遊戯王 X-age   作:発寒

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Tips
セントラル
様々な世界が存在するなかの一つ。三つの階級が存在する以外は平和で戦争もない国。人々は娯楽に飢えている。決闘を元にした兵器が主流となっており、リアルソリッドビジョンによる攻撃などが主流である。


始まり

世界というものはいくつもある…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つ一つの世界は異次元を境界として繋がっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここの世界の名はセントラル。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他の世界…異世界を観測している世界だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セントラルには三種類の人間がいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つはノーブル。この世界の秩序を作っていった人々の末裔でこの世界を支配する階層。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二つ目はセミノーブル。ノーブルの下に存在する中産階級の人間たち。言わば一般市民といったところか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三つ目は私たち。私たちの階級。世界の最下層で支配層たちの玩具。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちはベースドと呼ばれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蛍光灯の光る薄暗い地下世界。

 

そこは地獄だった。

 

真っ赤に染まった人々があちらこちらに倒れている。

 

彼らだったものはみんな頭部を無くしていた。無くなった頭部の場所からどくどくと血が流れている。

 

生きている者たちは必死にそこから逃げていた。数は十人ほどか。彼らの首には首輪のようなものがつけられている。

 

彼らの回りを数十ほどの人型の何かが囲んでいた。

 

それはロボットだった。全身銀色のそのロボットたちはじりじりと生き残りの者たちに近づいてくる。

 

突如、生存者の一人の腕についていた機械がピピッと音をたてた。

 

「くそっ!捕まった!」

 

同時にロボットのうちの一体が宣言する。

 

『デュエルを開始』

 

生存者は相手のロボットを睨み付けながらシャッフルされたデッキからカードを5枚引く。

 

次々と生存者たちの腕につけられた機械…デュエルディスクが起動していく。

 

『「デュエル!」』

 

生存者 LP4000

ロボット LP4000

 

「俺の先行だ!ブラッド・ヴォルス召喚!」

 

生存者がモンスターカードをデュエルディスクに叩きつけると巨大な剣をもった凶悪そうな人相をしたモンスターが出現した。

 

ブラッド・ヴォルス   ATK1900

 

「ターンエンド!」

 

『ワタシのターン』

 

生存者のターン終了合図とほぼ同時にロボットがカードをドローする。

 

『ワタシはセキュア・ガードシールドAを召喚』

 

召喚されたモンスターが出現する。白い無機質な盾のような機械が出現する。『A』と大きく青いペイントが施されている。

 

セキュア・ガードシールドA   ATK?

 

『カードを1枚伏せターン終了。セキュア・ガードシールドAはターン終了と同時にセキュア・ガードシールドBをデッキから特殊召喚する』

 

盾が光だし、その光が収まるともうひとつの盾が出現した。『B』と書かれている。

 

『同じくセキュア・ガードシールドBもデッキからセキュア・ガードシールドCを呼び出す効果を持つ。さらにCはDを、さらにDはEを呼び出す効果がある』

 

次々と盾が生まれる。一気にデザインも大きさも同じ盾が五つ揃った。違いといえば各々がアルファベットの『A』『B』『C』『D』『E』と記されていることだろう。

 

『セキュア・ガードシールドAがいる限り相手はこのカード以外のカードを攻撃対象にできず、セキュア・ガードシールドAの攻撃力は『セキュア・ガードシールド』モンスターの数×1000となる』

 

『A』と書かれた盾が巨大になり他の盾とロボットを隠した。

 

セキュア・ガードシールドA  ATK5000

 

「クソッ!攻撃力5000だと!?」

 

『ターンの開始宣言をしてください』

 

「っ…!俺のター『トラップ発動』…何っ!?」

 

『A』の大盾の前に置かれたリバースカードが開かれる。沢山の手榴弾が輪っかにつけられたそれは…

 

『破壊輪。セキュア・ガードシールドAを破壊して互いにその攻撃力分のダメージを受ける』

 

「何っ!?それではお前も『セキュア・ガードシールドBの効果でワタシは効果ダメージを受けない』…な、なんだと!?」

 

『A』の大盾に大量の手榴弾がくっつき、爆発。そのエネルギーが互いのプレイヤーを襲う。しかし、『B』の盾がロボットを守るように立ちはだかる。

 

「うわあああああ!ぐふ!」

 

生存者の男は吹き飛ばされ壁に激突した。

 

生存者 LP0

 

同時に首もとのチョーカーから「ピッピッ」という音が流れ始める。

 

「あ、あ、あ、まってくれ。おねがいだ。死にたくない。死にたくなああああ『バツゲーム!』…ウウウぁああぁあぁあああ!?」

 

チョーカーがロボットの宣言と同時に絞まり始める。男の首にどんどん食い込んでいく。

 

男の顔は最初は赤くなりその後、茄子のように紫色になっていく。それでもチョーカーは絞まり続ける。

 

バタバタとのたうっていた四肢が少しずつその速度を緩めそのまま止まった。それでもチョーカーは絞まり続ける。

 

あまりに強く絞まるので男の首から血がにじみ始めた。それでもチョーカーは絞まり続ける。

 

そして…

 

バキッ…バキャッ……ブチブチッ!

 

そのまま男の頭部がちぎれる。どくどくとワインのような鮮やかな鮮血が流れ始める。

 

『バツゲーム!』『バツゲーム!』

 

次々と周りのデュエルも終了していく。

 

次々と悲鳴と断末魔が響き渡る。

 

数多の死体が積み重なるなかでまだわずか1()()だけの生存者がいた。

 

若い女性は必死に胸に抱えた白い布を守ろうとしていた。

 

「誰か…!!誰か助けて!!誰か!!」

 

『デュエルディスクを所持していないベースドを発見』

 

ガチャガチャとロボットについているデュエルディスクが変形していく。まるで某映画のようにそれは…

 

血まみれのチェーンソーに変形した。

 

『デュエルディスクを所持していないベースドを発見』

『デュエルディスクを所持していないベースドを発見』

『デュエルディスクを所持していないベースドを発見』

 

ガチャガチャ…ガチャリ!

ガチャガチャ…ガチャリ!

ガチャガチャ…ガチャリ!

 

『デュエルディスクを所持していないベースドを発見』

『デュエルディスクを所持していないベースドを発見』

『デュエルディスクを所持していないベースドを発見』

 

ガチャガチャ…ガチャリ!

ガチャガチャ…ガチャリ!

ガチャガチャ…ガチャリ!

 

「助けて!助けて!誰かぁ!!助けてよぉ!」

 

逃げようとする女性だが進行方向は鉄格子が嵌められている。逃げ場はない。鉄格子は丈夫でガチャガチャとむなしい音が響く。

 

そしてロボットたちは女性のそばへとゆっくり近づいていき、そして。

 

ウイイイイイイイイイイイイン!ギャギョギョギョ!

 

そのまま女性を切り裂いていった。

 

一撃では殺さない。

 

まずは一体目のロボットが右足を切断する。

 

「痛い!やめて!離しああああああああ!?」

 

後ろから来た二体目は左足を切断しにかかる。

 

「ああああ!?ちゃ!ぢゃんだ!でも!お願いします!助け『ギョギャギャギャ!グヂャグヂョグヂャグヂャ!』あああああああ!」

 

助からないと悟ったのだろう。ゆえに彼女はありったけの力を使ってその白いそれを投げた。チェーンソーの間合いの外。鉄格子の外へと。

 

それは狙い通りに鉄格子の外にあったやわらかいゴミの積み重なった部分に落ちた。

 

三体目が彼女の首を切断した。それと同時にビーッという音が地下世界に響き渡る。

 

すべてが終わった。

 

ロボットのうちの一体がその首を掴んで持ち上げる。

 

そしてそれを天へ掲げた。目の前には()()()()()()()()()()がそれを撮影していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『しゅうううううりょおおおおお!今回の『ベースドハント』!キルリーダーはぁ!!リリエット・ローリエェェェェ!!』

 

とあるビルの液晶にその映像は流れていた。そこには切断された女性の首を掲げるロボットの姿とそれを操縦していた女性の顔写真が写っている。

 

ビルの前で()()を見ていた者たちは激しく狂乱していた。

 

喜ぶ者

 

「見るでゴザル!やっぱリリたんが勝ったではないですか!」

 

悔しがる者

 

「アイルの野郎!負けやがって!今月の給料全額かけてたのによお!」

 

楽しむ者

 

「いやあ。めちゃくちゃ楽しかったね」

 

「最後の方で幼児を逃しちゃったのが大きかったなあ。確か幼児は100点だろ?二位があれ逃してなければポイントとれたんじゃないかなあ?」

 

様々な人がいる。

 

映像は続ける。

 

『リリエット選手!キル数156!総得点6754ポイント!積極的に子供を狙ったプレイングが響いてきてますね!』

 

『そうですね。二位のシャザ選手はキル数200を越えてますが成人を狙ったプレイングが仇となりましたね。このゲームの得点配分は成人よりも若年層を狙うのがよかったので。まあ総じて言えばシャザ選手のプレイングの方が…』

 

彼らはノーブル、そしてセミノーブルと呼ばれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお…なんということだ」

 

地下世界。ロボットたちが地下世界から撤収した後の時間。

 

老人は見つけた。己の同胞を。そのすべてが残虐なやり方で肉塊となっているのを。

 

「おのれ…遊びとしてこのようなことまでするのか…」

 

老人はギリリと歯ぎしりをする。そして、死体が着けているデュエルディスクとデッキを回収していく。

 

「お前たちの遺志…必ず成し遂げて見せよう。必ずやノーブルどもに鉄槌を…」

 

ベースドの住む地下世界にはデュエルディスクを売っている場所はない。デッキのカードも外界から流れ着いてくるものだけ。有限だ。

 

故にこうして回収する。そして新たなデュエリストが生まれてくるのだ。

 

一通りの作業を仲間と終え、帰ろうとした老人の足が止まった。赤ん坊の泣き声がしたような気がしたからだ。

 

老人はゆっくりと慎重に奥へと進む。鉄格子の嵌められた場所に着き、気づいた。老人のデュエルディスクが当時に起動。ドローしたカードをそのまま叩きつける。

 

黒い姿をした不気味なモンスターが出現する。モンスターは叫ぶとそのまま鉄格子へ体当たりした。鉄格子が切断される。

 

老人が鉄格子の奥へと進むとそこには白い布にくるまれた赤子がいた。

 

鉄格子のそばにはぐちゃぐちゃにされた女性の死体がある。

 

「可哀想に…生まれたばかりで親を亡くしたのか…」

 

赤子を抱えて、老人は外に出る。その時、キラリと光るものが老人の目を引いた。

 

「…何だ?」

 

それは強く握られたペンダントだった。写真が嵌め込まれており、赤子を抱えた女性が写っている。老人はそれを拾い上げた。赤子は今は泣き疲れたのかぐっすりと眠っていた。

 

「…」

 

老人はそれをそっと赤子に握らせる。

 

「…行くか」




Tips
ノーブル
セントラルの三つの階級の中でトップの階級である。
セントラルの平和に貢献した人々の子孫たちがその中心となっており、セントラルは彼らによって治められている。

セミノーブル
第二階級。普通の人々。一般人。しかし、素晴らしい功績を残せばノーブルになることも夢ではない。

ベースド
最低階級。地下世界を住居にするように強制されている。外に出ることはできるがベースドの者たちは服装などがボロボロのためすぐわかる。人権がない。
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