新世紀エヴァンゲリオン for Children ~全ての子供たちのために~ 作:朝陽晴空
<特務機関ネルフ 作戦部長室>
内部電源が切れた後、再起動すると言う奇跡を起こした初号機は使徒を倒すと動きを止めた。エントリープラグが強制射出され、シンジは駆け付けたネルフの職員の車に乗り、ネルフ本部に戻ると、ミサトからの呼び出しを受け、ミサトの私室へ出頭した。
「シンジ君、あなたは私の命令を無視し、独断で使徒に突撃して取り返しのつかない敗北をするところだった。それは分かっているわよね」
「……はい、すみませんでした」
厳しい表情で話すミサトに、シンジは下を向いて消え入るような声でそう答えた。
「エヴァと心中しようとなんてする考えは止めなさい。みんなにも迷惑を掛ける事になるのよ」
ミサトも本当はシンジにこんな事を言いたくは無かった。しかしシンジの自己否定的な行動を正さなければ致命的な事態を引き起こす。いや、実際になった。再起動の奇跡が起きなければ初号機は使徒にやられていた。
「でも、使徒を倒せたから褒めてくれたって良いじゃないですか!」
そのシンジの言葉を聞いたミサトは怒りを抑えられずにシンジの頬を平手打ちしてしまった。ぶたれたシンジは床へ倒れ込み、怯えた表情でミサトを見上げる。やってしまったとミサトは後悔した。感情に任せて殴るなど、学校でのトウジと同じではないか。
「ごめんなさい、シンジ君……」
ミサトはそう言って倒れたシンジの身体を引っ張り上げて抱き締めた。シンジは声を上げて泣き始める。抑えていた感情があふれ出したのだろう。ミサトはシンジの心が落ち着くまで待った。
「いきなりネルフに連れて来て、無理やりエヴァに乗せたあたしたちも悪かった。これからもエヴァに乗り続けるかどうかは、あなたに任せるわ」
シンジから身体を離したミサトは優しい口調でそう言って、微笑みかけた。ミサトに尋ねられたシンジは直ぐに答えを出せなかった。
「とりあえず今日は家に帰ってゆっくりと休みなさい。あたしは仕事が残っているから」
ミサトに送り出されたシンジは、しばらく作戦部長室のドアの前で立ち尽くしていた。こんな時、誰に相談したら良いのだろうかと、携帯電話の電話帳を開いた。ネルフに来るまで一緒に暮らしていた伯父夫婦、前の学校で所属していたグループ、一度も掛けた事も無い実父ゲンドウ。
シンジは深いため息をついて電話帳を閉じた。僕には電話を掛ける相手も居ない……そう思ったシンジの脳裏に一人の顔が思い浮かんだ。ミサト以外に一人だけ、相談できそうな家族。たった一夜の家族、話を聞いてくれるか不安に思いながらも、シンジは家へと帰るのだった。
<第三新東京市 加持邸>
「……それで僕の所へ来たわけだ」
「うん、ミサトさん以外に相談できる人って、ヨシアキさんしか居ないから」
シンジが家に帰った時、ヨシアキは制服の上にエプロンを着けて家事をこなしていた。片手間に洗濯物のやアイロン掛けをしながらシンジの話を聞くヨシアキの姿に、シンジは感心すら覚えていた。
「エヴァに乗るかどうかはともかく、君自身はどうしたいんだい?」
「分からない……伯父さんの所には戻りたくない。でもミサトさんとも顔を合わせにくいんだ」
柔らかな笑顔のヨシアキに問い掛けられたシンジは、眉間にしわを寄せてそう答えた。
「それならとりあえず、逃げ出してみるかい?」
「えっ?」
ヨシアキから思わぬ提案を受けて、シンジは驚いた。エヴァに乗りたくないとミサトに話したら直ぐにでも伯父夫婦の家に戻されると思っていたからだ。
「君の携帯電話やネルフからの支給品には発信機が仕掛けてあるから、置いて行くんだ」
L.C.L.が染みついた制服からヨシアキが用意した服に着替えたシンジは、数日分の食料が入ったリュックを持って、ヨシアキと共に加持家を出ることになった。するとたちまちサングラスにスーツ姿のネルフの諜報部員が二人を追いかけてくる。
「なんか怖い人たちが追いかけて来るんだけど!」
「彼らはいつも僕達を監視しているのさ、ネルフは機密情報の塊だからね」
ヨシアキはずんずんと山道へと入って行く。
「僕の歩いたルートを通って、この山はトラップが仕掛けてあるからね」
シンジがやっとのことでヨシアキに着いていくと、後ろからは落とし穴やロープにつるされた諜報部員達の悲鳴が上がる。
「大丈夫なのかな」
「怪我くらいはするけど、命に別状はないよ」
その後は水の枯れた古井戸に入ったり、迷路のような森のけもの道を進んだり……。日が暮れた頃にはシンジとヨシアキは山を登った所にある古い小屋にたどり着いた。周囲に人の気配は無く諜報部員は完全に振り切ったようだ。
「この小屋は……?」
シンジは不思議そうな顔でヨシアキに尋ねた。
「僕の秘密基地。この山は僕の庭みたいなものだからね、自慢のトラップもたくさん仕掛けてある。ネルフの諜報部どころか、戦略自衛隊の歩兵師団が押し寄せても持ちこたえられるよ」
少し自慢気な顔でさらりと言うヨシアキに、シンジはただただ感心するだけだった。
「ネルフの人たちから逃げちゃって、大丈夫かな?」
シンジが不安そうにつぶやくと、ヨシアキは心配ないよと安心させるようにシンジに向かって微笑んだ。
「母さんは後でこってりと絞られるだろうね、諜報部の捜査をかく乱した罪で」
ヨシアキは迷彩服の上にエプロンを羽織って手際よく夕食の準備を始めた。
「君がエヴァに乗りたくないと思った理由は他にもあるんだろう?」
夕食の席で、ヨシアキはそう話を切り出した。
「うん、僕は思い通りに初号機を動かせる。それが怖いんだ」
シンジは自分の手を震わせながら、不安そうな顔でつぶやいた。
「だからと言って、君は自分の意志で人に危害を加えようとするのかい?」
ヨシアキは穏やかな笑顔でシンジにそう問い掛けた。
「そんな事はしないと思う、けど……僕が戦う事で誰かが傷ついてしまうかもしれない」
シンジが自分の気持ちを吐き出すのを、ヨシアキは優しい表情で見守っていた。
「人が傷つけば、自分も傷つくからね。でも……」
「でも?」
シンジは不思議そうな顔でヨシアキに尋ねた。
「初号機で使徒を倒すことで、君は多くの人の命を助けた。母さんは学校でその事を君に教えてあげたかったんじゃないかな。どんな力だって、使い方次第だよ。君はこれからも使徒を倒して、たくさんの人を助けて行けるさ」
ヨシアキは明るい笑顔でシンジを元気づけるが、シンジは苦々しい表情で首を横に振る。
「僕の力だけじゃ、使徒なんて倒せないよ」
「母さんやリツコさん、君の父さんやネルフの人たちと力を合わせればできるよ。それにはまず、相手と信頼関係を結ばないといけない」
真剣な眼差しでヨシアキはシンジを見つめ、肩に手を置いて力強く励ました。
「僕にそんな事出来るかな……」
ヨシアキに見つめられたシンジは照れくさそうな顔をしてそうつぶやいた。
「母さんは君に遠慮をしているから言えないけど、君はもっと自分の意思を相手に伝えないといけないね。ウジウジしてるだけじゃ、相手も何をしてほしいのかわからずイライラさせるだけだよ」
「ハッキリ言うんだね。僕はどうせウジウジ男だよ」
シンジは拗ねたような顔で口を尖らせた。すっかり立ち直ったシンジを見てヨシアキは笑顔になった。
夕食が終わり、シンジはヨシアキから言われた言葉を思い返しながら眠りについた。次の日の朝、目を覚ましたシンジは決意をした。自分の意思を相手に伝える。まず、その一歩を始めようと。
「おはよう、ヨシアキ兄さん」
「どうしたんだい、いきなり?」
翌日の朝、笑顔を浮かべたシンジに兄と呼ばれたヨシアキは不思議そうな顔で尋ねた。
「僕に親身になって相談に乗ってくれたから、ヨシアキさんが兄さんのように思えて。そう呼んでもいいよね?」
少し不安が入り混じった目でお願いするシンジに、ヨシアキはクスリと笑った。
「じゃあシンジ、家に帰ったら料理に洗濯、コンバットナイフの使い方の特訓だね」
「ええっ、最後のは勘弁して欲しいなあ」
シンジはくすぐったそうな笑顔でヨシアキにそう答えた。シンジとヨシアキの逃亡劇一夜で終わりを告げた。ヨシアキの隠れアジトから加持邸の近くに来た時には、すでに時刻は正午を回っていた。加持邸を取り囲むように待ち構えていたネルフの諜報部員たちにシンジはキッパリと告げる。
「僕はエヴァンゲリオン初号機パイロット、碇シンジです」
「それは君がエヴァに乗る事を了承したと言う意味と捉えていいんだね?」
シンジが力強くうなずくと、ネルフの諜報部員達は引き揚げて行った。もうシンジはネルフに出頭する必要は無くなった。
「お昼は過ぎてしまったけど、学校に行くかい?」
「うん、僕も早くミサトさんに会いたいよ」
家に帰ったシンジは用意されていた第壱中学校の制服に着替え、学校への通学路へ歩みを進めた。晴れ渡った空には虹が掛かり、シンジは力付けられているように感じるのだった。
<第三新東京市 第壱中学校>
昼休み、職員室に居たミサトはリツコからの電話を受けていた。
「そう、シンジ君が……よかったわ」
電話を終えたミサトは安心した様子でため息を付いた。ミサトはシンジの監督責任を問われて懲罰房に入れられる可能性もあった。実際に下された処分は副司令からの口頭での厳重注意で済んで感謝していた。こうして第壱中学校に教師として居られる事は幸せだった。
「ミサト先生、相談があるんやけど……」
「あら、鈴原君。妹さんの事かしら」
職員室に姿を現したトウジとケンスケにミサトは顔を向けて尋ねた。
「それは関係あらへん事はないですけど……」
トウジはバツが悪そうな顔をして頭をかいて言葉を濁した。
「トウジのやつ、転校生の碇君の事を殴ってしまったんです」
「えっ、そんな事があったの?」
知ってはいるが、ミサトはケンスケの言葉を聞いて驚いた演技をした。
「碇君が先生に言わへんかったんですか?」
「シンジ君からは何も聞いてないわ」
トウジに尋ねられたミサトは、首を横に振って答えた。監視カメラの録画映像で見たとは二人に言えるはずも無い。
「碇君を殴ってしまって、ホンマにすいませんでした!」
トウジは勢い良くミサトに向かって頭を下げて謝った。
「鈴原君、謝りに来たのは良い事だけど、謝る相手が違うわよ。あたしに謝っても、シンジ君やレイには伝わらないでしょう?」
ミサトは優しい笑顔でそう言ってトウジを諭した。
「そうだなトウジ、お前は綾波の事を責めていたも同然だからな」
ケンスケもミサトに同意してトウジに声を掛けた。
「シンジ君なら、お昼過ぎから登校して来るって連絡があったわ」
「ホンマですか!」
ミサトがそう話すとトウジは嬉しそうにパッと顔を輝かせた。
「言い訳をしないで、しっかり自分の気持ちを伝えなさい」
「分かりました、おおきに、ミサト先生!」
トウジは元気な声でミサトにお礼を言うと、勢い良く職員室を出て行った。
「おーい、廊下を走ると先生に怒られるぞー!」
ケンスケもあわててトウジの後を追いかけて行った。
2-Aの教室へ戻ったトウジとケンスケは、一目散に自分の席に座って本を読んでいるレイに近づいた。
「綾波、この前は本当にスマンかった!」
「何?」
声を掛けられたレイは本から目を離しトウジに顔を向けた。
「綾波は自分らを守るために、エヴァに乗っていたんやろ? ワイはそんなお前さんの気持ちも分からずに酷い事を言うてもうた、許したってくれや!」
トウジは両手で拝みながら頭を下げてレイに謝った。レイは無表情のままトウジに答えた。
「別に、いい。命令だもの」
「おおきに、けど謝るだけではワイの気が済まん! 何かさせてくれや!」
「要らない」
レイはそう言うとトウジから興味を失ったかのように再び本を読み始めた。少し拍子抜けしてしまったような表情のトウジにケンスケは声を掛ける。
「綾波にはもう十分謝っただろう。今度は碇が相手だ、しっかりしろよ」
「分かっとる、任せんかい!」
シンジは学校に到着した後、ミサトの居る職員室に顔を出した。
「シンジ君、あの時はきつい事を言ってごめんなさい」
「良いんです、ミサトさんの立場も分かりますから」
なおも昨日の事を謝り続けるミサトに、シンジは笑顔でそう答えた。
「そうだ、お昼休みが終わる前に教室に行きなさい。シンジ君のことを待って居る子がいるわよ」
ミサトに言われた通り、シンジが2-Aの教室に行くと、目の前にトウジが滑り込むような勢いで現れた。
「転校生! この前は殴ったしてホンマに悪かった!」
「ど、どうしたの?」
突然しゃがみ込んで土下座をするトウジに、シンジは面食らった。
「トウジのやつ、妹が怪我をした責任を碇に押し付けたのは、八つ当たりだって分かって反省しているんだよ」
事態が飲み込めないシンジに、ケンスケが説明をした。
「お前さんはあのエヴァに乗って、使徒と戦ったんやろ? ワイは守もうてもらった恩も忘れて、なんてひどいことをしてしまったんやろな……この通り、堪忍してや!」
トウジは拝んだ手を頭の上に掲げ、目をつむってシンジに向かって懇願した。
「うん、あの時の事はもういいよ、許してあげるよ」
シンジがそう言うと、トウジは目を開いて嬉しそうに目を輝かせた。
「ありがとうな、転校生。でも、借りを作ったままじゃワイの気が済まん! 転校生、ワイを殴れ!」
立ち上がったトウジはシンジに訴えかけるようにそう言うと、立てた親指を自分の方へ向ける仕草をした。
「殴るなんて嫌だよ、手が痛いだけだし」
シンジは軽く息をため息をついてそうつぶやいた。
「なあ碇、トウジは借りを気にするタイプなんだ、何とかしてやってくれよ」
ケンスケに言われたシンジは少し考えこむと、名案が浮かんだようにポンと自分の手を軽く叩いた。
「そうだ、じゃあ僕の友達になってよ。この学校に来てからまだ誰とも親しく話せる相手が居ないんだ」
「よっしゃ! じゃあ今日からワイは転校生、いやシンジのダチや」
シンジの言葉を聞いたトウジは興奮した様子で、そう言い放った。
「俺も碇の友達になっても構わないだろ」
「うん、もちろん」
ケンスケに向かってシンジは晴れやかな笑顔うなずいた。
(シンジのダチになれば、一緒に住んでるミサト先生のプライベートものぞける機会もあるやろ。毎日でもミサト先生の家に行こうやないか)
トウジの心の中には邪な思惑も混じっていた。
(碇と親しくなればパパよりも詳しいネルフの機密情報が得られるはず、もしかしてネルフの中に入れたり、エヴァの生写真が取れたりして)
ケンスケの頭の中には打算があった。
トウジとケンスケの裏に隠された顔など知る由もなく、シンジは学校で初めて友人が出来た事を純粋に喜んでいた。
「そうや! シンジもワイの部活を見に来へんか?」
「えっと……カバディ部だっけ?」
トウジに言われたシンジはミサトに学校に連れて来られた時の記憶をたどってそう答えた。
「走る格闘技と言われるぐらい見応えがあるぜ!」
ケンスケも興奮してシンジにまくし立てた。中学校でサバイバルゲーム部が許されるはずがなく、親友のトウジにカバディ部に誘われて入部したところ、夢中になってしまった。ちなみにトウジがカバディ部に入ったのは、男女混合カバディが存在する事から、ムフフなボディコンタクトに期待して入部したら男女別でした……合掌。
トウジとケンスケと教室を出ようとしたところで、シンジはレイが教室に残って学級日誌を書いているのに気が付いた。
「綾波……さん、今日は日直だったっけ?」
シンジが不思議そうな顔で黒板を見ると、日直欄の名前は『洞木・橋本』と書かれていた。委員長であるヒカリの姿は教室に無い。
「橋本は今日欠席だったな」
ケンスケHRの出欠を思い出してつぶやいた。日直は出席番号順で男女がペアになるようにシフトが組まれている。橋本の次の出席番号の男子はとぼけて日直をサボったようだ。
「なんや、委員長のやつまたかいな」
トウジは気に入らないと言った顔でぼやいた。
「委員長は雑用を綾波に押し付けることがあるんだよ」
ケンスケは、ヒカリは自分の都合で日直や学級委員の仕事をレイに任せて学校から帰ってしまう事があると話した。ヒカリの家は三人姉妹で、自分が家事を行っているから、スーパーのタイムセールがある日や家事が忙しいから仕方が無いとヒカリは言っているらしい。
「別に構わないわ、命令だもの」
「命令って……使い走りじゃないか!」
レイの言葉にシンジは面食らってしまった。ネルフの命令は大事な理由があるから従う必要があると思うが、委員長の方は個人的な使役ではないかとシンジは憤慨した。前の学校で、グループの仲間に嫌われないようにパシリになっていた自分と姿が重なったのだ。
「綾波が断らないから委員長も図に乗るんだよ」
「せやせや! ほら、日直の仕事はワイがやるから、さっさと帰れ!」
これもトウジなりの恩の返し方なのだろう。レイは無表情のままトウジに尋ねる。
「こんな時、何て言えば良いのか分からないの……」
「おおきに! でかまわへんで」
「おおきに」
そう言ってレイは教室を出て行った。
「ミサトさんは綾波さんがいじめを受けていると知っているのかな……」
気になったシンジは日直の仕事をするトウジとケンスケに別れを告げて、再び職員室のミサトに会いに行った。
「あたしもレイの事は気になっているんだけどね、何しろレイが洞木さんの命令を拒否しなければ、何とも言えないのよ」
ミサトは一年も前から第壱中学校に通うレイと1-Aのクラスメイトたちの関りを見て来た。ヒカリは学級委員長の責務から孤立していたレイに声を掛けた。ヒカリはレイが頼み事をすると断れない性格だと知ると二年生になってもべったりと依存しているとミサトは話した。
「そんなのおかしいですよ、綾波さんは命令通りに動く人形ですか?」
シンジが怒った顔でミサトに訴えかけると、ミサトは首を横に振る。
「いいえ、レイは人形ではないわ。ただ自分の意思を伝えるのが苦手なだけ。ちょっと前のシンジ君みたいにね」
「耳が痛いです、ミサトさん」
皮肉を言われたシンジはごまかし笑いを浮かべた。
「あたしもね、レイが独りで住んでいるなら自分の家族として引き取りたいって言ったんだけどね、碇司令は許可してくれないのよ」
腕組みをしたミサトは眉間にしわを寄せて厳しい表情で話した。
「どうしてですか?」
シンジが真剣な表情で尋ねても、ミサトは渋い顔で答える。
「あたしにも詳しい理由はよくわからないのよ」
そしてミサトは優しい表情になってシンジに声を掛ける。
「シンジ君、レイの事も気に掛けてあげてね。同じエヴァのパイロットなんだから」
「分かりました、ミサトさん」
シンジは満面の笑みでミサトに答えた。
「それじゃ、帰りましょうか。私達の『家』に」
「はい」
シンジはミサトの運転するルノーに乗って、兄ヨシアキが待つ家へと帰るのだった。
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文章量少なめのハイペースで進めた連載ですが、補完した方が良いでしょうか? 最終話だけ別のアンケート(続編について)になります。
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本文は今の量が読みやすいので外伝形式で
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本文の量が増えても加筆修正が良い
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