皆」
「それはこっちのセリフだよ漣。モカが目覚めるまでモカでいてくれてありがとう。」
「蘭ちゃんに言われるとなんか照れるな」
蘭ちゃんと会話をしている中で意識も途切れそうなを俺は感じ始め、そろそろお別れであるのを俺は悟った。
「悪い、意識が途切れそうな感じがする...そろそろお別れだな....蘭ちゃん、皆、今まで本当にありがとう!」
皆にお礼を告げた瞬間、俺の意識はそこで途切れた。
こうして俺は数ヵ月に及ぶモカちゃんとしての生活を終えたのだった。
「モカ神様、長かったこの話も次回で最終回ですね。なんか感想とかあります?」
「んー出番少なかったなーくらいしかないかなー」
「それは作者に言ってくださいよ」
「そうだね~次回作では出番貰えるように直談判してくるよ~」
「てなわけで次回最終回です!」