新世紀エヴァンゲリオン for Children ~全ての子供たちのために~   作:朝陽晴空

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第三村に流れ着いた異世界の17歳になった『碇シンジのそっくりさん』と押しかけ女房『惣流・アスカ・ラングレー』、14年間の空白を抱えた『(仮称)碇シンジ』と精神年齢は大人になってしまった(?)『式波・アスカ・ラングレー』の出会いから始まる物語。

『新世紀エヴァンゲリオン for Children』
https://syosetu.org/novel/260681/
の続編予告的な短編を移転しました。

※本編の続編の内容がこのままになるとは限りません。

引っ越しによる活動停止を前に、この作品を一覧の前方に持って来るために移転しました。


特別短編『僕はもう泣くのを止めた』(本編アフターIFストーリー)

 第三村にあるネルフ第2支部N109棟跡。

 ヴンダーによる最終決戦を間近に控え、二人の少年と、二人の少女が顔を合わせていた。

 四人のうち二人、17歳の碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーはアディショナル・インパクトを起こして異なる並行世界からやって来たのだと言う。

 

「シンジ、やりたい事はもう決まったの?」

「いや、まだ分からない。でも、アスカと一緒に居たい事は確かだよ」

 

 17歳のアスカとシンジはそう言葉を交わした後、お互いに顔を見合わせた。

 

「この二年間、アスカの事を忘れようと努力したけど無理だったよ」

「アタシもそう。だけど、こうして会えたんだからもうその必要はないわ」

 

 アスカとシンジは顔を近づけてキスを交わした。

 

 一回目。アスカがシンジの頬にキスをする。

 

 二回目。お返しとばかりにシンジがアスカの頬に。

 

 三回目。これが本番とお互いの唇を重ねて。

 

 その愛の深さを確かめるかのように三回キスをする二人の姿を、このサードインパクトが起きたこの世界本来の住民である(仮称)碇シンジと式波・アスカ・ラングレーは半ば放心して見つめていた。

 17歳シンジが(仮称)シンジと出会って第三村で暮らすようになってから二年後、惣流・アスカ・ラングレーはフォースインパクトを起こして追いかけてこの世界へとやって来た。

 押しかけ女房のようにやって来た惣流アスカに人気が無くて雰囲気の良い場所は無いかと聞かれた(仮称)シンジはネルフ第2支部N109棟跡に案内したのだった。

 式波・アスカ・ラングレーはパジャマ姿の自分のオリジナルが出現した事が気になるらしく、(仮称)シンジとその様子を見守っていた。時空を超えて再会した二人のキスシーンを羨ましそう……いや、悔しそうに見守っていた。

 

 それからしばらく経ち、時刻は正午になろうとしていた。

 ヴンダーはまだ姿を見せない。

 到着が遅れているようだ。

 第三村のこの場所から、普段見えないはずの『本来の月』が見えていた。

 セカンドインパクト前の冬の季節なら自然と見えたかもしれない。

 黒い月の活性化が引き起こした奇跡の現象なのだろうか。

 

 《真昼の空 月が あなたの目 をさらう》

 

「いよいよ、決戦の時ね。気合い入れて行きなさいよ」

「ハン、アンタに言われるまでも無いわ」

 

 惣流アスカに式波アスカは鼻を鳴らしてそう答えた。

 

 《ずっと待ってた この時……》

 

「もう君は大丈夫だよね」

「うん、僕はもう泣くのを止めた」

 

 17歳シンジに(仮称)シンジは真剣な表情で言い切った。

 

 『自分を救えるのは自分だけ、でも他人の助けは必要だ』

 

 第三村に漂着してから二年間、15歳だったシンジは(仮称)シンジを励まし続けた。

 アヤナミレイや式波・アスカ・ラングレー、第三村の人々。

 彼女たちの支えもあり、泣きじゃくって居た(仮称)シンジは再び立ち上がった。

 

 《もう涙 終わらせる 夜明けに》

 

 とても熱い日差しが第三村に降り注いでいた。

 目の前にいる17歳の自分のように自分もなれるのだろうか。

 

「この世界でも初号機を覚醒させれば、きっとアディショナル・インパクトは起こせるよ」

 

 17歳のシンジは力強く断言した。壊れてしまったこの時と世界を上書きする事が出来るのだと。

 この14年間、ヴンダーの主機として埋め込まれてしまった初号機にその力が秘められている事をミサトさんに伝えて欲しいと(仮称)シンジに頼んだ。

 

「君がこの世界でやりたい事を見つけるのが一番大切だよ。強い願いが無いとアディショナル・インパクトを起こしても世界を変える事が出来ないからね」

 

 17歳のシンジは、自分の想いがどこまで(仮称)シンジに言葉で伝わるか不安だったが、拙い語彙力でも精一杯話すしかなかった。

 (仮称)シンジの心には別の恐怖が渦巻いていた。

 自分がアディショナル・インパクトを起こして創造神となれば17歳シンジと同じように別世界へたった一人で飛ばされる。

 (仮称)シンジは2年以上前に見た夢の事を思い出した。

 ネルフの廊下をアスカと歩いていた。

 突然床が崩れ、自分が落ちていく。

 アスカに向かって手を伸ばすが、その手は届かなかった。

 その時は気味の悪い夢だと思っていたが、この事を暗示していたと確信した。

 

「これで最後になると思うから言っておく。アタシ、アンタの事が好きなんだと思う」

 

 式波アスカから声を掛けられても(仮称)シンジは振り向く事が出来なかった。

 その気持ちに応えても、直ぐに別れの時が来る。

 消える事の無い胸の痛みがさらに増してしまうだけだ。

 

「願えばいいと思うよ。アスカと一緒に居られる世界を」

「そうすれば、アタシたちみたいに2年間離れ離れなんて事にならないかもしれないわね」

 

 17歳シンジと惣流アスカに勇気づけられた(仮称)シンジは、式波アスカに近づいて行く。

 すると、式波アスカは(仮称)シンジの顔を両手でつかんで自分の顔へと引き寄せた。

 

 一回目。アスカはシンジの左頬にキスをする。

 

 二回目。アスカはシンジの右頬にキスをする。

 

 三回目。これが留めとばかりにお互いの唇を重ねて濃厚なキスをした。

 

 息を止めたシンジは必死にアスカの舌の侵入を自分の舌で拒んでいた。

 

「これでアディショナル・インパクトを起こした時も、アタシの事を覚えていられるわよね、バカシンジ」

 

 惚けた顔をしていた(仮称)シンジは、式波アスカに言い寄られて顔を真っ赤にしてうなづいた。

 17歳シンジとアスカはそんな二人の様子を微笑ましく見守っていた。

 

「アンタがどこへ行っても、アタシは追いかけるから、待ってなさい」

 

 そう言うと式波アスカはテーザーガンで(仮称)シンジを気絶させた。

 

 

 

<人工進化研究所 とある所員のレポート>

 

 1999年7月を最後に途絶えていた碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーの消息が判明。

 この情報をもたらしたのは創造神となった碇シンジが跳躍した並行世界からの来訪者だった。

 (仮称)碇シンジと式波・アスカ・ラングレーの話によれば、あの二人はアディショナル・インパクト後の世界で息災に暮らしているはずだと言う。

 再会は叶わなかったが、碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーの幸せな結末を心から祝いたい。

 この世界に来た(仮称)碇シンジと式波・アスカ・ラングレーは加持ミサト氏の家で第壱中学校に通うありふれた中学生として暮らすとの事。

 二人の幸せと成長を見守って行きたい所存でございます。

 

 

 

―――赤木主幹研究員先輩、これでよろしいでしょうか。

 

 

 

DNAシステム研究科 主席研究員 伊吹マヤ

 

 

 

"Neon Genesis Evangelion for Children eX" is Coming Soon.




※『新世紀エヴァンゲリオン for Children』の続編がこの作品そのままの内容になるとは限りません。
設定を使用した独立した短編です。
本編の全編加筆修正の後に続編を制作予定なので、近日公開とはならないかもしれません。ごめんなさい。
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