差しウマ「エンドスコープ」の馬生 作:注釈n
ウマ娘から競馬を始めた人たちまでも「夏競馬行くか……」とか言っててめちゃくちゃびっくりしました。
以下要素の説明など
鶴頸:鶴のようにクビを曲げている状態。気合が入っている証拠なのでこの馬は買い(……のはずなんですが、JRA曰くそうでもないぞとのこと)。
岡田由紀夫:世界の岡部。
太いのと細いの:二期アニメの「どうした急に」のお二人をイメージしていただければ。
「新馬戦は鞍上が肝要だ」
「どうした急に」
雨合羽を着た男二人。片方は太めで、もう片方は細身。
「新馬は過去の戦績がない。つまり俺たちはパドック以外に直接馬を見る機会がない」
太めの男が眼鏡をなおしながら続ける。
「だが、俺たちは騎手なら何十回何百回果ては何千回と見ている」
「いや、お前も競馬はじめたの
細めの方が言ったように、彼らは決して競馬歴が長いわけではなかった。しかし、「ブーム」ではじめた人間が、翌年には夏開催にまで顔を出すようになるのが競馬である。
「…………とにかく、騎手ならまだ少しはわかる」
「まぁそりゃそうだな」
彼らも、
「しかも、だ。騎手は依頼を受けるときに馬を見ているはずなんだ」
「……! つまり、岡田みたいな騎手は新馬戦でも良い馬を選べるってわけか」
岡田由紀夫。日本を代表するトップジョッキーである。
「その通り。俺は逆らわずに岡田から買うぞ」
「……なぁ、それならさ」
「あの久保村って奴は三流騎手なのか?」
エンドスコープの関係者は、口をそろえてこう言う。
「まったく見栄えがしない馬だった」と。
脚はひょろひょろ。上体も華奢で、皮膚も薄い。図体だけは大きいが、体つきが細い典型的な駄馬。
断トツの最下位人気も当然だろう。この雨の中、新馬戦の馬券を買うような男たちである。競馬ファンは皆気づいていた。
だが。
「うおっ、鶴頸か」
「いやいや、いくらやる気があってもあの馬体じゃ――」
「なんや、兄ちゃんも13番に目えつけとんか。絶対買うとけ。したらタクシー帰りや」
「なんだ今のおじさん……」
「競馬ファンにはオカルトじみた買い方をする奴がいるんだ。放っておけ」
そんな馬を買う男も居た。
1991年9月8日(4回中山競馬2日目)
2R 3歳新馬(牝馬限定) 芝1200m
| 番号 | 馬名 | 騎手 |
| 1枠1番 | セントラルドグマ | 津軽 |
| 2枠2番 | ファイブベルーガ | 蛇澤 |
| 3枠3番 | ドリームドア | 江南 |
| 4枠4番 | メロディーポット | 伊那 |
| 4枠5番 | ラフィアンメアリー | 大館 |
| 5枠6番 | ジンデンシャイン | 柴村正 |
| 5枠7番 | クラシッククイン | 岡田 |
| 6枠8番 | エルダ―ショット | 竹内 |
| 6枠9番 | ディライトマイラー | 柴村弘 |
| 7枠10番 | ティーエスベスト | 田茂 |
| 7枠11番 | ポートカミツレ | 柴村義 |
| 8枠12番 | オレンジパッション | 田島 |
| 8枠13番 | エンドスコープ | 久保村 |
天候:雨
馬場状態:不良
おじさん:新馬にしか多分出てこない。
新馬戦なので騎手のほとんどは今後出てこないはず。
出てきそうなあたりで行くと
江南:蛯名正義。
大館:中舘英二。
柴村正之:柴田政人。ダービー取れない方の柴田。
柴村義人:柴田善臣。相談役の方の柴田。
田島広:小島太。永遠の中堅ジョッキー。
これだけじゃ薄味だなぁと思うので、今日もう一話上げます(宣言することで自分を縛ってゆくスタイル)
投稿前追記:書ききれました。18時に上がります。